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2019年10月24日

ユニクロ柳井氏「日本は公務員を半減せよ」発言の「大きな間違い」









 ユニクロ柳井氏 「日本は公務員を半減せよ」発言の「大きな間違い」


             〜現代ビジネス 10/24(木) 7:01配信〜


     AS20181124002613_commL.jpg 柳井正 ファーストリテーリング代表取締役


 日本は「公務員の多い国」か

 日本経済の未来について、経済団体(経営者団体)や有名企業経営者がその予想・改革への提言を行う事は何ら珍しい事では無い。様々な競争を勝ち残って来た経済人の示す経済問題への洞察から学ぶべき事も少なく無いだろう。
 しかし「経済人の経済問題への提言」がマクロの経済環境に及ぶと、その妥当性が急速に下がると云う例は少なく無い。過日リリースされた『日経ビジネス電子版』における柳井正(ファーストリテーリング代表取締役)氏へのインタビュー「目覚めるニッポン〜柳井正氏の怒り「このままでは日本は滅びる」」においても、経営者がマクロ経済を語る際に陥り勝ちな誤解が典型的に表れて居る。

 組織論や精神論が中心の日本論ではあるが、その中で示されるマクロ経済に関する特徴的な提言が「先ずは国の歳出を半分にして、公務員等の人員数も半分にする。それを2年間で実行する位の荒療治をしないと」である。しかし、氏が憂慮する日本国は海外に比べてそんなに歳出が大きく、公務員の多い国なのだろうか。





 日本の政府支出は、先進国の中でも少ない方

 OECDの中で比較が容易な30か国内で、日本の中央政府・地方政府合わせた政府総支出の対GDP比は24位(39%)と下位に位置する*1
 因みに米国は25位(37.8%)と日本よりも財政規模は小さいものの大きな差は無い。比較範囲で政府支出対GDP比が最も低いアイルランドにおいても28.8%と日本の半分迄はいか無い様だ。財政規模が大きい事が経済停滞の原因である為らば、日本よりも財政規模の大きい殆どの国はどう為ってしまうのだろう。

 日本の財政支出には無駄遣いが多いからだ――と思われるかも知れないが、これも事実とは異なる。日本の財政支出の内、最大の項目は社会保障支出である。社会保障支出を「無駄遣い」と捉える事は一般的では無いだろう。社会保障費以外の政府支出の対GDP比では、29位(15.4%)と30位のアイルランド(13.2%)並である。現時点で日本の財政規模が大きいと主張するのは困難である。

 公務員削減についても、極簡単なデータから否定出来る。雇用者全体に占める一般政府雇用者比率は5.9%とOECD諸国の中で最も低い値である。ちなみにOECD諸国の同比率の平均は18.1%であり、日本は突出して公務員比率の低い国である事が判る*2
 これ等に付いては、防衛関連職員の少なさや郵政民営化に伴う郵便局員の非公務員化が影響して居ると云う見方、更には政府関連企業の雇用を含めれば日本はマダマダ公務員が多い国だとの反論もあるだろう。

 『世界価値観調査』では勤務先に関する質問が含まれて居る。その中で、自分が「公的機関(Government or public institution)で働いて居る」と答えた人の割合――制度上の定義では無く自己認識によるデータを見ると、日本は10.7%と調査対象58国中57番目と為って居る。日本よりその割合が低いのはモロッコ(10.4%)のみだ*3





 何故、経済人のマクロ経済への提言は誤るのか

 余りにも事実を無視した見解であるにも関わらず「政府支出が大き過ぎる」「公務員の数が多過ぎる」と云う主張は人々の感情に訴え掛ける力がある。国際比較上日本がいかに小さな政府で公務員数が少なかったとしても、節約する事・費用を抑える事は、好い事に違い無いと云う素朴な直感の影響も小さく無いだろう。
 しかし、この直感が何時でも正しいとは限ら無い。この直感的な理解の問題点を探ると、経済人のマクロ経済への提言が何故誤るのかを理解する事が出来る。

 経済に関する問題を考える際には、今直面している問題がオープン・システム問題であるのか、クローズド・システム問題であるのかに注意し無ければ為ら無い*4
 オープン・システム問題とは、課題と為って居る対象に「外部」がある問題だ。例えば、企業が成績の振るわ無い従業員を解雇し不要不急の費用を節約すると――少なくとも短期的には利益は増加するだろう。企業は業績を圧迫して居る要因を「企業の外に出す」事が可能である。企業に関する問題は、それが如何に大きな企業であれオープン・システムの問題なのである。

 一方で、この様なリストラ策は日本経済の為の施策として妥当なものだろうか。或る企業を解雇されたとしても、その当事者が日本国民で無く為る訳では無い。彼等が生活をする費用は、本人による貯蓄の取り崩しであれ政府による社会保障であれ、日本国内の誰かが何等かの形で負担する事に為る。小野善康氏(大阪大学名誉教授)の言葉を借りる為らば「日本国民をリストラする事は出来無い」のだ。
 この様に「外部」が無い為に「特定要因を組織の外に出す」事が出来無い(少なくとも困難)な問題をクローズド・システム問題と云う。

 例にも挙げた様に、企業経営は典型的なオープン・システム問題である。その意味で、著名な経営者はオープン・システム問題に関するスペシャリストと言っても好い。しかし、それを以てクローズド・システム問題に付いても有益な提言を行い得ると考える事は難しいだろう。
 オープン・システム問題とクローズド・システム問題は全く性質が異なる。寧ろ対極的と云う事さえ出来る問題である。現在の日本で財政支出の額を減じた為らば、それによる需要低下によって景気は大幅に悪化する。景気の悪化は税収減を通じて、寧ろ財政収支を悪化させる可能性さえある。加えて、公務員数の削減によって雇用が失われ、賃金に低下圧力が加わった場合も又同様である。ボクシングのチャンピオンにカーリングの必勝法を指南して貰う事は、面白いかも知れ無いが、有益とは言い難いのではないか。

 「民間万歳」な考え方に甘く為る

 経営者が問題解決の提言を行うと云う時、自身の経験に根差した発言を行おうとすればする程、問題をオープン・システムとして捉える傾向がある。人は誰しも自身の経験から影響されずに思考する事は出来無い。
 最も、経営者が財政規模の縮小や公務員の削減と言った所謂「小さな政府」志向に向かい勝ちな理由はこれだけでは無いかも知れない。人の思考は自身の利害から絶えず影響を受けて居る。企業の経営者が、税負担が小さく為る「小さな政府」に魅力を覚えるのもその意味では当然なのかも知れない。加えて、自身のこれ迄の活動を高く評価する言説には点が甘く為るのも人情だろう。

 有名な例であるが「高所得者に為る為に必要なものは何か」と問われた時、高所得者は「才能」「努力」低所得者は「運」と答える傾向がある*5 。税負担を最小化し公的支出を減らし民間の活動の重要性を説く主張は、経営者に取って直接的な利害に関わる以上に、その活動・人生を称揚する意味でも惹かれ勝ちに為る。
 経済人のマクロ経済学への提言は、その人のこれ迄の活躍や実績とは切り離して吟味する必要がある。今の日本に足り無いのは、自身の経験・利害・感情に左右される事無く、有益な社会提言を行う事の出来る経済人なのかも知れない。


 *1 以下『日本の財政関係資料』(令和元年6月財務省)による。国際比較データは2015年度(一部2014年度)のもの。
 *2  ガベージ・ニュース(2019.2.14)「公務員数の多い少ないの実情をグラフ化してみる(最新)」
 *3 舞田敏彦「日本の公務員は先進国で最も少なく、収入レベルは突出して高い」,Newsweek Japan
 *4 詳しくは『クルーグマンの視座「ハーバード・ビジネス・レビュー」論考集』(ポール・クルーグマン著・北村行伸訳ダイヤモンド社)参照
 *5 ちなみに、Pluchino A., A. E. Biondo and A. Rapisarda, "Talent vs Luck:the role of randomness in success and failure" では、シミュレーションモデルによって「運」の重要性が指摘されている。同論文では、研究等における運の持つ重要さから、均等割りの研究費支給が効率的であることが示されており「全国民必読!政府による「集中と選択」はこんなにも不合理だ」の理論的根拠にも為るだろう。

         飯田 泰之      以上






 【管理人のひとこと】

 経団連のお偉方や有名大企業の経営者の中には、時には世界に通じない話を、サモ自慢気に話す人が居るのはご存知の通り。確かに自分のそれまでの経営の実績や過去の功績を背景に、現状を把握せず過去の実情も知らずに、通り一遍の知識のみで何等かを語るのだ。
 その内容が全く的を得ず単なる上辺の噂に近いものでも、それをそのママ信じ、瞬間的に感じた言葉を発してしまう。或る意味責任ある彼等の言葉が、何等かの悪い影響を与える事も思慮せず、その様な無責任な言葉は、彼自身の立場も軽んじられ、更にその企業への信頼度や愛着心をも軽減させてしまう。
 確かに一企業への経営努力やその実績は尊敬されるのだが、それがそのママ、広く日本の為・世界の為に為るかどうかは、その発した話の中味次第だろう。










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