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2021年12月10日

日本が太平洋戦争に 総額幾らを費やしたか知って居ますか?



 日本が太平洋戦争に 総額幾らを費やしたか知って居ますか?

 国家予算の280倍 今で換算すると・・・




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              加谷 珪一 2017.08.16 12-10-5

 プロフィール 1969年宮城県仙台市生まれ  東北大学工学部原子核工学科卒業後 日経BP社に記者として入社 野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ企業評価や投資業務を担当 独立後は中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事  現在は、経済・金融・ビジネス・IT等多方面の分野で執筆活動を行って居る
 著書に著書に『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書) 『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング) 『感じる経済学』(SBクリエイティブ) 『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス) 『教養として身につけたい戦争と経済の本質』(総合法令出版)等が在る



 毎年、この時期(8月15日)に為ると太平洋戦争に関する話題がメディアで取り上げられる。アノ戦争に付いては様々な解釈が存在して居るが、その殆どが政治的な視点か軍事力に依るもので在り、経済的な視点での議論は多く無い。
 だが歴史を振り返ると、戦争と経済は切っても切れ無い関係に在り、経済力は戦争遂行能力そのもので在ると云うのが現実だ。経済と云う切り口で太平洋戦争を振り返った時、何が見えて来るだろうか〜



 国家予算の280倍を如何(どう)用意したのか?

 戦争には多額の費用が掛かる事は多くの人が認識して居るが、実際にどの程度の金額が戦争に費やされるのかに付いて詳しく知る人は少ない。突出して規模の大きかった太平洋戦争には、一体幾らの戦費が投入されたのだろうか?
 実は、太平洋戦争に於ける戦費の実態は好く分かって居ない。戦争中と云っても、日本政府は毎年予算を組み記録も存在して居る。それでも金額がハッキリしないのには主に二つの理由が在る。


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              Photo by GettyImages 12-10-6


 一つは軍部が暴走し、東南アジアの占領地域に於いて軍票(手形の一種)や独自の現地通貨を乱発し、コノ財源を基に資金を現地調達した為、その分の金額がハッキリし無い事で在る。
 もう一つは、太平洋戦争が日本経済の基礎体力を完全にオーバーした戦争で在り、これに依って激しい財政インフレが発生。戦争期間中から既に日本円の貨幣価値が可成り毀損して仕舞ったからで在る。

 戦費の実態は好く分から無いと述べたが、或る程度までなら推測する事が出来る。旧大蔵省が戦後まとめた資料に依ると、太平洋戦争(日中戦争を含む)に於ける名目上の戦費総額(一般会計と特別会計)は約7,600億円と為って居る。
 金額だけ聞くと意外に少無いと感じるかも知れ無いが、日中戦争開戦時のGDP(厳密にはGNP)が228億円なので、戦費総額のGDP比率を計算すると何と33倍に為る。又、国家予算(日中戦争開戦当時の一般会計)に対する比率では280倍と云う天文学的数字で在る。

 最も、この数字には少々カラクリが或る。太平洋戦争の戦費は余りにも膨大で税金を使って調達する事は不可能だった。この為、戦費の殆どは日銀に依る国債の直接引き受けに依って賄われた。現在の量的緩和策にも通じる処があるが、日銀が無制限に輪転機を回すと云う事なので、当然の事乍らインフレが発生する。
 戦争中は価格統制が敷かれて居た事から余り顕在化し無かった(コレも現在に通じる)が、それでも戦争が始まると物価水準はドンドン上がって行った。

 この財政インフレは終戦後、準ハイパーインフレとして爆発する事に為った訳だが、戦費の実態を考える時には、このインフレ率を考慮し無ければ為ら無い。
 更に、日本軍は占領地域に〔国策金融機関〕を設立し、現地通貨や軍票(一種の約束手形)等を乱発して無謀な戦費調達を行った。これに依って各地域の経済は破壊され、日本国内を遥かに超えるインフレが発生したが、占領地域に於けるインフレの実態は好く分かって居ない。

 何れにせよ、占領地域では相当のインフレに為って居るにも関わらず、名目上の交換レートは従来のママ据え置かれたので、書類上、日本円ベースの軍事費が膨れ上がる結果と為る。

 無理にも程が在る

 当時の国内のインフレ率を適用し、更に現地のインフレ率を国内の1.5倍と仮定した場合、実質的な戦費の総額は凡そ2,000億円と計算される。仮にコノ数字が正しいと仮定すると、GDPとの比率は8.8倍に、国家予算との比率は74倍に為る。先程の比率に比べれば可成り小さく為ったが、それでも途方も無い金額で在る事に変わりは無い。

 現在の価値に置き換えれば4,400兆円もの費用を投入した事に為る。これ等の戦費負担に付いては、最終的には〔預金封鎖に依って国民から財産を強制徴収する形〕で埋め合わせが行われた。税率が高い人では資産の9割が徴収されて居り、富裕層の多くはコレに依って財産の殆どを失う事に為った。


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                Photo by GettyImages 12-10-7


 では、戦争のもう一方の当事者で在る米国の様子は如何だったのだろうか。太平洋戦争は米国に取っても大きな戦争だったが、それでも日本と比べると相対的な負担は軽い。
 米国に於ける第2次世界大戦の戦費総額は約3,000億ドル。開戦当時の米国のGDPは920億ドルなのでGDP比は3.2倍と為る。

 米国は、太平洋戦争と同時に欧州では対独戦争を戦って居る。極めて大規模な戦争を2つ遂行して居るにも関わらず、この程度の負担で済んで居る事を考えると、米国経済の基礎体力の大きさが分かるだろう。因みに第1次大戦の時に英国が投じた戦費総額も当時のGDPの3.8倍程度で在った。国家の存亡を賭けた全面戦争で在っても無制限にお金を掛けられる訳では無い。

 〔GDPの3倍から4倍程度と云うのが、無理無く全面戦争を遂行出来る限界値で在る〕と観て好い。その点からすると、太平洋戦争は最初から無理の在った戦争と云う解釈に為らざるを得無い。
 ダイエー創業者の中内功氏が徴兵され戦地に赴いた際、日本軍が飢えに苦しむ中、米兵が基地内でアイスクリームを自由に食べて居るのを見て衝撃を受けたと云う話は有名だが、数字上の体力差はコウした日常的な光景にも反映される事に為る。

 日露戦争との激し過ぎる落差

 これ程無謀な戦争に反対する意見も無かった訳では無い。当時は、現在のGDPに相当する概念は無く、企業の生産力や輸送力等の統計データから国力を算定して居たが、一連のデータから対米戦争の遂行は不可能と云う分析は行われて居た。
 それにも関わらず、開戦が決断され、全土が焼け野原に為る迄それを止める事は出来無かったのは、何とも残念な事だ。

 太平洋戦争の特殊性は、明治期に行われた日清戦争・日露戦争と比較すると更に際立つ。日清戦争開戦当時のGDPは13億4,000万円で、戦費総額のGDP比は0.17倍だった。現在の日本に当て嵌めると約85兆円と云う金額に為る。一方、日露戦争の開戦当事のGDPは約30億円で、戦費総額のGDP比は0.6倍だった。

 両者ともそれ為りに大きい金額だが、決して拠出不可能な水準では無く、実際に、戦争終了後の日本経済に対して深刻な影響は与えて居ない。因みに日露戦争の戦費の多くは、当時、覇権国家で在った英国ロンドンのシティ(現在の米国ウォール街に相当)に於いて外債を発行する事で調達された。

 外債の発行は難航が予想されたが、英米の投資銀行が積極的に関与した事や、当時の日本側の責任者で在った高橋是清(後に蔵相・首相 二・二六事件で暗殺)が見事なプレゼンテーションを行った事で、ホボ全額の調達に成功して居る。
 世界の投資家を相手に、戦争の目的や合理性をアピールし、十分に納得させた上での外債発行で在る事を考えると、日露戦争は正にグローバルな経済・金融システムをフル活用した戦争と云って好いだろう。

 一方、太平洋戦争はグローバル・スタンダードで在った英国と米国の両方を敵に回し、親米感情が強い中国(国民党)とも戦争をしてしまった。日清・日露戦争とは正反対に、グローバルな動きに完全に背を向けた戦争で在った。
 日露戦争当時、シティで調達された英ポンドは日本には移送されず、そのママ英国の銀行に預金された。その理由は、英国から大量の近代兵器を輸入する必要が在り(三笠など当時の主力艦船の殆どは英国製)その決済がシティで行われるからである。

 大事な国家予算を外国の民間銀行に預ける事には抵抗が在ったと思われるが、当時の指導者はグローバルな金融システムを熟知して居り、合理的な決断をしたものと思われる。
 維新と云う半ばクーデターに近い形で政権を掌握した明治政府の指導者に対する評価は様々であり、筆者も全面的に賛美する立場では無いが、当時の指導者達に卓越したリーダーシップとリアリズムが存在した事は間違い無い。それと比較した場合、学歴選抜された昭和のエリートが著しく劣って居た事は認めざるを得無いだろう。


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                 Photo by GettyImages 12-10-8


 歴史は繰り返す

 歴史を知って居る今の私達が、現在の目線で当時の決断を批判する事は容易い。だが、一方で歴史は繰り返すとも云われる。
 「戦争は他の手段を持ってする政治の継続で在る」と云うのは、戦争論(クラウゼヴィッツ 1780年〜1831年)の有名な一説だが、政治や外交も最終的には経済問題に行き着く事が殆どで在る。詰まり、戦争は日常的な経済活動の延長線上に存在する事に為る。

 実際、各国の戦争遂行能力は、GDP(国内総生産)に比例して居り、経済体力を超えて戦争を遂行する事は出来無い。現実を直視せず、結果として日本経済を完全に破綻させてしまった太平洋戦争は、正に教訓とすべき歴史的事実だが、規模は小さいながらも私達は今でも同じ様な事を繰り返して居る。
 シャープの液晶投資や東芝の米ウェスティングハウス買収に無理が在った事は、当時から何度も指摘されて居たが、勇ましい精神論に搔き消され、社会で共有される事は無かった。日の丸液晶メーカーとして多額の国費が投入されたジャパンディスプレイは、大方の予想通り、経営が立ち行か無く為り、大規模なリストラを余儀無くされて居る。見え無い形で太平洋戦争の失敗は今でも続いて居るのだ。



 【管理人のひとこと】

 コレは、2017年8月16日に発表された論文で在る。12月8日の真珠湾攻撃の記念日と共に8月15日は終戦記念日として、共に改めて戦争を考える特別な日だ。
 単なる数字上の考えとして「国家の戦争に掛けられる総額は、GDPの3倍から4倍程度と云うのが、無理無く全面戦争を遂行出来る限界値で在ると観て好い。その点からすると、太平洋戦争は最初から無理の在った戦争と云う解釈に為らざるを得無い」
 との結論が書かれて居る。これは正確な計算からでは無く、今迄の各国(日本・米国・英国等)の経験値として導き出されたものである。
 我が国の「日中・太平洋戦争の実質的な戦費の総額は凡そ2,000億円と計算される。仮にコノ数字が正しいと仮定すると、GDPとの比率は8.8倍に、国家予算との比率は74倍に為る」
 と記される「現在の価値に置き換えれば、4,400兆円」と為れば、今の政治では到底戦争は賄い切れ無い。国民一人に10万円を配るだけでも青息吐息なのだから。













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