分かりやすい高校数学:確率(4)数え上げの条件
前回 ⇒ 確率(3)数え上げ
さて,今回は数え上げによる確率計算をしてよいかを判断する上での,条件についてです.
条件を考える上で重要なのは,数え上げによる確率の計算式 目的の事象の数 ÷ 発生しうる事象の数 において,「発生しうる事象の数」は試行全体の大きさを表現しているということです.試行全体に対する目的の事象の割合を計算するのが,確率だからですね.よって,この部分が正確に「試行全体の大きさ」を表現できていないと,数えあげでの確率計算はできません.
さて,ではどんな条件がありうるのか!ズバリ言ってしまうと,その条件は三つあります!
@各事象が「同様に確からしい」こと = どの事象の発生する確率も等しいこと
これは前回触れた部分ですね.つまり,それぞれの事象の出現数を全部1とみなして,試行全体(発生しうる事象の数)を計算しているので,すべての事象の確率が等しくないといけません.1.5倍とか3倍とかの発生確率を持つ事象が混ざっていたりしてはいけないわけです.
ですので,「1か2が出る事象」と「3か4か5か6が出る事象」の二つの事象を考えたとき,「1か2が出る事象」の確率は1/2だ!とはできません.この二つの事象の確率は明らかに等しくないからです.
これが,「1か2か3が出る事象」と「4か5か6が出る事象」の二つの事象を考えて,「1か2か3が出る事象」の確率は1/2だ!ということはできます.これは,二つの事象の確率が「同様に確からしい」と判断できるからです.
「1か2か3が出る事象」と「4か5か6が出る事象」は「同様に確からしい」ことは,それぞれの目が出ることが「同様に確からしい」ことから分かります.どちらの事象も,ある目が出る事象を三つ分足した事象となっているからです.しかし,常に「同様に確からしい」ことが分かるとは限りません.たとえば前回の話にあったような直方体のサイコロの場合,目の出方が「同様に確からしい」かはわかりません.ひょっとしたら「同様に確からしい」かもしれないのですが,そうであると判断できないなら使ってはいけません.
A全ての事象を合わせると,試行全体の事象を全部表せる
前述のように,全部の事象を合わせたときに,試行全体を表現できていないといけません.よって,「1が出る事象」と「2が出る事象」の二つの事象を考えて,「1が出る事象」は1/2だ!とは言えないわけです.「1が出る事象」と「2が出る事象」だけでは,試行全体を表現できていないからですね.
Bそれぞれの事象の間で重なっている部分がない
もし試行全体の大きさを計算するときに,含まれる事象を二重に計算してしまうと,試行全体の正確な大きさではなくなります.たとえば,「1か2か3が出る事象」と「2か3か4が出る事象」と「4か5か6が出る事象」という三つの事象を考えて,「1か2か3が出る事象」の確率は1/3です!とは言えません.
なぜならば,全体を足し合わせたときに,「2が出る事象」「3が出る事象」「4が出る事象」を二回含んでしまっているので,これらを足し合わせても,試行全体の大きさを正確に得られないからなんですね.
さて,ここで新しく用語を導入します,二つの事象が重なっていない,ということを,二つの事象が排他的である,といいます.こういう言葉がさらっと使えるようになるとなんかカッコいい感じがしませんか!しないですよね!そうですね!こういう言葉をさらっと使うのは正直,理系だけです(笑)
ここまで来れば確率はほとんど分かったも同然!(多分ね!).
あと重要なのは,確率の合成部分です.二つのサイコロを振った時の確率はどうなるの?というところですね.ちなみに,一つのサイコロを振った時の確率を足し合わせる話もありますが,今までの説明から大体その答えは見えているかと思います.もちろん,この点も次回,一緒に説明したいと思います.
もう一点重要なのは,数え上げの効率的な方法ですね.サイコロくらいなら簡単に事象を数えられますが,もっと複雑になると大変です.そのためのテクニックについても勉強する必要があります.逆に言えば,高校数学Aで重要なのは,もうその二つくらいしかなかったりします(今の新課程とかでは色々違ったりするかもしれないけど^^).
その辺はもう少し先で!
続き ⇒ 確率(5)確率の合成
さて,今回は数え上げによる確率計算をしてよいかを判断する上での,条件についてです.
条件を考える上で重要なのは,数え上げによる確率の計算式 目的の事象の数 ÷ 発生しうる事象の数 において,「発生しうる事象の数」は試行全体の大きさを表現しているということです.試行全体に対する目的の事象の割合を計算するのが,確率だからですね.よって,この部分が正確に「試行全体の大きさ」を表現できていないと,数えあげでの確率計算はできません.
さて,ではどんな条件がありうるのか!ズバリ言ってしまうと,その条件は三つあります!
@各事象が「同様に確からしい」こと = どの事象の発生する確率も等しいこと
これは前回触れた部分ですね.つまり,それぞれの事象の出現数を全部1とみなして,試行全体(発生しうる事象の数)を計算しているので,すべての事象の確率が等しくないといけません.1.5倍とか3倍とかの発生確率を持つ事象が混ざっていたりしてはいけないわけです.
ですので,「1か2が出る事象」と「3か4か5か6が出る事象」の二つの事象を考えたとき,「1か2が出る事象」の確率は1/2だ!とはできません.この二つの事象の確率は明らかに等しくないからです.
これが,「1か2か3が出る事象」と「4か5か6が出る事象」の二つの事象を考えて,「1か2か3が出る事象」の確率は1/2だ!ということはできます.これは,二つの事象の確率が「同様に確からしい」と判断できるからです.
「1か2か3が出る事象」と「4か5か6が出る事象」は「同様に確からしい」ことは,それぞれの目が出ることが「同様に確からしい」ことから分かります.どちらの事象も,ある目が出る事象を三つ分足した事象となっているからです.しかし,常に「同様に確からしい」ことが分かるとは限りません.たとえば前回の話にあったような直方体のサイコロの場合,目の出方が「同様に確からしい」かはわかりません.ひょっとしたら「同様に確からしい」かもしれないのですが,そうであると判断できないなら使ってはいけません.
A全ての事象を合わせると,試行全体の事象を全部表せる
前述のように,全部の事象を合わせたときに,試行全体を表現できていないといけません.よって,「1が出る事象」と「2が出る事象」の二つの事象を考えて,「1が出る事象」は1/2だ!とは言えないわけです.「1が出る事象」と「2が出る事象」だけでは,試行全体を表現できていないからですね.
Bそれぞれの事象の間で重なっている部分がない
もし試行全体の大きさを計算するときに,含まれる事象を二重に計算してしまうと,試行全体の正確な大きさではなくなります.たとえば,「1か2か3が出る事象」と「2か3か4が出る事象」と「4か5か6が出る事象」という三つの事象を考えて,「1か2か3が出る事象」の確率は1/3です!とは言えません.
なぜならば,全体を足し合わせたときに,「2が出る事象」「3が出る事象」「4が出る事象」を二回含んでしまっているので,これらを足し合わせても,試行全体の大きさを正確に得られないからなんですね.
さて,ここで新しく用語を導入します,二つの事象が重なっていない,ということを,二つの事象が排他的である,といいます.こういう言葉がさらっと使えるようになるとなんかカッコいい感じがしませんか!しないですよね!そうですね!こういう言葉をさらっと使うのは正直,理系だけです(笑)
ここまで来れば確率はほとんど分かったも同然!(多分ね!).
あと重要なのは,確率の合成部分です.二つのサイコロを振った時の確率はどうなるの?というところですね.ちなみに,一つのサイコロを振った時の確率を足し合わせる話もありますが,今までの説明から大体その答えは見えているかと思います.もちろん,この点も次回,一緒に説明したいと思います.
もう一点重要なのは,数え上げの効率的な方法ですね.サイコロくらいなら簡単に事象を数えられますが,もっと複雑になると大変です.そのためのテクニックについても勉強する必要があります.逆に言えば,高校数学Aで重要なのは,もうその二つくらいしかなかったりします(今の新課程とかでは色々違ったりするかもしれないけど^^).
その辺はもう少し先で!
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