2022年01月06日
カザフ暴動死傷者多数か ロシア主導CSTOが平和維持部隊派遣へ
カザフ暴動死傷者多数か
ロシア主導CSTOが 平和維持部隊派遣へ
1/6(木) 8:57配信
その1【モスクワ小野田雄一】
中央アジアの旧ソ連構成国・カザフスタンで起きた燃料価格の値上げを巡る暴動で、トカエフ同国大統領は5日、一部都市で発令して居た2週間の非常事態宣言を全土に拡大した。トカエフ氏は又、暴動を国家テロと位置付け「対テロ作戦」を発動。
同国内務省に依ると、治安部隊員等8人が死亡し300人以上が負傷した。デモ隊にも多数の負傷者が出て居ると観られる。トカエフ政権がデモ隊に対して過剰な鎮圧行動を取って居た場合、国際社会から強い非難を受けるのは必至だ。
トカエフ氏は又、同国が加盟するロシア主導の「集団安全保障条約機構・CSTO」に対テロ支援を要請。これを受け、CSTO議長国を務めるアルメニアのパシニャン首相は6日、情勢安定化迄の期間限定で平和維持部隊を派遣すると発表した。ロシア大統領府サイトもパシニャン氏の発表を掲載した。
これに先立ち、ロシア外務省は5日、対話に依る平和的解決を要求。米国や欧州連合(EU)も、政権側とデモ側双方に自制を呼び掛ける声明を出した。
5日 抗議デモが激化したカザフスタン・アルマトイで壊された商店のガラス(タス=共同)
タス通信に依ると、カザフ当局は6日、アルマトイの空港に〔テロ集団〕が侵入し、空港施設や航空機を占拠したとして対テロ作戦を発動。当局側に2人の死者が出たと発表した。 タス通信やロイター通信に依ると、カザフ政府は、自動車燃料等に使われる液化石油ガス(LPG)の価格統制が生産者に損失を与えて居るとして、今月1日から価格統制を撤廃。
LPG価格は従来の約2倍と為る1リットル当たり120テンゲ(約32円)に上昇し、2日から同国西部の都市等で抗議デモが発生した。デモは全国各地に波及した。
トカエフ氏は治安部隊を投入してデモ隊200人以上を拘束する一方、価格統制の再開を表明。しかしデモは収まらず、同国最大の都市アルマトイでは5日迄に約400の商業施設が被害を受け、多数の警察車両や救急車が燃やされた。デモ隊はトカエフ氏の自宅や市庁舎も占拠した。
カザフ全土でデモ暴徒化 内閣総辞職
2022/1/5 23:23
5日 カザフスタンのアルマトイで 抗議デモ隊が占拠した市庁舎から白煙が上がる様子(AP)1-6-7
中央アジアの旧ソ連構成国カザフスタンで、燃料価格の値上げを巡る抗議デモが全国規模の暴動に発展し、トカエフ同国大統領は5日、内閣総辞職を承認し首都ヌルスルタンに非常事態宣言を発令した。デモ隊や治安部隊員ら計190人以上が負傷し、治安部隊員に死者も出て居る。同国最大の都市アルマトイではデモ隊がトカエフ氏の自宅や市庁舎を占拠した。
トカエフ氏は5日にテレビで演説し、2019年迄約30年間に渉り同国に君臨したナザルバエフ前大統領が務める安全保障会議議長の役職を同日付で引き継いだと発表。「暴動には厳しく対処する」と述べた。
タス通信やロイター通信に依ると、カザフ政府は、自動車燃料等に使われる液化石油ガス(LPG)の価格統制が生産者に損失を与えて居るとして、今月1日から価格統制を撤廃。LPG価格は従来の約2倍と為る1リットル当たり120テンゲ(約32円)に上昇し、2日から同国西部の都市等で抗議デモが発生した。デモは全国各地に波及した。
トカエフ氏は治安部隊を投入してデモ隊200人以上を拘束し、4日にアルマトイ等に約2週間の非常事態宣言を発令する一方、価格統制の再開を表明。しかしデモは収まらず、アルマトイでは5日迄に約400の商業施設が被害を受け、30台以上の警察車両や救急車が燃やされた。マミン内閣の総辞職に伴い、スマイロフ第1副首相が首相代行に就任した。
〔モスクワ 小野田雄一〕
実力者ナザルバエフ氏失脚
カザフで反政府デモ 混乱拡大
その2 1/6(木) 6:31配信 1-6-10
カザフスタンのトカエフ大統領 2019年6月 ヌルスルタン(AFP時事)1-6-11
中央アジア・カザフスタンのトカエフ大統領は5日、反政府デモが全土に拡大する中、地元テレビを通じて国民向けに演説し、ナザルバエフ前大統領に代わって、自身が安全保障会議議長に就任すると発表した。ナザルバエフ氏が失脚した事を意味する。
報道に依ると、デモ隊との衝突で治安部隊の8人が死亡した。ナザルバエフ氏は旧ソ連末期から30年近くカザフを統治。大統領の座を2019年にトカエフ氏に譲ってからも影響力を保持して来たが、実力者の失脚に依り中国とロシアに挟まれた地政学的な要衝でも在る資源国は大きな転機を迎えた。
カザフで異例の反政府デモ 「非常事態」で内閣退陣
1/5(水) 19:42配信
4日 カザフスタンの最大都市・南部アルマトイで政府に抗議するデモ隊(AFP時事)1-6-8
その3【アルマトイ AFP時事】
中央アジアのカザフスタンで、燃料価格高騰に端を発した異例の反政府デモが全土に広がり、トカエフ大統領は5日 沈静化を狙ってマミン首相率いる内閣を退陣させた。スマイロフ第1副首相が首相代行に就く。トカエフ氏は、最大都市の南部アルマトイと西部マンギスタウ州に非常事態宣言を発令した。
カザフで抗議デモ広がる
鎮静へ 旧ソ連諸国が支援部隊派遣へ
1/5(水) 17:31配信 1-6-12
1月5日 カザフスタンのトカエフ大統領は内閣総辞職を承認した 写真は燃料価格引き上げに対する抗議デモが行われる中、警察車両が燃え上がる様子。アルマトイで同日撮影(2022年 ロイター Pavel Mikheyev)1-6-9
[アルマトイ 6日 ロイター]
中央アジアのカザフスタンで燃料価格引き上げに対する抗議デモの一部が暴徒化する中、トカエフ大統領は6日、鎮静に向けてロシア等旧ソ連諸国で造る集団安全保障条約機構(CSTO)に支援を要請した。これを受け、CSTO加盟国であるアルメニアのパシニャン首相は、カザフに平和維持部隊を一定期間派遣すると明らかにした。部隊の規模は不明。
ロシアの国営通信社スプートニクに依ると、カザフ内務省は5日、抗議デモに依って4・5日に警官等8人が死亡したと明らかにした。ロシアの複数の通信社はその後、カザフメディアの報道として、最大都市アルマトイの空港での「対テロ作戦」で兵士2人が死亡したと伝えた。
抗議デモは燃料価格引き上げが発端と為って発生したものの、参加者の間ではナザルバエフ前大統領への批判の声が広がって居る。
ナザルバエフ氏は2019年に後任にトカエフ氏を任命し一線から退いたが、尚政治的な実権を握って居る他、同氏の親族が経済の大部分を掌握して居る。 こうした中、トカエフ大統領は5日、ナザルバエフ前大統領を安全保障会議議長から解任した。
これに先立ち、内閣総辞職を承認し代行閣僚に燃料価格引き上げの取り消しを命じたが、騒乱は収まらず、首都ヌルスルタン(旧称アスタナ)の他、アルマトイと西部マンギスタウ州で非常事態を宣言した。
ロシア通信(RIA)に依るとその後、非常事態宣言は全土に拡大された。 事情に詳しい関係筋に依ると、デモ隊はアルマトイの空港を占拠しフライトはキャンセルされた。 インタファクス通信は当局者の話として、その後、デモ隊は空港から排除されたと伝えた。ロイターはこの報道に付いて確認出来て居ない。
トカエフ大統領は6日未明のテレビ演説で、ロシア・アルメニア・ベラルーシ・カザフスタン・キルギスタン・タジキスタンで構成するCSTOに支援を要請したと説明。外国で訓練を受けた「テロリスト」が建物やインフラを襲い、アルマトイの空港で航空機5機を占拠したと述べた。
カザフスタンはナザルバエフ氏の長期政権の下で政治的に安定して居た事で、原油や金属等の産業に外国からの多額の投資が流入。今回の騒動を受けカザフスタンのドル建て債の価格が急落する等の影響が出て居る。 政治アナリストは、他の旧ソ連構成国と同様に、自由を否定された事に対する若者の不満が見せ掛け上の安定で覆い隠されて居たと指摘。
ブルーベイ・アセット・マネジメントの新興市場ストラテジスト、ティム・アッシュ氏は、「民主主義の欠如に対する根源的な不満が根底に在る」との見方を示した。ロシア大統領府は、カザフスタンは自ら内政問題を迅速に解決出来るとの見方を示し、他国の干渉を牽制。米ホワイトハウスのサキ報道官は情勢を注視して居るとし、自制を呼び掛けた。その上で、米国が混乱を扇動したとのロシアの主張は誤って居ると述べた。
【管理人のひとこと】
旧ソ連・東欧のカザフスタンは日本にそれ程馴染のある国では無い。ロシア・アルメニア・ベラルーシ・カザフスタン・キルギスタン・タジキスタンでCSTOの軍事同盟を結ぶ国だと在る。
云わば西側のNATOに対抗する組織だが、資源が豊富な国だとも在り、 LPG価格は従来の約2倍と為る1L当たり120テンゲ・約32円に上昇したと在る。詰まり以前は1L16円だったのだ。これは、政府が産業や国民の為の統制価格なのだろう。
それが、陰で産業を支配する旧大統領の「価格統制が産業の足を引っ張って居る」の一言で急遽二倍に跳ね上がった・・・それに対する国民の反対デモだそうだ。政府の価格政策もそれだが、如何に政府が経済政策に熱心に取り組んで居たのかも知れる。我が国では考えられぬ政策だ。恐らくカザフスタンも日本以上の経済発展をして居たのだろう・・・国内での暴動が早く収まる様に・・・
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