2013年11月30日
ある目的で開催されている晩餐会を通して浮き彫りになっていく、人間が持つ価値観の違いとは・・・・。
皆さんこんばんは
先日、とあるレンタル屋さんにDVDを買いに行った所、ふと目を見ると「テッド」のガチャガチャを発見し、ここぞとばかりに、手にした財布の中から300円を取り出し、お金を入れ胸に期待を膨らませながら、ガチャガチャを回した瞬間・・・・カプセルどころか、何も出てこず機械の中身を見てみたら、カプセル一つも入っておらず、最終的に店員さんに、お金を取り出してもらい、この数分の時間は一体何だったんだろう・・・と小銭も見つめながら感じてしまった僕がお送りするNO,movie NO,life!!のお時間でございます
さて、そんな奇人ぷり全快で、今回ご紹介する作品は、毎週水曜日にバカな人間を招待しては仲間で笑い物にするという晩餐会を描くフランス映画「奇人たちの晩餐会」でございます。
今まで色々なコメディー映画をご紹介してきたんですが、今作はかなりの「王道コメディー」な感じですね。
一言でいったらフランス版「よしもと新喜劇」みたいな・・・(笑)
とにかく、ストーリーの展開がコロコロと変わっていくんですが、無理ないテンポで全編通して楽しむ事ができるんですね。
しかも、全編「笑い」で通すのかと思いきやラストは少し「バカと思っていた人が」良いこと言ったり・・・でも、ちゃんと綺麗に物語もまとめてるし・・・。
色々考えて見てたら、かなり作り込まれている映画でもあるんです。
それでは、ここでバカの晩餐会に招待された男が巻き起こすフランスコメディー映画、「奇人たちの晩餐会」のストーリーをご紹介しましょう。
毎週水曜日・・・
編集者のピエール・ブロシャンと友人達は、「奇人」達を集めた晩餐会を開いている。
参加ルールは簡単。
「必ず一人奇人を連れてくる事・・・」誰もが認める奇人を連れてきた者がその晩餐会の勝者となるのだった。
彼らは、お互いの連れてきた人間のおバカぶりを競い合っては毎週楽しんでいた。
今夜のピエールには自身があった。
「俺の見つけたヤツこそ、おバカの中の大バカだ!!!」、そんな彼が自信を持って連れてこようとしていたのは、フランソワ税務署に勤めている男・」フランソワ・ピニョン。
彼の趣味はマッチ棒で大きな建造物の模型を作ること・・・・
どんな時でも、自分の作品の写真を持ち歩いては、とにかく激しく語りまくり、話し出したら
止まらない。
彼は、ピエール達が開く晩餐会の趣旨を知らず、招待されていた事だけを喜びピエールの自宅にやってきた。
そこに居たのは、ゴルフで腰を痛め腰痛に苦しんでいたピエールただ一人・・・・。
彼の奥さんはピエール達が、開く晩餐会に反対し家を出て行ったばかりだった。
ピエールはあまりの腰痛に今夜の晩餐会をキャンセルしピニョンの肩を借りベッドへと仕方なく向かう。
その直後、ピニョンが何も無い所でつまずき、ピエールは彼の巨体の下敷きになってしまった。
もう、たまったものじゃない・・・・。
そう思うと同時にあまりの痛さで医者を呼ぼうとするが、体が動かず仕方なくピニョンにお願いし
電話をさせる。
すると彼が電話した先は、電話帳で医者の一行下に並んでいたピエールの愛人イモート。
そうとは知らないピニョンは、イモート=妹と思い込み彼が腰痛で動けないこと、奥さんが家を出て
いってしまった事情を全て暴露してしまう。
人一倍おせっかいなイモートが押しかけてきたら困るピエールは、断りの電話をピニョンにさせてしまう。
しかし、この出来事をキッカケに彼の天下一品のおバカぶりが炸裂する。
戻ってきた妻をイモートと勘違いをし追い返したり・・・奥さんの居場所を探る為に、ピニョンの同僚
でもある査察官に、ピエールの家にある骨董品や美術品など税務監査の対象になったり・・・。
ピニョンはとんだ厄病神になってしまった。
そんな中、ピニョンは怒るピエールが何気なく発した「晩餐会の本当の目的」の意味を聞いてしまい・・・
そして、彼は思いもよらぬ行動に出るのだった。
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さて、今回ご紹介している「奇人たちの晩餐会」なんですが、ブログの冒頭でも書いたように、全体的に物語のテンポがよく、その中に笑いの要素が散りばめられている部分が印象的な映画なんです。
最初は、ピエールを中心として「大バカ」を探していき晩餐会でお互いが連れてきた人間を罵って笑いあうという内容なのかな?と思っていたんですが、彼が晩餐会に連れて行こうとしていたピニョンが登場した瞬間に、彼が中心となって物語がいつの間にか移り進んでいたんです。
言い換えればピニョンの見た目姿も勿論そうなんですが、彼が起こすコメディー要素が、どれをとっても印象的で、なおかつテンポ良く進むストーリーと見事に重なり合っていて、全体的に飽きる事なく見れる映画になっているんですね。
そして、今作の設定は「お互いが探し出したバカを集めて笑いものにする」という内容なんですが、今作のキーワードの要素を含んだ「バカ」という意味には、また違った考えとして見て見ると別の意味で面白い作品になるんです。
例えば、劇中では「晩餐会」という舞台が描かれているんですが、仮にこの「晩餐会」の会場を「映画全体」として見て見るとなかなか考えさせられる映画でもあるんです。
一言で言っちゃえば映画に登場するキャスト全員が、「奇人たちの晩餐会」に招待されているという内容です。
なので、ピニョンは勿論、ピエール自身も招待されて側の人間という事になり、そんな彼らの行動を見て笑っているのが、テレビの外側で何の違和感も無く見ている僕達なんですね。
となれば、本当の「奇人たちの晩餐会」の主催者はこの映画を見て笑っている人間という考えになるんですね。
とても、皮肉な考えなんですけどね(笑)
映画内では、大バカを集めて笑っている人間を、映画の外側から・・・つまりテレビからという「絶対的に安全な場所」から彼らを見ては笑っている・・・・。
このような、光景は、僕達がいるリアルな社会でも置き換えてみると意外にも重なる部分が多いんではないでしょうか?
他にも、今回晩餐会の人々に笑われてしまう人間・・・つまりピニョン達は一つの趣味を徹底的に突き詰めて時間を忘れるぐらい夢中になれる結果、ピエール達にバカにされてしまうんです。
でも、逆にやり過ぎはダメですけど、夢中になれるものがあるなんて素敵な事だとは思いませんか?
そして僕の個人的な感想なんですが、もしかしたらピエールを含む晩餐会のメンバーは、ピニョン達に対して夢中になれるモノがあるという事に、どこか羨ましいという感情があったのかもしれませんね。
やはり、人間は他人に対して「羨ましい」という感情が出てしまった場合、相手を誉めるより、まず先に相手の些細な欠点を見つけてはバカにするもの・・・・・だから、自分では持っていないモノを持っているピニョン達に対して自身が持っている行き場の無い嫉妬心や羨ましいと思う感情を無理やり消そうとした結果が、晩餐会を開き彼らをバカ呼ばわりするのかな?とも思えたんです。
こうやって考えれば、ピエールを含む晩餐会の人達の方が、バカなのかもしれませんね。
ま、少し可哀相な感じもしますけれでも・・・・。
なので、今回ご紹介している「奇人たちの晩餐会」で描かれているテーマとは、ピニョン達や晩餐会の人々など劇中で登場する人間の見方を変えるだけで、「バカ」というキーワードの意味は人それぞれ相違していて、「バカ」という基準は人それぞれの価値観によって決められてしまうという不安定な要素も取り入れられている映画でもあると感じたんですね。
こんなにも人生で「バカ」という単語を書いたのは初めてです(笑)
そして、「奇人たちの晩餐会」を見て一体一番誰が「バカ」なのか?と改めてみるとなかなか深い映画でもあるかもしれません。
最後に、字幕より吹き替え版の方が個人的におススメですね。
毎週水曜日に開催される晩餐会に、これはと思うゲストを一人ずつ連れてきて、その奇人変人ぶりを皆で笑うというフランスのコメディー作品、「奇人たちの晩餐会」。
是非ご覧下され。
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