2017年06月23日
米国実態指標「新築住宅販売件数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年6月23日23:00発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月23日23:00に米国実態指標「新築住宅販売件数」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。
次に指標定型分析の結果は次の通りです。
以上の分析結果に基づき以下のシナリオで取引に臨みます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
多くのFX会社の経済指標カレンダーでは、本指標の重要度・注目度が高い、とされています。これは、消費やリフォームなどの関連需要にも繋がるため波及効果も大きい上、消費者個人の収入・金利の見通しが反映されるため、とされています。
それなら販売件数が多い中古住宅販売件数の方が重要度・注目度が高いはずですが、そんなことはありません。それに、住宅関連指標はいずれも10pips前後しか反応しません。
本指標の集計は、一戸建に加えて、コンドミニアムと共同住宅を含めた数字も発表されます。
但し、この件数には土地付きの新築住宅販売が対象で、既に保有する土地へ住宅を新築したものは含まれません。その理由はわかりません。
過去の傾向から言えば、販売件数>前月比で反応しがちです。後述する指標一致性分析に示す通り、販売件数発表結果が市場予想を上回るか下回るかという方向と、直後1分足は70%強の方向一致率があります。前月比との方向一致率は60%程度です(不正確ですみません。過去データを無くしてしまいました)。
また、以前の発表数値が大きく修正されることがあり、それが反応に影響することもあるので注意が必要です。
注意すべき点は、中古住宅販売件数は所有権移転完了ベースであるのに対して、新築住宅販売件数が契約書署名ベースで集計されています。そのため、本指標は中古住宅販売件数に対し1〜2か月先行する、という解説を多く見かけます。
これは、事実に照らして正確ではありません。
下表に中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の時差を調べた結果を示します。
下表は、2015年1月〜2017年4月分までの28回分のデータを用いました。
「2017年1月」を、あたかも基準のように表示しているのは気にしないでください。どちらの指標がどちらの指標に対し、どれだけ先行・遅行しているかをわかりやすく示しただけです。
分析は先述の通り、28回分のデータをスライドさせて行っています。よって、時差1か月のデータ数は27、時差2か月のデータは26、時差3か月のデータは25です。
また、本表の項目毎の%は、方向一致率を示しています。
例えば「同月同士の中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の実態差異は48%の方向一致率がある」と読み取ります。
まず、多くの解説で述べられている両指標の間の先行性・遅行性の関係は、前回結果と発表結果の大小関係(実態差異)について論じているハズです。
結果は、中古住宅販売件数の実態差異は、新築住宅販売件数の2か月前の実態差異と方向一致率が58%となっており、1か月前(42%)・3か月前(43%)よりも15%程度も高くなっています。でも、高いと言っても方向一致率は58%です。
この一致率をもって「だから新築住宅販売件数は中古住宅販売件数よりも2か月の先行性がある」と解説するのは少し無理がある、と思います。
事実に基づけば、少なくとも直近25〜28回分のデータに基づく限り、中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の間には先行性・遅行性といった関係を見出せない、と結論付けます。
そしていま、3回に2回(67%)以上の頻度で起こることを「傾向が見受けられる」といい、4回に3回(75%)以上の頻度で起きることを「傾向がある」といった言葉で使い分けることにしましょう。
すなわち、少なくとも直近のデータを見る限り、両指標の同月発表では直後1分足の反応方向が一致する傾向が見受けられます。そして、前月の中古住宅販売件数の直後11分足は、当月の新築住宅販売件数の直後11分足と、反応方向が一致する傾向があります。
但し、こうした一致率の高さは、両指標の集計方法や発表時期の関係を踏まえると、合理的にわかりやすいロジックで説明ができません。もしかすると、別の原因(単に、住宅市場が好調だったり、通常よりも中古住宅の在庫が不足している時期だったり)があると、こうしたカタチで現れやすくなっている可能性があるのかも知れません。
がしかし、単純なロジックでストーリー化できないことを、わざわざ複雑に説明できても仕方がありません。経済情勢を把握することは、取引の手段であって目的ではありません。もっと長期的に観察していけば、もし何か意味のあることなら確率は収まるべき数値に収まるでしょう。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
一見すると「市場予想後追い型」の指標に見えなくもありません。確認しておきましょう。
市場予想後追い型とは、実際には市場予想の方が発表結果よりも先に公表されているにも関わらず、後からそれらをプロットしたグラフを見ると、いかにも市場予想の方が発表結果を追従しているように見える指標です。こうした指標では、直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想を上抜けし続けたり下抜けし続けた発表結果となることが多いのです。
調査期間において、上抜け・下抜けが起きた回数(同値はカウントしない)は17回です。明らかに2回に1回以上の上抜け・下抜けをしているので、市場予想後追い型ではありません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足は陽線が、直前1分足は陰線が、直後1分足と直後11分足は陽線が目立ちます。後述する反応一致性分析で数字を確認しておきましょう。
直後11分足は、上ヒゲ・下ヒゲの長さを加えると、値幅よりも大きくなっている月が多いようです。こういうときは、次の瞬間にどっちに動くかがわからない指標だということが多いので、注意が必要です。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が59%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは56%、終値同士で反応が伸びたことは50%となっています。
つまり、確率的に言って、本指標は追撃に適していません。反応が長続きしない指標なのです。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足は陰線率が76%です。但し、過去平均の跳幅は4pipsしかありません。
直後1分足は、本ブログのポジション取得基準に達していませんが、3回に2回は陽線です。過去平均の跳幅は9pipsです。
そして、ある期間のローソク足がその後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
事前差異は直前10-1分足との方向一致率が75%あります。今回の事前差異はプラスなので、陽線と見込めます。
但し、市場予想は発表直前に改訂されることもあるので、取引きするなら指標発表前に再確認しておきましょう。
注目すべき点は、事前差異と直後1分足との方向一致率が70%となっていることです。つまり、この指標における市場予想は、発表結果が良いときも悪いときも控え目に予想されがちです。
これは、今回のように事前差異がプラスの場合、直後1分足が陽線になりがちだということです。
事後差異・実態差異は、直後1分足との方向一致率が各74%・78%です。発表結果の良し悪しに素直に反応しています。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年6月24日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は市場予想を上回り、反応は陽線でした。
同月の中古住宅販売件数も同様結果となっていました。
米国住宅市場は在庫不足で、低価格帯住宅の販売が好調です。今回の結果が6月利上げによる駆け込み需要があったのか否かという観点での解説記事は、まだ見受けられません。
取引結果は次の通りでした。
ほぼ的中といっても良い平均的な反応であり、指標発表前の反応が指標結果を示唆している点でも、過去の傾向通りとなりました。
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月23日23:00に米国実態指標「新築住宅販売件数」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。
- 本指標は、指標発表前の取引参加者の動きが、指標発表結果の良し悪しを良く掴めているようです。がしかし、反応は小さく、指標発表後の反応が短時間で追撃には向いていません。
- 過去の傾向から言えば、販売件数>前月比で反応しがちです。販売件数発表結果の良し悪しと直後1分足は70%強の方向一致率がある一方、前月比との方向一致率は60%程度です。それより、以前の発表数値が大きく修正されることがあります。それが反応に影響することもあるので注意が必要です。
過去データの修正による影響は、本ブログの分析では考慮できていません。 - 一部解説では、本指標が中古住宅販売件数に対し1〜2か月先行する、という説明を見かけます。がしかし、これは事実に照らして正確ではありません。
直近のデータを見る限りでは、両指標の同月発表で直後1分足の反応方向が一致する傾向が見受けられます。そして、前月の中古住宅販売件数の直後11分足は、当月の新築住宅販売件数の直後11分足と、反応方向が一致する傾向があります(前月の中古住宅販売件数の直後11分足は陰線でした)。
但し、この確率数値は単なるばらつきで、因果関係がない可能性があります。
次に指標定型分析の結果は次の通りです。
- 反応性分析の結論は次の通りです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が59%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは56%、終値同士で反応が伸びたことは50%となっています。
つまり、確率的に言って、本指標は追撃に適していません。反応が長続きしない指標なのです。 - 反応一致性分析の結論は次の通りです。
直前1分足は陰線率が76%、直後1分足は3回に2回(67%)が陽線です。但し、過去の反応は小さいので、含益をもったら、さっさと利確すべきです。
そして、ある期間のローソク足がその後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。 - 指標一致性分析の結論は次の通りです。
事前差異は直前10-1分足との方向一致率が75%あります。今回の事前差異はプラスなので、陽線と見込めます。但し、市場予想は発表直前に改訂されることもあるので、取引きするなら指標発表前に再確認しておきましょう。
注目すべき点は、事前差異と直後1分足との方向一致率が70%となっていることです。つまり、この指標における市場予想は、発表結果が良いときも悪いときも控え目に予想されがちです。これは、今回のように事前差異がプラスの場合、直後1分足が陽線になりがちだということです。
そして、事後差異・実態差異は、直後1分足との方向一致率が各74%・78%です。発表結果の良し悪しに素直に反応しています。
以上の分析結果に基づき以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前10-1分足は、事前差異と同じ方向と見なします。本稿記載時点で事前差異はプラスです。
- 直前1分足は陰線と見込みます。但し、期待できるpipsが小さいため取引する/しないは、そのときのチャートを見て決めます。
- 直後1分足は、直前10-1分足と同じ方向と見なし、指標発表直前にポジションを取ります。
- 本指標では、指標発表後の追撃を行いません。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
【1. 指標概要】
多くのFX会社の経済指標カレンダーでは、本指標の重要度・注目度が高い、とされています。これは、消費やリフォームなどの関連需要にも繋がるため波及効果も大きい上、消費者個人の収入・金利の見通しが反映されるため、とされています。
それなら販売件数が多い中古住宅販売件数の方が重要度・注目度が高いはずですが、そんなことはありません。それに、住宅関連指標はいずれも10pips前後しか反応しません。
本指標の集計は、一戸建に加えて、コンドミニアムと共同住宅を含めた数字も発表されます。
但し、この件数には土地付きの新築住宅販売が対象で、既に保有する土地へ住宅を新築したものは含まれません。その理由はわかりません。
過去の傾向から言えば、販売件数>前月比で反応しがちです。後述する指標一致性分析に示す通り、販売件数発表結果が市場予想を上回るか下回るかという方向と、直後1分足は70%強の方向一致率があります。前月比との方向一致率は60%程度です(不正確ですみません。過去データを無くしてしまいました)。
また、以前の発表数値が大きく修正されることがあり、それが反応に影響することもあるので注意が必要です。
注意すべき点は、中古住宅販売件数は所有権移転完了ベースであるのに対して、新築住宅販売件数が契約書署名ベースで集計されています。そのため、本指標は中古住宅販売件数に対し1〜2か月先行する、という解説を多く見かけます。
これは、事実に照らして正確ではありません。
下表に中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の時差を調べた結果を示します。
下表は、2015年1月〜2017年4月分までの28回分のデータを用いました。
「2017年1月」を、あたかも基準のように表示しているのは気にしないでください。どちらの指標がどちらの指標に対し、どれだけ先行・遅行しているかをわかりやすく示しただけです。
分析は先述の通り、28回分のデータをスライドさせて行っています。よって、時差1か月のデータ数は27、時差2か月のデータは26、時差3か月のデータは25です。
また、本表の項目毎の%は、方向一致率を示しています。
例えば「同月同士の中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の実態差異は48%の方向一致率がある」と読み取ります。
まず、多くの解説で述べられている両指標の間の先行性・遅行性の関係は、前回結果と発表結果の大小関係(実態差異)について論じているハズです。
結果は、中古住宅販売件数の実態差異は、新築住宅販売件数の2か月前の実態差異と方向一致率が58%となっており、1か月前(42%)・3か月前(43%)よりも15%程度も高くなっています。でも、高いと言っても方向一致率は58%です。
この一致率をもって「だから新築住宅販売件数は中古住宅販売件数よりも2か月の先行性がある」と解説するのは少し無理がある、と思います。
事実に基づけば、少なくとも直近25〜28回分のデータに基づく限り、中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の間には先行性・遅行性といった関係を見出せない、と結論付けます。
そしていま、3回に2回(67%)以上の頻度で起こることを「傾向が見受けられる」といい、4回に3回(75%)以上の頻度で起きることを「傾向がある」といった言葉で使い分けることにしましょう。
すなわち、少なくとも直近のデータを見る限り、両指標の同月発表では直後1分足の反応方向が一致する傾向が見受けられます。そして、前月の中古住宅販売件数の直後11分足は、当月の新築住宅販売件数の直後11分足と、反応方向が一致する傾向があります。
但し、こうした一致率の高さは、両指標の集計方法や発表時期の関係を踏まえると、合理的にわかりやすいロジックで説明ができません。もしかすると、別の原因(単に、住宅市場が好調だったり、通常よりも中古住宅の在庫が不足している時期だったり)があると、こうしたカタチで現れやすくなっている可能性があるのかも知れません。
がしかし、単純なロジックでストーリー化できないことを、わざわざ複雑に説明できても仕方がありません。経済情勢を把握することは、取引の手段であって目的ではありません。もっと長期的に観察していけば、もし何か意味のあることなら確率は収まるべき数値に収まるでしょう。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
一見すると「市場予想後追い型」の指標に見えなくもありません。確認しておきましょう。
市場予想後追い型とは、実際には市場予想の方が発表結果よりも先に公表されているにも関わらず、後からそれらをプロットしたグラフを見ると、いかにも市場予想の方が発表結果を追従しているように見える指標です。こうした指標では、直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想を上抜けし続けたり下抜けし続けた発表結果となることが多いのです。
調査期間において、上抜け・下抜けが起きた回数(同値はカウントしない)は17回です。明らかに2回に1回以上の上抜け・下抜けをしているので、市場予想後追い型ではありません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足は陽線が、直前1分足は陰線が、直後1分足と直後11分足は陽線が目立ちます。後述する反応一致性分析で数字を確認しておきましょう。
直後11分足は、上ヒゲ・下ヒゲの長さを加えると、値幅よりも大きくなっている月が多いようです。こういうときは、次の瞬間にどっちに動くかがわからない指標だということが多いので、注意が必要です。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が59%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは56%、終値同士で反応が伸びたことは50%となっています。
つまり、確率的に言って、本指標は追撃に適していません。反応が長続きしない指標なのです。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足は陰線率が76%です。但し、過去平均の跳幅は4pipsしかありません。
直後1分足は、本ブログのポジション取得基準に達していませんが、3回に2回は陽線です。過去平均の跳幅は9pipsです。
そして、ある期間のローソク足がその後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
事前差異は直前10-1分足との方向一致率が75%あります。今回の事前差異はプラスなので、陽線と見込めます。
但し、市場予想は発表直前に改訂されることもあるので、取引きするなら指標発表前に再確認しておきましょう。
注目すべき点は、事前差異と直後1分足との方向一致率が70%となっていることです。つまり、この指標における市場予想は、発表結果が良いときも悪いときも控え目に予想されがちです。
これは、今回のように事前差異がプラスの場合、直後1分足が陽線になりがちだということです。
事後差異・実態差異は、直後1分足との方向一致率が各74%・78%です。発表結果の良し悪しに素直に反応しています。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年6月23日23:00発表
以下は2017年6月24日に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は市場予想を上回り、反応は陽線でした。
同月の中古住宅販売件数も同様結果となっていました。
米国住宅市場は在庫不足で、低価格帯住宅の販売が好調です。今回の結果が6月利上げによる駆け込み需要があったのか否かという観点での解説記事は、まだ見受けられません。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
ほぼ的中といっても良い平均的な反応であり、指標発表前の反応が指標結果を示唆している点でも、過去の傾向通りとなりました。
(6-2. シナリオ検証)
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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