2019年04月16日
「正社員は要ら無い!」 煽(あお)る 竹中平蔵とは何者なのか?
〔竹中平蔵特集5〕
「正社員は要らない!」
と煽(あお)る人・・・竹中平蔵とは何者なのか?
竹中平蔵 パソナ会長
規制緩和と共に或る人の「変遷」をたどる
urbansea 2018/07/01 genre ニュースより引用します
ネット内では「対立を煽る書き方をすれば、読み手が過剰に反応する(=釣られる)」と、先日殺害されたネットウォッチャー・Hagexは著書『ネット釣り師が人々を虜(とりこ)にする手口はこんなに凄い』(アスキー新書)に記す。
その典型として「男女対立」「理系文系」「きのこの山・たけのこの里」「能力や価値の相対化や序列化と対立煽り」等を挙げて居る。
「生産性の低い人に残業代と云う補助金を出すのも一般論として可笑しい!」
「時間内に仕事を終えられ無い、生産性の低い人に残業代と云う補助金を出すのも一般論として可笑しい」(東京新聞6.21)これは竹中平蔵の言葉である。
「経営者目線」の者と「社会の在り様を問う」者の対立を上手い事煽り、ここまで来るとネタで言って居るのかと思ってしまう。過去にも「日本の正社員は世界一守られている労働者に為った。だから非正規が増えた」(日経新聞2012.7.16 「正社員を無くせば好い」(テレ朝2015.1.1)と言った発言で、世の人々を虜(とりこ)にして来た。
そんな竹中は自らの肩書でもネットを盛り上げる。上掲の東京新聞のインタビューでは、残業代ゼロ制度の異名を持つ高度プロフェッショナル制度に付いて「個人的には、結果的に(対象が)拡大して行く事を期待して居る」等と「東洋大教授」の肩書で登場して語っている。これが又好いネタフリに為って、SNSには「東洋大教授で無く、パソナグループ会長と表記すべきじゃネ?」との幾多の投稿が見られることに為る。
学者大臣からパソナ、オリックスの企業人へ
オリックス本町ビル(オリックス・グループ)
稀代(けだい)の釣り師とも言える竹中だが、東洋大教授や人材派遣大手のパソナグループ会長の他、オリックス社外取締役等肩書コレクターとしても有名だ。
一介の経済学者だった竹中は、小渕政権の諮問機関の委員と為ったのを切っ掛けに政治に入り込み、小泉内閣に入閣すると「学者大臣」と呼ばれ、選挙に当選して国会議員にも為り、ヤガて複数の大企業の取締役等に為って行く。
パソナグループ
「チャッカリ経済財政大臣の椅子に座って居た」
週刊文春の見出しでこうした変遷をフリ返ってみれば、
・小泉政権で経済財政政策担当大臣 ⇒「『変節漢ぶり』検証 (竹中平蔵ってそう云う事だったのか会議) 御用学者と呼ばれる理由」(2001.9.6)
・金融担当大臣 ⇒「竹中平蔵金融相登場 外資は栄え 日本は滅ぶ」(2002.10.10)
・参院選に当選 ⇒「竹中平蔵 自爆告白『日銀やゴールドマン社員が選挙協力して呉れた』」2005.5.2
・パソナ取締役 ⇒「竹中平蔵『パソナ取締役』就任 南部社長との只為らぬ関係」(2009.8.13)
・・・と云う具合。その時々の肩書・立場に応じたネタを提供して呉れて居る。
これ等記事の中にこんな逸話がある。森政権の末期、竹中が民主党議員等による自民党を倒す為の政策勉強会に参加させて欲しいと頼んで来た。シブシブそれを認めた処「暫くして、勉強会で研究されたリナックス型社会・七つの改革 、と言ったアイデアを、何時の間にか竹中さんが別の場所で発表したんです」(永田町関係者・談)。
オマケにそうした民主党の勉強会に参加して居たのが「小泉政権の誕生と同時に、チャッカリ経済財政大臣の椅子に座って居た事」で更に彼等を驚かす。(週刊文春2001.9.6)
規制緩和と共にある人
それで言えば、時の政権に取り入って規制緩和を進めた竹中は、規制緩和による市場化で儲けるオリックスや、それこそ規制緩和ビジネスの人材派遣業の大手・パソナグループの取締役に“チャッカリ”就いている。「規制緩和の旗手である竹中さんは、雇用問題に付いて『派遣を含めて多様な雇用形態を実現すべき』と主張して」(文春2009.8.13)来たのである。釣り師としてばかりで無く、チャッカリ者としても一流であった。
竹中を「政商」と指摘する森功氏
『サラリーマン政商 宮内義彦の光と影』(講談社2007)『日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈』(文藝春秋2015)、これ等は森功の著書名である。オリックスとパソナ、竹中が取締役に就いている会社の経営者が「政商」と呼ばれるユエンは、政府による規制緩和の恩恵を受けて居る事にある。
小佐野賢治、小泉改革、人材派遣業を繋ぐもの
政商と言えば、最も有名なのが小佐野賢治であろう。小佐野は田中角栄の「刎頚の友」であった。そして田中の口利きで事業の利益を得て行く。土建国家、族議員、政・財・官の癒着、こうした政治風土の中で、政治を介して特別の儲けを得る。これを支える体質を「古い自民党」と呼び、それを「ブッ壊す」と叫んだのが小泉純一郎である。
記憶にございません・・・小佐野賢治氏
小泉の有名なスローガンに「痛みを伴う構造改革」と云うのもある。不良債権等で経済が立ち行か無くなった90年代半ばに威勢を増したのが「構造改革」論で、それを突き進めたのだ。では、改革すると何がどう為るのかと言えば、規制緩和により新たな市場が生まれたり拡大したりするのである。
そうした市場のひとつが人材派遣業だ。小泉は「改革無くして成長無し」とも言ったが、まさに人材派遣業は「改革」によって成長を遂げる。限られた業種にしか派遣出来なかったのが原則自由化され、製造業等へと拡大して行く。
そうした「法改正と共にその時々の政府の政策が、パソナの南部をここまで押し挙げて来たのは間違い無い」(森功『日本を壊す政商』)人材派遣業は「規制緩和ビジネス」なのだ。そして、これの推進役に為ったのが、オリックスの宮内が議長を務める政府の規制改革会議であった。
構造改革の痛みから、10年近くが経った今
中谷巌氏
「新しい自民党」の時代、時に政商は政府の中に居る。彼等は自分で提言して出来た市場で儲けを得る。こうしてみると、竹中の肩書には政商が加わるかの様だ。
過つて竹中も属して居た「経済戦略会議」の委員であった中谷巌は後年、構造改革が非正規雇用の増大を招いたと自己批判する(「竹中平蔵君、僕は間違えた」文藝春秋2009.3)。この会議の答申が謳う労働市場の流動化が、その後に派遣業を拡大させたのだ。そして「あるべき社会とは何かと云う問いに答えること無く、全てを市場任せにして来た『改革』のツケが、経済のみならず社会の荒廃をも招いてしまった。それがこの十年の日本の姿であった」と中谷は懺悔するのであった。
それから更に10年近くが経とうとしている今日、正規雇用が破壊されつつある。新たな分断を生もうとアオる竹中と共に、この荒廃は尚も拡大して行く。
以上
【管理人のひとこと】
こう云う方が、現在の日本の産業・企業のみならず、政治、延(ひ)いては日本の将来を形作って行く・・・彼こそ将に「イノベーション人間」なのだ。
現状の停滞した世の中に〈規制緩和〉と云う、誰からも文句の出ない錦の御旗を打ち振るい、新たな利殖の種を植え付け、更にそれを刈り取って懐に仕舞い込む。無から金を生み出す稀有(けう)な〈錬金術師〉偉大な〈実践学者〉だ。
彼の成功に少しでも近付きたいと人が集まる、彼から学びたいと大学が教授にと招聘(しょうへい)する、彼の思想を政策に反映させたいと政治が利用する・・・彼は、意識せずとも廻りが彼を偉大な人間へと祭り上げる。
竹中を会長や取締役に招聘した経営者も見上げたものだ。彼が政治的に地均(じなら)した政策・利権を、そのままソツ無く自社に持ち込み、そのまま企業として取り込めば企業の業績が飛躍的にアップする仕掛け。
今や彼は有頂天の絶頂にあり「次は?」と虎視眈々と数匹目のドジョウを狙ってるだろう。果たしてターゲットは何か?何時までも〈規制緩和〉だけで飯が食える程世間は甘く無い。では、次には規制を新たに作ろうか・・・〈令和の新しい秩序〉とでも銘打ち〈平蔵の令和の改革!〉とブチ挙げ様か・・・何処の企業へ待ち込もう・・・
何れにしても、この〈錬金術師〉の一挙手一投足からは目は離せ無い。氏のこれからのご活躍を期待する・・・
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