アフィリエイト広告を利用しています
ファン
検索
<< 2024年08月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリアーカイブ
プロフィール

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2023年07月13日

懐かしのサンデーコミックス

 ほんの少し前まで、サンデーコミックスという漫画コミックスのレーベルが現役で活躍していました。

 と言っても、これは「少年サンデー」(小学館)に掲載されたマンガを収録したコミックスではありません。発行元は秋田書店であり、しかし、秋田書店の雑誌以外で発表された有名マンガなども、このレーベルからは、大量に発行されていたのです。

 日本のマンガ文化は、はじめっから、完全な形で確立していた訳ではなく、マンガ黎明期の頃に雑誌で発表されたマンガに関しては、単行本化されないものも少なくありませんでした。そうした古い名作マンガを救い出して、新しい漫画ファンでも読めるようにコミックス化してくれた草分けがサンデーコミックスだったのです。

 だから、サンデーコミックスからは、今でも沢山の人たちに読まれている有名マンガがいっぱい発売されていました。特に私ぐらいの世代(50代)の人間は、それらのマンガの雑誌掲載時は立ち会っていませんので、サンデーコミックスこそが、そのマンガとの初めての出会いだった事も多かったのです。

 よって、私の世代は、サンデーコミックス版こそが、そのマンガの原初イメージだったりするのですが、実は、このサンデーコミックスって、けっこう内容の改編も多くて、曲者なのでした。

 当時は、一冊のコミックスのページ数が約200ページというのが定着し始めた頃でしたので、この縛りの方が厳守されて、無理やり200ページに収まるように、元のマンガ原稿の方が手を加えられてしまったようなのです。オリジナルが大事にされる今の時代では考えられない話ですけどね。

 そんな訳で、本来の連載版とは内容を大きく変えられてしまったサンデーコミックスのマンガと言うのを、いくつか、例として、ご紹介いたします。

鉄人.jpg
 まずは、「鉄人28号」(雑誌発表1956年)。

 言わずと知れた横山光輝先生の有名すぎるロボット漫画です。これほどの名作ですら、当時は、誰でも手軽に読める状態ではありませんでした。いえ、さすがに、これほどの有名作品でしたら、過去にも何度か単行本化はされていたのですが、それらの単行本は、いずれも早々に絶版となっていたのです。

 で、持続的に発売され続ける「鉄人」コミックスとして、このサンデーコミックス(1965年)が生き残った訳です。ところが、このサンデーコミックス版というのが、いろいろと問題のある内容なのでした。

 まず、雑誌連載の最初の方のエピソードがごっそりと欠けています。いきなり、不乱拳博士が登場するエピソードから始まるのです。ゆえに、鉄人28号の誕生秘話も、雑誌とは大きく異なるエピソードが語られます。それどころか、この不乱拳博士のエピソードからして、雑誌版とは展開がかなり変更されているのです。そんな感じで、サンデーコミックスの「鉄人28号」は、雑誌版とはあちこちが違っているのでした。

 でも、雑誌版を知らない私ぐらいの世代は、このサンデーコミックス版こそが「鉄人28号」の正しいストーリーなのだと思い込んでいたのでした。

 ちなみに、このサンデーコミックスの「鉄人」が、ここまで雑誌版と違っていた理由は、先行して発売されていたカッパ・コミクス版の「鉄人28号」(1964年)をベースに使っていたせいでもありました。カッパ・コミクス版の「鉄人」は、1冊100ページとさらにページ制限が厳しくて、元の原稿をそうとう書き換えまくっていたのです。

 ややこやしい事に、テレビで放送された「鉄人28号」は、実写版(1960年)にせよ、モノクロアニメ版(1963年)にせよ、雑誌掲載版のストーリーが採用されています。その為、私ぐらいの世代は、あとから実写版やモノクロアニメを観たのですが、サンデーコミックスの「鉄人」とまるで内容が違ったものだから、大いに戸惑ったものなのでした。

 皮肉なことに、モノクロアニメ版は、雑誌掲載の「鉄人28号」を頭の方から順に忠実にアニメ化していましたので、これらのアニメの原作ストーリーをサンデーコミックスでは全く読む事ができなかったのでありました。

 近年、「鉄人28号」は、原作完全版のコミックス(2005年)が発売され、その本来の内容が復活する事となりました。しかし、私ぐらいの世代は、むしろ、サンデーコミックス版の「鉄人」のストーリーの方が馴染み深かったりもするのでした。

トリトン.jpg
 「海のトリトン」(新聞発表1969年)。

 こちらも、手塚治虫先生の名作マンガの一つです。1972年にアニメ化され、その勢いで、同年末に、サンデーコミックスで初単行本化されました。

 このマンガは、初公開時は、実は、新聞掲載の1話1ページ漫画でした。だから、1ページの中にけっこうなコマ数が詰め込まれていた訳です。しかし、サンデーコミックスでの単行本化にあたり、それでは子供は読みづらかろうと考えたのか、書き直し大好きの手塚先生は、ごっそりと加筆してしまったのでした。

 結果的に、サンデーコミックスに収録された「トリトン」は、大きなコマどころか、見開きページまで有る、ごくごく普通の少年マンガにと生まれ変わりました。その際、いくつもの小さなエピソードを削ったり、話の流れが作り直されたりもしたのでした。

 最大の修正点としては、宿敵ポセイドンの退治方法があります。不死身のポセイドンは、新聞版では、宇宙に追放する形でケリがつきましたが、サンデーコミックス版は、そのへんを丸ごとカットしてしまいましたので、要塞を爆発させただけで、不死身ポセイドンも十分に滅ぼせたような感じになっています。

 また、トリトンの師匠・丹下全膳の死も、話が湿っぽくなると思ったのか、サンデーコミックスでは、そっくり省かれていました。

 序盤の和也のエピソードも、サンデーコミックスでは少し短くなっているのですが、これについては、短くした方が、綺麗に話がまとまったような印象も受けます。

 この「海のトリトン」も、講談社の手塚治虫漫画全集に収録される(1979年)にあたって、オリジナル重視で、新聞掲載のバージョンが採用される事となりました。つまり、サンデーコミックス版とは要所が異なる「トリトン」が収録された訳です。当時、この全集版とサンデーコミックス版の「トリトン」を読み比べた読者は、絶妙な内容の違いにビックリしたかもしれません。

 なお、以後、新たに発行された「トリトン」コミックスは、ほぼ全集版の方で統一されています。


 このように、サンデーコミックスは、現在、普遍的に読まれている、そのマンガのコミックスとは、微妙に内容が異なっているのであります。そして、私ぐらいの世代のマンガ好きの場合は、サンデーコミックスの構成の方が、頭に焼き付いていたりもするのです。

 もし、そのマンガの大ファンだと言うのでしたら、一応、サンデーコミックス版も揃えておいた方が、より、そのマンガの世界観を楽しめるかも知れません。

posted by anu at 15:15| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ・本

2023年06月10日

私のバカせまい史

 フジテレビで木曜9時から放送されている「私のバカせまい史」が、なかなか楽しいです。

 私の編纂した「平成・令和生まれに捧げる特撮学」も、考えようによっては、特撮ヒーローものの「バカせまい史」の寄せ集めみたいなものだから。

 もし、「私のバカせまい史」で、特撮好きのタレントさんが、特撮関係のバカせまい史を発表するようでしたら、私の書いた「平成・令和生まれに捧げる特撮学」の内容を、喜んで、ご提供いたします。


posted by anu at 12:47| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ番組

2023年05月22日

「ランポ先生の休日」解説

 この作品は、どちらかと言うと、「アケチ大戦争」よりも、それ以前のおふざけニジュウ面相シリーズの流れをくんだ作品でして、このおふざけシリーズでは、これまでも、ニジュウ面相、ナカムラ警部、ハナザキマユミ、と脇役キャラばかりを主演に使ってきましたが、本作では、とうとう、作者のランポ先生(江戸川乱歩)本人にも、ご登場していただきました。

 内容は、ランポ先生の日常(休日)を追いながら、彼が、いろいろな身近なものから小説の着想を得ていく、と言うエッセイ風ストーリーとなっています。実話を元にしたかのような書き方をしていますが、ほんとは、中身のほとんどがフェイク(うそ)です。乱歩氏の作品自体から書き出したネタばかりですが、若干の真実も混ざっていますので、そのへんの実話と虚構の境目を楽しんでいただけたら良いかな、と思いました。

 本作は、「アケチ大戦争」の途中に、番外エピソードとして挿入いたしましたが、これは、同作にて、今後、黄金仮面や少年探偵団などが登場する事への含み(予告)にもなっていたのでした。

「アケチ大戦争」

posted by anu at 14:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2023年05月12日

私とビートルズ

 私がまだ高校生だった頃の話です。

 当時、私は、例によって、姉が持っていた録音済みカセットテープを、勝手に漁って、勝手に聴かせてもらっておりました。
 これまでに手に取った事がなかったテープもありましたので、チャレンジして、聴いてみましたら、これが全くの洋楽です。全部の曲が、英語の歌詞なのです。でも、聴き慣れていくうちに、私は、この洋楽がひどく気に入ってしまったのでした。

 そこで、私は、このテープを姉に見せて、誰の曲なのかを尋ねてみました。
 すると、姉は「ビートルズだ」と言います。
 しかし、私は疑って、その言葉をすぐに信じなかったのでした。
 と言うのも、当時の私は、ビートルズなんて有名すぎて、逆に、ろくに聴いた事もなかったからです。知っているのは、「イエスタデイ」とか「ア・ハード・デイズ・ナイト」クラスの超メジャー曲ぐらいなもので、私にとってのビートルズのイメージは、その程度のものだったのでした。
 そんな訳で、あやふやなまま、そのテープの洋楽の件は、ずっと放ったらかしになっていたのです。

 で、それから間もなくして、私は大学へと進学したのですが、そこで受けた英語の学科で、教科書にビートルズが使われておりました。
 この時、授業で引用された曲の中に、バッチリ、例のテープの洋楽が含まれていたのでした。私は、あらためて、強いショックを受けたのであります。
 やっぱり、姉の言っていた事は間違っていなかったのです。こうして、はっきりとした確信を得ましたので、私は、さっそく、貸しレコード屋に向かって、速攻で、ビートルズのアルバムを借りてきたのでありました。

 曲名さえ分かれば、あとは探すのは簡単です。
 例のテープに入っていた曲の収録アルバムは、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」「アビイ・ロード」でした。ちょっとでもビートルズを分かっている人ならば、当然ご存知のアルバムだったのですが、こんな常識ですら、当時の私は知らなかったのでした。

 ちなみに、姉の持っていたテープは、ビートルズ本人の音声ではなく、誰かのカバー版だったようです。どうやら、姉も友人あたりから貰ったものだったらしくて、このテープにはあまり思い入れがなかったみたいで、実は、テープの半分ほどは、すでに消されており、さだまさしの歌が上から録音されていたのでした。

 とにかく、私としては、ようやく、謎の曲の正体も判明して、とても満足なのです。
 これらの曲のうち、私が特に気に入っていたのは、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」「ゲッティング・ベター」「フィクシング・ア・ホール」「シーズ・リーヴィング・ホーム」「グッド・モーニング・グッド・モーニング」「ヒア・カムズ・ザ・サン」「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」と言った辺りでした。

 名曲も、けっこう混ざっていますね。本当に良い曲と言うのは、大衆に受けるだけではなく、私のような偏屈なオタクの心にだって響く、と言う事だったのでありましょうか。

posted by anu at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 自分の事

2023年05月05日

「タイムリープ警報発令」のこと

 本来は、コンテスト出品中の作品につきしては、結果が出るまで解説しないスタンスだったのですが、「タイムリープ警報発令」につきましては、ちょっとだけ先に説明を書かせていただきます。

 この作品は、最近、タイムリープものと言うジャンルをあちこちで見かけたものだから、私も、何となく、これに挑戦してみた小品でした。とは言え、正攻法で書いたら、他者の作品と同じような内容にしかなりませんので、かなりヒネくれた切り口となっております。もっとも、「タイムリープ警報発令」を収納した「ボクたちの好きな異世界転生」自体が、どの収録作も、王道パターンを皮肉った邪道ストーリーばかりだったのですが。

 序盤で、タイムリープものの歴史や分類みたいなものを書かせていただきましたが、これは実は、wikipedia などで「タイムリープ」を調べたところ、私が知っているタイムリープ作品が全く紹介されていなかったので、その事への不満から、ざあっと私の持っている知識を披露させていただいたのでした。さすがに、オチの部分がタイムリープになっている作品につきましては、ネタバレしないように、正確な題名は伏せておきましたが。

 そのあと、タイムリープについて抱いた、素朴な疑問(本作のテーマ)が、もくもくと展開されていきます。タイムリープする主人公ではなく、タイムリープされて、残されてしまった側に焦点を当てている点が、本作の斬新な部分です。

 そして、このテーマは、時間旅行ものとして、ルシー・シリーズにもつながっているので、ここで、ルシーにも登場していただきました。つまり、この作品も、実はルシーものの一つだったのです。

 一見、この第1話だけで、短編として、話は綺麗に完結しているのですが、いえいえ、この後も十分にストーリーは続いていく余韻は残しているのでした。

「ボクたちの好きな異世界転生」

posted by anu at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2023年04月18日

ダーク破壊部隊は13体

 「人造人間キカイダー」に出てきた悪の組織ダークに所属する怪人・ダークロボット(ダーク破壊部隊)は、当初、光明寺博士が作った13体のみでした。

 これは、テレビ特撮版(1972年)の第1話でも、全メンバーがシルエットでお披露目されます。
 ところが、実際に、テレビ放送が進みますと、最初の13話だけでは、このシルエットの全13体は登場しませんでした。何体かの未登場のロボットを残して、第14話からは、ダーク新破壊部隊へと移行するのです。

 では、このへん、石森章太郎先生が描いた原作マンガ(1972年)では、どうなっていたのでしょうか。
 実は、原作マンガでも、光明寺博士の作った自然警備隊員ロボット(ダーク破壊部隊の前身)は13体という事になっていました。

 マンガ版での、その顔ぶれと人数を確認してみましょう。

カメ型ロボット(ジローが最初に対峙した敵。テレビ版のギンガメの原型?)
グレイサイボーグ(テレビ版のグレイサイキングと同じ)
グリーンマンティス(テレビ版にも登場)
オレンジアント(テレビ版にも登場)
ゴールデンバット(テレビ版シルエットでも登場。テレビ版ではキンイロコウモリも登場)
サンダードグ(ギル教授のボディガード犬。テレビ版シルエットのスカーレットドックに相当?)
ア・イ・ヌ(双子の少年と子熊の三人組。合体して、クマ型ロボットに変身する)
カニ型ロボット(大型で、非人間スタイル。同じタイプが3体いる)
昆虫型ロボット(モチーフは不明。光明寺邸を見張っていた)
円盤ロボット(テレビ版のクロガラスと同一か?)
ヒトデロイド(テレビ版のヒトデムラサキとは、同じヒトデ型だが、まるで別物)

 ア・イ・ヌを、それぞれ1体ずつで計算すると、確かに、13体となります。しかし、ア・イ・ヌは合体ロボットなので、合体後のクマ型ロボットの方が1体に相当する、という見方もできるでしょう。

 でも、その場合であっても、大丈夫。カニ型ロボットは3体いるのでした。こちらを3体で計算すれば、ア・イ・ヌが1体だったとしても、やはり、13体になるのであります。

 偶然そうなったのか、描きながら数を調整していたのかは分かりませんが、とにかく、石ノ森先生の巧みな演出には、あらためて感心させられるのです。

posted by anu at 14:52| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ・本

2023年04月15日

「ウルトラマン」をよく知らない人にとっては

 私が、オシャレやブランド品の話をされても、有名ブランドの名前ぐらいしかピンとこないのと同じで、

「ウルトラマン」の実際の放送を観た事もないようなギャルとか勉強一筋のガリ勉、アスリートなどにとっては、

「ウルトラマン」には、毎週、一貫した敵キャラとして、バルタン星人が登場していて、
バルタン.jpeg

レッドキングとかジャミラとかも、バルタン星人が操る子分怪獣の一匹
レッドキング.jpg
と言う風に思われているのかもしれない。

posted by anu at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ番組

2023年04月05日

「蝶の揺らぐ未来」解説

 この作品は、読者巻き込み型のオチを書きたくて、とーとつに閃きました。で、どうせ読者を巻き込むなら、コンテスト参加作にした方が、巻き込まれる読者も増えて、執筆意図にも沿うだろうと判断して、そのような発表の仕方に変更した訳です。

 もともとは、「ハイスクール全裸」の一編にするつもりで、ネタを練っていました。「語り手の主人公が、モテる為の呪文を読者にも教えてあげる」みたいな筋書きでした。それが紆余曲折して、今の形にまとまったのです。だから、タイトルの方も「愛の呪文」「ルシーの贈りもの」「蝶と揺らぐ少女」「未来に揺らぐ蝶」など、色々と候補が上がっては消えていきました。

 なんだかんだで、結局、ルシーものの新作にしたのは、過去確率のことを、あらためて説明したかったからでもあります。前に過去確率を紹介した短編の「過去確率」は、奥に引っ込めちゃったので。(ちなみに、「過去確率」も読者巻き込み型の小説でした)

 当初、ヒロインを蛙里いずみにしようかとも思ったのですが、これも採用はしませんでした。また、重要キャラのお婆さんは、作者としては、「おばあちゃん」に出てきたキボをイメージしておりました。

 完成品はざっと短くまとめてしまいましたが、「ツキをあやつる少女」の章に書き並べたエピソードの数々を、最初期の構想では、丁寧に各所に盛り込むつもりでもいました。主人公の女生徒が、わざわざ、遠い塾に通っていたのも、実は、その帰り道で、帰宅途中のアリタ先輩と遠目に出会えた、と言う設定だったからなのであります。

 なぜ、あえて、各エピソードを詳しく書き込まなかったのかと言いますと、自分で執筆しておいて何ですが、内容やアイディアに、そこまで斬新さが感じられなかったからです。それじゃ、正攻法の書き方をしても、普通の作品にしかなりませんので、そこで、わざとメインエピソードの部分を「ツキをあやつる少女」の中だけに凝縮してしまうと言う荒技を使って、代わりに、もともと、一番書きたかった冒頭の呪文の印象が強まるような構成にした次第です。

 この冒頭の呪文は、すぐ気付いた方も多かったでしょうが、バタフライエフェクト(効果)を、逆さに読んだだけのものです。もっと難しいアナグラムにしても良かったのですが、そこまで凝る必要もないかと考えて、逆に思いっきり分かりやすくしてしまいました。バタフライ効果という理論を知っている人でしたら、これだけで、本編のテーマの方もおよそ見当がついてしまったのではないのでしょうか。

「蝶の揺らぐ未来」

posted by anu at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

「サイクロプス大作戦」「最後のお化け坂」解説

 サイクロプスと言うのは、私のエロ小説オムニバス「ハイスクール全裸」の方で、何度も登場させてきたキャラクターです。基本設定は「人喰い種族」なのですが、具体的なディテールには一貫性がなく、登場するたびに、そのキャラクターは変わっていました。繰り返し使っているうちに、作者の私自身が愛着を持ち始め、もっと掘り下げたくなりましたので、普通の小説であるトライアングル・シリーズの方にも出演させる事にしました。こうして、執筆したのが「サイクロプス大作戦」です。
 もっとも、かなりの難産でした。トライアングル・シリーズでは、すでに「人喰い料理大作戦」という話も書いていましたので、食人ネタとして、色々と差異をつける必要もありました。オチや全体の構造は、早い段階でまとまっていたのですが、うまい構成ができなくて、かなり長い期間、構想のままで眠らせておりました。何とか書き上げた完成品では、当初、書き込もうとしていた「人喰い生物ネタのフィクションについての考察」「トライアングル版サイクロクプスの詳しい設定」などを、結局、ほとんど、はしょっています。
 なお、序盤で、トライアングルの面々が、サイクロプスの都市伝説を披露しあう場面がありますが、これらの内容が、「ハイスクール全裸」に出てきたサイクロプスとなります。

「最後のお化け坂」は、ついでに書かせていただいた<お化け坂>シリーズの最終回です。タイトルは「最後」なのに、実は、全ての始まりの物語である点がミソです。この題名は、「お化け坂を訪ねて」を書いた際も、候補にしていたタイトルの一つでした。今回の作品も、総集編の形式をとっています。
 なお、作中で予知能力者・御船が最初に視る原爆被害の光景は、「坂道の多い場所」と言う事で、広島ではなく、長崎の方なのでありました。

(注・この二作品は、「ルシーの明日とその他の物語(改装版)」の方に、書き下ろし新作として掲載させていただきました。)

posted by anu at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2023年03月20日

マッドマシンだよ

 昭和のマンガ家は、「マッドマシン」と言うネーミングをえらく好んでいたようです。

 初めて、マッドマシンという装置を登場させたのは、手塚治虫先生の「鉄腕アトム」じゃないかと思われます。(1958年「マッド・マシーンの巻」)この時、出てきたマッド・マシーンは、あらゆる機械を狂わせてしまう装置でした。

 続いて、石森章太郎先生も、「サイボーグ009」の中にマッドマシンを登場させます。(1965年「オーロラ作戦」)こちらに出てきたマッドマシンも、やはり、機械を狂わせる超音波を出す戦車です。

 石森先生は、マッドマシンと言うネーミングが気に入っていたのか、「Sπ(エスパイ)」(1967年)の中にも、マッドマシンを登場させていました。ただし、今度のマッドマシンはメカの名前ではなく、ロボットだけのスパイ団の組織名でした。

 桑田次郎先生の「エイトマン」(原作・平井和正先生)の中にも、マッドマシンは出てきます。(1965年「マッド・マシン」)こちらのマッド・マシンとは、他の機械を狂わせるのではなく、狂ったみたいに、自身が無限増殖するからマッド・マシンと呼ばれたのでありました。

 そして、最後に、アニメになるはずだった「マッドマシン」(1983年・葦プロ)。こちらは、結局、お蔵入りしてしまいましたが、主人公たちの乗るスーパーカーの総称がマッドマシンだったようです。

posted by anu at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ・本
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。