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2017年11月21日
【DVD映画ソフトレビュー】インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク(聖櫃) / Indiana Jones and the Raiders of the Lost Ark(動画付)
【DVD映画ソフトレビュー】 インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク(聖櫃) Indiana Jones and the Raiders of the Lost Ark 【アドベンチャーズ・オブ・インディ・ジョーンズ コンプリートDVDより】 posted with カエレバ |
TM & 1981, 2013 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. Used Under Authorization.
オフィシャルサイト
(Lucasfilm)(英語)
予告編
(Paramount)
ソフト情報
■リリース:
発売:パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
※2016年1月1日付でNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社に統合
時間:115 min
レーティング:G(日本) / PG(米国)
制作年:1981年
発売日:2003年11月7日
■映像:
コーデック: MPEG-2
解像度: 480i
アスペクト: 2.35:1(スコープサイズ)
■オーディオ:
英語:Dolby Digital 5.1ch
日本語:Dolby Digital 2.0ch
英語:Dolby Digital 2.0ch(音声解説)
■字幕:
日本語、英語
■ディスク:4枚組
DVD Disc
片面2層 (2 DVD-8.5GB)
■リージョン:
Region 2
■最大ビットレート(おおよそ)(MPEG-2上限:10.08Mbps):
9.2Mbps
■平均ビットレート(おおよそ):
8Mbps
■撮影カメラ:
Panavision Cameras
■映画映像マスタ:
素材:35mm(フィルム)
上映マスタ:35mm(フィルム)
■映画映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
Metrocolor(オリジナル・マスタプリント)
Post Logic Studios (デジタル・フィルム・マスタリング)
Lowry Digital Images(デジタル・フィルム・レストア)(2003年DVD)
■映画音響:
オリジナル:70 mm 6-Track (70 mm prints)、Dolby Stereo (35 mm prints)
IMAX:Dolby Digital (IMAX version)、IMAX 6-Track (IMAX version)、Dolby Atmos (IMAX version)、Datasat (IMAX version)、SDDS (IMAX version)
■映画音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
Skywalker Sound(オリジナル・サウンド・ポスト・プロダクション)
Dolby Laboratories (サウンド・ポスト・プロダクション)
THX Ltd.(デジタル・マスタリング)(1999年 VHS, 2003年 & 2007年 DVD, 2012年 Blu-ray)
■制作背景
・制作予算:約18億円 /100円換算
・世界興行収入:390億円 /100円換算
・撮影:アメリカ(ハワイ、カリフォルニア、アリゾナ)、チュニジア、フランス、イングランド
■賞:
1982年アカデミー賞4部門受賞。
他にも53の賞にノミネート、30の賞を受賞しています。
キャスト情報
■監督:
スティーヴン・スピルバーグ / Steven Spielberge
■出演者:
ハリソン・フォード / Harrison Ford
カレン・アレン / Karen Allen
ポール・フリーマン / Paul Freeman
公式予告編
(Paramount Pictures UK)
映像クオリティ・レビュー総評
【画質】
暗い画面と青い色調
■DVD映像マスタ
メトロ・ゴールドウィン・メイヤー社のメトロカラー仕上げによるフィルム撮影。
今はほとんど見かけることはありませんが、当時は使われていたメトロカラーによる濃厚でこってりしたアメリカンな仕上げの映像が特徴です。
DeLuxe社をさらに濃厚にした色が特徴です。
本DVDはそれをひどく強くした感じで、油絵風にべったり厚塗りです。
本DVD用に、Lowry Digital Images社によって新たにフィルムからのリマスタ(テレシネ)とリストア(フィルム修復)が行われています。
しかしながら、DVD時代の関係か、映像は暗く、またパラマウント社特有の青色が強い色調です。
ハイライトは飛んで、暗部はべったりとつぶれているのもパラマウント社のDVD共通の特徴です。
ネパールの酒場シーンの途中まで、フィルムの状態は不安定です。
ピンボケのシーンや暗いシーンも最後までたくさんあります。
なお、最初のメディアはDVDのみリリースでした。
その後、Blu-rayはそれから10年後にリリースされています。
なお本DVDとBlu-rayは、マスタの出来が全く違い、Blu-rayは優秀ですがDVDは発売当時として並程度の画質です。
本作のマスタですが、LDに比べるとテープノイズや白い粒状性のノイズなどがほとんどなくなっています。
一方でフィルム修復をしたわりには、画面が暗く、2,3倍は輝度を上げたくなります。
青空ですが、早朝の暗い感じです。
■映像総評
本作は、フィルムのリストアを行ったDVD用の新マスタによるリリースです。
一方で、フィルムの修復は出来てLDよりアナログなノイズ感は減りましたが、それでもビデオテープ風のクオリティです。
冒頭は不安定で、色が赤茶けて変色していたり、フィルムの劣化が見えたりします。
転送レートは高めですが、マスタが良くない状態です。
シリーズのファンでDVDを所有してない方でこれから買うなら、お勧めはBlu-rayになります。
解像感
DVDの解像感で、地デジレベルには到達していません。
全身が写っているシーンでは、表情は判り難いレベルです。
太めの輪郭強調があり、劇画タッチです。
ただし、疑似輪郭のような悪い輪郭や表現ではありません。
1K以上の解像度クオリティは保っています。
字幕はDVD解像度ではギザギザなので気になります。
ノイズ感
アナログノイズであるフィルムのほこりや、白いヒスノイズのようなものはなくなりクリアです。
フィルムグレインは普通でシネマルックになる良い意味での粒状性があります。
またデジタル特有のブロックノイズは感じられません。
暗部ノイズは、擬似色(赤とか)はないかわりに、フィルムの粒状性がちょっと目立ちます。
鮮度感
空気感や透明感は、スモークがかっていて、煙幕が掛かっているように見えます。
フィルムが安定する中盤以降でも、色がべったりとしていてまた鮮明ではないため、古臭い感じです。
コントラストは高いシーンが多く、鮮度感を高める効果にはなっています。
階調性
画面が暗く、スモークがかっている映像の関係で、浅い表現です。
不自然さはないので、暗くて見えにくいことが階調性を損ねています。
カラー
メトロカラー社による濃厚な色は、さらにべったりとしています。
またシーンによって、かなり色が浅くなり、黒浮きの原因にも繋がっています。
また、顔色がべったりと赤茶だったり、クッキリとピンクだったりと、フィルムが不安定な冒頭から40分前後まではかなりブレがあります。
中盤以降は、色温度が高いだけではなく、パラマウント社特有の青色が張り付きます。
音声クオリティ・レビュー総評
【音質】
THXリマスタのサラウンド音声
■DVD音響マスタ
上映マスタは、70 mm 6-Trackとかなり凝っています。
1981年というマルチチャンネルがなかった時代に6ch分の音声を制作したということがすごいです。
しかし、当時の劇場ではそれを再生できる環境はほとんどなく、フロント3chをメインに、サラウンドには必要最低限の音を入れた上映用ミックスを作ったそうです。
本DVDのTHXデジタルリマスタでもマルチチャンネルですが、あまり効果的には感じませんでした。
上映用のマスタを使用していたのかもしれませんね。
前回のDVDでのTHXデジタル・リマスタは、Dolby Sorround2.0chだったLDに比べたら、5.1chになっただけでも高品位になりました。
初回版DVDは、このDVDの前から5.1chとしてリリースされていますので、初回盤DVDに比べたらあまり差はありません。
ルーカスフィルムは、自社の作品が新しいメディアリリースする際には、必ずリマスタやリストアをします。
その結果がその時の一番と言うわけではありませんが、それでも凝っていることは確かです。
オープニングのTHXデモが流れると、デモ音が強烈なので、プラシーボ効果を引き出すような感じがします。
スターウォーズシリーズもTHXデモが流れますが、その時点で期待感が高まってしまいますね。
でも実際の音はそこまでではないことが多いです。
(並の音質よりは良いのですが・・・)
【THX】とは:
そもそもTHXは、ジョージ・ルーカスのILM社(インダストリアル・ライト・アンド・マジック)が開発した劇場用と家庭用の映画再生環境の認証規格のようなものです。
THX認証劇場というような話です。
劇場のルームチューニングの基準を設けて、それをクリアしているかどうかを測る尺度ですね。
対象は、音声だけではなく、映像も含まれます。
以下、メディアに収録されたTHXのお話しに絞ります。
メディア収録のTHXとは、THXの規格に沿った音声収録を行うというものですので、THXというサラウンド方式というわけではありません。
メディアのTHXは、映像面では「制作者が制作したビデオマスターと市販されるビデオやDVDに差がないかどうかをチェック」したりします。
音声面では、「スクリーンを通過する際に減退する高域周波数を強調したシアター仕様のイコライジングを補正し直し、家庭用のAVシステム用にフラットに調整する」「ダイナミックレンジの制限を撤廃」などのチェックポイントがあります。
管理人的にはDVD以降にそれがメディアのクオリティには結果として表れていないように感じています。
これだと、マスターがダメでも、メディアとの差がなければ、認証されてしまいますね・・・。
本DVDでのTHXの音声というと並のクオリティで標準レベルは保たれているという印象です。
高域がまず少ないので、詰まった感じの音になっているケースが多いです。
またTHX映像では、音声以上に管理人の印象は悪く、並以下の映像の作品もたくさんあって、THX認証がすごいとは思ったことはあまりありません。
本インディー・ジョーンズのシリーズでは、LDやDVD時代から並程度のクオリティです。
なおスターウォーズのエピソード1は、THXのLDが最初のメディアリリースでしたが、映像はブロックノイズだらけでがっかりでした。
音声はDolbyDigitalのEXで、2017年時点で考えてもダイナミックレンジは超広大で強烈に良い音でしたが・・・。
(なお、LDは同じ作品でもDVDより優秀な音声が結構あります。)
そういうわけで、THXというと、「LDの音声は極上」、「DVDの音声はサラウンド感がある」、「Blu-rayの音声は対象が少なくて良く分からない」という感想です。
THXの映像では、「LDの映像は結構キレイ」、「DVDの映像は並以下で暗い」、「Blu-rayの映像は対象が少なくて良く分からない」という感想です。
規格や基準にこだわっても、結果的に良くなるわけではないということですね。
LD時代のTHXは高品位ソフトが多かったので、大好きでした・・・。
DVDのTHXで、「あれ???」ってことが多くなりました・・・。
本DVDも期待をして視聴しましたが、THXらしい高音質とは感じませんでした。
現在のTHXは、LD時代にダイナミックレンジの制限がないことから、米国でうるさすぎると非難を浴びてから、推奨サラウンドスピーカーが、ダイポール型※に転換しています。
そのため、音のキレや芯よりも雰囲気や包囲感を重視したサウンドを目指しています。
※注釈:ダイポール型:前と後ろ、左右など2つの方向に同じ音を出す双指向性スピーカー(1つのスピーカーに2つの対称ユニットがある)のことです。
このダイポールスピーカーは、耳に直接音を届けるのではなく、間接的に届けることをイメージしています。
オーディオの世界では、スピーカーが鳴っているのが嫌いな方が多いことも影響していると思います。
特に2chのフロントスピーカーは、2つのスピーカーで音をセンター定位させる立体音響の基本ですので、スピーカー単独で鳴っているように聴こえることは好ましくありません。
この発想から、サラウンドも2対1組であることから、定位を考えるとスピーカー単独で鳴ることはやはり好ましくないと言えます。
この2対1組のサラウンドは、基本的にリスニングポイントにぴったり定位するようにセッティングすることは重要です。
一方、映画サラウンドは、定位をあまり意識していないサウンドデザインも多いことを忘れてはいけないと思います。
基礎定位のセッティングの上で、左右非対称の音がデザインされているサラウンドサウンドは、スピーカー単独でもきっちり鳴らしてあげる必要があると管理人は考えています。
そのようなスピーカー単独で鳴るべき時にはくっきりと鳴って欲しいものです。
LD時代は、はっきりクッキリ、キレキレの超高音圧でしたが、米国で批判が多かったようで、マイルドな方向に転換してしまいました。
残念です。
本DVDもLD時代とは違い、マイルドな音です。
同時期にリリースされたDVDのサラウンドと同等です。
■音響総評
映画上映時には、かなり凝った音声フォーマットを使用していたので、基本的には音の良い映画です。
ビデオテープやLD時代は、アナログ2chかDDサラウンドでそのオリジナルの良さは出ていませんでした。
本DVDはTHXリマスターとなっていますが、まあ普通のクオリティです。
高品位というレベルではありません。
初回盤DVD(THXなし)とあまり変化は感じません。
(迫力は本DVDのほうが上です)
ダイナミックレンジ(音域バランス)
ダイナミックレンジはDVDとしては普通です。
ちなみに、日本語吹き替え2.0chは、TV向けで、AVアンプで聴いてもTVで聴いても変わりません。
ビデオテープのような音です。
瞬発力・量感(キレと強さ)
大きな特徴はなく、迫力指向で迫ってきますが、低域は軽いため、量感は不足気味です。
高域はありますが、マイルドで線は細めの音です。
情報量(台詞、SE音、音楽)
台詞:
台詞はふつうですが、ノイズ感を伴います。
発音が聴き取り難いシーンもあります。
ちょっと古めの音声だと感じます。
SE音:
ルーカスフィルムのこだわりで、元から結構作り込んでいます。
ただし、マスタが今一つなのか、情報量は多くは感じません。
音楽:
金管楽器の効いたジョン・ウィリアムズのサントラが、中域の厚い音で鳴ります。
古臭い感じはなく、レンジ感広めに鳴ります。
サウンドデザイン(音像感と音場感含む)
オリジナルの6トラック音声を使っていないため、並のDVD音声です。
リマスタで音の鮮度や情報量は、初回盤DVDより若干向上していますが、差は少ないです。
銃声や爆発音などはマイルドで大味ですが、迫力指向です。
情報量は少なく、これはオリジナルの情報量を引き出していない上映用マスタからのリマスタだからと思われます。
サラウンド(移動感含む)
サラウンドあまり活躍しません。
無音に近いシーンも多くあります。
サウンドトラックと飛行機などの音がちりばめられています。
要所での爆発音などは包囲感を伴い、サラウンドが活躍します。
クオリティ・レビュー詳細
(DVDお勧めレベルは75点以上)
(1〜85点)
(DVDお勧めレベルは60点以上)
(1〜70点)
DVD映像の満点は【HD画質】(地デジ平均):70点を超えない基準
解像感 :69点
(1〜73点)
ノイズ感 :58点
(1〜65点)
鮮度感 :52点
(1〜75点)
階調性 :54点
(1〜73点)
カラー :38点
(1〜68点)
(DVDお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
ダイナミックレンジ :62点
(音域バランス)
瞬発力・量感 :53点
(キレと強さ)
情報量 :55点
(台詞、SE音、音楽)
サウンドデザイン :52点
(オリジナルとメディア化)
サラウンド :60点
(移動感含む)
レビュー基準についてはこちら
商品ソフト紹介
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