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2019年09月24日

山口二郎氏水野和夫氏による平成史を総括



 

 ゼロから分かる「日本の格差社会」その元凶と絶望的な「未来予想図」


             〜現代ビジネス 9/24(火) 11:01配信〜


 




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                   山口二郎氏

 平成史を総括

 〜行動する政治学者の山口二郎氏と金融実務に通暁したエコノミストの水野和夫氏による『資本主義と民主主義の終焉』は、平成史を総括する優れた対談本だ〜

             9-26-16.jpg

                エコノミストの水野和夫氏

 ・・・山口氏は、田中角栄元首相の系統の自民党経世会が20世紀型の利益誘導政治のヒナ形を作って居た事に付いてこう説明する。

 20世紀型利益誘導政治は、経世会の政治家が頑張って、大蔵省や建設省(現・国土交通省)や農林水産省の官僚を動かし、地元にカネを引っ張って来ては、道路や橋等の公共工事を行なうと云うものです。それ等は成果物として、地域の人達の目に見えるモニュメントに為って行く。その一方で、無駄な公共事業を抱え、財政赤字は膨らんで行きました。
 21世紀に入ると、小泉は旧来の自民党の象徴であり、本丸でもあった経世会を攻撃する事で、このシステムを解体して行きます。そして、新たな利益誘導型政治が始まるのです。


 ・・・小泉純一郎政権によって行われた改革は、利益誘導政治の根絶では無かった。規制緩和と云うスローガンで、裨益する人々を変えた新たな利益誘導政治だったのだ。
 
 21世紀型利益誘導政治は、政府が経済に関わらずに純粋な市場経済を作るのでは無く、ルールを変える事に依って特定の人達がもっと儲かる様にして行くシステムです。その典型例が、雇用です。労働基準法、職業安定法等の雇用に関する規制を緩和する(ルールを変更する)事で、雇用の流動性が生まれましたが、不安定な非正規雇用が増え、経営者等強い者が益々儲かる様に為って行くのです。
 21世紀型利益誘導政治は、20世紀型とは異なり、カネの流れは余り目に見えません。ルールを変えるのですから、明らかに不公平ですが、政治的な力を使って特定の集団にカネを挙げる訳ではありません。市場におけるモノやサービスの取引を通して、特定の処に利益がより多く流れる仕組みを作るのです。これが、新自由主義的な構造改革のひとつのポイントです。


 ・・・山口氏のこの分析に評者も賛成だ。小泉政権は規制緩和による経済成長を実現し、税収を増やすと云う目標を立てた。水野氏は、この目標が達成されて居ないことを実証的に明らかにする。

 歳入の基本と為る税収は1990年度の60.1兆円がピークであり、約30年後と為る2018年度は59.1兆円(予算ベース)と、これを若干下回って居ます。この間、名目GDPは451.7兆円(1990年度)から548.9兆円(2018年度)に拡大して居ますから、税収の源である経済規模は大きく為って居るにも関わらず、税収は増えて居ない。詰まり「小さな政府」による財政再建とは名バカリの政策だったのです。


 




 ・・・財政再建は出来ず、国の借金は益々増えて行った。
 
 山口先生のご指摘通り、小泉政権は強者が更に勝つルールを作って行きました。非正規雇用を増やすと云う事は、企業が負担して居た社会保障負担を減らすと云う事です。その分を誰も補填し無ければ、これはタダタダ非正規社員が自己責任でリスクを被ると云う事に為ります。
 2016年の非正規社員の平均年収は175.1万円ですが(国税庁「民間給与実態統計調査」より)、これでは、個人年金に入る等、老後資金を蓄えること等、到底無理です。国民年金しか入る事が出来ません。


 ・・・と水野氏は指摘する。国民年金だけで老後に尊厳を持った文化的生活をする事は出来無い。個人によって資産を蓄える余力の無い人は、生活保護に頼る他無い。しかし、そう為ると生活保護費が膨らみ、財政赤字が一層拡大する。水野氏は、日本政府の租税政策が富裕層を優遇して居る点に着目する。

 所得税の最高税率は、1983年まで75%でしたが、その後は段階的に引き下げられ、1999年には37%と大幅に低下しました(2019年現在45%) この様に、2000年代前半は、労働者側が経営者・資本家側に大敗北を喫し「社会的弱者」「持たざる個人」と為った時代と総括出来ます。その背景に、小泉首相・竹中平蔵が進めた新自由主義に基づく政策があった事は間違いありません。
 最も、最高税率75%の累進課税を課し続けて居たならば、ヒト、モノ、カネの動きが自由なグローバリゼーションが進んだ状況で富裕層は最高税率の低い外国に移住してしまう。45%の最高税率でも、年間5億円を超える収入がある超富裕層は日本に留まら無い。超富裕層から着実に徴税する為には、最高税率を極度に上げる事は出来無いのである。
 法人税に関しても、同じ事が言える。そもそも新自由主義における自由の主体は、一般市民では無く、巨大な資本を持った企業だ。従って、改革路線は全て企業寄りに為る。何れに背よグローバリゼーションと云う条件の下では、所得税や法人税の増税と云うシナリオは取り難い。

 現実的には、消費増税によって、社会保障や教育を充実すると云う政策しか無いのであるが、日本は増税に対する抵抗感が極端に強い。増税による福祉や教育の充実を唱える候補者は、選挙で落選する可能性が高い。この様な状況で、日本政府が取る事の出来る現実的な政策としては、国債発行しか残されて居ない。
 子育てや教育に関しては、裨益する子供達が30年後に返還すれば良いとの理由で、教育国債が導入される可能性が十分あると評者は見て居る。イノベーションによる飛躍的な経済成長の可能性が低い現状で、日本が袋小路から脱出する為の方策を誰も見出す事が出来て居ない現状が本を読むと好く判る。



         9-26-17.jpg

     『週刊現代』2019年9月14・21日号より 佐藤 優    以上














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