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2017年06月25日
米国景気指標「CB消費者信頼感指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年6月27日23:00発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月27日23:00に米国景気指標「CB消費者信頼感指数」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
同時刻にリッチモンド連銀製造業指数が発表されます。がしかし、その影響は本指標に及ばず、無視しても差し支えありません。
むしろ、この日は16:30からSF連銀総裁の講演がシドニーで、翌0:00からPhil連銀総裁の講演と、02:00からFRB議長の講演がロンドンで予定されています。今後の金融政策についてや景気先行きに関する発言があったり、あると見込まれると、USDの動きはそちらに引きずられてしまいます。特に、SF総裁は利上げと早期BS縮小の引締派です。
本指標は後述するようにあまり反応が大きくありません。大きな動きがあるときは数秒で指標発表の影響がなくなることがあります。
本指標要点を以下図表に纏めておきます。
結論は次の通りです。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
CBはConference Board(全米産業審議委員会)の略で、消費者信頼感指数というのは消費者のセンチメント(消費マインド)を指数化した景気指標です。基準は1985年を100とし、毎月5000世帯対象のアンケート調査結果を集計しています。
調査は、(1) 現在の景況感・雇用状況、(2) 6か月先の景況感・雇用・所得、(3) 6か月以内の購入計画(自動車・住宅など)について行われます、これら3項目について「楽観している」か「悲観している」かを指数化しています。
項目は、現状の経済と雇用に関する2項目の平均が「現状指数」で、経済・雇用・所得の先行きに関する3項目の平均(季節調整実施)が「期待指数」です。そして、これら5項目の平均値が消費者信頼感指数です。
この内容はUM(ミシガン大学)消費者信頼感指数と同じです。よって、調査数の差(UMは確報値で500名)こそあれ、原理的にはUMがCBの先行指標と言えるでしょう。がしかし、後述するように、少なくとも直近のデータを見る限り両者に相関はありません。
本指標の意義は、PCE(個人消費)との相関が強いという点です。PCEはGDPや株価との相関が強いと言われています。今後、それらの相関有無もきちんと調べていきましょう。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの29回分のデータに基づいています。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
グラフを一見すると、「市場予想後追い型」に見えなくもありません。確認しておきましょう。
調査期間において発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことは29回中17回(58%)です。入れ替わらずに上抜けっぱなし・下抜けっぱなしだったこと(2か月以上連続で上抜け・下抜け)は42%しかなかった計算になります。
直近の1年間の傾向だけを見てみましょう。発表結果と市場予想の大小関係が12回中5回(42%)入れ替わっています。グラフの見た目から受ける印象ほど、安心して指標結果を決め打ちはできませんね。
本指標は現在、「市場予想後追い型」とは言えません。
また、UM消費者信頼感指数は、本指標の先行指標だと言われています。何しろ前述の通り、両指標は調査方法も統計内容も調査時期も同じなのです。これも確かめておきましょう。
比較対象は、CB発表に先立つUM速報値です。そして先行性の有無は、実態差異(発表結果ー前回結果)で判断すべきです。
比較の結果、両指標の実態差異の方向一致率は45%しかありません。両指標は調査方法と統計目的がほぼ同じにも関わらず、前回結果より今回結果が改善しているかいないかすら一致していません。
よって、UM速報値はCBの先行指標とは言えません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
調査期間における米景気の良さを反映しているのか、直後1分足・直後11分足には陽線が目立ちます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は68%です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各63%・47%です。
つまり、本指標は短時間の追撃も注意深く行う必要があり、長時間(数分間に亘る追撃)には全く適していません。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
直後1分足は陽線率が75%となっています。
そして、反応性分析に挙げた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、あるローソク足と他のローソク足との方向一致率が30%以下もしくは70%以上になっていません。つまり、本指標発表前後のローソク足の方向は、取引参加者が後の動きを予見できている訳ではないようです。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
事前差異と直前1分足との方向一致率が24%(不一致率76%)となっています。本項記載時点の事前差異はマイナスですから、今回は直前1分足を陽線と見込めます。
そして、事後差異・実態差異と直後1分足との方向一致率は75%を超えています。本指標は発表結果の良し悪しに素直に反応する傾向があります。
以上の調査・分析結果は、巻頭箇条書きに整理しておきました。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年6月28日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回結果・市場予想を上回る改善となり、反応は陽線でした。
内訳は、現況指数が146.3に上昇し、この数値は2001年7月以来の高水準だそうです。一方、期待指数は100.6となり、2017年月以来の低水準になったそうです。
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は同値でしたが、スプレッド分以上の損切となりました。タイミングが最悪だったようです。
事前調査分析内容を検証しておきます。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月27日23:00に米国景気指標「CB消費者信頼感指数」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
同時刻にリッチモンド連銀製造業指数が発表されます。がしかし、その影響は本指標に及ばず、無視しても差し支えありません。
むしろ、この日は16:30からSF連銀総裁の講演がシドニーで、翌0:00からPhil連銀総裁の講演と、02:00からFRB議長の講演がロンドンで予定されています。今後の金融政策についてや景気先行きに関する発言があったり、あると見込まれると、USDの動きはそちらに引きずられてしまいます。特に、SF総裁は利上げと早期BS縮小の引締派です。
本指標は後述するようにあまり反応が大きくありません。大きな動きがあるときは数秒で指標発表の影響がなくなることがあります。
本指標要点を以下図表に纏めておきます。
結論は次の通りです。
- 反応が小さな指標です。但し、発表結果の良し悪しに素直に反応します。
最も発表結果の良し悪しが反応に現れやすい直後1分足跳幅の過去平均は9pipsで、55%の過去事例では9pips以下しか反応していません。欲張ってはいけない指標です。 - 過去の発表結果と市場予想をプロットしたグラフを一見すると「市場予想後追い型」に見えます。がしかし、グラフの傾きに騙されてはいけません。本指標は、発表結果が市場予想を上抜けっぱなし・下抜けっぱなしになる確率があまり高くありません。
現在、本指標は「市場予想後追い型」ではありません。 - 同じ調査目的・内容・時期のUM消費者信頼感指数速報値は、本指標の先行指標であってもおかしくありません。がしかし、少なくとも直近の傾向に関する限り、UM速報値と本指標とは、指標予想値・結果値・反応方向のいずれも一致する点が見受けられません。
- 次のシナリオを用意して取引に臨みます。
(1) 直前1分足は陽線と見込みます。
直前1分足の事前差異との方向一致率は24%(不一致率76%)です。本項記載時点の事前差異はマイナスとなっているので、このままならば直前1分足を陽線と見込めます。
この結論は、直前1分足の過去陰線率は64%となっていることと矛盾しています。事前差異との方向不一致率が高いことを結論に採用した理由は、因果関係がある結論の方が信頼できるためです。
(2) 直後1分足は陽線が75%と高くなっています。そして、他に直後1分足の方向を示唆もしくは否定する過去の傾向はありません。
(3) 指標発表後の追撃には向かない指標です。
上の「反応性分析」の下図の終値の方向分布だけでなく、直後1分足と直後11分足とが方向一致したときでも、後者跳値が前者跳値を超えたことは63%となっています。指標発表後の追撃は勝率が低いと見込みます。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
CBはConference Board(全米産業審議委員会)の略で、消費者信頼感指数というのは消費者のセンチメント(消費マインド)を指数化した景気指標です。基準は1985年を100とし、毎月5000世帯対象のアンケート調査結果を集計しています。
調査は、(1) 現在の景況感・雇用状況、(2) 6か月先の景況感・雇用・所得、(3) 6か月以内の購入計画(自動車・住宅など)について行われます、これら3項目について「楽観している」か「悲観している」かを指数化しています。
項目は、現状の経済と雇用に関する2項目の平均が「現状指数」で、経済・雇用・所得の先行きに関する3項目の平均(季節調整実施)が「期待指数」です。そして、これら5項目の平均値が消費者信頼感指数です。
この内容はUM(ミシガン大学)消費者信頼感指数と同じです。よって、調査数の差(UMは確報値で500名)こそあれ、原理的にはUMがCBの先行指標と言えるでしょう。がしかし、後述するように、少なくとも直近のデータを見る限り両者に相関はありません。
本指標の意義は、PCE(個人消費)との相関が強いという点です。PCEはGDPや株価との相関が強いと言われています。今後、それらの相関有無もきちんと調べていきましょう。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの29回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
グラフを一見すると、「市場予想後追い型」に見えなくもありません。確認しておきましょう。
調査期間において発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことは29回中17回(58%)です。入れ替わらずに上抜けっぱなし・下抜けっぱなしだったこと(2か月以上連続で上抜け・下抜け)は42%しかなかった計算になります。
直近の1年間の傾向だけを見てみましょう。発表結果と市場予想の大小関係が12回中5回(42%)入れ替わっています。グラフの見た目から受ける印象ほど、安心して指標結果を決め打ちはできませんね。
本指標は現在、「市場予想後追い型」とは言えません。
また、UM消費者信頼感指数は、本指標の先行指標だと言われています。何しろ前述の通り、両指標は調査方法も統計内容も調査時期も同じなのです。これも確かめておきましょう。
比較対象は、CB発表に先立つUM速報値です。そして先行性の有無は、実態差異(発表結果ー前回結果)で判断すべきです。
比較の結果、両指標の実態差異の方向一致率は45%しかありません。両指標は調査方法と統計目的がほぼ同じにも関わらず、前回結果より今回結果が改善しているかいないかすら一致していません。
よって、UM速報値はCBの先行指標とは言えません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
調査期間における米景気の良さを反映しているのか、直後1分足・直後11分足には陽線が目立ちます。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は68%です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各63%・47%です。
つまり、本指標は短時間の追撃も注意深く行う必要があり、長時間(数分間に亘る追撃)には全く適していません。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
直後1分足は陽線率が75%となっています。
そして、反応性分析に挙げた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、あるローソク足と他のローソク足との方向一致率が30%以下もしくは70%以上になっていません。つまり、本指標発表前後のローソク足の方向は、取引参加者が後の動きを予見できている訳ではないようです。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
事前差異と直前1分足との方向一致率が24%(不一致率76%)となっています。本項記載時点の事前差異はマイナスですから、今回は直前1分足を陽線と見込めます。
そして、事後差異・実態差異と直後1分足との方向一致率は75%を超えています。本指標は発表結果の良し悪しに素直に反応する傾向があります。
以上の調査・分析結果は、巻頭箇条書きに整理しておきました。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年6月27日23:00発表
以下は2017年6月28日に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回結果・市場予想を上回る改善となり、反応は陽線でした。
内訳は、現況指数が146.3に上昇し、この数値は2001年7月以来の高水準だそうです。一方、期待指数は100.6となり、2017年月以来の低水準になったそうです。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は同値でしたが、スプレッド分以上の損切となりました。タイミングが最悪だったようです。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を検証しておきます。
- 反応は過去平均とほぼ同じで、指標結果に対し素直に反応しました。
- 同じ調査目的・内容・時期のUM消費者信頼感指数速報値は、本指標の先行指標とは言えません。今回もUMが結果悪化でCBが結果改善と、逆の結果となりました。
- 指標発表後の追撃には向かない指標、と捉えていました。今回も反応を伸ばすことは出来ませんでした。ただ、跳幅は直後1分足より直後11分足の方が値を伸ばしていました。
(6-2. シナリオ検証)
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
米国実態指標「耐久財受注」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年6月26日21:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月26日21:30に米国実態指標「耐久財受注」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標要点を下表に整理しておきました。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
本指標は、製造業の耐久財受注状況を表しています。指標名は「受注」となっているものの、発表内容は「出荷」「在庫」「新規受注」「受注残高」です。
ちなみに、耐久財とは3年以上の使用に耐える消費財を指し、代表例として自動車・航空機・家電・家具等があります。
この指標とは別に「製造業新規受注」が発表されており、それが翌々月月初発表に対し「耐久財受注」は毎月下旬に前月分速報値が発表されます。そのため、本指標は設備投資分野における先行指標に位置づけられます。
「耐久財受注前月比」と「うち、輸送機器を除く前月比」とは、下表の通り、個別項目だけで反応方向と70%以上もしくは30%以下にはなりません。両項目の結果が等しく影響されて反応方向が決定されているようです。
つまり、少なくとも調査期間において輸送機器を除いたコア数値が重視されている訳ではありません。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
本指標は設備投資分野の先行指標と言われています。その設備投資は、同じ実態指標の鉱工業生産と設備稼働率と関係があるはずです。
もし両指標の間に相関があるなら、実態差異(発表結果ー前回結果)に現れるはずです。確認したところ、両指標の実態差異の方向一致率は73%となっていました。これらの指標の結果増減には関係がありそうです。
とは言え残念なことに、これら指標発表前後の反応方向には関係ないようです。直前1分足のみ、方向一致率が70%となっていますが、これはほとんどの指標で直前1分足の陰線率が高いためで、これら指標に関係があるためではありません。
この結果は、生産高や設備稼働状況がすぐに耐久財受注に影響する、ということを言っているつもりはありません。でも設備投資が好調なときは暫くその傾向が続きがちなので(法人は年度予算で動くことが多いので)、設備投資が増加ないしは減少基調が続くとき、耐久財受注は同月を見ていても傾向が現れる可能性がある、ということです。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
直前1分足は陰線率が高いものの、その陰線は下ヒゲがないことが多いようです。このことは、指標発表直前に陰線を伸ばすことが多い、ということです。
直後1分足と直後11分足は、陽線が何か月か続いたり陰線が続いたりしています。このことは、本指標の結果よりもUSDJPYの大きなトレンドの影響が現れやすい可能性があります(本指標が発表されようがされまいが関係ない)。
反応が小さい指標では、こういう傾向が良く見受けられます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は73%です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各63%・68%です。
つまり、本指標は指標発表後に反応方向が反転する恐れが少ないものの、反応が伸び続けることをアテにするには少し心もとない確率です。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
直前1分足は陰線率が96%となっています。がしかし、過去平均の跳幅が4pipsしかありません。欲張らないことです。
そして、反応性分析に挙げた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、あるローソク足と他のローソク足との方向一致率が30%以下もしくは70%以上になっていません。つまり、本指標発表前後のローソク足の方向は、取引参加者が後の動きを予見できている訳ではないようです。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
事後差異と直後1分足跳幅の方向一致率が46%しかないにも関わらず、直後1分足終値との方向一致率は69%となっています。これは発表直後に瞬間的に逆ヒゲを残しがちということです。
以上の調査・分析結果を整理しておきます。
以上の結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年6月27日0時頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は市場予想を下回り、反応は陰線でした。
取引できませんでした。次の記事を書いていてうっかり時間が過ぎてました。
事前調査・分析内容を、以下に検証します
全体として、指標結果の分析は当たっているものの、反応については外しました。
取引できなかったものの、事前準備シナリオを検証しておきます。
分析では、反応を外していたにも関わらず、取引していたら少し勝てたかも知れません。まぁそんなことはよくあることです。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月26日21:30に米国実態指標「耐久財受注」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標要点を下表に整理しておきました。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
【1. 指標概要】
本指標は、製造業の耐久財受注状況を表しています。指標名は「受注」となっているものの、発表内容は「出荷」「在庫」「新規受注」「受注残高」です。
ちなみに、耐久財とは3年以上の使用に耐える消費財を指し、代表例として自動車・航空機・家電・家具等があります。
この指標とは別に「製造業新規受注」が発表されており、それが翌々月月初発表に対し「耐久財受注」は毎月下旬に前月分速報値が発表されます。そのため、本指標は設備投資分野における先行指標に位置づけられます。
「耐久財受注前月比」と「うち、輸送機器を除く前月比」とは、下表の通り、個別項目だけで反応方向と70%以上もしくは30%以下にはなりません。両項目の結果が等しく影響されて反応方向が決定されているようです。
つまり、少なくとも調査期間において輸送機器を除いたコア数値が重視されている訳ではありません。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
本指標は設備投資分野の先行指標と言われています。その設備投資は、同じ実態指標の鉱工業生産と設備稼働率と関係があるはずです。
もし両指標の間に相関があるなら、実態差異(発表結果ー前回結果)に現れるはずです。確認したところ、両指標の実態差異の方向一致率は73%となっていました。これらの指標の結果増減には関係がありそうです。
とは言え残念なことに、これら指標発表前後の反応方向には関係ないようです。直前1分足のみ、方向一致率が70%となっていますが、これはほとんどの指標で直前1分足の陰線率が高いためで、これら指標に関係があるためではありません。
この結果は、生産高や設備稼働状況がすぐに耐久財受注に影響する、ということを言っているつもりはありません。でも設備投資が好調なときは暫くその傾向が続きがちなので(法人は年度予算で動くことが多いので)、設備投資が増加ないしは減少基調が続くとき、耐久財受注は同月を見ていても傾向が現れる可能性がある、ということです。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
直前1分足は陰線率が高いものの、その陰線は下ヒゲがないことが多いようです。このことは、指標発表直前に陰線を伸ばすことが多い、ということです。
直後1分足と直後11分足は、陽線が何か月か続いたり陰線が続いたりしています。このことは、本指標の結果よりもUSDJPYの大きなトレンドの影響が現れやすい可能性があります(本指標が発表されようがされまいが関係ない)。
反応が小さい指標では、こういう傾向が良く見受けられます。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は73%です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各63%・68%です。
つまり、本指標は指標発表後に反応方向が反転する恐れが少ないものの、反応が伸び続けることをアテにするには少し心もとない確率です。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
直前1分足は陰線率が96%となっています。がしかし、過去平均の跳幅が4pipsしかありません。欲張らないことです。
そして、反応性分析に挙げた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、あるローソク足と他のローソク足との方向一致率が30%以下もしくは70%以上になっていません。つまり、本指標発表前後のローソク足の方向は、取引参加者が後の動きを予見できている訳ではないようです。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
事後差異と直後1分足跳幅の方向一致率が46%しかないにも関わらず、直後1分足終値との方向一致率は69%となっています。これは発表直後に瞬間的に逆ヒゲを残しがちということです。
以上の調査・分析結果を整理しておきます。
- あまり大きく反応しません。直後1分足13pips以下となったことが64%(3回に2回)です。
- 本指標は「前月比」と「輸送機器を除く前月比(コア)」が発表されます。注目度や重要度の点でコアを重視する解説が多いようですが、指標発表後の反応を調べた限り、反応への影響はどちらが強いという順位差がないように見受けられます。
- 同じ米国実態指標の鉱工業生産・設備稼働率の同月分の実態差異との方向一致率が高い傾向があります。但し、鉱工業生産・設備稼働率の5月分データは、実態差異が0です。本指標今回の発表結果は前回結果とあまり変わらないかも知れません。
- 定型分析の結果は次の通りです。
(1) 直前1分足の陰線率が高くなっています。但し、取引するにはpipsが小さいので注意が必要です。
(2) 発表結果の良し悪しに素直な反応するとは言い切れません(事後差異との方向一致率が70%未満です)。
(3) 直後1分足は最初に逆ヒゲを形成する可能性があります。追撃するなら、一呼吸おいてからが良いでしょう。
(4) 市場予想の良し悪しや発表前のローソク足方向には、発表後の反応方向を示唆する兆候がありません。
【4. シナリオ作成】
以上の結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前1分足は陰線と見込みます。但し、過去の平均跳幅は4pipsしかないので、利確できるときに利確しておきましょう。取引時間が数秒で利確できるなら、それで良いのです。
- 追撃は直後1分足に順張りでポジションを取ります。但し、もともと反応が小さな指標です。高値(安値)掴みをしないように気を付けましょう。
以上
2017年6月26日21:30発表
以下は2017年6月27日0時頃に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は市場予想を下回り、反応は陰線でした。
(5-2. 取引結果)
取引できませんでした。次の記事を書いていてうっかり時間が過ぎてました。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査・分析内容を、以下に検証します
- 発表結果の影響が最も現れる直後1分足跳幅は12pipsで、過去の平均的な反応(13pips)とほぼ同じでした。時間とともに反応が大きくなり、直後11分足値幅は21pipsと、過去の平均的な反応(9pips)の2倍を超えました。
- 発表結果は、「前月比」「輸送機器を除く前月比(コア)」ともに市場予想を下回ったものの、コアは前月比を上回っていました。よって、直後11分足値幅が過去平均の2倍を超えた理由(前回まで僅か7%しか2倍を超えたことはない)は、指標結果だけではないと推察されます。
- 同じ米国実態指標の鉱工業生産・設備稼働率の同月分の実態差異との方向一致率が高い傾向があそして、鉱工業生産・設備稼働率の5月分データは、実態差異が0です。よって、今回の発表結果は前回結果とあまり変わらないかも知れない、と考えていました。
結果は、前月比が前月とほぼ同じでやや下回り、コアが前月を上回っています。 - 定型分析の結果は次の通りでした。
(1) 直前1分足の陰線率が高くなっていたものの、結果は同値で無効でした。
(2) 発表結果が市場予想を下回り陰線での反応ですから、素直な反応をしました。「素直に反応するとは限らない」という指摘は、今回事前には不適切でした。
(3) 直後1分足は最初に逆ヒゲを形成しておらず、追撃するなら早めが良かったようです。分析を完全に外しました。
全体として、指標結果の分析は当たっているものの、反応については外しました。
(6-2. シナリオ検証)
取引できなかったものの、事前準備シナリオを検証しておきます。
- 直前1分足を陰線と見込んでいたので、スプレッド分は損切となっていた可能性があります。
- 追撃は直後1分足に順張りでポジションを取ります。但し、もともと反応が小さな指標なので、高値(安値)掴みをしないように気を付けるつもりでした。結果から言えば、強気なら利確、弱気ならポジションが取れなかった可能性が高い値動きでした。
分析では、反応を外していたにも関わらず、取引していたら少し勝てたかも知れません。まぁそんなことはよくあることです。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年06月23日
米国実態指標「新築住宅販売件数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年6月23日23:00発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月23日23:00に米国実態指標「新築住宅販売件数」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。
次に指標定型分析の結果は次の通りです。
以上の分析結果に基づき以下のシナリオで取引に臨みます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
多くのFX会社の経済指標カレンダーでは、本指標の重要度・注目度が高い、とされています。これは、消費やリフォームなどの関連需要にも繋がるため波及効果も大きい上、消費者個人の収入・金利の見通しが反映されるため、とされています。
それなら販売件数が多い中古住宅販売件数の方が重要度・注目度が高いはずですが、そんなことはありません。それに、住宅関連指標はいずれも10pips前後しか反応しません。
本指標の集計は、一戸建に加えて、コンドミニアムと共同住宅を含めた数字も発表されます。
但し、この件数には土地付きの新築住宅販売が対象で、既に保有する土地へ住宅を新築したものは含まれません。その理由はわかりません。
過去の傾向から言えば、販売件数>前月比で反応しがちです。後述する指標一致性分析に示す通り、販売件数発表結果が市場予想を上回るか下回るかという方向と、直後1分足は70%強の方向一致率があります。前月比との方向一致率は60%程度です(不正確ですみません。過去データを無くしてしまいました)。
また、以前の発表数値が大きく修正されることがあり、それが反応に影響することもあるので注意が必要です。
注意すべき点は、中古住宅販売件数は所有権移転完了ベースであるのに対して、新築住宅販売件数が契約書署名ベースで集計されています。そのため、本指標は中古住宅販売件数に対し1〜2か月先行する、という解説を多く見かけます。
これは、事実に照らして正確ではありません。
下表に中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の時差を調べた結果を示します。
下表は、2015年1月〜2017年4月分までの28回分のデータを用いました。
「2017年1月」を、あたかも基準のように表示しているのは気にしないでください。どちらの指標がどちらの指標に対し、どれだけ先行・遅行しているかをわかりやすく示しただけです。
分析は先述の通り、28回分のデータをスライドさせて行っています。よって、時差1か月のデータ数は27、時差2か月のデータは26、時差3か月のデータは25です。
また、本表の項目毎の%は、方向一致率を示しています。
例えば「同月同士の中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の実態差異は48%の方向一致率がある」と読み取ります。
まず、多くの解説で述べられている両指標の間の先行性・遅行性の関係は、前回結果と発表結果の大小関係(実態差異)について論じているハズです。
結果は、中古住宅販売件数の実態差異は、新築住宅販売件数の2か月前の実態差異と方向一致率が58%となっており、1か月前(42%)・3か月前(43%)よりも15%程度も高くなっています。でも、高いと言っても方向一致率は58%です。
この一致率をもって「だから新築住宅販売件数は中古住宅販売件数よりも2か月の先行性がある」と解説するのは少し無理がある、と思います。
事実に基づけば、少なくとも直近25〜28回分のデータに基づく限り、中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の間には先行性・遅行性といった関係を見出せない、と結論付けます。
そしていま、3回に2回(67%)以上の頻度で起こることを「傾向が見受けられる」といい、4回に3回(75%)以上の頻度で起きることを「傾向がある」といった言葉で使い分けることにしましょう。
すなわち、少なくとも直近のデータを見る限り、両指標の同月発表では直後1分足の反応方向が一致する傾向が見受けられます。そして、前月の中古住宅販売件数の直後11分足は、当月の新築住宅販売件数の直後11分足と、反応方向が一致する傾向があります。
但し、こうした一致率の高さは、両指標の集計方法や発表時期の関係を踏まえると、合理的にわかりやすいロジックで説明ができません。もしかすると、別の原因(単に、住宅市場が好調だったり、通常よりも中古住宅の在庫が不足している時期だったり)があると、こうしたカタチで現れやすくなっている可能性があるのかも知れません。
がしかし、単純なロジックでストーリー化できないことを、わざわざ複雑に説明できても仕方がありません。経済情勢を把握することは、取引の手段であって目的ではありません。もっと長期的に観察していけば、もし何か意味のあることなら確率は収まるべき数値に収まるでしょう。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
一見すると「市場予想後追い型」の指標に見えなくもありません。確認しておきましょう。
市場予想後追い型とは、実際には市場予想の方が発表結果よりも先に公表されているにも関わらず、後からそれらをプロットしたグラフを見ると、いかにも市場予想の方が発表結果を追従しているように見える指標です。こうした指標では、直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想を上抜けし続けたり下抜けし続けた発表結果となることが多いのです。
調査期間において、上抜け・下抜けが起きた回数(同値はカウントしない)は17回です。明らかに2回に1回以上の上抜け・下抜けをしているので、市場予想後追い型ではありません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足は陽線が、直前1分足は陰線が、直後1分足と直後11分足は陽線が目立ちます。後述する反応一致性分析で数字を確認しておきましょう。
直後11分足は、上ヒゲ・下ヒゲの長さを加えると、値幅よりも大きくなっている月が多いようです。こういうときは、次の瞬間にどっちに動くかがわからない指標だということが多いので、注意が必要です。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が59%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは56%、終値同士で反応が伸びたことは50%となっています。
つまり、確率的に言って、本指標は追撃に適していません。反応が長続きしない指標なのです。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足は陰線率が76%です。但し、過去平均の跳幅は4pipsしかありません。
直後1分足は、本ブログのポジション取得基準に達していませんが、3回に2回は陽線です。過去平均の跳幅は9pipsです。
そして、ある期間のローソク足がその後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
事前差異は直前10-1分足との方向一致率が75%あります。今回の事前差異はプラスなので、陽線と見込めます。
但し、市場予想は発表直前に改訂されることもあるので、取引きするなら指標発表前に再確認しておきましょう。
注目すべき点は、事前差異と直後1分足との方向一致率が70%となっていることです。つまり、この指標における市場予想は、発表結果が良いときも悪いときも控え目に予想されがちです。
これは、今回のように事前差異がプラスの場合、直後1分足が陽線になりがちだということです。
事後差異・実態差異は、直後1分足との方向一致率が各74%・78%です。発表結果の良し悪しに素直に反応しています。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年6月24日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は市場予想を上回り、反応は陽線でした。
同月の中古住宅販売件数も同様結果となっていました。
米国住宅市場は在庫不足で、低価格帯住宅の販売が好調です。今回の結果が6月利上げによる駆け込み需要があったのか否かという観点での解説記事は、まだ見受けられません。
取引結果は次の通りでした。
ほぼ的中といっても良い平均的な反応であり、指標発表前の反応が指標結果を示唆している点でも、過去の傾向通りとなりました。
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月23日23:00に米国実態指標「新築住宅販売件数」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。
- 本指標は、指標発表前の取引参加者の動きが、指標発表結果の良し悪しを良く掴めているようです。がしかし、反応は小さく、指標発表後の反応が短時間で追撃には向いていません。
- 過去の傾向から言えば、販売件数>前月比で反応しがちです。販売件数発表結果の良し悪しと直後1分足は70%強の方向一致率がある一方、前月比との方向一致率は60%程度です。それより、以前の発表数値が大きく修正されることがあります。それが反応に影響することもあるので注意が必要です。
過去データの修正による影響は、本ブログの分析では考慮できていません。 - 一部解説では、本指標が中古住宅販売件数に対し1〜2か月先行する、という説明を見かけます。がしかし、これは事実に照らして正確ではありません。
直近のデータを見る限りでは、両指標の同月発表で直後1分足の反応方向が一致する傾向が見受けられます。そして、前月の中古住宅販売件数の直後11分足は、当月の新築住宅販売件数の直後11分足と、反応方向が一致する傾向があります(前月の中古住宅販売件数の直後11分足は陰線でした)。
但し、この確率数値は単なるばらつきで、因果関係がない可能性があります。
次に指標定型分析の結果は次の通りです。
- 反応性分析の結論は次の通りです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が59%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは56%、終値同士で反応が伸びたことは50%となっています。
つまり、確率的に言って、本指標は追撃に適していません。反応が長続きしない指標なのです。 - 反応一致性分析の結論は次の通りです。
直前1分足は陰線率が76%、直後1分足は3回に2回(67%)が陽線です。但し、過去の反応は小さいので、含益をもったら、さっさと利確すべきです。
そして、ある期間のローソク足がその後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。 - 指標一致性分析の結論は次の通りです。
事前差異は直前10-1分足との方向一致率が75%あります。今回の事前差異はプラスなので、陽線と見込めます。但し、市場予想は発表直前に改訂されることもあるので、取引きするなら指標発表前に再確認しておきましょう。
注目すべき点は、事前差異と直後1分足との方向一致率が70%となっていることです。つまり、この指標における市場予想は、発表結果が良いときも悪いときも控え目に予想されがちです。これは、今回のように事前差異がプラスの場合、直後1分足が陽線になりがちだということです。
そして、事後差異・実態差異は、直後1分足との方向一致率が各74%・78%です。発表結果の良し悪しに素直に反応しています。
以上の分析結果に基づき以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前10-1分足は、事前差異と同じ方向と見なします。本稿記載時点で事前差異はプラスです。
- 直前1分足は陰線と見込みます。但し、期待できるpipsが小さいため取引する/しないは、そのときのチャートを見て決めます。
- 直後1分足は、直前10-1分足と同じ方向と見なし、指標発表直前にポジションを取ります。
- 本指標では、指標発表後の追撃を行いません。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
【1. 指標概要】
多くのFX会社の経済指標カレンダーでは、本指標の重要度・注目度が高い、とされています。これは、消費やリフォームなどの関連需要にも繋がるため波及効果も大きい上、消費者個人の収入・金利の見通しが反映されるため、とされています。
それなら販売件数が多い中古住宅販売件数の方が重要度・注目度が高いはずですが、そんなことはありません。それに、住宅関連指標はいずれも10pips前後しか反応しません。
本指標の集計は、一戸建に加えて、コンドミニアムと共同住宅を含めた数字も発表されます。
但し、この件数には土地付きの新築住宅販売が対象で、既に保有する土地へ住宅を新築したものは含まれません。その理由はわかりません。
過去の傾向から言えば、販売件数>前月比で反応しがちです。後述する指標一致性分析に示す通り、販売件数発表結果が市場予想を上回るか下回るかという方向と、直後1分足は70%強の方向一致率があります。前月比との方向一致率は60%程度です(不正確ですみません。過去データを無くしてしまいました)。
また、以前の発表数値が大きく修正されることがあり、それが反応に影響することもあるので注意が必要です。
注意すべき点は、中古住宅販売件数は所有権移転完了ベースであるのに対して、新築住宅販売件数が契約書署名ベースで集計されています。そのため、本指標は中古住宅販売件数に対し1〜2か月先行する、という解説を多く見かけます。
これは、事実に照らして正確ではありません。
下表に中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の時差を調べた結果を示します。
下表は、2015年1月〜2017年4月分までの28回分のデータを用いました。
「2017年1月」を、あたかも基準のように表示しているのは気にしないでください。どちらの指標がどちらの指標に対し、どれだけ先行・遅行しているかをわかりやすく示しただけです。
分析は先述の通り、28回分のデータをスライドさせて行っています。よって、時差1か月のデータ数は27、時差2か月のデータは26、時差3か月のデータは25です。
また、本表の項目毎の%は、方向一致率を示しています。
例えば「同月同士の中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の実態差異は48%の方向一致率がある」と読み取ります。
まず、多くの解説で述べられている両指標の間の先行性・遅行性の関係は、前回結果と発表結果の大小関係(実態差異)について論じているハズです。
結果は、中古住宅販売件数の実態差異は、新築住宅販売件数の2か月前の実態差異と方向一致率が58%となっており、1か月前(42%)・3か月前(43%)よりも15%程度も高くなっています。でも、高いと言っても方向一致率は58%です。
この一致率をもって「だから新築住宅販売件数は中古住宅販売件数よりも2か月の先行性がある」と解説するのは少し無理がある、と思います。
事実に基づけば、少なくとも直近25〜28回分のデータに基づく限り、中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の間には先行性・遅行性といった関係を見出せない、と結論付けます。
そしていま、3回に2回(67%)以上の頻度で起こることを「傾向が見受けられる」といい、4回に3回(75%)以上の頻度で起きることを「傾向がある」といった言葉で使い分けることにしましょう。
すなわち、少なくとも直近のデータを見る限り、両指標の同月発表では直後1分足の反応方向が一致する傾向が見受けられます。そして、前月の中古住宅販売件数の直後11分足は、当月の新築住宅販売件数の直後11分足と、反応方向が一致する傾向があります。
但し、こうした一致率の高さは、両指標の集計方法や発表時期の関係を踏まえると、合理的にわかりやすいロジックで説明ができません。もしかすると、別の原因(単に、住宅市場が好調だったり、通常よりも中古住宅の在庫が不足している時期だったり)があると、こうしたカタチで現れやすくなっている可能性があるのかも知れません。
がしかし、単純なロジックでストーリー化できないことを、わざわざ複雑に説明できても仕方がありません。経済情勢を把握することは、取引の手段であって目的ではありません。もっと長期的に観察していけば、もし何か意味のあることなら確率は収まるべき数値に収まるでしょう。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
一見すると「市場予想後追い型」の指標に見えなくもありません。確認しておきましょう。
市場予想後追い型とは、実際には市場予想の方が発表結果よりも先に公表されているにも関わらず、後からそれらをプロットしたグラフを見ると、いかにも市場予想の方が発表結果を追従しているように見える指標です。こうした指標では、直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想を上抜けし続けたり下抜けし続けた発表結果となることが多いのです。
調査期間において、上抜け・下抜けが起きた回数(同値はカウントしない)は17回です。明らかに2回に1回以上の上抜け・下抜けをしているので、市場予想後追い型ではありません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足は陽線が、直前1分足は陰線が、直後1分足と直後11分足は陽線が目立ちます。後述する反応一致性分析で数字を確認しておきましょう。
直後11分足は、上ヒゲ・下ヒゲの長さを加えると、値幅よりも大きくなっている月が多いようです。こういうときは、次の瞬間にどっちに動くかがわからない指標だということが多いので、注意が必要です。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が59%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは56%、終値同士で反応が伸びたことは50%となっています。
つまり、確率的に言って、本指標は追撃に適していません。反応が長続きしない指標なのです。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足は陰線率が76%です。但し、過去平均の跳幅は4pipsしかありません。
直後1分足は、本ブログのポジション取得基準に達していませんが、3回に2回は陽線です。過去平均の跳幅は9pipsです。
そして、ある期間のローソク足がその後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
事前差異は直前10-1分足との方向一致率が75%あります。今回の事前差異はプラスなので、陽線と見込めます。
但し、市場予想は発表直前に改訂されることもあるので、取引きするなら指標発表前に再確認しておきましょう。
注目すべき点は、事前差異と直後1分足との方向一致率が70%となっていることです。つまり、この指標における市場予想は、発表結果が良いときも悪いときも控え目に予想されがちです。
これは、今回のように事前差異がプラスの場合、直後1分足が陽線になりがちだということです。
事後差異・実態差異は、直後1分足との方向一致率が各74%・78%です。発表結果の良し悪しに素直に反応しています。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年6月23日23:00発表
以下は2017年6月24日に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は市場予想を上回り、反応は陽線でした。
同月の中古住宅販売件数も同様結果となっていました。
米国住宅市場は在庫不足で、低価格帯住宅の販売が好調です。今回の結果が6月利上げによる駆け込み需要があったのか否かという観点での解説記事は、まだ見受けられません。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
ほぼ的中といっても良い平均的な反応であり、指標発表前の反応が指標結果を示唆している点でも、過去の傾向通りとなりました。
(6-2. シナリオ検証)
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年06月20日
米国実態指標「中古住宅販売件数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年6月21日23:00発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月21日23:00に米国実態指標「中古住宅販売件数」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。
次に指標定型分析の結果は次の通りです。
以上の分析結果に基づき以下のシナリオで取引に臨みます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
本指標は全米不動産業者協会(NAR)が翌月25日頃に発表します。
数値は季節調整済・年率換算されています。
発表結果に対する初期反応は小さいものの、素直に反応する傾向があり、反応の持続時間も長め、という傾向があります。
米国では新築住宅よりも中古住宅の流通量が大きく、そのため住宅関連指標では本指標が注目されます。また、住宅販売件数は消費やリフォームなどの関連需要にも繋がるため波及効果も大きい上、消費者個人の収入・金利の見通しが反映されています。
注意すべき点は、新築住宅販売件数が契約書署名ベースであるのに対して、中古住宅販売件数は所有権移転完了ベースで集計されています。従って、本指標は新築住宅販売件数に対し1〜2か月遅行する、と言われています。
がしかし、直近の傾向を見る限り、よく指標解説に見かける1〜2か月の遅行は、事実として間違っています。詳しくは「新築住宅販売件数」の記事で説明します。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
「市場予想後追い型」に見えなくもありません。
市場予想後追い型とは、実際には市場予想の方が発表結果よりも先に公表されているにも関わらず、後からそれらをプロットしたグラフを見ると、いかにも市場予想の方が発表結果を追従しているように見える指標です。こうした指標では、直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想をオーバーシュートした発表結果となることが多いのです。
市場予想と発表結果の大小関係が逆転した回数を数えてみましょう。逆転回数は18回で、逆転回数は64%です。特に直近5回は、市場予想>発表結果の次は市場予想<発表結果、その次は市場予想>発表結果となっています。
「市場予想後追い型」ではありません。
このように、上向き・下向きのグラフは、パッと見の印象だけで判断すると、間違った結論に至るので注意が必要です。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
各ローソク足毎に陽線・陰線への偏りがあるように見受けられます。後述する反応一致性分析で数字を確認しておきましょう。
直後11分足にはヒゲが目立ちます。パッとローソク足が伸びたときに騙されて損切とならないように注意が必要です。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が75%%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは94%、終値同士で反応が伸びたことは83%となっています。
つまり、指標発表後の反応方向は一方向に伸びやすく、追撃に適した指標だと言えます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
まず、直前1分足は陰線率が88%、直後1分足は陽線率が78%と、偏りが目立ちます。
がしかし、直前1分足は過去平均跳幅が4pips、直後1分足は6pipsしかありません。チャンスがあれば微益でも利確しておいた方が良いでしょう。
そして、直前1分足と直後1分足の方向一致率は20%となっています。これは上記の偏りを踏まえれば矛盾のない数字です。
反応性分析で触れた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、その他のローソク足同士で先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
事前差異は直後11分足との方向一致率が71%です。市場予想が前回結果より大きいとき(小さいとき)は、最終的に陽線(陰線)となっている傾向があります。この関係には合理的なロジックが思い付かないので、偶然かも知れません。
事後差異は、直前10-1分足との方向一致率が69%、直後1分足との方向一致率が70%、直後11分足との方向一致率が67%となっています。取引参加者は、3回に2回以上、指標発表後の反応が読み取れているように動いています。
実態差異も事後差異と同じような傾向が窺えます。直前10-1分足との方向一致率が69%、直後1分足との方向一致率が78%、直後11分足との方向一致率が67%となっています。取引参加者は、3回に2回以上、指標発表後の反応が読み取れているように動いています。
この指標では、発表前後のトレンドに逆らうべきではありません。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年6月21日23:50頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回結果・市場予想を上回り、反応は陽線でした。
発表後20数秒後に直後1分足は高値を付け、発表後4分後に直後11分足の高値を付けました。がしかし、それからは直後11分足は陽線値幅を削りました。
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は陽線となり、これは確率上の問題ですから仕方ありません。
直後1分足は、直前10-1分足とは逆方向になる指標結果・反応となりました。外した点は、過去の傾向から直前10-1分足が陰線ならば、指標結果が市場予想を下回る、として点です。
反応は指標結果に対し素直でした。
がしかし、直前10-1分足が示唆する指標結果(市場予想を下回る)にはならず、直後11分足は直後1分足よりも値幅が小さくなりました。
直後1分足は、指標発表前に売ポジションを注文しましたが、成約は23:00を過ぎてしまいました。失敗です。
2回目の追撃は、上昇反転を狙ってのポジション取得ですが、損切となりました。これは、シナリオが直後11分足値幅が伸びることを見越してなので、シナリオのせいでなく、分析を外したせいです。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月21日23:00に米国実態指標「中古住宅販売件数」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。
- 本指標は、指標発表前に形成される直前10-1分足が、発表結果の良し悪しを示唆しています。指標発表結果には素直で反応する上、追撃にも適した特徴があります。
反応が小さいことが残念です。 - こうした指標で負けるのは、ポジションの取得・解消のタイミングの問題です。
幸い、勝っても負けれも大したことにならない可能性が高い指標です。練習だと割り切って、売買のタイミングを時計を見ながら行ったり、確率的な過去傾向が時間ズレを起こすことも多いので、その兆候を読み取ることに徹しても良いでしょう。 - 本指標の意義は、新築住宅販売件数での取引の参考になる、ということです。
一部の指標解説では、本指標が新築住宅販売件数の1〜2か月遅行指標、と説明されています。がしかし、この話は、少なくとも2015年以降のデータを見る限りでは、正確ではありません。
事実は、本指標の直後1分足の反応方向が一致しがちだという傾向があるものの、指標結果の良し悪しは両指標で一致しがちだと言えません。
次に指標定型分析の結果は次の通りです。
- 反応性分析の結論は、直後1分足と直後11分足の方向一致率が高く、方向一致時の直後1分足と直後11分足の跳値同士・終値同士を比較して反応が伸びる確率も高くなっています。
つまり、指標発表後の反応方向は一方向に伸びやすく、追撃に適した指標だと言えます。 - 反応性分析の結論は次の通りです。
まず、直前1分足は陰線率が88%、直後1分足は陽線率が78%と、過去の反応には偏りが目立ちます。がしかし、直前1分足は過去平均跳幅が4pips、直後1分足は6pipsしかありません。
反応性分析で触れた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、その他のローソク足同士で先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。 - 指標一致性分析の結論は次の通りです。
今回の事前差異は、僅かにマイナスとなっています。僅かですので、発表前に市場予想が改訂されていないか確認しておいた方が良いでしょう。
直前10-1分足・直後1分足・直後11分足は、事前差異のプラス・マイナス(発表結果が市場予想や前回結果に上回ったか下回ったか)で、陽線・陰線に素直に反応しています。特に、直前10-1分足の方向は、3回に2回以上、事後差異・実態差異の方向を読み取れているように動いていることは注目に値します。
つまり、この指標は発表前後のトレンドに逆らうべきではありません。
以上の分析結果に基づき以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前10-1分足は事前差異と同じ方向と見込みます。
現時点において、事前差異(販売件数年率換算値の市場予想ー前回結果)は僅かにマイナスです。僅かですから、指標発表前に市場予想が改定されていないか確認しておきましょう。 - 直前1分足は陰線と見込みます。
がしかし、過去の平均跳幅は4pipsしかありません。僅かでも利確できるときにしておきましょう。 - 直後1分足は、直前10-1分足と同じ方向と見込みます。
但し、直前10-1分足が陰線の場合、過去の分析結果では一部に矛盾が生じます。よって、直前10-1分足が陽線のとき指標発表直前に買ポジションを取り、直前10-1分足が陰線の場合には取引を中止します。
過去平均で跳幅が6pipsしかないので、跳ねたらすぐに利確です。 - その後の追撃は初期反応に対して順張りで、確率的には長くポジションを持っても良さそうです。
がしかし、過去の直後11分足値幅はたったの6pipsです。跳幅は11pipsで、直後1分足終値との差は5pipsですから、この5pipsを利確・損切の目安にすると良いでしょう。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
【1. 指標概要】
本指標は全米不動産業者協会(NAR)が翌月25日頃に発表します。
数値は季節調整済・年率換算されています。
発表結果に対する初期反応は小さいものの、素直に反応する傾向があり、反応の持続時間も長め、という傾向があります。
米国では新築住宅よりも中古住宅の流通量が大きく、そのため住宅関連指標では本指標が注目されます。また、住宅販売件数は消費やリフォームなどの関連需要にも繋がるため波及効果も大きい上、消費者個人の収入・金利の見通しが反映されています。
注意すべき点は、新築住宅販売件数が契約書署名ベースであるのに対して、中古住宅販売件数は所有権移転完了ベースで集計されています。従って、本指標は新築住宅販売件数に対し1〜2か月遅行する、と言われています。
がしかし、直近の傾向を見る限り、よく指標解説に見かける1〜2か月の遅行は、事実として間違っています。詳しくは「新築住宅販売件数」の記事で説明します。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
「市場予想後追い型」に見えなくもありません。
市場予想後追い型とは、実際には市場予想の方が発表結果よりも先に公表されているにも関わらず、後からそれらをプロットしたグラフを見ると、いかにも市場予想の方が発表結果を追従しているように見える指標です。こうした指標では、直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想をオーバーシュートした発表結果となることが多いのです。
市場予想と発表結果の大小関係が逆転した回数を数えてみましょう。逆転回数は18回で、逆転回数は64%です。特に直近5回は、市場予想>発表結果の次は市場予想<発表結果、その次は市場予想>発表結果となっています。
「市場予想後追い型」ではありません。
このように、上向き・下向きのグラフは、パッと見の印象だけで判断すると、間違った結論に至るので注意が必要です。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
各ローソク足毎に陽線・陰線への偏りがあるように見受けられます。後述する反応一致性分析で数字を確認しておきましょう。
直後11分足にはヒゲが目立ちます。パッとローソク足が伸びたときに騙されて損切とならないように注意が必要です。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が75%%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは94%、終値同士で反応が伸びたことは83%となっています。
つまり、指標発表後の反応方向は一方向に伸びやすく、追撃に適した指標だと言えます。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
まず、直前1分足は陰線率が88%、直後1分足は陽線率が78%と、偏りが目立ちます。
がしかし、直前1分足は過去平均跳幅が4pips、直後1分足は6pipsしかありません。チャンスがあれば微益でも利確しておいた方が良いでしょう。
そして、直前1分足と直後1分足の方向一致率は20%となっています。これは上記の偏りを踏まえれば矛盾のない数字です。
反応性分析で触れた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、その他のローソク足同士で先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
事前差異は直後11分足との方向一致率が71%です。市場予想が前回結果より大きいとき(小さいとき)は、最終的に陽線(陰線)となっている傾向があります。この関係には合理的なロジックが思い付かないので、偶然かも知れません。
事後差異は、直前10-1分足との方向一致率が69%、直後1分足との方向一致率が70%、直後11分足との方向一致率が67%となっています。取引参加者は、3回に2回以上、指標発表後の反応が読み取れているように動いています。
実態差異も事後差異と同じような傾向が窺えます。直前10-1分足との方向一致率が69%、直後1分足との方向一致率が78%、直後11分足との方向一致率が67%となっています。取引参加者は、3回に2回以上、指標発表後の反応が読み取れているように動いています。
この指標では、発表前後のトレンドに逆らうべきではありません。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年6月21日23:00発表
以下は2017年6月21日23:50頃に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回結果・市場予想を上回り、反応は陽線でした。
発表後20数秒後に直後1分足は高値を付け、発表後4分後に直後11分足の高値を付けました。がしかし、それからは直後11分足は陽線値幅を削りました。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は陽線となり、これは確率上の問題ですから仕方ありません。
直後1分足は、直前10-1分足とは逆方向になる指標結果・反応となりました。外した点は、過去の傾向から直前10-1分足が陰線ならば、指標結果が市場予想を下回る、として点です。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
反応は指標結果に対し素直でした。
がしかし、直前10-1分足が示唆する指標結果(市場予想を下回る)にはならず、直後11分足は直後1分足よりも値幅が小さくなりました。
(6-2. シナリオ検証)
直後1分足は、指標発表前に売ポジションを注文しましたが、成約は23:00を過ぎてしまいました。失敗です。
2回目の追撃は、上昇反転を狙ってのポジション取得ですが、損切となりました。これは、シナリオが直後11分足値幅が伸びることを見越してなので、シナリオのせいでなく、分析を外したせいです。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年06月16日
米国景気指標「UM消費者信頼感指数速報値」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年6月16日23:00発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月16日23:00に米国景気指標「UM(ミシガン大学)消費者信頼感指数速報値」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標の特徴を整理しておきます。
という訳で、分析に凝っても意味がありません。
過去のデータは、以下に掲示しておくので、興味のある方はご参照ください。
それでも本指標に注目すべき価値はあります。それは、一般論として消費者景況感が個人消費や小売売上高に直結しがちだという点、期待指数は「コンファレンスボード(全米産業審議会)景気先行指数」の構成要素だという点、の2点です。本指標自体の取引には価値がありません(運に頼ることになります)。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
ミシガン大学(UM)消費者信頼感指数は、同学サーベイ・リサーチセンターが電話アンケートで消費者景況感の調査結果を指数化した景気指標です。速報値は300世帯、確報値は500世帯が対象で、景況感・雇用状況・所得について「楽観」または「悲観」で回答されます。調査数が少ないためブレが大きいという特徴があります。
本指標は1964年の指数を100として算出されています。がしかし、古すぎて当時の景況感がどうだったかを知るひとは少ないと思います。従って、参考にすべき基準は100でなく、直近の最大値・最小値ではないでしょうか。
例えば、2015年1月は、前年の雇用統計で失業率やNFP(非農業部門雇用者数)で良い数字が続いていた頃で、FRBの利上げ時期が議論に挙がっていました。このときの速報値が直近で最も高く98.2です。そして、2015年8月後半には中国人民元切下げと株価不安があり、ダウ工業平均は一営業日で1000ドル強もの値下がりが起きました。その翌月9月は直近で最も速報値が低く85.7です。
前月2017年1月の速報値は98.1ですから、いまや米国が西側オンリーワンだった時代の景況感に近づいている訳です。「何か変だな」と思いますが、あくまで本指標は消費者への電話アンケート結果です。
なお、本指標は現状判断指数(約40%)と先行き期待指数(約60%)で構成され、期待指数については「コンファレンスボード(全米産業審議会)景気先行指数」の構成要素でもあります(その先行指標ということです)。
また、消費者景況感は、個人消費や小売売上高に直結するという意義もあります。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの29回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
グラフからわかるように、典型的な市場予想後追い型の指標です。
市場予想後追い型とは、実際には市場予想の方が発表結果よりも先に公表されているにも関わらず、後からそれらをプロットしたグラフを見ると、いかにも市場予想の方が発表結果を追従しているように見える指標です。こうした指標では、直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想をオーバーシュートした発表結果となることが多いのです。
但し、本指標については、発表結果が市場予想を上抜け・下抜けしたことは、過去29回のうち12回です。だから、本指標の今回結果が市場予想を下抜ける可能性は、過去の確率を当てはめると41%です(今回は市場予想を上回る確率が59%)。
アテにするにはちょっと心もとない確率ですね。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
本指標では取引を行いません。
以下は2017年6月19日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、信頼感指数が前回結果・市場予想を下回りました。内訳の先行き・現状も同様です。
反応は、直後1分足が長い下ヒゲを持った陰線となり、直後11分足は陽線となっています。
取引していません。
市場予想が高めに外れがち、という過去の傾向は、今回もその通りになりました。
また、上の4本足チャートを見る限り、指標結果に対する反応持続時間は1分もたない、と見て取れます。
シナリオはありません。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月16日23:00に米国景気指標「UM(ミシガン大学)消費者信頼感指数速報値」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標の特徴を整理しておきます。
- 本指標は典型的な市場予想後追い型の指標です。「市場予想後追い型」の説明は、後述する「2-1. 過去情報」をご参照ください。
がしかし、本指標の現状を見ると、発表結果が市場予想を上抜け・下抜けしたことは、過去29回のうち12回です。だから、本指標の今回結果が市場予想を下抜ける可能性は、過去の確率を当てはめると41%です(今回は市場予想を上回る確率が59%)。50%は切っているものの、上抜けしない・下抜けしないと見込む市場予想後追い型としては、ちょっと心もとない確率です。 - 問題はそれだけじゃありません。
本指標の市場予想には癖があります。
過去29回の調査結果では、市場予想が前回結果を上回っていた確率が80%と、異常な偏りがあります。がしかし、発表結果が前回結果を上回っていた確率は50%です。つまり、過去の傾向から言えば、市場予想が高めに偏って外れる、という特徴があります。
それなら、過去の直後1分足は陰線率が高くて当然です。にも関わらず、実際にはその確率は42%(陽線率が58%)です。
つまり、本指標はどっちに反応するのかが読めない指標だと言えます。 - そして、過去の反応は小さく、直後1分足跳幅の過去平均値は11pipsしかありません。この11pipsを超えて反応したことは38%しかありません。
加えて、直後1分足と直後11分足の方向一致率も54%と、反応方向を確認してから追撃するにも不適切な指標です。 - こんな指標では「取引しない」というのが賢明だと思います。過去の傾向は、取引参加者が本指標発表がなかったような反応です。これではただのトレンドフォローと同じで、そのときのテクニカル指標の方がアテになるでしょう。
という訳で、分析に凝っても意味がありません。
過去のデータは、以下に掲示しておくので、興味のある方はご参照ください。
それでも本指標に注目すべき価値はあります。それは、一般論として消費者景況感が個人消費や小売売上高に直結しがちだという点、期待指数は「コンファレンスボード(全米産業審議会)景気先行指数」の構成要素だという点、の2点です。本指標自体の取引には価値がありません(運に頼ることになります)。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
【1. 指標概要】
ミシガン大学(UM)消費者信頼感指数は、同学サーベイ・リサーチセンターが電話アンケートで消費者景況感の調査結果を指数化した景気指標です。速報値は300世帯、確報値は500世帯が対象で、景況感・雇用状況・所得について「楽観」または「悲観」で回答されます。調査数が少ないためブレが大きいという特徴があります。
本指標は1964年の指数を100として算出されています。がしかし、古すぎて当時の景況感がどうだったかを知るひとは少ないと思います。従って、参考にすべき基準は100でなく、直近の最大値・最小値ではないでしょうか。
例えば、2015年1月は、前年の雇用統計で失業率やNFP(非農業部門雇用者数)で良い数字が続いていた頃で、FRBの利上げ時期が議論に挙がっていました。このときの速報値が直近で最も高く98.2です。そして、2015年8月後半には中国人民元切下げと株価不安があり、ダウ工業平均は一営業日で1000ドル強もの値下がりが起きました。その翌月9月は直近で最も速報値が低く85.7です。
前月2017年1月の速報値は98.1ですから、いまや米国が西側オンリーワンだった時代の景況感に近づいている訳です。「何か変だな」と思いますが、あくまで本指標は消費者への電話アンケート結果です。
なお、本指標は現状判断指数(約40%)と先行き期待指数(約60%)で構成され、期待指数については「コンファレンスボード(全米産業審議会)景気先行指数」の構成要素でもあります(その先行指標ということです)。
また、消費者景況感は、個人消費や小売売上高に直結するという意義もあります。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの29回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
グラフからわかるように、典型的な市場予想後追い型の指標です。
市場予想後追い型とは、実際には市場予想の方が発表結果よりも先に公表されているにも関わらず、後からそれらをプロットしたグラフを見ると、いかにも市場予想の方が発表結果を追従しているように見える指標です。こうした指標では、直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想をオーバーシュートした発表結果となることが多いのです。
但し、本指標については、発表結果が市場予想を上抜け・下抜けしたことは、過去29回のうち12回です。だから、本指標の今回結果が市場予想を下抜ける可能性は、過去の確率を当てはめると41%です(今回は市場予想を上回る確率が59%)。
アテにするにはちょっと心もとない確率ですね。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
【4. シナリオ作成】
本指標では取引を行いません。
以上
2017年6月16日23:00発表
以下は2017年6月19日に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、信頼感指数が前回結果・市場予想を下回りました。内訳の先行き・現状も同様です。
反応は、直後1分足が長い下ヒゲを持った陰線となり、直後11分足は陽線となっています。
(5-2. 取引結果)
取引していません。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
市場予想が高めに外れがち、という過去の傾向は、今回もその通りになりました。
また、上の4本足チャートを見る限り、指標結果に対する反応持続時間は1分もたない、と見て取れます。
(6-2. シナリオ検証)
シナリオはありません。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年06月13日
米国金融政策「FOMC政策金利」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年6月15日03:00発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月15日03:00に米国金融政策「FOMC政策金利」が発表されます。
今回の市場予想は利上げです。
調査期間において、利上げは3回行われており、いずれも市場予想通りでした。市場予想通り利上げだったときの反応の程度(平均値)と、程度の分布を下表に示します。
米国金利は、世界の金融市場への影響が大きく、サプライズが全く歓迎されません。
政策金利だけでなく、量的緩和規模の変更のような金融政策変更が行われる際は、十分に時間をかけて「市場との対話」を行うことが重視されています。
「絶対」ではないものの「信頼」される政策決定が行われています。
このうち、利上げが行われた3回の実際の4本足チャートは次の通りでした。
前回3月利上げ時は、発表後すぐに陰線になりました。大きく下げるのは数時間〜1・2日後と予想していたため、損切となってしまいました。
シナリオは、反応方向確認次第、高値(安値)掴みに気を付けて追撃です。高値・安値掴みとは、発表前のレートに対し値幅50pips程度と見ておけば、良さそうです。
以下は2016年6月15日12時頃に追記しています。
発表30分後に行われたFRB議長の記者会見の要点は次の通りでした。
結論は、政策金利の0.25%引き上げと、バランスシート縮小を年内に開始する計画詳細の開示、です。
この結論に至る見解は、FRBが、労働市場が持続的な力強さに安心しており、最近のインフレ率の低迷が最終的には押し上げられる、との見込みに基づきます。これで、FRBの方針は金融政策正常化を推し進める方針だということがはっきりしました。
また、現状認識として、直近の数か月の物価圧力緩和は大した問題ではなく、インフレ目標2%の達成に向けて順調、との見解も示しました。インフレデータはブレやすいので、個別のデータに過剰反応しないことが重要だ、との回答です。
だったら、こんなに景気腰折れが懸念される以前に、もっと早く金融正常化への取り組みが出来ただろう、と突っ込みたくなる内容です。もっと早く着手すれば、それだけ緩やかで新興国への影響も小さく抑えられただろう、と。
早すぎるより慎重な方が良い、とのこれまでの見解は何だったんだろう、と思います。データが悪ければブレだと言うのでは訳がわかりません。
このことをもっと上品にロイターやブルームバーグの解説記事が説明しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は「市場予想通り利上げ」で、反応は陽線でした。
前夜21:30に「小売売上高」「CPI」の発表直後から、USDJPYは大きく値を下げており、そのせいか発表時の反応は過去3回の金利改定時に比べて小さなものでした。
取引できませんでした。
過去3回がどうだったかを記していただけで、「市場予想通り金利改定」時に陽線となるか陰線となるかは分析していませんでした。
前夜21:30からUSDJPYが大きく下降したことにせよ、下降しきって発表直後に陽線で反応したことにせよ、そんなことは事前に予想できません。「わからない」が正解だと思います。
取引はしなかったものの、シナリオを検証しておきます。
シナリオは反応方向確認後に追撃でした。
リアルタイムでチャートを見ていないので、呼吸のようなものはわかりませんが、4本足チャートを見る限り、勝てたか負けたかわからない動きだったようです。
つまり、直後1分足・直後11分足の跳値同士・終値同士は、陽線側に反応を伸ばしています。だから勝ちやすかったはずです。がしかし、おそらく発表直後に陰線側に30pipsのヒゲを残しています。このヒゲが一瞬で形成されたのでなければ、騙されていたかもしれません。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月15日03:00に米国金融政策「FOMC政策金利」が発表されます。
今回の市場予想は利上げです。
調査期間において、利上げは3回行われており、いずれも市場予想通りでした。市場予想通り利上げだったときの反応の程度(平均値)と、程度の分布を下表に示します。
米国金利は、世界の金融市場への影響が大きく、サプライズが全く歓迎されません。
政策金利だけでなく、量的緩和規模の変更のような金融政策変更が行われる際は、十分に時間をかけて「市場との対話」を行うことが重視されています。
「絶対」ではないものの「信頼」される政策決定が行われています。
このうち、利上げが行われた3回の実際の4本足チャートは次の通りでした。
前回3月利上げ時は、発表後すぐに陰線になりました。大きく下げるのは数時間〜1・2日後と予想していたため、損切となってしまいました。
シナリオは、反応方向確認次第、高値(安値)掴みに気を付けて追撃です。高値・安値掴みとは、発表前のレートに対し値幅50pips程度と見ておけば、良さそうです。
以上
2017年6月15日03:00発表
以下は2016年6月15日12時頃に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
発表30分後に行われたFRB議長の記者会見の要点は次の通りでした。
結論は、政策金利の0.25%引き上げと、バランスシート縮小を年内に開始する計画詳細の開示、です。
この結論に至る見解は、FRBが、労働市場が持続的な力強さに安心しており、最近のインフレ率の低迷が最終的には押し上げられる、との見込みに基づきます。これで、FRBの方針は金融政策正常化を推し進める方針だということがはっきりしました。
また、現状認識として、直近の数か月の物価圧力緩和は大した問題ではなく、インフレ目標2%の達成に向けて順調、との見解も示しました。インフレデータはブレやすいので、個別のデータに過剰反応しないことが重要だ、との回答です。
だったら、こんなに景気腰折れが懸念される以前に、もっと早く金融正常化への取り組みが出来ただろう、と突っ込みたくなる内容です。もっと早く着手すれば、それだけ緩やかで新興国への影響も小さく抑えられただろう、と。
早すぎるより慎重な方が良い、とのこれまでの見解は何だったんだろう、と思います。データが悪ければブレだと言うのでは訳がわかりません。
このことをもっと上品にロイターやブルームバーグの解説記事が説明しています。
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は「市場予想通り利上げ」で、反応は陽線でした。
前夜21:30に「小売売上高」「CPI」の発表直後から、USDJPYは大きく値を下げており、そのせいか発表時の反応は過去3回の金利改定時に比べて小さなものでした。
(5-2. 取引結果)
取引できませんでした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
過去3回がどうだったかを記していただけで、「市場予想通り金利改定」時に陽線となるか陰線となるかは分析していませんでした。
前夜21:30からUSDJPYが大きく下降したことにせよ、下降しきって発表直後に陽線で反応したことにせよ、そんなことは事前に予想できません。「わからない」が正解だと思います。
(6-2. シナリオ検証)
取引はしなかったものの、シナリオを検証しておきます。
シナリオは反応方向確認後に追撃でした。
リアルタイムでチャートを見ていないので、呼吸のようなものはわかりませんが、4本足チャートを見る限り、勝てたか負けたかわからない動きだったようです。
つまり、直後1分足・直後11分足の跳値同士・終値同士は、陽線側に反応を伸ばしています。だから勝ちやすかったはずです。がしかし、おそらく発表直後に陰線側に30pipsのヒゲを残しています。このヒゲが一瞬で形成されたのでなければ、騙されていたかもしれません。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
米国実態指標「小売売上高」・物価指標「CPI」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年6月14日21:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月14日21:30に米国実態指標「小売売上高」・物価指標「CPI」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。
次に指標定型分析の家かは次の通りです。
以上の結果に基づき以下のシナリオで取引に臨みます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
米国個人消費はGDPの約70%を占めています。米国は世界一の消費大国であり、その米国の景気の良否を把握する上で小売売上高やCPIは重要視されています。
小売売上高は、米国商務省経済分析局(BEA)が、小売・サービス業等約5,000社の月間の売上高を集計して毎月第2週に前月分を発表します。
耐久財と非耐久財とに大別され、特に自動車販売・同部品の比重が大きいという特徴があります。そのため、個人消費の動向を確認する上で自動車販売を除いた指標値も同時発表されます。項目別では、自動車や電気製品、建設資材、ガソリンスタンド、総合小売店などの前月比と実額を発表します。
結果は、米国商務省経済分析局(BEA)によるGDP概算の資料や、米労働省労働統計局による生産者物価指数(PPI)のデータにも利用されています。
反応との関係は、除自動車前月比>前月比、です。
CPI(消費者物価指数)は、消費者が購入するモノやサービスなどの価格を指数化した指標です。対象は、全米87都市に住む一般消費者世帯(全人口の80%)が購入する「商品」と「サービス」となっています。コアCPIというのは、価格変動の大きいエネルギーと食品を除いた指数です。
FRBは「前年比2%」の物価上昇を目標としています。主な物価指標には輸入物価指数・PPI(生産者物価指数)・CPI(消費者物価指数)が挙げられますが、CPIはそれらの中で最重要指標とされています。原則は、CPIが低すぎれば購買意欲を刺激するために利下げを行う可能性があり、高すぎれば利上げを行う可能性があります。
物価が下流に波及(輸入物価指数→PPI→CPI)という話において、アテになるのは同月のPPIとCPIが同じ方向に変化する確率が高い、という点です。2015年1月分(同2月発表)から2017年2月分までで、PPIの上昇/下降がCPIのそれと一致したことは74%です。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
下図に小売売上高の過去の市場予想と発表結果を示します。
直近の傾向を見る限り、小売売上高とCPIの同時発表が多くなっています。そして、反応方向に関心を持つ限り、小売売上高に関心を持っていれば十分です。
下表は、小売売上高とCPIが同時発表された直近5回の反応と、各指標Iの市場予想との差(Δ小売売上高・ΔコアCPI・ΔCPI)を示しています。
黒字は発表結果が市場予想を上回った程度、赤字は下回った程度を示してます。
市場予想を上回った(下回った)ときに素直に陽線(陰線)で反応したならば背景が水色、逆に陰線(陽線)で素直でない反応となったときは背景が桃色となっています。
本表からわかるように、小売売上高とCPIの市場予想との差は良く一致しています。僅かな差ではありますが、より小売売上高の方が反応方向と一致しています。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が82%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは100%、終値同士で反応が伸びたことは74%となっています。
つまり本指標は、反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適した数値となっています。反応が伸び続ける気配があれば、直後11分足終値までポジションを持って利益を伸ばしても良さそうです。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足は陰線率が92%となっています。
そして、各ローソク足同士は、反応性分析で触れた直後1分足と直後11分足の関係を除けば、あるローソク足の方向が別のローソク足の方向を示唆している兆候がありません。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
そして各差異は、前月比の差異と除自動車の差異を加えて求めています。
事前差異と実態差異は各ローソク足の方向と関係がなさそうです。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各84%・76%となっています。本指標は、発表結果の多寡(市場予想に対して)に応じて素直に反応しています。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年6月14日22:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
小売売上高前月比が市場予想を下回り、小売売上高(除自動車)は市場予想を上回りました。CPII・コアCPIは市場予想を下回っています。
反応は、直後1分足跳幅が45pipsで調査期間において最も大きく、直後11分足跳幅は68pipsで調査期間において2番目に大きな反応となりました。
取引結果は次の通りでした。
問題ありません。
直前1分足が陰線と見込んだ点について、その通りとなりました。
直前10-1分足が陽線なら直後1分足は買ポジション取得し、直前10-1分足が陰線ならポジション取得を見合わせた点は賢明でした。
追撃は容易で、一方向への反応が伸び続けました。
PPIの事前差異が下振れしたときはCPIも下振れする確率が高いという点は、確率通りでした。
シナリオには問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月14日21:30に米国実態指標「小売売上高」・物価指標「CPI」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。
- 今回も小売売上高とCPIが同時発表されます。そして、直近の傾向を見る限り、反応方向は小売売上高に関心を持っていれば十分です。
- 小売売上高の反応は、指標発表前にヒゲが目立っています。がしかし、そのヒゲの方向・程度や直前10-1分足の方向は、指標発表後の反応方向や程度と関係ありません。
指標発表前の動きに連られて慌ててポジションを取らないように気を付けましょう。 - 一方、指標発表後は、小売売上高の発表結果が市場予想を上回ったら陽線、下回ったら陰線という素直な反応をします。そして、過去の確率から言えば、指標発表後の反応は一方向に伸びがちです。
次に指標定型分析の家かは次の通りです。
- 反応性分析の結果は次の通りです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が82%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは100%、終値同士で反応が伸びたことは74%となっています。
つまり本指標は、反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適した数値となっています。反応が伸び続ける気配があれば、直後11分足終値までポジションを持って利益を伸ばしても良さそうです。 - 反応一致性分析の結果は次の通りです。
直前1分足は陰線率が92%となっています。
そして、各ローソク足同士は、反応性分析で触れた直後1分足と直後11分足の関係を除けば、あるローソク足の方向が別のローソク足の方向を示唆している兆候がありません。 - 指標一致性分析の結果は次の通りです。
事前差異と実態差異は各ローソク足の方向と関係がなさそうです。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各84%・76%となっています。本指標は、発表結果の多寡(市場予想に対して)に応じて素直に反応しています。 - 前日発表されたPPI・コアPPIは市場予想を上回り、陽線で反応しました。
過去2017年2月分までの30回弱の傾向を見ると、同月発表のPPI・コアPPIの事後差異がプラスだったとき、CPI・CPIコアの事後差異がプラスとなった確率は74%です。
以上の結果に基づき以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前1分足は陰線と見込みます。
但し、過去平均跳幅は5pips、値幅は3pipsしかないので、当日実際の値動きが小さいようなら取引は中止します。 - 直後1分足は、直前10-1分足との方向一致率が68%となっています。
もし、直前10-1分足が事前差異と同じ陽線になったら指標発表直前に買ポジションを取り、直前10-1分足が陰線なら取引を中止します。 - 指標発表後は、反応方向を確認次第、順張りで追撃を行います。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
【1. 指標概要】
米国個人消費はGDPの約70%を占めています。米国は世界一の消費大国であり、その米国の景気の良否を把握する上で小売売上高やCPIは重要視されています。
小売売上高は、米国商務省経済分析局(BEA)が、小売・サービス業等約5,000社の月間の売上高を集計して毎月第2週に前月分を発表します。
耐久財と非耐久財とに大別され、特に自動車販売・同部品の比重が大きいという特徴があります。そのため、個人消費の動向を確認する上で自動車販売を除いた指標値も同時発表されます。項目別では、自動車や電気製品、建設資材、ガソリンスタンド、総合小売店などの前月比と実額を発表します。
結果は、米国商務省経済分析局(BEA)によるGDP概算の資料や、米労働省労働統計局による生産者物価指数(PPI)のデータにも利用されています。
反応との関係は、除自動車前月比>前月比、です。
CPI(消費者物価指数)は、消費者が購入するモノやサービスなどの価格を指数化した指標です。対象は、全米87都市に住む一般消費者世帯(全人口の80%)が購入する「商品」と「サービス」となっています。コアCPIというのは、価格変動の大きいエネルギーと食品を除いた指数です。
FRBは「前年比2%」の物価上昇を目標としています。主な物価指標には輸入物価指数・PPI(生産者物価指数)・CPI(消費者物価指数)が挙げられますが、CPIはそれらの中で最重要指標とされています。原則は、CPIが低すぎれば購買意欲を刺激するために利下げを行う可能性があり、高すぎれば利上げを行う可能性があります。
物価が下流に波及(輸入物価指数→PPI→CPI)という話において、アテになるのは同月のPPIとCPIが同じ方向に変化する確率が高い、という点です。2015年1月分(同2月発表)から2017年2月分までで、PPIの上昇/下降がCPIのそれと一致したことは74%です。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に小売売上高の過去の市場予想と発表結果を示します。
直近の傾向を見る限り、小売売上高とCPIの同時発表が多くなっています。そして、反応方向に関心を持つ限り、小売売上高に関心を持っていれば十分です。
下表は、小売売上高とCPIが同時発表された直近5回の反応と、各指標Iの市場予想との差(Δ小売売上高・ΔコアCPI・ΔCPI)を示しています。
黒字は発表結果が市場予想を上回った程度、赤字は下回った程度を示してます。
市場予想を上回った(下回った)ときに素直に陽線(陰線)で反応したならば背景が水色、逆に陰線(陽線)で素直でない反応となったときは背景が桃色となっています。
本表からわかるように、小売売上高とCPIの市場予想との差は良く一致しています。僅かな差ではありますが、より小売売上高の方が反応方向と一致しています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が82%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは100%、終値同士で反応が伸びたことは74%となっています。
つまり本指標は、反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適した数値となっています。反応が伸び続ける気配があれば、直後11分足終値までポジションを持って利益を伸ばしても良さそうです。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足は陰線率が92%となっています。
そして、各ローソク足同士は、反応性分析で触れた直後1分足と直後11分足の関係を除けば、あるローソク足の方向が別のローソク足の方向を示唆している兆候がありません。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
そして各差異は、前月比の差異と除自動車の差異を加えて求めています。
事前差異と実態差異は各ローソク足の方向と関係がなさそうです。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各84%・76%となっています。本指標は、発表結果の多寡(市場予想に対して)に応じて素直に反応しています。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年6月14日21:30発表
以下は2017年6月14日22:30頃に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
小売売上高前月比が市場予想を下回り、小売売上高(除自動車)は市場予想を上回りました。CPII・コアCPIは市場予想を下回っています。
反応は、直後1分足跳幅が45pipsで調査期間において最も大きく、直後11分足跳幅は68pipsで調査期間において2番目に大きな反応となりました。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
問題ありません。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
直前1分足が陰線と見込んだ点について、その通りとなりました。
直前10-1分足が陽線なら直後1分足は買ポジション取得し、直前10-1分足が陰線ならポジション取得を見合わせた点は賢明でした。
追撃は容易で、一方向への反応が伸び続けました。
PPIの事前差異が下振れしたときはCPIも下振れする確率が高いという点は、確率通りでした。
(6-2. シナリオ検証)
シナリオには問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年06月11日
米国物価指標「生産者物価指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年6月13日21:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月13日21:30に米国物価指標「生産者物価指数」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。
次に指標定型分析の結果を示します。
以上の調査・分析結果に基づくシナリオは次の通りです。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
PPI(生産者物価指数)は約10,000品目の販売価格(出荷時点価格)を調査・算出した物価指標です。1982年の平均物価を100として算出されています。PPIから、価格変動が大きい食糧・エネルギーを除いた指標がコアPPIです。
内訳には「品目別」「産業別」「製造段階別(原材料・中間財・完成財)」があり、「品目別」「産業別」を見て、結果(「コア指数」「総合指数」)の解釈を行います。
反応は、コアPPIがPPIよりも、前月比が前年比よりも重視されがちです。
さて、物価は上流から下流へと波及し、PPI(生産者物価指数)が変化すればCPI(消費者物価指数)に影響する、と考えられています。そのCPIはFRBの利上げ判断に影響するため、本指標が注目される訳です。
実際、PPI前月比とCPI前月比の増減は、かなり相関が強いことが確認できます。
2015年1月分(2月発表)から2017年2月分(3月発表)までのデータで、PPI前月比がプラスだったかマイナスだったかを、CPI前月比のそれと比較してみました。結果、同月データ同士だと方向一致率が74%、PPIを1か月後のCPIと比べると73%、2か月後だと71%、3か月後だと70%です。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは68%、終値同士で反応が伸びたことは55%となっています。
つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙っても、3回に2回は利確できます。但し、終値は2回に1回しか伸びていないので、短期取引が基本です。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足は陰線率が91%に達しています。
反応性分析で触れた直後1分足と直後11分足の方向一致率以外、ある期間のローソク足が次の期間のローソク足の方向を予見できていません。取引参加者が指標発表前後に正しい読みに基づき売買している兆候はありません。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
事前差異は、指標発表前後のローソク足の方向を予見できていません。
そして事後差異・実態差異は、発表直後1分足との方向一致率が各85%・71%となっています。発表結果が前回結果や市場予想を上回ったか下回ったかに、直後1分足が素直に反応しています。
がしかし、事後差異・実態差異ともに直前10-1分足・直前1分足・直後11分足とは、アテに出来る方向一致率に達していません。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年6月14日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果はPPI前月比を除いて市場予想を上回りました。
反応は陽線です。
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は、当日のボラの低さから取引を止めました。分析に反して陽線となったので、幸いでした。まぁ負けても2-3pipsですが。
発表後には1度だけ追撃を行いました。粘っていればあと4pips程度稼げたようです。がしかし、確率的には反応が伸びることを安心して待てないので、これはこれで構いません。こういうやり方を繰り返して勝率を稼げていれば、そのうち大きく伸びるときに大きく利確できるでしょう。
「無理をしない」という事前の方針に忠実な取引が行えました。
直前1分足・直後1分足・直後11分足と、陽線が伸びています。
直前1分足が陽線となったことは分析を外しています。がしかし、これは確率上の問題ですから、仕方ありません。
事前差異はマイナスでしたが、事後差異はプラスとなりました。全体的に市場予想を上回る指標結果だったということです。
その結果、直後1分足は陽線となり、直後11分足は直後1分足よりも跳値・終値ともに反応を伸ばしました。
これで、翌日発表されるCPIはコアCPI・CPIともに市場予想を上回る確率が70%を超えました。
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月13日21:30に米国物価指標「生産者物価指数」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。
- 本指標には、堅実に稼ぐことが難しい特徴が多々あります。無理に取引しない方が無難です。
- 例えば、指標発表前の直前10-1分足・直前1分足には逆ヒゲ(ローソク足実体部と逆側へのヒゲ)が多くなっています。ヒゲを残したことが多いという事実は、見ているチャートの動きが信じられない、ということです。
また、反応一致性分析や指標一致性分析の結果からは、指標発表直後1分足を除けば、市場予想や発表結果がどうであれ、各ローソク足の方向とあまり関係ありません。次にどちらに動くかが読み取れないのです。
そして、反応は小さく一時的です。 - ただ、指標発表後の初期反応だけは素直で、初期反応方向を確認次第、追撃ポジションを取ってもよいでしょう。但し、短時間で利確すべきです。
というのも、直後11分足終値が直後1分足終値を超えたことは55%未満しかありません。過去の傾向から言えば、深追いを避けるべき指標です。
次に指標定型分析の結果を示します。
- 反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足との方向一致率が81%となっています。がしかし、方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは68%、終値同士で反応が伸びたことは55%です。
つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙って短期勝負なら、3回に2回は利確できます。けれども、直後11分足終値までポジションを持っても2回に1回しか利確できません。
これらの過去確率は、方向一致時に反応が伸びたか否かについて求めているので、直後1分足と直後11分足の方向が一致しなかったときのことも踏まえると、直後11分足終値が直後1分足終値を同方向で超えることは2回に1回未満(50%未満)になってしまいます。
よって、反応方向を確認次第すぐに追撃ポジションを取り、直後1分足終値の平均値12pipsを超えたら利確、その後の追撃は諦めた方が無難です。 - 反応一致性分析の結果、直前1分足は陰線率が91%に達しています。また、反応性分析で触れた直後1分足と直後11分足の方向一致率以外、ある期間のローソク足が次の期間のローソク足の方向を予見できていません。
取引参加者の指標発表前後の動きは、事前に発表結果を正しく読めて売買している兆候が見受けられません。 - 指標一致性分析の結果、市場予想は指標発表前後のローソク足の方向を予見できていないものの、発表結果と前回結果・市場予想の差異は発表直後1分足との方向一致率が各85%・71%となっています。
つまり、発表結果には素直に反応するものの、それ以外に市場予想や発表結果が反応方向を示唆している兆候はありません。
以上の調査・分析結果に基づくシナリオは次の通りです。
- 直前1分足は陰線と見込みます。
がしかし、過去の跳幅平均が4pipsしかなく、値幅平均も2pipsしかありません。この期間の逆ヒゲが多いことも踏まえると、陽線側に跳ねたら数秒間だけ4pips程度の利確のチャンスがあると見ておくべきでしょう。
陰線方向が順張りとなるようなトレンドが指標発表前に発生していない限り、たぶん取引しません。 - 指標発表後は、反応方向を確認でき次第すぐに追撃ポジションを取ります。但し、直後1分足の跳値平均は17pips、終値平均は12pipsしかありません。指標発表直前のレートを頭に入れておき、そこから10pips以上離れていたら追撃は諦めた方が良さそうです。
- 無理しない、ということが大切です。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
【1. 指標概要】
PPI(生産者物価指数)は約10,000品目の販売価格(出荷時点価格)を調査・算出した物価指標です。1982年の平均物価を100として算出されています。PPIから、価格変動が大きい食糧・エネルギーを除いた指標がコアPPIです。
内訳には「品目別」「産業別」「製造段階別(原材料・中間財・完成財)」があり、「品目別」「産業別」を見て、結果(「コア指数」「総合指数」)の解釈を行います。
反応は、コアPPIがPPIよりも、前月比が前年比よりも重視されがちです。
さて、物価は上流から下流へと波及し、PPI(生産者物価指数)が変化すればCPI(消費者物価指数)に影響する、と考えられています。そのCPIはFRBの利上げ判断に影響するため、本指標が注目される訳です。
実際、PPI前月比とCPI前月比の増減は、かなり相関が強いことが確認できます。
2015年1月分(2月発表)から2017年2月分(3月発表)までのデータで、PPI前月比がプラスだったかマイナスだったかを、CPI前月比のそれと比較してみました。結果、同月データ同士だと方向一致率が74%、PPIを1か月後のCPIと比べると73%、2か月後だと71%、3か月後だと70%です。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは68%、終値同士で反応が伸びたことは55%となっています。
つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙っても、3回に2回は利確できます。但し、終値は2回に1回しか伸びていないので、短期取引が基本です。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足は陰線率が91%に達しています。
反応性分析で触れた直後1分足と直後11分足の方向一致率以外、ある期間のローソク足が次の期間のローソク足の方向を予見できていません。取引参加者が指標発表前後に正しい読みに基づき売買している兆候はありません。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
事前差異は、指標発表前後のローソク足の方向を予見できていません。
そして事後差異・実態差異は、発表直後1分足との方向一致率が各85%・71%となっています。発表結果が前回結果や市場予想を上回ったか下回ったかに、直後1分足が素直に反応しています。
がしかし、事後差異・実態差異ともに直前10-1分足・直前1分足・直後11分足とは、アテに出来る方向一致率に達していません。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年6月13日21:30発表
以下は2017年6月14日に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果はPPI前月比を除いて市場予想を上回りました。
反応は陽線です。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は、当日のボラの低さから取引を止めました。分析に反して陽線となったので、幸いでした。まぁ負けても2-3pipsですが。
発表後には1度だけ追撃を行いました。粘っていればあと4pips程度稼げたようです。がしかし、確率的には反応が伸びることを安心して待てないので、これはこれで構いません。こういうやり方を繰り返して勝率を稼げていれば、そのうち大きく伸びるときに大きく利確できるでしょう。
「無理をしない」という事前の方針に忠実な取引が行えました。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
直前1分足・直後1分足・直後11分足と、陽線が伸びています。
直前1分足が陽線となったことは分析を外しています。がしかし、これは確率上の問題ですから、仕方ありません。
事前差異はマイナスでしたが、事後差異はプラスとなりました。全体的に市場予想を上回る指標結果だったということです。
その結果、直後1分足は陽線となり、直後11分足は直後1分足よりも跳値・終値ともに反応を伸ばしました。
これで、翌日発表されるCPIはコアCPI・CPIともに市場予想を上回る確率が70%を超えました。
(6-2. シナリオ検証)
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年06月03日
米国景気指標「ISM非製造業景況指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年6月5日23:00発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月5日23:00に米国景気指標「ISM非製造業景況指数」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。
次に指標について、です。
シナリオは次の通りです。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
本指数は、(1) 米国主要経済指標で毎月早い時期に発表されること(第3営業日)、(2) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(3) 一般論として非製造業の景況感は小売・消費・物価関連の他の指標への影響も大きいと考えられること、から重要度・注目度が高いとされています。
がしかし、後述するように過去のデータを見る限り反応(値動き)はそれほど大きくありません。
本指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
本指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、FRBが本指数が50%未満のときに利上げをしたことがないということ、です。
なお、ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。本指数は、製造業約350社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足は、跳幅平均が9pips、値幅平均が6pipsです。跳値が10pips以上となったことは、28回中9回(32%)です。
直前1分足は、陽線側への5pips程度のヒゲを残した陰線が目立ちます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%です。そして方向一致時に直後1分足と直後11分足の跳値同士で反応が伸びたことが90%、終値同士で反応が伸びたことが62%です。つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適した数値となっています。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前10-1分足の方向と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各58%・58%です。あまり相関があるとは言えません。
直前1分足は陰線率が88%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
事前差異は直前10-1分足・直後1分足との方向一致率が各74%・77%となっています。今回の市場予想は前回結果を下回っており、事前差異はマイナスです。直前10-1分足と直後1分足は陰線となる確率が70%を超えています。
事後差異は直後1分足・直後11分足との方向一致率が各85%・81%と高く、素直に反応する指標であることがわかります。そして、実態差異も直後1分足・直後11分足との方向一致率が各88%・77%と高く、やはり素直に反応する指標だとわかります。また、実態差異は直前10-1分足との方向一致率も70%となっています。
つまり、直前10-1分足の方向は、発表結果が前回結果や市場予想を上回るか下回るかを70%以上当てており、それが当たれば直後1分足は素直に反応する(結果的に直前10-1分足と同方向に反応する)、という傾向が伺えます。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年6月6日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
発表結果は、前回結果・市場予想を下回りました。
内訳は、ビジネス活動(景況感)も前回結果・市場予想を下回り、新規受注と物価指数は前回結果を下回った一方、雇用が改善されていました。着目すべき点は、物価指数が50を下回ったことです。
なお、本指標には関係ないものの、やはり先週の雇用統計のNFPは数字が低すぎるように思えますね。
反応は小さく、直後1分足跳値が4pipsの陽線です。直後11分足は同値終了でした。
取引結果は次の通りでした。
反応が小さかったものの、USDJPYはスプレッドが小さいので利確できました。
事前のシナリオでは、直前10-1分足が陰線のとき直後1分足が陰線となる可能性が高く、陽線のときは一部分析結果に矛盾が生じているので、指標発表直前のポジション取得は諦める、としていました。
指標発表結果が前回結果・市場予想を下回ったにも関わらず陽線ですから、取引中止は正解でした。
問題ありません。
シナリオには問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月5日23:00に米国景気指標「ISM非製造業景況指数」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。
- 直前10-1分足は、跳幅平均が9pips、値幅平均が6pipsです。跳値が10pips以上となったことが28回中9回(32%、3回に1回)です。
そして、直前1分足は陽線側への5pips程度のヒゲを残した陰線が目立ちます。 - 最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、平均値15pipsを超えたことが40%を切っています。一方、同平均値の0.5倍8pipsを超えたことは89%に達しています。つまり10pips強が利確・損切の目安ではないでしょうか。
- 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が75%です。そして方向一致時に直後1分足と直後11分足の跳値同士で反応が伸びたことが90%、終値同士で反応が伸びたことが62%です。
確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適した数値となっています。
次に指標について、です。
- 事前差異は直前10-1分足・直後1分足との方向一致率が各74%・77%となっています。今回の市場予想は前回結果を下回っており、事前差異はマイナスです。直前10-1分足と直後1分足は陰線となる確率が70%を超えています。
- 事後差異は直後1分足・直後11分足との方向一致率が各85%・81%と高く、素直に反応する指標であることがわかります。そして、実態差異も直後1分足・直後11分足との方向一致率が各88%・77%と高く、やはり素直に反応する指標だとわかります。また、実態差異は直前10-1分足との方向一致率も70%となっています。
- つまり、直前10-1分足の方向は、発表結果が前回結果や市場予想を上回るか下回るかを70%以上当てており、それが当たれば直後1分足は素直に反応する(結果的に直前10-1分足と同方向に反応する)、という傾向が伺えます。
シナリオは次の通りです。
- 直前1分足は陰線率が88%となっています。
- 直後1分足は、直前10-1分足が陰線のとき、陰線となる可能性が高い、と言えます。直前10-1分足が陽線のとき、一部分析結果に矛盾が生じているので、指標発表直前のポジション取得は諦めます。
- 直後11分足での取引は、指標発表後の反応方向判明次第、追撃ポジションを取得して行います。
但し、直後11分足跳値が直後1分足跳値を超える確率が高い(90%)一方、直後1分足終値を直後11分足終値が超えた確率はそれほどでもありません(62%)。もし再度の追撃を行うなら、あまり欲張らないことです。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
【1. 指標概要】
本指数は、(1) 米国主要経済指標で毎月早い時期に発表されること(第3営業日)、(2) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(3) 一般論として非製造業の景況感は小売・消費・物価関連の他の指標への影響も大きいと考えられること、から重要度・注目度が高いとされています。
がしかし、後述するように過去のデータを見る限り反応(値動き)はそれほど大きくありません。
本指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
本指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、FRBが本指数が50%未満のときに利上げをしたことがないということ、です。
なお、ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。本指数は、製造業約350社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足は、跳幅平均が9pips、値幅平均が6pipsです。跳値が10pips以上となったことは、28回中9回(32%)です。
直前1分足は、陽線側への5pips程度のヒゲを残した陰線が目立ちます。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%です。そして方向一致時に直後1分足と直後11分足の跳値同士で反応が伸びたことが90%、終値同士で反応が伸びたことが62%です。つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適した数値となっています。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前10-1分足の方向と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各58%・58%です。あまり相関があるとは言えません。
直前1分足は陰線率が88%となっています。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
事前差異は直前10-1分足・直後1分足との方向一致率が各74%・77%となっています。今回の市場予想は前回結果を下回っており、事前差異はマイナスです。直前10-1分足と直後1分足は陰線となる確率が70%を超えています。
事後差異は直後1分足・直後11分足との方向一致率が各85%・81%と高く、素直に反応する指標であることがわかります。そして、実態差異も直後1分足・直後11分足との方向一致率が各88%・77%と高く、やはり素直に反応する指標だとわかります。また、実態差異は直前10-1分足との方向一致率も70%となっています。
つまり、直前10-1分足の方向は、発表結果が前回結果や市場予想を上回るか下回るかを70%以上当てており、それが当たれば直後1分足は素直に反応する(結果的に直前10-1分足と同方向に反応する)、という傾向が伺えます。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年6月5日23:00発表
以下は2017年6月6日に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
発表結果は、前回結果・市場予想を下回りました。
内訳は、ビジネス活動(景況感)も前回結果・市場予想を下回り、新規受注と物価指数は前回結果を下回った一方、雇用が改善されていました。着目すべき点は、物価指数が50を下回ったことです。
なお、本指標には関係ないものの、やはり先週の雇用統計のNFPは数字が低すぎるように思えますね。
反応は小さく、直後1分足跳値が4pipsの陽線です。直後11分足は同値終了でした。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
反応が小さかったものの、USDJPYはスプレッドが小さいので利確できました。
事前のシナリオでは、直前10-1分足が陰線のとき直後1分足が陰線となる可能性が高く、陽線のときは一部分析結果に矛盾が生じているので、指標発表直前のポジション取得は諦める、としていました。
指標発表結果が前回結果・市場予想を下回ったにも関わらず陽線ですから、取引中止は正解でした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
問題ありません。
(6-2. シナリオ検証)
シナリオには問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年06月01日
米国雇用指標「平均時給・NFP・失業率」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年6月2日21:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月2日21:30に米国雇用指標「平均時給・NFP・失業率」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
同時に、米国国際収支「貿易収支」も発表されますが、こちらへの反応は雇用統計と比べるまでもなく、無視しても差し支えありません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。
指標については次の通りです。
シナリオは次の通りです。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
本指標発表で過去に最も反応したのはNFPですが、最近は平均時給への注目が高まっています。
平均時給への注目が高くなっているのは、以前にFRB幹部が注目していると発言したからです。現在、米国経済は緩やかな成長とインフレが持続しています。インフレが進むのに賃金が上昇しなければ、いずれ成長が腰折れしてしまいます。だから、平均賃金への関心が高まっているのです。
本指標のNFPは、ADP雇用統計の結果が先行指標としてアテになります。
ADPの発表結果と雇用統計のNFPとの関係を下表に示します。下表は前月まで28回分の両指標発表を遡って調べた結果です。
直前1分足の方向は、両指標発表時の一致率が高いことがわかります。
そして、事後差異の方向が、両指標発表結果の一致率が高いことがわかります。事後差異の方向は、発表結果が市場予想を上回ったか下回ったかで決まります。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が86%です。そして方向一致時に、跳値同士で反応が伸びた事例は79%、終値同士で反応が伸びた事例が54%です。追撃すべき指標ですが、短時間に留めるべきです。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足は陰線率が82%です。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
今回から本指標では平均時給の影響を踏まえて、100✕(平均時給の差異)+1✕(NFPの差異)ー10✕(失業率の差異)、で事前差異・事後差異・実態差異を求めています。
事前差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各79%・71%となっています。つまり、本指標の市場予想は、前回結果との大小関係(方向)に関して良く当たっている、と言えます。なお、今回の事前差異はマイナス(陰線)となっています。
事後差異は、直後1分足との方向一致率が82%となっています。発表直後の反応は素直になりがちです。がしかし直後11分足との方向一致率は68%ですから、一致率が低くはないものの、直後の反応方向ほどにはアテにできないことがわかります。
実態差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各81%・70%となっています。意外なことに確率を見る限り、発表結果と市場予想との大小関係よりも、発表結果と前回結果との大小関係の方が、反応方向との一致率が高くなっています。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年6月2日22:20頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標は、平均時給が前回結果を下回り市場予想通り、NFPが前回結果・市場予想を下回り、失業率が前回結果・市場予想よりも改善、でした。
反応は、直前10-1分足が陽線となった他、直前1分足・直後1分足・直後11分足は陰線となりました。
今回の反応は、平均時給が前回結果を下回ったことよりも、NFPが市場予想を大きく下回ったことが原因でしょう。昨日のADP雇用統計の結果が良かっただけに、NFP低下が大きな陰線へと結びついた、と思われます。
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は外しました。これは、どーんと一瞬で陽線側に大きく跳ねたので、この期間にポジションを取る以上は損切も仕方ありません。
直後11分足の追撃は、シナリオ通り、短期利確の繰り返しを意識したものの、結果的にはチャートを見ながら小分けポジション取得・解消を繰り返す方法に意味がなかったように思います。反発は小さく、一方向への動きが継続されていました。
本指標への分析には問題ありません。
ADPとの関係から言えば、直後1分足を陽線と見なして買ポジションを取ることも考えたものの、最終的には本指標の指標一致性分析の結果を優先し、売ポジションを採用していました。
この点、今回の選択が当たったことは偶然で、読みや分析の正しさのためではありません。
事前準備していたシナリオには問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月2日21:30に米国雇用指標「平均時給・NFP・失業率」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
同時に、米国国際収支「貿易収支」も発表されますが、こちらへの反応は雇用統計と比べるまでもなく、無視しても差し支えありません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。
- 発表前から大きく反応しがちです。いつ・どちらに跳ぶか読めないので、発表前のポジションは短時間利確が基本です。
- 直近の傾向から言えば、以前のNFP発表結果中心の反応とは言い切れません。平均時給の寄与が大きいようです。
- そして、過去のデータが示す内容は、必ずしも良く見かける経験則に一致していません。
例えば、ADP雇用統計はNFPの先行指標としてアテになります(感覚的に「良く外れる」という解説を見かけます)。但し、直近の傾向から言って、NFPの増減が反応に与える影響は以前ほどではありません。
また例えば、雇用統計こそ市場予想と発表結果との大小関係で反応方向が決まる代表的指標という解説を見かけます。がしかし、データを見る限り、前回結果と発表結果の差の方が、市場予想と発表結果の差よりも、反応方向との一致率が高くなっています。
指標については次の通りです。
- 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が86%です。そして方向一致時に、跳値同士で反応が伸びた事例は79%、終値同士で反応が伸びた事例が54%です。
追撃すべき指標ですが、このブログで対象とする時間範囲では短時間追撃に留めるべき指標です。 - 事前差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各79%・71%となっています。つまり、本指標の市場予想は、前回結果との大小関係(方向)に関して良く当たっている、と言えます。なお、今回の事前差異はマイナス(陰線)となっています。
- 事後差異は、直後1分足との方向一致率が82%となっています。発表直後の反応は素直になりがちです。がしかし直後11分足との方向一致率は68%ですから、一致率が低くはないものの、直後の反応方向ほどにはアテにできないことがわかります。
- 実態差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各81%・70%となっています。意外なことに過去確率を見る限り、発表結果と市場予想との大小関係よりも、発表結果と前回結果との大小関係の方が、反応方向との一致率が高いのです。
シナリオは次の通りです。
- 直前1分足は陰線率が82%です。
- 直後1分足は、事前差異との方向一致率が79%と高いことに注目すべきです。今回の事前差異はマイナスとなっています。陰線です。
- 直後11分足は、短時間取引を繰り返す追撃を行います。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
【1. 指標概要】
本指標発表で過去に最も反応したのはNFPですが、最近は平均時給への注目が高まっています。
平均時給への注目が高くなっているのは、以前にFRB幹部が注目していると発言したからです。現在、米国経済は緩やかな成長とインフレが持続しています。インフレが進むのに賃金が上昇しなければ、いずれ成長が腰折れしてしまいます。だから、平均賃金への関心が高まっているのです。
本指標のNFPは、ADP雇用統計の結果が先行指標としてアテになります。
ADPの発表結果と雇用統計のNFPとの関係を下表に示します。下表は前月まで28回分の両指標発表を遡って調べた結果です。
直前1分足の方向は、両指標発表時の一致率が高いことがわかります。
そして、事後差異の方向が、両指標発表結果の一致率が高いことがわかります。事後差異の方向は、発表結果が市場予想を上回ったか下回ったかで決まります。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が86%です。そして方向一致時に、跳値同士で反応が伸びた事例は79%、終値同士で反応が伸びた事例が54%です。追撃すべき指標ですが、短時間に留めるべきです。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足は陰線率が82%です。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
今回から本指標では平均時給の影響を踏まえて、100✕(平均時給の差異)+1✕(NFPの差異)ー10✕(失業率の差異)、で事前差異・事後差異・実態差異を求めています。
事前差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各79%・71%となっています。つまり、本指標の市場予想は、前回結果との大小関係(方向)に関して良く当たっている、と言えます。なお、今回の事前差異はマイナス(陰線)となっています。
事後差異は、直後1分足との方向一致率が82%となっています。発表直後の反応は素直になりがちです。がしかし直後11分足との方向一致率は68%ですから、一致率が低くはないものの、直後の反応方向ほどにはアテにできないことがわかります。
実態差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各81%・70%となっています。意外なことに確率を見る限り、発表結果と市場予想との大小関係よりも、発表結果と前回結果との大小関係の方が、反応方向との一致率が高くなっています。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年6月2日21:30発表
以下は2017年6月2日22:20頃に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標は、平均時給が前回結果を下回り市場予想通り、NFPが前回結果・市場予想を下回り、失業率が前回結果・市場予想よりも改善、でした。
反応は、直前10-1分足が陽線となった他、直前1分足・直後1分足・直後11分足は陰線となりました。
今回の反応は、平均時給が前回結果を下回ったことよりも、NFPが市場予想を大きく下回ったことが原因でしょう。昨日のADP雇用統計の結果が良かっただけに、NFP低下が大きな陰線へと結びついた、と思われます。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は外しました。これは、どーんと一瞬で陽線側に大きく跳ねたので、この期間にポジションを取る以上は損切も仕方ありません。
直後11分足の追撃は、シナリオ通り、短期利確の繰り返しを意識したものの、結果的にはチャートを見ながら小分けポジション取得・解消を繰り返す方法に意味がなかったように思います。反発は小さく、一方向への動きが継続されていました。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
本指標への分析には問題ありません。
ADPとの関係から言えば、直後1分足を陽線と見なして買ポジションを取ることも考えたものの、最終的には本指標の指標一致性分析の結果を優先し、売ポジションを採用していました。
この点、今回の選択が当たったことは偶然で、読みや分析の正しさのためではありません。
(6-2. シナリオ検証)
事前準備していたシナリオには問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上