分かりやすい高校数学:確率(10)期待値
前回 ⇒ 確率(9):区別なしの順列
十回目さー!ようやく!いや,もうサクサク行くっす.今日は期待値ですね.数学Aに期待値があったことを知ったのがつい最近というのは内緒です.
期待値で一番分かりやすいのはギャンブルです.今,ちょっとしたギャンブルを考えましょう.ギャンブル嫌いの人もちょっとお付き合いください(笑)
さて,サイコロを一回振って,もし6が出たら600円もらえるギャンブルがあるとします.ただし,もし6が出なかった場合は逆に150円払わなければなりません.さて,このギャンブル,やるべきかどうか?というのが問題です.さぁ,やるべきかやめるべきか.どちらだと思いますか?もちろん,ギャンブル嫌いだからやめるべき,というのは却下です(笑)
このギャンブルは,600円もらえるか,150円払うことになるかという二通りの結果しかありません.あなたがギャンブルをした時に,そのどちらになるかは結局神のみぞ知るです.だから神に聞いてください.以上!!!!・・・では数学になりませんね.ではどうやったら判断できるでしょうか?
この場合,自分が一人しかいないから難しくなってしまいます.運次第で,二通りの結果にしかならないですからね.ここでもし自分が1億人いるとしたら,全員がギャンブルやったときの結果を合わせて考えれば,このギャンブルが得なのか損なのかがはっきりしてきますね.
しかし,自分は一人しかいません.その場合どう考えるか!そう,自分を分解してしまえばいいのですっ!!!!!
自分をたくさんの自分へと分解して,それぞれにギャンブルをやらせてあげたときの,その結果を集計すれば良いのです!!さて,実際にやってみましょう.
たくさんの自分がいた時に,ギャンブルに勝つ自分と,ギャンブルに負ける自分がどのくらいいるのかをまず考えます.サイコロで6が出れば勝ちなわけですから,その確率は1/6です.逆に負ける確率,6以外が出る確率は5/6です.つまり一人の自分を分解してギャンブルをやらせたら,1/6人はギャンブルに勝ち,5/6人はギャンブルに負けることになります.(自分の人数が,発生する確率と同じである点に注意してくださいね)
さて,ギャンブルに勝てば600円もらえるわけですから,ギャンブルで勝った総額は
600円×1/6人=100円 です.
一方,ギャンブルに負けた場合150円払うわけですから,ギャンブルに負けた総額は
150円×5/6人=125円 です.
よって,全員(といっても自分一人分ですが)のギャンブル結果の総額は,
100円(6が出た場合) - 125円(6以外が出た場合) = -25円
負けてるー!!!損してるーーー!!つまり,このギャンブルをやると,25円損するということです.もちろんこれはあくまで,多数の自分がギャンブルを行った時の平均的な値です.実際に1回ギャンブルをしたら,600円もらえるか,150円失うかのどちらかしかありません.ただ,このギャンブルが損しやすいということは分かるわけです.
この-25円という値のことを,期待値と言います.つまり,一回のギャンブルで平均的に得られる結果のことを指します.
さて,期待値の一般的な計算方法について説明しましょう.基本的には先ほど示したように,
その結果で得られる値 × 分解した自分の人数
を,全員分足し合わせることで,期待値は得られます.ここで,自分を一人だとすると,先ほどの話の中で示したように,分解した自分の人数は,その事象の発生確率と同じです.よって,上の式を事象を使って書き換えると,
その事象で得られる値(ギャンブルの結果の金額) × その事象の発生確率(そのギャンブル結果になってしまった人数)
これを,全事象足し合わせたものと同じです.
さて,これにて数学Aの確率における基本部分の説明は終了です.もっと細かい話は色々あるわけですが,抑えておくべき重要な点だけを説明しています.他のことは,この考え方の流用でたいていなんとかなります.細かい部分を説明すればするほど,数学って分かりにくくなるように思うんですよね.ほんとに重要な点だけ説明すれば,あとの細かいことも理解しやすくなるし,とっつきやすくなるのでは,と思って書いています.
さて,この後何回かは,実際の問題に対してどう考えていけばいいかを,未説明の部分を交えて説明していきたいと思います.(もちろん,もっと細かい部分などを知りたい場合は,ほかのサイトを調べてみるのも良いと思います.ここで示した話を抑えておけば,理解しやすくなっているのではと期待しています(笑))
んーでも,その前に閑話休題を挟もうかなーとも思っています.お話として書きたいな〜と思っていることがあるので・・・ま,そのへんはおいおい.
それではー.
次 確率(11)実際の問題に対して(前編)
十回目さー!ようやく!いや,もうサクサク行くっす.今日は期待値ですね.数学Aに期待値があったことを知ったのがつい最近というのは内緒です.
期待値で一番分かりやすいのはギャンブルです.今,ちょっとしたギャンブルを考えましょう.ギャンブル嫌いの人もちょっとお付き合いください(笑)
さて,サイコロを一回振って,もし6が出たら600円もらえるギャンブルがあるとします.ただし,もし6が出なかった場合は逆に150円払わなければなりません.さて,このギャンブル,やるべきかどうか?というのが問題です.さぁ,やるべきかやめるべきか.どちらだと思いますか?もちろん,ギャンブル嫌いだからやめるべき,というのは却下です(笑)
このギャンブルは,600円もらえるか,150円払うことになるかという二通りの結果しかありません.あなたがギャンブルをした時に,そのどちらになるかは結局神のみぞ知るです.だから神に聞いてください.以上!!!!・・・では数学になりませんね.ではどうやったら判断できるでしょうか?
この場合,自分が一人しかいないから難しくなってしまいます.運次第で,二通りの結果にしかならないですからね.ここでもし自分が1億人いるとしたら,全員がギャンブルやったときの結果を合わせて考えれば,このギャンブルが得なのか損なのかがはっきりしてきますね.
しかし,自分は一人しかいません.その場合どう考えるか!そう,自分を分解してしまえばいいのですっ!!!!!
自分をたくさんの自分へと分解して,それぞれにギャンブルをやらせてあげたときの,その結果を集計すれば良いのです!!さて,実際にやってみましょう.
たくさんの自分がいた時に,ギャンブルに勝つ自分と,ギャンブルに負ける自分がどのくらいいるのかをまず考えます.サイコロで6が出れば勝ちなわけですから,その確率は1/6です.逆に負ける確率,6以外が出る確率は5/6です.つまり一人の自分を分解してギャンブルをやらせたら,1/6人はギャンブルに勝ち,5/6人はギャンブルに負けることになります.(自分の人数が,発生する確率と同じである点に注意してくださいね)
さて,ギャンブルに勝てば600円もらえるわけですから,ギャンブルで勝った総額は
600円×1/6人=100円 です.
一方,ギャンブルに負けた場合150円払うわけですから,ギャンブルに負けた総額は
150円×5/6人=125円 です.
よって,全員(といっても自分一人分ですが)のギャンブル結果の総額は,
100円(6が出た場合) - 125円(6以外が出た場合) = -25円
負けてるー!!!損してるーーー!!つまり,このギャンブルをやると,25円損するということです.もちろんこれはあくまで,多数の自分がギャンブルを行った時の平均的な値です.実際に1回ギャンブルをしたら,600円もらえるか,150円失うかのどちらかしかありません.ただ,このギャンブルが損しやすいということは分かるわけです.
この-25円という値のことを,期待値と言います.つまり,一回のギャンブルで平均的に得られる結果のことを指します.
さて,期待値の一般的な計算方法について説明しましょう.基本的には先ほど示したように,
その結果で得られる値 × 分解した自分の人数
を,全員分足し合わせることで,期待値は得られます.ここで,自分を一人だとすると,先ほどの話の中で示したように,分解した自分の人数は,その事象の発生確率と同じです.よって,上の式を事象を使って書き換えると,
その事象で得られる値(ギャンブルの結果の金額) × その事象の発生確率(そのギャンブル結果になってしまった人数)
これを,全事象足し合わせたものと同じです.
◆ 付け足しメモ ◆ ちなみにたいていのギャンブルは期待値がマイナス,つまり損する計算になっています.宝くじなどは300円払って得られる金額の期待値は150円程度です.つまり買うごとに半額失うわけですね.もちろん運がよければ3億円手に入ることもあるのですが,あなたが平均的な運の持ち主であれば,半額損をするということになるわけです. |
さて,これにて数学Aの確率における基本部分の説明は終了です.もっと細かい話は色々あるわけですが,抑えておくべき重要な点だけを説明しています.他のことは,この考え方の流用でたいていなんとかなります.細かい部分を説明すればするほど,数学って分かりにくくなるように思うんですよね.ほんとに重要な点だけ説明すれば,あとの細かいことも理解しやすくなるし,とっつきやすくなるのでは,と思って書いています.
さて,この後何回かは,実際の問題に対してどう考えていけばいいかを,未説明の部分を交えて説明していきたいと思います.(もちろん,もっと細かい部分などを知りたい場合は,ほかのサイトを調べてみるのも良いと思います.ここで示した話を抑えておけば,理解しやすくなっているのではと期待しています(笑))
んーでも,その前に閑話休題を挟もうかなーとも思っています.お話として書きたいな〜と思っていることがあるので・・・ま,そのへんはおいおい.
それではー.
次 確率(11)実際の問題に対して(前編)
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