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日を開けすぎましたね…

余りに空きすぎてダメダメな感じですが、
何か次の話題を投稿したいなと思う次第です。
ただ、確率以外だと数式を出さないといけないのが難点ですね。。。
何か開設した方が良い数学ってどれでしょうか・・・

分かりやすい高校数学:確率(番外4)モンティ・ホール問題3

前回 ⇒ 確率(番外3)モンティ・ホール問題2

前回は,「司会者(モンティ)が必ず,不正解のドアをあけることを,解答者が知っている」場合の話でした.さて,今回は,「司会者(モンティ)が必ず,不正解のドアをあけることを,解答者が知らない」場合を考えてみたいと思います.

前回の図をもう一度見てみましょう.



前回は,解答者がはずれであるBやCの扉を選んだあとは,一本道の未来しかありませんでした.司会者(モンティ)がはずれを必ず選ぶという事を解答者が知っているからです.

しかし今度は,司会者は誤って正解を開けてしまう可能性があります(そう,解答者は思っています).よって,一本道の未来ではなくなります.もちろん,実際には司会者は正解を開けることはありませんでした.でも,その未来はあったかもしれないわけです.この違いが,大きな違いとなります.

この状態を図に表すと,下のようになります.



司会者が正解を間違って開けてしまう未来.それは解答者がBの扉を選んだ時,Cの扉を選んだ時のそれぞれで1/6の確率で起こりえた未来でした.起こらなかったというのは結果論であり,可能性としてはあったのです.主観確率では,これを考慮する必要があります.

さて,このときの確率の状態をまとめると下のようになります.

正解を選ぶ確率 = 1/6 + 1/6 = 1/3
不正解を選ぶ確率 = 1/6 + 1/6 = 1/3
実現しなかった未来 = 1/6 + 1/6 = 1/3

ここで,確率は全ての可能性を足したら1になることを思い出してください.実現しなかった未来は可能性がなくなりましたので,確率から外す必要があります.その場合,全ての可能性は

 正解を選ぶ確率(1/3) + 不正解を選ぶ確率(1/3) = 2/3

となってしまい,1になりません.この場合は,確率の比率を壊さないように,かつ合計したら1になるように修正します.つまり,正解を選ぶ確率(1/3)不正解を選ぶ確率(1/3)という関係を壊さないように,合計を1にすればいいわけです.よって,正解を選ぶ確率は1/2不正解を選ぶ確率も1/2となります.

まとめましょう.

ケース1:「司会者(モンティ)が必ず,不正解のドアをあけることを,解答者が知っている」
最初に選んだ扉が正解である確率:1/3
もう一方の扉が正解である確率:2/3

ケース2:「司会者(モンティ)が必ず,不正解のドアをあけることを,解答者が知らない」
最初に選んだ扉が正解である確率:1/2
もう一方の扉が正解である確率:1/2

解答者の知識が確率を変えてしまう.これが主観確率というものの性質なのですね.

◆ 付け足しメモ ◆


ちなみに,「司会者(モンティ)が必ず,不正解のドアをあけることを,解答者が知らない」場合において,司会者が不正解のドアを開けると決めていたかどうかは関係ありません.この主観確率は解答者のものであるため,解答者が何を知っているかが重要なのです.司会者がどう思っているかは無関係です.



昨今では色々なベイズ確率の問題があったりします.そのあたりの問題を解くときに,この考え方を思い出してみて頂ければ幸いです.結構,Web上の情報を調べてみても,解釈が割れていたり,答えを誤っている例を見かけます.最近見た中では,「眠り姫問題」などが面白い例かなと思います.気になる方は是非,調べてみてください.ここで知った内容を当てはめて考えてみると,意外な答えが出てくるかなと思います.機会があれば,ここで触れてみたいとも思いますが.確率番外はとりあえず,ここで一旦終了としたいと思います.ありがとうございました〜


ホームページ更新を長く放置し続けた結果,もう春も近くなってしまいました.受験生の方はもうすぐ,長いトンネルの終わりが来るわけですね...是非,あともう少しなので,頑張ってください!終われば,旅行でもなんでも行き放題ですっ!





で,そんな時のお伴として,楽天トラベルのリンク置いておきますね!(ぉい).





最初 ⇒ 確率(1)問題設定

分かりやすい高校数学:確率(番外3)モンティ・ホール問題2

前回 ⇒ 確率(番外2):モンティ・ホール問題1

さて,今回はモンティ・ホール問題の解答を計算する方法です,前回,主観確率と客観確率の違いを説明いたしました.それをちょっとまとめてみましょう.

客観確率:誰の目から見ても明らかな,客観性を持った確率
       問題を定めたら,ただ一つだけ決まる

主観確率:考えや信念により定まる,主観性を持った確率
       人それぞれで異なっている.

ここで,モンティ・ホール問題は,「解答者の主観確率」を計算するものとなります.ではなぜ,客観確率の計算の問題とならないのでしょうか?それは,客観確率はこの場合存在しないからなんです.客観確率は既に答えが決まってしまっている問題に対して,計算することはできません.答えが決まってるのだから,正解の扉が確率的に変化することはないからです.これをちょっと図で説明してみましょう.

下の図は,モンティ・ホール問題が作られるまでの過程を示しています.過程は@ドアと車,ヤギを用意するAモンティがドアセッティングB解答者選ぶCモンティが外れのドアを開く という四つに分けて考えています.




今,問題が出されている時点というのはCの時点の話です.しかし,正解のドアはすでに,Aの時点で決まってしまいます.そうすると,どのドアが正解であるかという客観確率は,Cの時には考えることができなくなります.「これから,あるドアに正解が入る客観確率」(Aより前の時点での客観確率)は定められるのですが,「すでにドアに正解が入っている客観確率」(A以降の時点での客観確率)は定められないんです.確率の問題じゃなくなっちゃうからですね.

サイコロの例でいえば,「サイコロを振った時に,1が出る客観確率」は1/6ですが,「サイコロを振った後で,それが1であった客観確率」は計算できないのです.でもこの両者は非常に似通っていますから,後者の答えも1/6と考えていいように思いますよね.それを主観確率と呼んでいるわけです.

さて,では主観確率は数学的にどのように計算されるのでしょうか?主観確率も,実は客観確率の考え方に沿って計算します.客観確率の考え方は覚えているでしょうか?そう,無限回の試行をしたときに,その事象が現れる割合で計算されますね.

しかし,それを単純には実行できません.問題となっているCの時点では,既に正解が決まっているわけですから,何万回試してみたって,正解は常に同じドアになります.割合なんか出てきません.そこで,問題が始まる前,つまりドアや車を用意するという時点からさかのぼって,@からCまでの過程を試行します.@の時点では正解のドアは決まってないわけですから,Cまでたどり着いたとき,正解のドアは常に一定ではなくなるわけです.これによって「確率」が計算できるようになるわけです.


さぁ,実際にモンティ・ホール問題を計算してみましょう!これを図で示してみます.




Aの時点までは確率的な分岐がない一本道になります.(正確には,モンティがどのドアに正解を入れるか,という分岐があるのですが,正解を入れたドアをA,不正解のドア二つをB,Cと名づけることで,問題の説明を簡単にしています)

Bの時点で,分岐が現れます.解答者がA,B,Cの三つのドアのうち,どのドアを選択するかですね.これはそれぞれ,1/3の確率で選択されます.

Cの時点では,司会者(モンティ)は必ず不正解のドアを開けます.このとき,不正解のドアが一つしかないなら(つまりは,解答者が不正解のドアを選択していた場合)分岐はありません.しかし,二つある場合(つまりは,解答者が正解のドアを選択していた場合)は,不正解のドアB,Cの中から,それぞれを1/2の確率で選択することになります

さて,これで問題が出されている状況までたどり着きました.この時,選んだドアに正解が入っている確率はいくつでしょうか?そう,1/6 + 1/6 = 1/3ですね.そして,もう一つのドアが正解である確率は1/3 + 1/3 = 2/3になっています.よって,選んだドアが正解である確率の方が低いので,ドアは変更した方が良いわけです

ただし注意してほしいのは,この解答が正しくなるのは「司会者(モンティ)が必ず,不正解のドアをあけることを,解答者が知っている」場合に限られます.もし,解答者がそれを知らない場合,確率が変わってしまいます.これは客観確率ではありえないことです.そう,主観確率は,その主観確率を持っている人が「何を聞き,何を知っているか」によって変わってしまうのです.

では次回,「司会者(モンティ)が必ず,不正解のドアをあけることを,解答者が知らない」場合を考えてみたいと思います.

それではー




確率は最近色々な分野で使用されています.面白いところでは,ゲームなんかにも使われているんですね.最近ゲームは,将棋がプロに近付きつつあり,女子プロを破ったことでも有名になっています.また,囲碁においては,確率論を使ったモンテカルロと呼ばれる方法が,主要な方法となっています.

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最初 ⇒ 確率(1)問題設定

またまた更新できていない

もう一月たってしまいましたが,まだ更新できてません…
忘れているわけではないことをここに記しつつ,離脱!

分かりやすい高校数学:確率(番外2)モンティ・ホール問題1

前回 ⇒ 確率(番外1):大数の法則

今日は最近有名な確率の問題として知られている,モンティ・ホール問題についてです.この問題についての議論をすると,正解は知られているのにそれでも納得のいかない人が現れたりする問題であり,正確な理解にたどり着くのが難しい問題として知られています.

今回はそれを分かりやすく説明していきたいと思いますが,なにぶん難しい問題ではあるんで,誤解を恐れずに自分なりの解釈で説明していきたいと思います.(なので,微妙に間違ってるかも(笑))


さて,それではモンティ・ホール問題とは何か?から行ってみましょう.下に,Wikipediaで示されている問題文を抜粋しています.

プレイヤー(解答者)の前に3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろにはヤギ(はずれを意味する)がいる。プレイヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。プレイヤーが1つのドアを選択した後、モンティ(司会者)が残りのドアのうちヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。

ここでプレイヤーは最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更しても良いと言われる。プレイヤーはドアを変更すべきだろうか?


問題のルール
(1) 3つのドア (A, B, C) に(景品、ヤギ、ヤギ)がランダムに入っている。
(2) プレイヤーはドアを1つ選ぶ。
(3) モンティは残りのドアのうち1つを必ず開ける
(4) モンティの開けるドアは、必ずヤギの入っているドアである
(5) モンティはプレーヤーにドアを選びなおしてよいと必ず言う




さぁ,答えはおわかりでしょうか?


ま,いきなり答えを言ってしまいますと,ドアを変更した方が良い,となります.最初に選択したドアに新車がある確率は1/3であり,変更した先のドアにある確率は2/3なんです.

この解答に対し,多くの人が疑問を唱えたのです.どっちも同じ1/2じゃないのか?と言ったわけですね.

あなたはどちらが正しいと思ったでしょうか?


さて,問題をシンプルに考えてみましょう.最初に一つ選んだときに,正解である確率は1/3です.これはいいですね.

その後で,モンティが不正解のドアを一つ開けます.この行動によって,確率が変わっているわけです.つまり,開けることによって消えた1/3の確率分がどこへ行くのか,という話になります.

これが全て,選択していないドアに割り振られたら2/3になります(図の(1)),
残り二つのドアに平等に割り振られれば,1/2になるわけです(図の(2)).




この割り振りが,どういう計算によって導かれるのかについては,次回以降においておきます.ここではその前に,なぜ,二通りの意見が生まれてきてしまうのかを考えたいと思います.その原因はなんなのでしょうか?

じつは,その原因は非常に根本的な部分にあります.

それは,「そもそも,この問題の答えって確率で計算できるの?」という点です.

だって考えてみてください.この問題,司会者であるモンティは正解を知っています.でなければ,不正解のドアを開けることができません.解答者が「このドアが正解である確率は2/3だ!」って言っているよこで,モンティは「いや,そっちは不正解だから.見当違いだねー」と思っているわけです.つまり,司会者からしてみれば,確率の問題ではなく,厳然たる事実なわけです.

これまで説明してきたサイコロの問題では,確率が1/6というのは誰にとっても同じでした.「このサイコロは次に振ったとき,1が出るのさ!」と分かっている人はいないわけです.

なにやら,おかしな感じがしてきていませんか?実はこの不整合さが,問題をややこしくしているんです.

そう,この不整合さはどうして生じているのか,その答えをお教えしましょう.





実は,確率は二種類存在するんです!!!!!





そう.モンティ・ホール問題で問われている「確率」と,今まで学習してきた,サイコロの出る目の確率などの指す「確率」は,似て非なるものなんです


サイコロの出る目の「確率」などは,誰の目から見ても同じである事実を指しています.このような客観性を持っている確率のことを「客観確率」と言います.

しかし,モンティ・ホール問題の指す確率はそうではありません.司会者と解答者とでは見ている確率が異なっています.これは,基準とする人間によって確率が異なっているということになります.このような主観性を持った確率を「主観確率」といいます.

つまり,このモンティ・ホール問題で考えている「確率」は,あなたが今まで学んできた確率の考え方は通用しないんですね!!!この認識間違いが全ての問題を引き起こしているのです.

かといって,主観確率と客観確率が全く違うもの,というわけではないのが厄介なところです.主観確率は,客観確率と等しくなる場合が多いからです.たとえば,サイコロを振って1が出る確率は,客観確率でも主観確率でも1/6と言えるわけです.言いかえると,これまで勉強してきたところでは主観確率と客観確率が一緒だったので,違いを気にしなくて良かったともいえます.しかし,モンティ・ホール問題では,この二つが異なっています.これが二通りの意見を生み出してしまっているわけですね.

◆ 付け足しメモ ◆

主観確率は,人間それぞれに設定されるものであり,その人間の考え方や信念に依存します.つまり,「誰がなんと言おうと,俺はこの確率は1/4だと思う!」と言えば,その人にとっての主観確率は1/4となります.まーそれでは数学にならないため,数学においては人の考え方や信念は排除し,事実だけから計算できるようにルール設定します.

モンティ・ホール問題のルール説明時に,やたらと「必ず〜する」のような表記があるのはそのためです.つまり,「必ず〜するとは限らない」と解答者が思ってしまうようでは,考え方や信念がからんでしまい,数学的に計算できなくなるのです.



でも,モンティ・ホール問題は,主観確率で考えてください!なんて書いてないじゃん,というあなた.その通りです.これが問題を厄介にしているポイントでもあります.その辺も後々触れていきたいと思います.今回は,確率が二種類あるってことだけ覚えておいてください.

さぁ,次回以降は実際に,主観確率によってモンティホール問題が解かれていく過程を示したいと思います.

それでは〜




このモンティ・ホール問題などで使われている主観確率は,ベイズ確率などとも呼ばれています.このあたりは,ベイズ統計学と呼ばれる分野であり,この理論は現在のIT技術を支えています.たとえばGoogleなどの検索エンジンなどは,この技術なくして生まれていません.しかし,このあたりの理論は様々な前提知識が必要となってきます.

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図解入門よくわかる最新ベイズ統計の基本と仕組み

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この本では,このあたりの必要な知識を基本から分かりやすく説明してくれている本であり,古典統計学とも呼ばれる,客観確率を基礎とした統計学との違いなども明確に示してくれています.もちろん,このサイトでもある程度説明していく予定ですが,これからさらに重要度を増していく分野であると思いますので一冊ご購入してみてはいかがですか?



次 ⇒ 確率(番外2)モンティ・ホール問題2

まだ更新できてない・・・・

前回更新からかなりたってしまったわけですが,まだ時間がとれず,更新できてません・・・
今しばらくお待ちいただければ〜と思います.今月中にはなんとか(笑)

それと,どなたかがアフィリエイトリンクをクリックしてくださったようで,
初めてお金が稼げたようです!!とりあえず2円ほど(笑)
なんにしても初めて得られたので,モチベーションも少し上がってきました.ありがとうございます.

ここにもアフィリエイトリンクを貼っておきましたので,よろしければどうぞ〜.




モンティ・ホール問題に関する話を早く書きたいのは山々なのですが,いましばしお待ちいただければと思います.よろしくお願いいたします.

分かりやすい高校数学:確率(番外1)大数の法則

前回 ⇒ 確率(12):実際の問題に対して(後編)

さて,今回のお話は「サイコロを沢山ふっているけど,最近1が出ていない!次は1がでやすいはず!」という考え方は正しいか?!という問題です.誰もが一度は疑問に思ったところではないかなと思うのですがどうでしょう.さて,本当に1が出ていないのなら,次は1が出やすくなるでしょうか?

これを考えるときに重要となるのは,それぞれの試行が独立であるかどうかです.本編の例の中であった,前日の気温とその次の日の気温などのように,独立性のないものの場合は,前日の気温(つまりは,それまでの結果)が次の日の気温(その次の結果)に影響します.

しかし,サイコロを振るという試行は独立となっています.これは,今までの試行結果(サイコロの出た目の状況)は,次の試行(次以降に出る目の種類)に一切影響を与えないということです.サイコロの目の出方は,前の結果に影響するはずないですよね.これは直感的にも理解できるかと思います.


よって,1が出やすくなるということはないのですが,それでも勘違いする人は少なくありません.これはなぜなのでしょうか?!


この勘違いを生み出しているのは,おそらく「1が出る確率は1/6」であるという事実ではないでしょうか?つまり,「たくさん実行した際に1が出る比率が1/6になるはずなのだから,1があんまり出てないなら,次からは1が出やすくなるはず!」というものです.

この思い込みは当然ながら間違っています.ではどこが間違っているのでしょうか?

それは,「1が出る比率を1/6にするためには,1をより多く出さなければいけない」という考え方です.そう,実際はそんなことはないのです.


それを例で示してみましょう.今,サイコロを15回振ったとき,各目の出た回数が,下のグラフに示すような内訳になったとします.



これによりますと,1が一度も出てきていません.出現する比率が0になっています.

さてそれでは,この後続けてサイコロを振ったときに,「1が出る比率を1/6にするためには,1をより多く出さなければいけない」という考え方をしなかった場合を考えて見ましょう.つまり,1を多く出そうとしないで考えてみます.

では何回ぐらい試行してみましょうか.そうですねー,どかんと3万回くらいやってみましょう!!!

理想的にサイコロが出たとすれば,それぞれの目が出る回数は3万回 ÷ 6 = 5000回になります.そうすると下のような状況になります.





このとき,1が出た割合は5000 ÷ 30015 ≒ 0.1666 であり,1/6 = 1.666666・・・・なので,ほぼ1/6になっていることがわかります.


もうお分かりですね.小さな差が生まれたとしても,それよりはるかに多い量の試行を行えば,1/6になってしまうわけです.つまり,出現の比率を1/6に近づけられる理由は,それまでの試行結果から調整しているからではなく,もっと大量のデータで上書きしてしまうからなんですね.

なんかだまされたような気もするでしょうが,確率はあくまで大量のデータから導き出されるものです.小さなデータでは,あまり意味があるわけではないのです.

◆ 付け足しメモ ◆

ちなみに,大量の試行を行うとき,出現の比率(実際の試行のなかで1が出ている割合)が,発生する確率(1が出る確率)に近づくという性質のことを,大数の法則といいます.大数というほどに試行回数が大きいときに成立する性質ということですね.

大数の法則では,無限回試行した場合には出現比率と発生確率が一致する(正確に言えば,一致する確率が限りなく1に近づく)ということを示しています.ただし,無限回試行するということはできないことに注意してください.

どんなに多く試行しようとも,そこから一回でも試行すれば,さらに多い回数となってしまいます.よって,永遠に無限回試行へはたどり着けません.大数の法則では,無限回へと近づいていく状況を見てみると,どうみても出現比率と発生確率が一致する状況へ向かっているとしか思えないよ!といっているのであって,実際に無限回試行したときにどうなっているかは,誰にもわかりません.




さてさて,次回の予定なんですが,モンティ・ホール問題を扱いたいと思います.これは,あるテレビ番組で出題された問題であり,多くの人が答えを誤ったという近年有名な問題です.しかし,この問題を正確に理解することは難しく,さまざまなページで議論されていますが,万人を納得させるにはあまりいたっていないお話です.

モンティ・ホール問題のせいで,確率が良くわからなくなったという人も少なくないでしょう.実際,モンティ・ホール問題について,本来説明しなければならない点を説明していないことが多く,その状態で理解するのは困難ではないのかと感じていました.そんな問題をここで解決できるのかという疑念はありますが,間違いを恐れずにがんばって書いてみようかなと思っております(笑)

それでは〜


数学の面白さを理解するっていうのは,なかなか難しい問題だなと,サイトを更新してきてつくづく思ったりしてます.どこで人の理解が止まってしまうのかを考えないと,説明できないんですよね.でも,その先にある面白さにたどり着ければ,数学に対する見方って劇的に変わっていくと思っています.





この本では,数学の基本をシンプルに分かりやすく示してくれて,数学の面白さに触れられる一冊です.少しでも数学に興味をもたれたら,一読してみてはいかがでしょうか?結構安いですし(笑)




次 確率(番外2)モンティ・ホール問題1

分かりやすい高校数学:確率(12)実際の問題に対して(後編)

前回 ⇒ 確率(11):実際の問題に対して(前編)

前回に引き続いて,確率の問題に対する心構えのようなお話をしていきたいと思います.前回をご覧になってない方は上のリンクからどうぞ〜.


さて,いかに問題を切り分けて楽に計算するか,ということをお気づきいただけたでしょうか?ここで一つ,簡単に計算できるテクニックについてお話しましょう.ずばり余事象の考え方です!

余事象というのは,注目したある事象以外の事象のことを指します(余っちゃった事象ということですね).たとえば,「1が出る」事象の余事象は「1がでない」事象となります.

「1が出ない」事象は具体的にいえば「2,3,4,5,6のいずれかが出る」事象となるのですが,ご覧の通り事象の数が多いです.しかし,これを簡単に計算する方法があるのです.それは,「全体から元の事象を引く」というものです.ちょっと実例を見てみましょう.


「1〜9までの数字が書かれた9個のボールから5個選んで並べる際に,偶数が書かれたボールが2つ入っていない並べ方は何通りか?」


これは先ほど,最初の問題と似ていますが,最後に否定が付いています.つまり,最初の問題で求めようとした事象の余事象についての問題です.考えただけでも大変そうなこの問題が,余事象を使えばとても簡単に解けます.

まずは全体を求めましょう.つまり9個のボールから5個選んで並べる方法です.これは簡単ですね.そう9P5=15120通りですね.

そして,「1〜9までの数字が書かれた9個のボールから5個選んで並べる際に,偶数が書かれたボールが2つ入っていている並べ方」は先ほど求めたように,7200通りです.よって,この問題の答えは,15120 - 7200 = 7920通りとなります.



とても簡単ですね.この余事象の考え方は順列はもちろん,確率でも使えます.確率の場合は1から引けば良いのです.余事象を上手く使いこなせると楽ができますよ!特に,「〜じゃない場合」とか,「〜以外である場合」とかの言葉が出てきたら余事象を疑うとよいですね.


さて,最後に,この分野の大目標である,確率へとつなげましょう.これが最後の問題です.


「1〜9までの数字が書かれた9個のボールから5個選んで並べる際に,偶数が書かれたボールが2つ入ってる確率はいくらか?」



これは最初の問題の解,7200を並べ方の総数である15120で割ればよいですよね.よって,7200 / 15120 = 10 / 21です.あら,あっさり(笑)






確率は順列や組み合わせを全体の順列・組み合わせで割ることで得られます.よって,確率は順列や組み合わせと計算方法が似通っています.ただし,確率で注意しなければいけないのは,数え上げによる確率計算の規則を満たしているかどうかです.特に,「同様に確からしい」かどうかは注意が必要です.これは騙されやすいので注意してください.


よく騙される例を一つ挙げてみます.ある人が図のA地点からB地点へ向かうとします.このとき,その人は上か右にしか行けません.また,上にも右にもいけるときには,ランダムにどちらか一方に進むとします.そのとき,経路はa, b, c の三通り存在します.さて,それでは経路aを通って行く確率はいくらでしょうか?






数え上げで考えようとすると,経路は3本あるから,1/3だろうと考えたくなります.しかしこの解答は間違いです.この3本の経路は「同様に確からしい」と言えないからです.なぜでしょうか?


重要なのは,道の選択をする必要がある分岐点の数となります.それぞれの経路の「上・右」への分岐点を数えてみると,下のようになります.





これをみると,経路aは分岐点が1個なのに対し,経路b,c は2個あります.そう,「同様に確からしい」という条件が満たされていないわけですね.実際の経路aの確率は,分岐一回分なので1/2となります.ちなみに経路b,c は分岐二回なので,1/2×1/2=1/4となります.順列・組み合わせでは,「同様に確からしい」かを考える必要はありませんが,そこから確率を計算する場合には十分に注意してくださいね


さて,以上で本編は終了です.以降は補足や読み物系の話をしようかと考えています.実際には円順列や数珠順列,重複あり順列など,細かい話があったり,確率の加法定理とか難しそうな用語とかあったりするのですが,そこは話をややこしくするだけなので,本編では触れませんでした.ポイントだけすっきりおさえるに専念したかったからです.なので,これ以降で少しずつ補足しようかと思っています.まぁ,あんまり補足すると他と変わらないので,そんなにやる気はないのですが(笑)


次からの回は簡単に,読み物系にしようと思っています.予定として,「サイコロを沢山ふっているけど,最近1が出ていない!次は1がでやすいはず!」という考え方は正しいか?!という話についてです.正解をいっちゃうと間違いなんですが,なぜ間違いなのかについてわかりやすく説明してみたいと思います.


それでは〜



数学の問題を解くってのは,いつの時代も大変だったんだなーと思わせてくれる本がコレ!

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うぉ!なんてレトロな表紙(笑)いかにもって感じで古い表紙なのに,いまだに現役な本です.なんでもWindowsなどを作成しているマイクロソフト社員は必読の書なんだとか!?原著が刊行されたのは1956年だというのだから凄い.もう50年以上たってますぜ(笑)
でも,中身は今でも通じるほどに価値あり.問題を解くためにはどうしたらいいのかという,基本的なところを分かりやすく説明しています.もうバイブルみたいな感じっすね.



次 ⇒ 確率(番外1):大数の法則 

分かりやすい高校数学:確率(11)実際の問題に対して(前編)

前回 ⇒ 確率(10)期待値

今回と次回で確率の本編は終了です〜.この回では実際の問題を解く上での話をしたいと思います.

実際に解く力を身につけるためには,数学Aの確率の問題をひたすら解く必要があります.問題のパターンってのは色々存在しているので,ひたすら解くことで,色々なパターンに慣れていかなければならないわけですね.

このサイトでもそれをやってみるかどうか迷ったのですが,別にここでやらなくても,問題に対する解答を分かりやすく説明しているサイトは沢山あります.

ただ,そういったサイトは,本当に大事なポイントだけを理解するのには不向きではないかと感じています.情報が多すぎるために,逆に分かりにくくなってしまっていないか,と思うわけですね.

なのでこのサイトでは,ポイントを絞ることで,数学を理解するきっかけになるようにしようと思いました.数学は複雑なようにみえて,実はシンプルな考え方の組み合わせでできていることが多いです.見かけの複雑さにとらわれて,くじけてしまう人も多いかと思います.その人たちの手助けとなるような,簡潔にポイントをおさえた話をしていくことにしました


ここでは,確率などの問題を解く上での重要なポイントを説明していこうと思います.あくまで重要ポイントに限っています.この考え方をおさえておけば,問題を解くことはすぐにできなくても,解答の解説はすんなり理解できるようになるのではないかな〜,そうなったらいいな〜と思っておりますです.あれですよ,100点はとれなくとも平均点は取れるようになる位の感じです(笑)




さて,それではいってみましょうか.



順列・組み合わせで一番重要なことは,いかに問題を切り分けて考えるかです.全ての並びを計算する方法は説明してきましたが,実際の問題では部分部分になんらかの制約がある場合がほとんどです.その場合は,「制約がある部分とない部分に分けて計算し,最後に掛け合わせる」という方法を取ります.うまく切り分けられれば,分解した部分部分の並べ方を掛け合わせることで計算できます.(掛け算で組み合わせられるというのは,確率の考え方と同じです.異なる二つを組み合わせたいなら掛け合わせろ!ですね)



では実際に問題を解きながら考えてみましょう.

「1〜9までの数字が書かれた9個のボールから5個選んで並べる際に,偶数が書かれたボールが2つ入っている並べ方は何通りか?」


一見すると順列の問題ですが,「偶数が書かれたボールが2つある」という制約が入っています.この場合は,「制約のある」偶数ボールと「制約のない」奇数ボールとで分けて考えるのです.

まず,偶数ボールは2,4,6,8と4個あるうちから2つ使うことになります.
よってその選び方は4C2=6通りですね.

一方,奇数ボールは1,3,5,7,9と5個あるうちから3つ使います.
よって,5C3=10通りですね.


ここで偶数ボールの選び方一つずつに対し,奇数ボールの選びかた(10通り)があるわけですから,偶数ボールを2つ含むボールの選び方は6×10=60通りとなります.


さらに,この段階では組み合わせを使って5個のボールを「選びだした」だけですので,これを並べる方法を考える必要があります.全体で5個あるボールを並べる方法は,5! ですよね! 


よって正解は,60 × 5! = 7200通となります.意外と多いですよね〜.




ここでは「偶数」と「奇数」とで切り分けましたが,切り分ける方法はほかにも沢山あります.たとえば,偶数ボールの組み合わせを実際に「2,4」「2,6」「2,8」「4,6」「4,8」「6,8」と列挙して,それぞれの場合について計算することもできます.ただし,当然ながら計算が大変です.数学では,こうやって時間をかければたいていの問題は解けるのですが,時間がかかりすぎてはテストで良い点取れないわけですね.よって,いかに簡単に,楽をして計算できるか!が大切なんです(笑)

最初に述べた「いかに問題を切り分けて考えるか」というのは,「いかに時間がかからないように切り分けるか」という意味なんですね.そのためには特に,「制約のある部分だけ切りだす」ことが重要となります.



さて,もう一つ問題を考えてみましょう.

「1〜9までの数字が書かれた9個のボールから5個選んで並べる際に,偶数が書かれたボールが2つ入っていて,しかも隣り合っている並べ方は何通りか?」


先ほどの問題に対し,さらに「隣り合っている」という条件が付きました.この制約をどこで切り分けるか!というのが問題となるわけですね.先ほどの問題では,「条件を満たすボールを選び出す」ところと,「選んだボールを並べる」という二つにも問題を切り分けています.ボールが隣り合うという条件は,後者にかかわる話なので,前者には関係ありません.よって,「条件を満たすボールを選び出す」方法は60通りのままで使えます.


一方で,ボールの並べ方ですが,ここでも偶数ボールだけに制約があります.なので,偶数ボールだけ特別視して考えます.

まず偶数ボールの並べ方は,2!通りありますね.

そして奇数ボールの並べ方を3! ・・・と考えられると良いのですが,そう簡単にはいきません.2! と 3! とを計算できても,その組み合わせ方法は,単純な掛け算では出てこないからです.先ほどのように組み合わせで考えているなら,別々にできますが,順列はお互いを混ぜて考える必要があるからですね.



ではどうするのか.ここで偶数のボールは隣り合っているという条件に着目します.隣り合っているのならば,一つのボールと考えてしまってもよさそうですよね.そこで,偶数ボールをまとめた新しいボールXを考えて,そのボールXと奇数ボール3個のボールの並べ方を考えます.すると,並べ方はボール4個の並べ方なので,4! となります.もちろん,ボールXの中にある偶数ボールの並べ方も考える必要があるので,全体の並べ方は4! × 2! =48通りとなります.

よって,問題の答えは,60 × 48 = 2880通りとなります.



隣り合うボールを一つにまとめて順列を考えるというのは,テクニックの一つです.この辺りは問題を解いて慣れていくしかないのですが,それより重要なのは,きっちりと問題を切り分けて考えることです!


◆ 付け足しメモ ◆

ちなみに,組み合わせを考える場合には,一つにまとめるというテクニックは使えません.まとめると,ボールが2つ分になってしまうため,組み合わせによってボールを8個選びだそうとしても,実は9個になっていたりするからです.



続きは後編で!文字数制限に引っ掛かったので(笑)


確率関係でお勧め本紹介ってことで.この本が良いなと思う点として,標準偏差の説明に力入れている点ですね.あれは結構使える概念なのに,学校での説明では何が良いのかさっぱりだったりするんですよね.ここでも説明してみたいとは思うのですが,まぁおいおい(笑)
あと,近年有名になっているベイズ理論についても書かれています.モンティ・ホール問題などで話題になった理論ですね.こちらのほうは近日このブログでも触れたいと思っています.

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確率本編もあとわずか?

確率本編の更新がまだできそうにないのですが,とりあえず,つなぎとして更新しとこうと思い立ち,書いております.確率に関する閑話休題を先に書くべきかな・・・そっちの方が書いてみたいという思惑があったりなかったり.
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