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2017年03月22日

ルース=アーロン・ペア(名前はベースボールに由来します)

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 いきなりですけど、714 と 715 を素因数分解してみます。

714 = 2・3・7・17
715 = 5・11・13

 それぞれについて、素因数を足し合わせた数を比較してみると

2 + 3 + 7 + 17 = 29
5 + 11 + 13 = 29

となって、お互いに等しくなっていますね。このように2つ連続した自然数のそれぞれの素因数の和が、互いに等しくなる組のことを ルース=アーロン・ペア (Ruth–Aaron pair) と呼びます。実はこの名称、野球(ベースボール)に由来するのです。

 1935 年にメジャーリーグの強打者ベーブ・ルースが達成した通算本塁打記録 714 本を、1974 年にハンク・アーロンが 715 本の本塁打を放って破りました。その数がちょうど上のような性質を備えていることから、2人の名をとって、 ルース=アーロン・ペア とよばれるようになりました。

第1定義のルース=アーロン・ペア

 ルース=アーロン・ペアには2種類あって、その1つは同じ素因数は重複して数えないとする定義によるものです。たとえば、

104 = 23・13, 105 = 3・5・7

について、それぞれ素因数を重複しないように足し合わせると

2 + 13 = 15, 3 + 5 + 7 = 15

となって、(24, 25) は第1定義のルース=アーロン・ペアということになります。他にも (5, 6), (24, 25), (49, 50) などが第1定義に従うルース=アーロン・ペアです。

第2定義のルース=アーロン・ペア

 2つめの定義は、とにかく素因数は全て足してしまおうというもの。

125 = 53, 126 = 2・32・7

ですから、それぞれ素因数を全て足し合わせると

5 + 5 + 5 = 15, 2 + 3 + 3 + 7 = 15

となるので、(125, 126) は第2定義に従うルース=アーロン・ペアです。この定義に従うルース=アーロン・ペアは小さいほうから、 (5, 6), (8, 9), (15, 16) などがあります。
   

2017年03月09日

カプレカ数はインドの数学者 D. R. カプレカさんが発見しました

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カプレカ数はインドの数学者 D. R. カプレカさんが発見しました


 カプレカ数 (Kaprekar Number) をご存知でしょうか?
 私もつい先ほど知りました。インドの数学者 D. R. カプレカさんが発見した数だそうです。同じ名前の数が2種類ありますが、今回はそのうちの1つを紹介します。たとえば

495

という数があります。桁を並び替えて最も大きな数字をつくると

954

となりますね。一番小さな数をつくると

459

です。最大数から最小数を引くと ......

954 − 459 = 495

 元の数字と同じになりました! このように、桁を並べ替えた最大数から最小数を引いて、元の値と同じになる数字 をカプレカ数と呼ぶのです。 6174 という数字も

7641 − 1467 = 6174

となってカプレカ数です。面白いですねー。カプレカ数はとても珍しい数です。ところでカプレカ数にはさらに不思議な性質があります。たとえば適当な数字 5834 を例にとって、桁を並び替えて最大数から最小数を引くと

8543 − 3458 = 5085

という数字が得られます。同じ操作を繰り返すと ......

8550 − 0558 = 7992
9972 − 2799 = 7173
7731 − 1377 = 6354
6543 − 3456 = 3087
8730 − 0378 = 8352
8532 − 2358 = 6174

 カプレカ数が現れましたよ! 4桁の数の場合、1111 の倍数以外は最終的に必ずカプレカ数 6174 になるのです。3桁の場合は 111 の倍数以外はやはりカプレカ数 495 に落ち着きます。不思議ですねえ。数学が得意な人は、ぜひ一般的な証明に挑戦してみてください。
   

2017年02月25日

ファクトリオンは各桁の階乗の合計値が自身と等しくなる数です

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ファクトリオン

 階乗のことを英語で factorial とよびますが、factorion という言葉はおそらく普通の辞書には載っていないと思います。 ファクトリオン とは 各桁の階乗の合計値が自身と等しくなる数 のことです。もっとも小さなファクトリオンは 1 (1! = 1)、その次のファクトリオンは 2 (2! = 2) となります。その次は 145 です。

1! + 4! + 5! = 1 + 24 + 120 = 145

 そして残る数は 40585 だけです。

4! + 0! + 5! + 8! + 5! = 40585

 十進数の範囲では

1, 2, 145, 40585

以外のファクトリオンは存在しないと証明されています。

ダブルファクトリオン?

 そこで各桁の2重階乗の合計が自身に等しくなる数(ダブルファクトリオン)はどれくらいあるのかと思ってエクセルで調べてみました。ダブルファクトリオンは私が勝手に定義した数で2重階乗を表す英語 double factorial にちなんでいます。2重階乗は

   0!! = (−1)!! = 1
   (2n)!! = 2n・(2n −2) ・・・ 4・2
   (2n + 1)!! = (2n + 1)・(2n − 1) ・・・ 3・1

というように値を2つずつ落として積をとる階乗です。で、ダブルファクトリオンを探してみると、これもまたとても希少な数なのです。

1!! = 1, 2!! = 2, 3!! = 3

ですから、 1, 2, 3 はダブルファクトリオンです。その次は 107 です。

1!! + 0!! + 7!! = 1 + 1 + 7・5・3・1 = 107

で、「次の数はあるかなー」と思いながら 999 まで計算させてみましたが、ダブルファクトリオンは1つもありませんでした。次は4桁の数を調べてみる予定ですけど、かなり体調を崩していて、きちんとしたプログラムを組めない状態です。見つかったら追記に載せますので、もうしばらくお待ちください。
 ありませんでした ......  

2017年02月20日

シマウマ模様には見えないけど、シマウマ数です

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シマウマ模様には見えないけど、シマウマ数です

 ほとんどの無理数は数字の並び方に規則性はありません。
 たとえば2の平方根は

√2 = 1.4142135623731 ...

となって、その並び方がバラバラであることはよく知られていますね。でも中には変な(?)無理数もあって、たとえば

f(n) = sqrt(9・100n + 112 −44n)/11

で定義される f(n) は疑似的ではあるものの、部分的にパターンを作ります。実際にエクセルで計算させてみると

  n = 1  2.82842712474619E+00
  n = 2  2.72763633939717E+01
  n = 3  2.72726969696801E+02
  n = 4  2.72727263030303E+03
  n = 5  2.72727272563636E+04
  n = 6  2.72727272724970E+05
  n = 7  2.72727272727243E+06
  n = 8  2.72727272727272E+07

となっています。n が大きくなるほど 272727 ... というパターンが増えていました。そのパターン模様がシマウマに似ているから、シマウマ数 と呼ぶのだそうですが ......
「え? シマウマ? どのへんが?」
と何度目を凝らしてもシマウマ模様にはまったく見えません。もっとたくさんの桁が並んでいる表も見ましたけど、やっぱりよく分かりませんでした。まあ、いいや。そのへんの感性は文化によって違うかもしれないし。
 念のため付け加えておくと、上の式が完全に規則的なパターンで並ぶ数字ではないのです。そこはやっぱり無理数ですから。たとえば有理数である

1/7 = 0.142857142857143 ...

は綺麗に 142857 を繰り返しますが、f(n) は途中で 4206426183 ... のように不規則な数字が唐突に表れたりします。長い目でみるとやっぱり「不規則」なのです。とはいえ、無理数でこんな並び方をする数字を発見したってことは、本当にすごいことです。エクセルでは 15 桁までしか扱えないので、こういう計算は不得手ですけど、暇があったら久しぶりに C++ か FORTRAN を動かして(かなりブランクあるからコードの書き方を忘れてるかもしれないけど)、他に何かこういう数字がないか探してみます。
   

2017年02月19日

巨大数グーゴルと巨大 IT 企業グーグルの関連性

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 グーゴル (googol) という言葉をご存知でしょうか?
 え? 知らない? 検索エンジンのグーグルの親戚かって?

 ...... うーん、まあ、ほぼ正解 です。

 でも今訊きたいのは、グーゴル (googol) という言葉のもつ意味なのです ...... なーんて知ったかぶりしながら、かくいう私もつい先日知ったばかりの言葉です。何かブログのネタがないかと思って図書館に行き、「数学雑学」みたいな本をめくっていたら、この言葉が目につきました。おかげで、こうしてちゃんとネタになっています。

巨大数グーゴルと巨大 IT 企業グーグル

 まあそんなことはいいのですけど、この グーゴル (googol) というのは、とんでもなく大きな数を表す単位のことなのです。
「え? そんな単位あったかな。京なら知ってるけど、グーゴルなんて聞いたこともないよ」
と思われるかもしれません。ちなみに京は 1016、垓は 1020 です。とても大きな数です。皆さんが普段の学習で扱う最大数といえばアボガドロ数だと思います。これは 6 × 1023 ですね。でも グーゴル (googol) はそれより遥かに大きな数です。どのくらい大きいかというと、なんと

10100 です!

 思わず「ひゃあああ!」と仰天するか、「そんな大きな単位、どこで使うの?」と首を傾げるか、それは皆さんにお任せしますけど、グーゴルという数は、とても微笑ましい経緯で誕生したものなのです。

グーゴル誕生秘話

 今からおよそ100年ほど前のこと。アメリカのエドワード・カスナーという数学者が、自分の甥であるミルトン・シロッタ君(9歳)に、
「ねえ、数えきれないぐらいに大きな数があったとして、君はそれにどんな名前をつけるかな?」
と尋ねたところ、シロッタ君は
「グーゴル (googol) !」
と答えたそうなのです。う、うーん。なるほど。やっぱり怪獣の「ゴジラ」なんかもそうですけど、濁音がつくと「大きい」とか「強そう」とか、そういうイメージになるんでしょうね。そういう感覚は世界共通なようです。で、カスナーさんはこの言葉を本当に単位として採用してしまいました。よほど甥っ子さんがかわいかったのでしょうね。

巨大企業に成長しました

 さて、冒頭で「グーゴルはグーグルの親戚」という答えもあながち間違いではないと述べましたけど、実はこのグーゴルが検索エンジンの Google という名称の由来となっているのです。
 Google 創業者の1人であるラリー・ペイジさんが、会社を立ち上げるときに
「よーし。巨大数グーゴル (googol) にあやかって大きな会社にするぞー」
とはりきって会社名を登録したのですが ...... 信じられないことに "Googol" と綴るべきところを誤って "Goog1e" と書いて登録してしまったのです。
「ええ!? そこ間違っちゃうんだ!? 企業名って一番大事なとこだと思うけど。何でチェックしなかったのかなあ?」
とびっくりしますけど、そのあたりがアメリカ人の大らかさなのかもしれません。何はともあれ、当初の願いどおりに世界規模の企業に成長したわけですから、結果としてはその綴り間違いも良かったのかもしれませんね ......
   
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