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深い森の物語7

リボン    リボン    リボン









《よかったですね、みんな元気になって》

ミーサンは、艶々したみんなの横に腰掛けながら、満足げに言った。

その時、すぐ横を黒い何かが素早く横切った。

ミーサンは横切った物の方を見たが、そこには暗い森があるだけ

だった。

しかし、しいたけ達の目はおびえた色に変わり、上空の一点を凝視して

いる。

再びしいたけ達が見ている上空に目を向けると、そこには 

しいたけこうもり※ が羽ばたきをしながら、見下ろしている

姿があった。




《来ないでー》

《食べないでー》


しいたけ達が必死に叫びだした。

ミーサンは魔法瓶のひもをしっかりと持つと、ぶんぶんとこうもりの方に

振り回して見せた。


こうもりはたじろぎ、その場を離れたが、すぐにこちらに戻ってきた。

そして、ミーサンがこれまでに聞いたことのない音を発したのだった。

反射的に両耳を塞いだが、空気が細かく震えているのが見える。

一瞬だったが、頭の奥に土足でねじりこむような、砂嵐のような音

だった。

《頭がおかしくなってしまいそう》

震える空気の中で、ミーサンはうずくまってあえぎながら、しいたけたち

を見た。



※しいたけこうもり  しいたけを好んで食べるこうもりのこと。



つづく











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