2018年07月07日
右傾化が当たり前の世の中に
本来の右翼とはどんな存在だったのか?
何も考えずに最近の世の中を見渡すと、私達の心の中に温もりの無い寒々とした隙間風が通り抜ける様だ。それは一体何か?
悪いことだと知りながらそれを見過ごし何の指摘もしない。そして、それを批判する事にも関心も興味も示さず部外者を決め込む人が余りにも多いことだ。そして、決して自分は渦中に入らずかと言って渦中の人々の悪戦苦闘を他人の事として冷たく突き放す。
悪には滾(たぎ)るような怒りを投げ着けるべきだろうし、幾ら時間を掛けても徹底究明に全力を尽くすべきだろう。時間が来たら解決する・・・本当だろうか?この様に右傾化した日本で、本来の元右翼指導者の思いはいか程のものなのだろうか?
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私は「田原総一朗氏」のブログを都度毎回チェックして居る。氏のブログは、気負わずナチュラルで平衡感覚に富み、誠に傾聴に値すると考えて居るからです。氏は、あの戦争中の日本を少年時代に実体験して居ます。「コテコテの軍国少年」だったと自ら語る様に、当時の多くの少年がそうだった様に、その時代の風潮や公教育にドップリと漬かって育った訳です。
処が、一旦敗戦と為ると「日本は侵略戦争を遣った」「鬼畜米英は嘘であり、彼等は民主主義の救世主だ」と、国や指導者は手の平を返した様に今まで続けた殆どの施策や価値観・国民に向けたスローガンを取り下げ変更してしまった。氏は「国は平気で嘘を言う」との自分の体験をバックボーンにして戦後を生き抜いた。
今迄、国と天皇の為に一命を投げ打つと自分に言い聞かせ常に死と対面して居た「特攻隊」の生き残った将兵に対して「軍国の神様」と崇めて居た多くの人達は「死にぞこ無い」「軍国主義の為れの果て」と蔑み、彼等は除隊してもナカナカ次の職には就け無かったそうだ。
それは他の多くの将兵や国民も同じだった。国が起こした戦争の為に戦地に招集され戦い戦死し戦傷を受け病に倒れ、要約帰還しても本土は焼け野原。挙句に戦犯容疑を受けて投獄されたり処刑される人も出た。
内地に居た人も同じで、空襲で亡く為ったり負傷したり焼け出されたり・・・海外の植民地で苦労して築き上げた全ての財産を放り出して帰国する。戦争貫徹を指導した者の命令で犠牲に為ったのは多くの国民だった。
鈴木邦夫氏そんな戦後に、敢えて「日本の戦争は、侵略では無く防衛の為の聖戦だ」「お国の為に戦って亡く為った人達は神様だ」「天皇や戦前を否定し批判するのは許せ無い」とする所謂「右翼」へ参加し自ら組織を創った指導者が居る。首題の元右翼指導者とは一水会元会長の鈴木邦夫氏の事です。
彼の略歴を紹介します・・・彼は、1943年福島県に生まれ、1967年早稲田大学政治経済学部卒業。同大学院中退後サンケイ新聞社入社。学生時代から右翼・民族運動に関わる。
1972年に「一水会」を結成。1999年迄代表を務め現在は顧問。テロを否定して「飽く迄言論で闘うべき」と主張。愛国心・表現の自由等に付いても、所謂既存の「右翼」思想の枠には嵌ら無い独自の主張を展開。
著書に『愛国者は信用出来るか』（講談社現代新書）『公安警察の手口』（ちくま新書）『言論の覚悟』（創出版）『失敗の愛国心』（理論社）等多数。近著に『右翼は言論の敵か』（ちくま新書）がある。 HP「鈴木邦男をぶっとばせ！」・・・と在ります。彼のブログを参照します。
参照 2014年8月20日 鈴木邦男の愛国問答 第157回 から
8月15日（金）靖国神社に行った。騒々しかった閉口した。戦争で亡く為った人々を静かに慰霊すると言った雰囲気では無い。これでは戦争で亡く為った人が可哀そうではないか・・・そうも思った。
「右傾化の時代」と言われる所為か人は多い。去年よりも更に多い。地下鉄九段下駅を降りて靖国神社迄普段は５分も掛から無いのにこの日は30分以上も掛る。人、人、人で身動きが出来無い。それに、道の両側にビッチリと「店」が並んで居る。店と言っても食べ物や土産物を売ってる店では無い。
謂わば「思想」を売って居る店だ。嫌、自分達の「主張」を売って居る店だ。「中国・韓国は許せ無い。10倍返しだ！」「歴史教科書は可笑しい。変えろ！」「全ては憲法の所為だ！改正しよう！署名をお願いします」…と。それで無くとも道は狭いし人が多いのに両側から叫ばれ署名を求められる。大きなパネルも並べられて居る。皆、自分達の主張を大声で言う。絶叫して居る。
毎年見慣れた光景だが今年は特に多いし特に騒々しい。ヤッとの思いで信号の所迄来た。信号を渡ると靖国神社の大鳥居だ。その時、ギョッとする光景に出会った。女性が声を張り上げて朝日新聞を攻撃して居た。慰安婦問題で嘘ばかり書いて居る朝日は廃刊にすべきだと。「朝日は、そんなに日本が憎いのですか！」と。
マア、言論・思想の自由だから何を言っても好いだろう。でも「南京大虐殺は無かった」「従軍慰安婦は無かった」・・・とエスカレートする。「戦争中に虐殺したり、レイプしたりする兵隊は１人も居なかった。増してや慰安所等無かった」。そしてこう言ったのだ「日本兵は世界で一番道徳的な兵隊です！」エッ、そこ迄言うのかよと思った。
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その内「戦争で１人も殺さ無かった」「１発の弾も撃た無かった」と言うんじゃないかと迄思った。「戦争も遣って無い。嘘だ！」とも言い兼ね無い。まさかそこ迄は言わ無いだろうが「日本兵は世界で一番道徳的な兵隊です！」の叫びはズッと耳に残って居た。でも愚かだ、歴史を知ら無いと切り捨てる気には為れ無かった。だって昔は僕もそう思って居たからだ。
右翼学生だった頃だから45年以上も前だ。純粋な愛国学生だった。日本の兵隊達は皆愛国心で戦った倫理的・道徳的な兵隊だと思って居た。「神兵」だと思って居た。それなのに南京大虐殺や従軍慰安婦等と左翼は騒いで居る。左翼マスコミも騒いで居る。此奴らは許せ無いと思った。
国の為に戦った人達がそんな事をする筈が無い。英霊を冒涜する奴らは許せ無いと思って居た。左翼が強かったからこそ僕等は反撥して返って日本の兵隊を理想化したのかも知れ無い。学生時代のそんな体験だけで終わったら今でも「神兵説」を信じて居たかも知れ無い。観念の中だけで「日本兵には悪い事をした人は１人も居ない」「世界一道徳心の高い兵隊だった」と信じて居たかも知れ無い。或は、その方が幸せだったのかも知れ無い。
学生時代は右翼と言ってもアマチュアだ。卒業したら終わると云う人が多い。でも僕はその後本物の右翼の世界に入りそして40年以上運動を遣った。一寸長過ぎたとは思うが学んだ事は多い。純粋に国を愛し、この国を好くしようと思ってる人が多い。でも、サラリーマンを遣ってその余暇に運動を遣るだけではダメだ。朝から晩まで毎日運動をしたい。でも働いて金を得る時間は無い。
だから、カンパを求める。少しは強引に。時には法律に触れる様な方法でカンパを求める。それも仕方無い日本を救う為だからと思う。俺達は国の為に命を賭けてるのに一般のサラリーマンは国の事を考えず自分の事しか考え無い。だから、こんな連中から金を獲っても当然だ・・・と考える人も出る。運動に熱中すればする程そう云う極論に走り勝ちだ。
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僕等とは対極に居た赤軍派の人達は「資金獲得」の為に銀行・郵便局強盗をやった。「これは元々、人民の金だ。我々は人民の為に革命をやるんだ。だからここの金は自分達の金だ」そう思ったらしい。
嫌、そう自分に信じ込ませてこの資金奪取をやった様だ。真面目だし私心は無い。でも強盗は強盗だ。愛や善意や正義感からも人は思い詰めて罪を犯す事があるんだと思った。「そうか、日本兵だって同じ事はあっただろう」と思った。「世界一道徳的な兵隊」だと言ってもこれと同じ事はあっただろうと思った。人間なんだし「神兵」で最後迄通す事は難しい。
大鳥居を潜って靖国神社に入ると広々として居た。しかし、奇妙な事に気がついた。やたらと「軍人」が多い。本物の軍人では無い。軍人の格好をした人達だ。珍しがって見に来る人達と記念撮影をして居る。又、大きな輪を作って皆で軍歌を唄って居る。その時、ザックザックと玉砂利を踏む音がする。20人程の軍人が銃を持って行進して居る。沿道の人々は群がって写真を撮って居る。外国のカメラマンも居る。これが外国に紹介されたら「又、日本は戦争をしようとして居る」と思われるのだろう。
「8月15日だけの光景」なのだろうが、外国の人達はそうは思わ無い。日本では改憲の動きがあるし集団的自衛権もあるしヘイトスピーチデモもある。〈一連の流れ〉と思われるだろう。又、書店に行くと、反韓・反中の排外的な本ばかりが並んで居る。ドンドン誤解される。「嫌、誤解されても好い。これが愛国心だ」と居直る人々も多い。「俄(にわ)か愛国者」が急増し冷静な議論が成り立た無い。
夜、ロフトプラスワンに行った。毎年8月15日は高須基仁さんが中心に為って「終戦を考えるトーク」を遣って居る。反戦派・護憲派の人をゲストに「戦争よりは平和だ」と訴えて居る。でも最近は勢いが無い。
左翼・反戦派・護憲派はもう絶滅危惧種なのかも知れ無い。「国の為なら戦え！」「中国・韓国なんか、やっちまえ！」と云う発言の方が目立つ。戦争体験者も居無く為るし証言する人も居無く為る。反対に、体験した事が無いのに観念だけで「戦争はカッコ好い！」「戦え！」と絶叫する人々ばかりが増えて来た。劣勢だけど張りましょう！
参照 鈴木邦夫氏のブログ 「鈴木邦夫をぶっ飛ばせ」より
3月18日（金）放送の特集 「独ワイマール憲法の教訓。何故独裁が生まれたか」
これは歴史に残る番組だろう・・・世界最悪・最凶のナチス・ヒトラーが生まれたのはワイマール憲法下だった。世界一「民主的」な憲法の下で民主的な手段でナチスは選ばれ政権を取った。そしてあの独裁が起こりユダヤ人虐殺・世界大戦へと進んだ。
世界一民主的なワイマール憲法下で何故そんな事が出来たのか。何故防げ無かったのか・・・それを考える。ジックリと考える。
早急に結論ありきでは無い。ヒトラーの遣り方が上手かった演説が巧みだった。それと同時に、民主的なワイマール憲法にも一点大きな欠陥があったと云う。
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1「利用され易い条項」だ。それは何か「緊急事態条項」だ。普段は普段の法律で対処出来る。しかし或る日「非常事態」に為った時、唯手をこまねいて混乱の中に在っては大変だ。力を一つに集中しそこで治安を回復しなくてはなら無い・・・そんな条項があった。
ナチスはそれに目を着けた。そして「共産党の脅威」や「外圧」を利用して、今こそ〈緊急事態だ！〉と言って権力を集中し遣りたい事を遣った。
2 強力な権力と集中を求めるのは誰か 「こんな時は、政府が強力で無くてはダメだ」と国民は思った。その声に応え乗ったのがナチスだ。ヒトラーのナチスは決して「暴力」だけの為らず者集団では無かった。又、ポロポロと失言・暴言を繰り返す愚かな政府でも無い。寧ろ言葉の使い方は上手いし洗練されても居た。
例えば「独裁」と云う言葉は使わ無い。そんな下品な言葉を使って国民に警戒されてはマズイと思ったのだ。「独裁」を「決断出来る政治」に変えた。アレッ、どっかの国と似てるよなと思ってしまう。又、「戦争の準備」も、こんな露骨な怖い言葉は使わ無い。こう替えた「平和と安全の確保」だ。「これは好いだろう」「当然だ」と国民に思わせてしまう。〈素晴らしい言葉〉だ。
今の日本では、安倍政権に対し野党や左翼の人々は「安倍はファシストだ！」「独裁だ！」と言って批判する。しかし安倍さんは「ファシスト」でも無い。寧ろ「多弱」の野党の代表にこそ「独裁者」「ファシスト」的な人が居るではないか。強圧的な人直ぐキレる人…と。
自民党も、参院選でいよいよ「憲法改正」を言い出し参院選で大勝利すれば一気に憲法改正を遣る気だ。この時しか無いと思って居る。もし、麻生さんらが首相だったらこうは行か無かった。「独裁、ファシスト！」と云う酷い言葉も、麻生さん等にはピッタリのイメージがあるが…。
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3 「緊急事態」を決めるのは？ そうか「事態は急を要する。国が危ない、権力を集中してこの危機を乗り切らなくては…」と麻生さんが言ったら国民も警戒する。「国際政治は『ゴルゴ13』で学んだ」と言う麻生さんだ。この人が「緊急事態」を宣告したらマスコミも国民も怖がる。
ヒトラーは大衆を扇動する事が上手かった。「国民の意志」だけでは他には無い「国民の総意」が大事だと言うが、国民の総意等は簡単に変えられるとヒトラーは言う。ヒトラーの側近のゲーリングは言った。自分達に反対する者に対しては、こう言ってやれば好いと「自分の国の事を考えず、他国の為に働く人間達だ！」と。それで終わると、ウーン何処かの国と似て居る。嫌、日本だけで無く、中国でも韓国でもアメリカでも同じ事だろう。自分達が権力を維持する為に「反対派」は「他国の為に働いて居る」「自国の事を考えて無い」と言ってやれば好い。
〈愛国心〉を利用するのだってそうだ。先に言葉を使った方が勝ちなのだ。そしてこう云う手法は何処の国でもやってる事なんだ。今の日本が「ワイマール憲法下のドイツ」に似て居ると云うよりも、権力を取った人間達は同じ手段を使って自分達の権力を守るのだ。
他の国が我が国を狙って居る、もっと軍備を！強い国を！と訴える。それに反対する人間はこの国を愛していないのだ、売国奴だ！と決めつける。自民党では、緊急事態に対処する法を作り、又憲法を改正しようとして居る。その試案をドイツのワイマールを知る学者に見せる。あの時と非常に似て居ると云う。大体にして、非常時の時に何故「一人」に権力を集中しなくては為ら無いのかと。ヒトラーを生んだ国の学者だ。だから特にそう思うのだろう。日本ではその反省が無い。
以上 参照 おわり
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深くは申すまい。現在の日本の右傾化は、戦後以来の左傾化への反動で在りその揺り戻しだと考えれば好いのかも知れ無い。戦争で敗北した国民が身内の多くを失い戦争の被害を直撃し体験した結果、戦争を憎悪するのは当然だし、戦争を引き起こした戦前の国家・政治体制を批判するのも自然だ。
戦前の全てを否定した新な政治体制とは・・・と考えた場合、そこにアメリカの民主主義がありソ連の共産主義が存在した。特に共産主義は戦前は「国家破壊主義的凶悪団体」として国家が禁止し厳しく弾圧し取り締まったものだ。戦争に負けGHQの支配下に為ったと言っても、国内は天皇・国旗・国歌も変わらず官僚や政治家を初め国家体制は戦前のままだった。政治は依然として戦前の政治家や旧官僚が実験を握り、何時又戦前の政治体制へと戻るか不安だった多くの国民に取って厳しく批判し監視し続けるのも自然だろう。
やがて国が豊かに為り戦争を直接知る世代が減少すると、戦前を何も経験せずに大きく為った人達の時代へと変遷する。今迄の左傾化した風潮を古い考えだと笑い新たな国家主義的な「日本を強く!」「戦え!」「個人の権利を削減し公の利益を優先しろ!」「美しい日本」と大声で叫ぶ人達に「新しい考えだ」と同調する人達が増えて来た。所謂「新国家主義者」と呼ばれる人達だ。
憲法改正に「非常事態条項」が必要と考える人達が自民党以外にも多くの賛同者が居る様に変遷する。これは先に挙げられた「ワイマール憲法下のナチスの台頭」に匹敵する大きくて危うい問題だ。
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大地震・津波・超大型台風・原発事故等の大災害や戦争等の国家非常時に、時の指導者に時の法律を超えた「超法規的権限」を集中して危機の回避に当たろうと云うものだ。これは、東日本大震災・原発大事故の復旧に現状の法律が壁に為って適正な処置が出来なかったと云う反省からも来て居る。個人の権利を尊重する余り公の損害が大きく為る事への警鐘だろう。
これは、鈴木氏が指摘する様に、短絡で安易な対処で在り間違った方向へと進む際どい瀬戸際なのだ。「超法規的権限」を一人に集中する事で弊害を生み将来に大きな禍根を残す事に繋がる。
その際には、予め考えられる最大の危機を想定した「非常時特別立法」を用意し、安易に超法規的に一人の人間に権限を集中させ無い万全な方法を採るべきで「非常時に即した時限立法」常に用意して置いて万全な態勢を整えと置く事だ。
その為には時間を掛けた徹底した議論が必要であり勿論憲法の縛りを受けた合法的なもので無ければ法律として成立し無い。法律の内容は常に国民に啓蒙し何度もの予行演習を行い法律の制度を高めて行く努力が必要だ。
個人の集合が国家であり「個人＞国家」の関係を破壊して迄のものは違法である。個人が尊重され無い国家等は存在する意味は無い。これは、最低限の問題だろう。
戦争の真の悲劇を学ばず知ろうともせず現状の表面の出来事のみを推測し「国が危うい、戦え! 国を守れ!」と嗾(けしか)け、口だけで強がるのは臆病で度胸の無い弱虫のする事だ。戦争と為れば、相手との命の取り合いであり綺麗事では済ま無いし、軍人だけで無く弱い立場の国民が一番にその被害者に為る。その事は何処の国の歴史でも証明して居る。
志願制にしろ徴兵制にしろ、人を集め徹底した軍事教練を施し新しい軍服を着て整った兵器で威勢好く進軍し大勢の将兵を送っても、戦地では常識を遺脱した異常事態の連続である。
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先の大戦で、潔く発砲しながら攻撃し敵の弾や砲弾で戦死したり戦車や飛行機で攻撃し反撃されたのは全体の戦死者の幾分だろうか? 多くは、途中で輸送船が沈没したり、砲弾を掻い潜り折角戦地に辿り着いても糧食も無く餓死したり病魔に冒され歩け無く為り取り残され戦う事も出来ずに唯死を待つだけの屍と為る。
戦争は、決して勇ましいだけの格好の好いものでは無い。その真逆の人間の醜さの真髄・不平等・不合理・不条理の全てを曝け出す地獄なのだ。間違っても日本が戦争に参加し、国民の一部にでも国外へ離散する様な難民を産み出しては為ら無い。国・国家は、第一義に個人としての国民の生命を守る義務があり、万が一にも国民に死を強要しては為ら無い。国にはそんな権利は無いし国民も命令を受ける義務も無い。それを履違えて徒に「愛国心」を人に語っても為ら無い・・・
以上
素敵な「自転車と家庭水族館」管理人のつぶやき
このブログ(サブ・ブログも含めて)では、時折「戦争体験記」を取り扱っています。それは、戦争を体験せず戦争の実態を一切知ら無い私達に文字の上からでも映像の中からでも少しでもその実態を知る事が必要だと考えるからです。
来月(8月15日)にはマタマタ終戦記念日が来て恒例のように「戦争」の話題が一時的に取り上げられますが、掛け声だけ観念だけの「愛国」を唱えるのは如何なものか・・・と思う次第です。私達は二度と同じ過去を踏みたくないと思いながらも現実の日常は勇ましい掛け声に包まれている。それを他人事のように無視し冷視し無関心であれば、知らぬ間に昔へと戻っても気が付かないのでは?と危惧するのです。
森友問題は、安倍夫人の明恵さんが「教育勅語を斉唱する幼稚園がある」と聞き及び、それを視察し「お父さん、貴方が礼賛するする教育勅語を全員で唱える珍しい幼稚園があるの、そこでは次に小学校の設立を考えて居る・・・」と話したことから始まった(と私は考えて居る)もので、云わば安倍氏の心情にに沿った教育者として籠池氏が登場し、名誉校長の話・小学校建設地取得へと進んだ。それをハッキリ説明して「応援した」と語ればそれで済んだ問題だった。
格段の便宜を得た土地取得や学校設立の許認可へと、大阪府・文部省・財務省等を巻き込んでの偽証・偽造・ねつ造へと発展させ幾多の公務員を巻き込み犠牲者を出した責任は免れ無い。ここでも安倍氏の危うい心情が問題に為るのだが、その危うさに全く気付かず見過ごされるのが今の日常だ。
戦争なんかは想像もしたくないし考えるのも嫌だ・・・誰でもそうだ。私の小さな頃は、お祭りや大きな町の催事には「白衣を着た傷痍軍人」の姿が日常的に存在し、大きな都市の駅には常駐して居たもので、彼等が何時居なくなったのかは定かでは無い。
頭を負傷したり足や手の無い無残な姿で這い回りアコーディオンやハーモニカ・バイオリンを奏でて歌う軍歌には、悲しさだけで無く惨さ恐ろしさと恐怖だけが残ったものだった。国の命令で戦争へ行ってそこで負傷し生き残った人達だよ・・・と教えられたが、国とは個人をここまで追い詰めるものかと、何故か戦死して居なくなった人の事は頭には無かった。
当時、出征し戦死した遺族の家の門には「遺族の家」を表す、何か貴重な金色のメタルの様な標識が着けられていた思いがある。
これは、戦争に勝った負けたの問題では無く戦争そのものの問題であり、原因や方法の問題でも無い。如何に考えても戦争とは「相手を如何に多く殺す事」かであり、それ以下でもそれ以上でも無い。そんなことの是非を問うのでは無く、如何に争わずに生き抜く事が大切かを真剣に学ぶべきだと思っている・・・
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