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分かりやすい高校数学:確率(9)区別なしの順列

前回 ⇒ 確率(8):組み合わせ


9回目ー!!明らかに当初の予定通り(全10回)いかない感じ爆発だけどサクサクいこー.

さて,今日は区別のつかないものが含まれている場合の順列です.たとえば,10円玉3枚と5円玉2枚を並べる方法ですね.これも,基本的な考え方は変わりません.さーいってみよー.

いま,10円玉3枚と5円玉2枚があるとします.これの並べ方は何通りでしょうか?ただし,10円玉や5円玉は,それぞれの区別がつかないとします.書かれている製造年月日とかで区別はできなくて,10円玉はどれも同じと考えるということです.

ここで重要なのは,10円玉3枚は区別がつかないことです.よって仮に,10円玉3枚を10円玉A,10円玉B,10円玉Cとつけたとします.このとき,

10円玉A,10円玉B,10円玉Cという並びと,
10円玉A,10円玉C,10円玉Bという並びは

区別つかない,つまり同じ並び方であると考えるわけです.

さぁ,これをどう解くのか.ここでもあの考え方が生かされます!!




全体の並べ方から,一部の並べ方を無視したいなら...

 全体の並べ方を,無視したい部分の並べ方で割るんだぁ!!!






ここで無視したい並びは何か!10円玉がどう並んでいても,無視して同じ並びだと考えたいわけですから,10円玉の並べ方で割ってしまえば良いわけです.これによって,上の図にあるような3! 通りある並び方は,10円玉の位置が変わらないので,同一であると見なせるようになります.(図では,10円玉が1番目,3番目,4番目にありますが,これが1番目,4番目,5番目など,ほかの場合でも状況は変わりません.よって単純に3! で割ってあげてよいわけです)

同様に二枚ある5円玉の並び方でも割ってあげましょう.








よって答えは,5! ÷ 3! ÷ 2!になります.


◆ 付け足しメモ ◆

この問題は,あくまで「順列」を求めていることに注意してください.「組み合わせ」の式と似ていますが,「組み合わせ」ではありません

よって,「組み合わせ」の問題と合わせた問題を作ることもできます.たとえば,「10円玉3枚と5円玉2枚から,2枚選ぶ方法は何通り?」などです.しかし,この問題は簡単には解けません.なぜなら,2枚選びだしたときに,10円玉と5円玉が含まれている枚数が一定ではないため,それぞれの場合に分けて(10円玉2枚を選びした場合,10円玉1枚+5円玉1枚を選びだした場合,5円玉2枚を選びだした場合の三通り)考えなければならないからです.(最初の問題の場合,対象としている並びの中に必ず10円玉は3枚,5円玉が2枚入っていると決まっているので,3! と 2! とで割って問題ないのです.つまり,どんな状況でも割る数が変わらないから,場合わけしなくて良いのです.含まれる数が場合によって違うと,同じ数で割れなくなってしまうので,場合わけする必要があるんですね)





さて,あとは期待値のお話と,順列・組み合わせで飛ばしていた,細かい話をしていく予定です.やはり10回で収まりませんが,まいっか.それではー.





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次 確率(10):期待値

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