ヒーローガールの物語とは?
年末〜年始にかけて300年前の出来事が(全部ではないが)明かされた。
物語の結末も気になるが、いったんひろがるスカイ!プリキュアはどんな物語だったのか、俯瞰して見てみたいと思う。
最もシンプルにまとめると「ヒーローを目指すソラ・ハレワタールがヒーローガールになる話」だと言えよう。
なんじゃそりゃと思うほど簡単なまとめだが、結構深く考えた末の結論だ。
まず「ヒーロー⇒ヒーローガール」と目指すものが変わっているのだが、ここに大きなドラマがある。
ソラのヒーローへのこだわりは異様に強く、必ずしも良い面だけが描かれていたわけではない。
ここに物語の役割としての「悪しき父性」という打破すべき悪を見つけることができる。
つまり「ヒーローにふさわしい自分には価値があり、そうでないなら価値がない」という極端な評価だ。
敵はこれまでの自分自身を形成してきた価値観であり、これを否定して新しい自己を確立することがソラに与えられた試練だ。
容易いことではない。自己否定を経る必要があるためつらい痛みを伴う。実際にソラは一度実家に帰ってしまったぐらいだ。
ここにももう一つ、物語の重要な要素がある。
自己を確立するために、試練だけでなく崩れた自己を受容してくれる存在が必要だ。
ここに「善なる母性」という味方を見つけることができる。
ソラの場合、実家でありましろの手紙が象徴的である。しかしそれだけではなく、ソラシド市、スカイランドの日常全てが「ヒーローではない」ソラを肯定してくれる要素だったと感じられる。
これを踏まえてシンプルなまとめにもう少し付け足すと、
「ヒーローを目指していたソラ・ハレワタールが、『悪しき父性』たる過去の自分が作ったヒーロー像を否定し、『善なる母性』たる日常やましろに受容されることを通して、新しい自己であるヒーローガールを確立する話」
ということになる。
他のキャラクターも似た分析ができるので、シリーズが終わったらまとめてみたいものだ。
アンダーグ帝国はいったいどうなるのだろう?
『悪しき父性』は難しいので「おかしな価値観」とか「不当な評価」といった表現の方がピンとくるかもしれない。
このワードにするとアンダーグ帝国が悪役である理由は明白だ。
力こそすべての価値観をすべての人物に押し付け、苦しめている。
カバトンもバッタモンダーも、力こそすべての評価の中で苦しんでいた。ミノトンさん? なんか楽しそうだったけど。。。
その苦しみの最たるものがカイゼリンであろう。
年末〜年始にかけて描かれたのは「力こそすべて」という価値観を一度は退けたものの、信じていたキュアノーブルの裏切り(?:ここは真相がまだわからない)によって再度捻じ曲げられるという物語だった。
「力こそすべて」の否定に際して自分がバッサリ切られて傷ついたり、平和を望む姿勢に関してはキュアノーブルという受容先がいるという物語的に完璧が布陣をひいたにもかかわらずひっくり返されているので絶望感がデカい。
何なら「平和を望む」という価値観=悪い父性とみなし、キュアノーブルの裏切りという特大の傷と300年のアンダーグエナジー治療という万全の母性で仕上がったのが力こそ全てVer.2のカイゼリンアンダーグ、とも言える。
さらには保護者たるスキアヘッドを失ったり、そのスキアヘッドに裏切られたり、と散々な目に合っている。
今のカイゼリンに足りないのは真に安心して自己を確立できる環境であるような気がする。
それはアンダーグ帝国のような閉鎖された環境ではなく、ソラやましろが1年間送ってきた日常だ。
そうか、「悪役会議がない」ってのはカイゼリンにはそういう「日常」が全くないってことだったんだ。
残り話数が2話しかないのだが、カイゼリン様にはゆっくり休んで考える時間が要るんじゃないかなあ、などと思ってしまう。
ここから挽回できるウルトラCがあるのかなあ?
仮面ライダーガッチャード 15,16,17,18話:ガッチャードの楽しみ方がわかってきた
冥国の三姉妹を推していたらスピンオフが決まった。
いや、それはそれで楽しみ方なのだが、それだけではない。
TLでもガッチャードの楽しみ方を掴んできた人が多くみられる。
その特徴は宝太郎や取り巻く人のヒーローとしてのストレスの無さだろう。
宝太郎は単純明快ともいえるぐらい善良な行動をしてくれる。
周囲の人たちのサポートも全力で最適解だ。
「なんで?」が無いのでとても気持ちよくみられる。
これを支えている要素に、バトルの容赦なさがあるかもしれない。
敵の詰め方が結構えげつないので、宝太郎側は一手間違えば全滅、みたいなシチュエーションが結構ある。
閉そく感がキーワードになってしまうような世の中なので、こういったヒーローの活躍は清々しい。
王様戦隊キングオージャー 41,42,43,44話:良かったねラクレス
ラクレス王が悲願のダグデド打倒をして、裁判にかけられて死刑になって、なんやかんやあってチキューの道具としての人生を始めました。
要所要所のカッコよさが半端なかった。
41話 宇宙を救う時 のサブタイトルが満を持して番組最後に出てくる演出は痺れた。
こういう「なんかすごい」やつは子どもの趣味に影響するぜ。
20-30年後にとんでもないヒーローを作り出すクリエイターが現れるかもしれん。
牢の中で道具生活を送るラクレスも穏やかそうで良かった。
そばにスズメちゃんがいるってだけで安心できますね。
あの地獄を共に過ごした仲だもんな…。