グーゴル (googol) という言葉をご存知でしょうか?
え? 知らない? 検索エンジンのグーグルの親戚かって?
...... うーん、まあ、ほぼ正解 です。
でも今訊きたいのは、グーゴル (googol) という言葉のもつ意味なのです ...... なーんて知ったかぶりしながら、かくいう私もつい先日知ったばかりの言葉です。何かブログのネタがないかと思って図書館に行き、「数学雑学」みたいな本をめくっていたら、この言葉が目につきました。おかげで、こうしてちゃんとネタになっています。
巨大数グーゴルと巨大 IT 企業グーグル
まあそんなことはいいのですけど、この グーゴル (googol) というのは、とんでもなく大きな数を表す単位のことなのです。「え? そんな単位あったかな。京なら知ってるけど、グーゴルなんて聞いたこともないよ」
と思われるかもしれません。ちなみに京は 1016、垓は 1020 です。とても大きな数です。皆さんが普段の学習で扱う最大数といえばアボガドロ数だと思います。これは 6 × 1023 ですね。でも グーゴル (googol) はそれより遥かに大きな数です。どのくらい大きいかというと、なんと
10100 です!
思わず「ひゃあああ!」と仰天するか、「そんな大きな単位、どこで使うの?」と首を傾げるか、それは皆さんにお任せしますけど、グーゴルという数は、とても微笑ましい経緯で誕生したものなのです。
グーゴル誕生秘話
今からおよそ100年ほど前のこと。アメリカのエドワード・カスナーという数学者が、自分の甥であるミルトン・シロッタ君(9歳)に、「ねえ、数えきれないぐらいに大きな数があったとして、君はそれにどんな名前をつけるかな?」
と尋ねたところ、シロッタ君は
「グーゴル (googol) !」
と答えたそうなのです。う、うーん。なるほど。やっぱり怪獣の「ゴジラ」なんかもそうですけど、濁音がつくと「大きい」とか「強そう」とか、そういうイメージになるんでしょうね。そういう感覚は世界共通なようです。で、カスナーさんはこの言葉を本当に単位として採用してしまいました。よほど甥っ子さんがかわいかったのでしょうね。
巨大企業に成長しました
さて、冒頭で「グーゴルはグーグルの親戚」という答えもあながち間違いではないと述べましたけど、実はこのグーゴルが検索エンジンの Google という名称の由来となっているのです。Google 創業者の1人であるラリー・ペイジさんが、会社を立ち上げるときに
「よーし。巨大数グーゴル (googol) にあやかって大きな会社にするぞー」
とはりきって会社名を登録したのですが ...... 信じられないことに "Googol" と綴るべきところを誤って "Goog1e" と書いて登録してしまったのです。
「ええ!? そこ間違っちゃうんだ!? 企業名って一番大事なとこだと思うけど。何でチェックしなかったのかなあ?」
とびっくりしますけど、そのあたりがアメリカ人の大らかさなのかもしれません。何はともあれ、当初の願いどおりに世界規模の企業に成長したわけですから、結果としてはその綴り間違いも良かったのかもしれませんね ......