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2019年05月04日

橋下徹の言論テクニックを解剖する  その2




  





 橋下徹の言論テクニックを解剖する その2



 中島岳志の「希望は商店街! 札幌・カフェ・ハチャムの挑戦」より引用します



    5-5-2.jpg 中島岳志氏



 有り得無い比喩 前言撤回 ふっかけ 涙 脅し 言い訳・・・



 「例え話で論理をスリ替える」



 前回に続いて、橋下徹氏の言論術を彼自身の著書『図説・心理戦で絶対に負けない交渉術』(日本文芸社)を使って分析してみたいと思います。
 この本の第2章のタイトルは「相手を言い包める詭弁の極意」以下で検討する橋下氏のテクニックは、本人が「詭弁」であることを認識し「相手を言い包める」ことを目的として提示して居ます。先ずはこのことを、初めに確認して置きたいと思います。

 橋下氏は、ここで次の様に言います。


 「絶対に自分の意見を通したい時に、有り得ない比喩を使うことがある。(40頁)例え話で論理をスリ替え相手を錯覚させる!」(41頁)


 確かに橋下氏は比喩を多用します。しかし、これは主張を適切に多くの人に理解して貰う為と云うよりも、自分の意見を通す為の「詭弁」であり「論理のスリ替え」を行うテクニックなのです。
 最近、橋下氏は堺屋太一氏との共著『体制維新−大阪都』(文春新書)を出版しましたが、この中で彼は次の様な比喩を使います。


 




 「僕は、大阪都構想と教育基本条例、職員基本条例はワンセットの戦略だと考えて居ます。これは単純な話で、運送会社やバス会社経営に於ける自動車とドライバーの関係と同じなんです。(中略)ドライバーの話が職員基本条例なのです。ドライバーがどれだけスピード違反をしようが信号無視をしようが飲酒運転をしようが、身分に為って居ると運転手の交替は無い。それが今の日本の公務員制度です」


 これが適切な比喩かどうか、もう一度、考えながら読んでみて下さい。ジックリと読み直すと、大きな「スリ替え」があることに気付きます。
 橋下氏は運送会社・バス会社のドライバーを、地方自治体の職員に例えて居ます。そして「スピード違反」「信号無視」「飲酒運転」と云う法律違反を列挙して居ます。その上で、職務中の違法行為の責任を問われたドライバーが「交替」を命じられると云う話を提示し「日本の公務員制度」では「身分」保障によって「交替は無い」として居ます。

 これは明らかに飛躍に満ちた不的確な比喩です。日本の公務員が職務中に違法行為を犯した場合、当然ですが「免職」を含む処分が下されます。職場の「交替」と云う処分もあります。しかし、橋下氏はこの例え話を公務員や教員の身分保障問題に拡大し、恰も違法行為を犯した公務員が全く処分され無いかの様に「スリ替え」ています。
 これはどう考えても「詭弁」としか言いようがありません。しかし、例え話には「飛躍」や「スリ替え」が含まれて居ても「錯覚」によって納得させる効果があります。しかも、「判り易い」と感じさせる効果まであります。 好く知られる様に、橋下氏は大阪府知事就任直後の職員訓示で次の様に述べました。


 




 「皆さま方は、破産会社の従業員であると云う点だけは確認して下さい。民間会社で破産、倒産と云う状態なら、職員の半数や3分の2カットナンて当たり前です。お給料が半分に減るナンて云う事も当たり前です」(2008年2月6日、府議会本会議場)


 しかし、先日の知事退任時(10月31日)には、前言を撤回し「皆さんは優良会社の従業員、3年9カ月、有難うございました」と述べています。
 この「破産会社の従業員」「優良会社の従業員」も、極めて恣意的な表現です。私は2008年の大阪府を「破産」とするのは適切で無いと思いますが、仮にそれを受け入れたとしても、それから約4年経った今日、大阪府の地方債残高は橋下氏の知事就任時よりも増加して居り(逆に大阪市の地方債残高は減少)「破産会社」から「優良会社」に為ったと云う「例え話」はり立ちません。 橋下氏は言います。


 




 好く聞けば可笑しな話も交渉では有効に作用する。(36頁)

 
 橋下氏は、自分で可笑しいと分かっていながら、恣意的な比喩表現を用いて、話を有利に進めようとするのです。橋下氏が例え話を用いた時は、立ち止まって考えてみる必要がありそうです。


 前言を撤回する「狡いやり方」

 
 橋下氏は「相手を言い包める詭弁の極意」として「一度オーケーしたことを覆す技術」を挙げます。彼は「タフな交渉現場では狡いやり方も必要」と言った上で、次の様に説きます。


 「交渉に置いて非常に重要なのが、こちらが一度はオーケーした内容を、ノーとヒックリ返して行く過程では無いだろうか。まさに、詭弁を弄してでも黒いものを白いと言わせる技術である。〈ずるいやり方〉とお思いに為るかも知れないが、実際の交渉現場では可なりの威力を発揮するのだ」(32頁)

 「一度為された約束毎を覆す方法論は、交渉の流れを優位に運ぶ重要なものだと考えている」(32頁)



 




 では、どのようにして前言撤回を行うのが有効な方法なのでしょうか。橋下氏は言います。


 「具体的には自分の言った事に前提条件を無理遣り付けるのである。(中略)前提条件は、相手がその時点で満たして居ないもの満たしようが無いものをワザと作る。言わば仮装の条件である。満たされ無い様な条件をワザと付け、今、満たされて居無いのだから一応オーケーした事でもこちらは約束を果たせ無いと云う論法で逃げる」(32頁)


 これは、一寸した詐欺行為と言って好い類の「詭弁」です。一度、約束したことに対して、後から無理やり「満たしようが無い前提条件」を付与し、相手に責任を被せて逃げ切ると云うのです。彼は、これによって「合意」を「無効」に出来ると言います。更に橋下氏は、次の様な「手法」も提示します。


 




 「前提条件を無理やり作るという他に、オーケーした意味内容を狭めると云う方法もある」(34頁)


 この「意味内容を強引に狭める」と云う方法は、橋下氏が何度も繰り返し使う代表的なテクニックです。最近では「独裁こそ必要」と云う発言が話題に為り、対抗馬の平松氏を初めとする多くの人から、厳しい批判を投げ掛けられました。この発言に危うさを感じた大阪市住民も多い様で、庶民レベルでの橋下氏への警戒が高まりました。すると、橋下氏はツイッター上で「独裁発言」の意味内容を「強引に狭める」発言を行いました。


 




 「独裁発言は、権力を有して居る体制と対峙するには、こちらにも力が必要と云う現実的な認識を示したまでです」(10月31日)


 これは「独裁」の定義に全く為って居ません。後から無理やり意味を狭め、拙い発言の漂白を図って居るだけです。橋下氏自身が提起する処の「詭弁」「狡いやり方」なのでしょう。
 橋下氏は、繰り返し「前言撤回」を行い「一度オーケーしたことを覆す」ことから、メディア関係者から「クルクル王子」と名付けられ批判されて居ます。水道事業の統合問題では、大阪市側との合意事項を撤回し、責任を平松氏に転嫁しました。「約束の反故」は、彼の交渉術に含まれる常套手段なのです。


 




 「不毛な議論を吹っ掛ける」「涙のお願い」


 他にも、橋下氏は数々のテクニックを提示しています。全て丁寧に追って居ると切りが無いので、後はダイジェストで紹介して行きます。


 「交渉の流れが不利に為って来たら、不毛な議論を吹っ掛けて煙に巻く」(90頁)


 橋下氏は、議論の過程で「自分の発言の不当性や矛盾に気付くこと」があると云います。そんな時には「心の中では"仕舞った"と思っても」「ポーカーフェイスで押し通」し、矛盾を指摘されれば「相手方に無益で感情的な論争をワザと吹っ掛けるのだ」と説きます。(90頁)


 橋下氏は2008年10月、私学助成の大幅削減に際して、削減反対の高校生と府庁で議論しました。ここで高校生は橋下氏が選挙で「子供に笑顔を」と云うスローガンを掲げて居た事を前提に「税金を無駄な道路整備では無く、教育に回して欲しい」と訴えた処、「貴方が政治家に為って、そう云う活動を遣ってください」と気色ばみました。
 更に「橋下さんの話は、結局は自己責任に為るじゃないですか」と問い詰められると、返答に窮したのか「今の日本は自己責任が原則、可笑しいと言うなら国を変えるか、自己責任を求められる日本から出るしか無い」と答え、女子生徒を泣かせました。まさに「無益で感情的な論争をワザと吹っ掛け」て乗り切る手法が発揮された場面でした。


 




 サテ「かけひき術」の中には「最後の手段、お願いの使い方」と云う項目もあります。


 「お願いは非論理的な手段。相手の価値観に訴える効果的な内容を考える」(27頁)
 「お願いをする相手はこう云う泣き落としを理解して呉れる様な人であることが前提になる」(26頁)



 この項目で思い起こされるのは「知事の涙」騒動です。就任から間も無い2008年4月17日「市町村へ御補助金削減案」を巡る市長村長との意見交換会で厳しく追求されると、橋下氏は「皆さんで一度……考えて貰って……是非、大阪を立ち直らせたいと思いますので、今一度、ご協力の程、宜しくお願いします」と目を赤く腫らしながら頭を下げました。
 この意見交換会に集まったのは、殆どが橋下氏よりも年長の首長ばかりで、その場には多くのテレビカメラが入って居ました。彼は涙ながらにお願いすることが「相手の価値観に訴える効果的な方法」と判断したのでしょう。この映像は「改革派の若い知事を守旧派の年配首長が集中攻撃している」と云う印象を視聴者に与え、各首長の元には「知事をいじめるな!」と云う抗議の電話が殺到しました。


 




 脅し、言い訳、スキを与えない、味方との交渉・・・ 


 後は幾つかを列挙することにしましょう。  


 〈脅し〉により相手を動かす。(24頁)
 自分に非がある場合でも、上手な言い訳をして、ピンチを切り抜ける!(75頁)
 相手が揺らぎ出したら考えるスキを与えず、一気に結論に持って行く(86頁)
 本当の落とし処は、相手方は勿論、味方にも秘密にする(42頁)
 交渉の見立てを慎重にして味方とのやり取りにも勝つ(43頁)


 最後の二つの「極意」等は、橋下氏と大阪維新の会メンバーとの関係を想起すると、大変興味深いものがあります。


 以上、ザッとではありますが、橋下氏の著書の分析から見えて来る橋下氏の言論テクニックを検討しました。私達は、先ず橋下氏の「手法」を知る必要があります。彼がどの様な言論テクニックを用いて政治を進めて行くのかを熟知し、冷静な眼を養った上で、彼が提示する政策を検討する必要があります。私達国民の方が熱狂に乗っては為りません。

 これからは、橋下氏の発言に接した時に、「どのテクニックを使って居るのか」をジックリと検討してみて下さい。そうすると、客観的で冷静な視点を獲得することが出来ます。「スキを与え無い」ことを「極意」とする政治家に対して最も有効な方法は、一呼吸入れる事です。
 テレビの前で、又新聞を読みながら、是非実践してみて下さい。これまで気付か無かった論理の飛躍や問題点が見えて来ると思います。

                 以上



 




 では、最近の橋下徹氏はどの様な発言をしているのか・・・次回に見て行きます


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