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2020年04月02日

森友重大スクープ「安倍は守って稲田を刺す」籠池氏が唆(そそのか)された決定的瞬間




 森友重大スクープ 「安倍は守って稲田を刺す」
 
 籠池氏が唆(そそのか)された決定的瞬間

           
          〜プレジデントオンライン 4/2(木) 11:16配信〜


         42300.jpg

              森友事件を作り出した何処かの夫人
      
 森友問題 文春のスクープで再び脚光

 森友学園問題が再燃して居る。契機は2020年3月19日に発売された『週刊文春』(3月26日号)掲載の「森友自殺<財務省>職員遺書全文公開」記事。NHKを退職し森友学園問題を追うべく大阪日日新聞の記者に為った相澤冬樹氏のスクープだ。
 森友学園への国有地売却時に作成された財務省の決裁文書。本省からの指示で文書改竄を迫られた近畿財務局の職員・赤木俊夫氏(享年54)が、本人の意に反した改竄を強要され、連日の激務の末にストレスで心身を病み命を絶つに至った。赤木氏がその改竄の詳細な経緯を書き残して居たのだ。

 翌週には森友学園との国有地取引の交渉に当たった近畿財務局の池田靖統括国有財産管理官(当時)が、赤木氏の妻に「8億円値引きの根拠は明確では無い」と話して居た事も報じられた。森友問題が噴出した2017年当時、筆者が取材した若手財務官僚は、国有地取引に関してこう語って居た。
 「国有地は国民の財産だし、私達は法に基づいて職務に当たる事に誇りを持って居る。それが法治国家の官僚の本分。だから、法に外れて迄国有地を安く売却する事は有り得ない」
 だが決裁文書改竄は、その誇りを大きく失わせるものに為った。赤木氏の葛藤を思うと胸が痛む。

 籠池夫妻と昭恵夫人のスリーショット写真の謎

 42213.jpg

 〔森友事件〕と云う時、その論点は8億円値引きの経緯だけに留まら無い。文書改竄は勿論、大阪府の小学校設立認可の問題や政官関係・メディアの過熱報道等様々な問題を含む。その森友事件を改めて考える上で謎が残ったママに為って居る3つの日付を上げて見たい。又、3つ目に関しては〔これ迄に明るみに為って居ない事実〕も此処でご紹介しよう。

 1つ目は2014年4月28日 国有地取引の交渉を行って居た森友学園側と近畿財務局職員との会談で〔籠池理事長夫妻と安倍昭恵総理夫人のスリーショット写真〕が示された日付だ。朝日新聞等はこの写真提示を機に国有地取引が一気に進んだと云うストーリーを報じて来た。
 だが籠池氏は今でコソ「昭恵夫人の写真を示して以降、交渉がスムーズに進んだ正に神風だ」と述べて居るが、当初は「土地からゴミが出て来て価格が下がった」事を「神風」として居た。

 ソモソモ森友案件に付いて近畿財務局から財務省本省に連絡が入るのは、写真提示以前の2013年8月15日のこと。近財の交渉記録に依れば8月13日に鴻池祥肇議員の秘書から近財に連絡が入り、近財は2日後に本省審理室へ連絡を入れて居る。
 一方、財務省が写真提示当日の交渉記録を公開して居ない事が〔昭恵写真の神通力〕を否定し切れ無い理由で有るのも確かで、敢えて当日の記録を公開しないと為れば、その意図を探られるのも当然ではある。即刻明らかにすべきだろう。

 「8億円値引き」何故起きたのか

 2つ目は2015年9月4日 この日、近財庁舎で設計担当のキアラ建築研究機関・施工業者の中道組・近財・大阪航空局が会議を行って居る。森友学園を除外したこの席で、大量の地下埋設物は〔場内処分にする〕事が話し合われた。処が、中道組・キアラ建設は、場内埋め戻しで了解した事実を森友側に伝え無かった。校舎の施工を担当した藤原工業が敷地内の埋設物に気付いたのは翌年3月11日だった。
 森友側は憤慨、開校が遅れると為れば賠償問題に発展し兼ね無いと危惧した近財は、大阪航空局にゴミ撤去費用の見積もりを依頼。大阪航空局は第三者を入れず〔国交省の知見〕で撤去費を8億1974万円と算出し、撤去せずに価格から費用を差し引く形で国有地の売却価格が1億3400万円に為った。

 先の文春記事で近財の池田統括官「8億円値引きの根拠は明確では無い」と言って居るのはこの算出額の事だ。只この算出額は既に2017年11月に公表された会計検査院の報告に依っても《地下埋設物撤去・処分概算額を算定する際に必要とされる慎重な調査検討を欠いて居た》と結論付けられて居り、指摘そのものに目新しさは無い。
 問題は、何故、業者は森友側に情報を伝え無かったのかだ。中道組やキアラ建築は理由を明らかにして居ない。又、慌てた森友学園側が中道組の紹介で急遽依頼し、近財との交渉を一手に引き受けた北浜法律事務所の酒井康生弁護士も騒動の最中に顧問弁護士を降り、ゴミ発覚後の近財との交渉経緯に付いて明らかにして居ない。〔8億円値引き〕の核心に迫る為には彼等の証言も必要に為って来る。

 「大きな分岐点」の日を思い出せ無い籠池氏

 3つ目は2017年3月12日 籠池元理事長が著述家・菅野完氏の取材を受け、当時防衛大臣だった稲田朋美議員が過つて森友学園の顧問弁護士で在った事を告発する動画をこの日に収録し翌日公開したのである。

       42215.jpg 著述家・菅野完氏  

 当時、森友糾弾の急先鋒だった菅野氏と籠池氏当人が組んだ事は世間を騒然とさせた。以降、菅野氏の「内閣が2つは吹っ飛ぶ」発言がテレビ中継され、メディアに囲まれた籠池氏が「昭恵氏から100万円貰った」と暴露する等〔森友劇場〕化が加速。籠池夫妻の窓口役を担う菅野氏に、メディア各社は文字通り頭を下げて取材機会を得る事に為った。

 籠池氏は今年2月13日に『国策不捜査 「森友事件」の全貌』(文藝春秋)を出版。自身の回想にジャーナリストの赤澤竜也氏がファクトや資料を補う形で、国有地取引の経緯や事件勃発後の取材攻勢・拘置所生活等に付いて詳細に綴って居り、この日の菅野氏との出会いを〈今から考えると、アノ日も又大きな分岐点だった〉と回顧して居る。処が籠池氏は何故菅野氏の誘いに応じたのかに付いては〈何を話したのか好く覚えて居ない〉として言及を避けて居る。

 本書の共著者である赤澤氏は、この日の面会に同席して居り、他の記述と同様に彼がファクトを補う事も出来る筈なのにして居ない。赤澤氏は面会時の事を当時ネット記事としてYahoo!個人で公開して居るが、コチラも「菅野氏の人たらしっプリが凄い」等と仄めかすのみだった。

 もう後戻りは出来無い 官僚の忖度が問題

        42209.jpg

 この時に何が起きて居たのか・・・実は当日の交渉の模様は3時間に渉る映像として記録されて居る。筆者はこの映像を入手した。提供者は『国策不捜査』にも〔保守の会〕の人として登場する松山昭彦氏。この映像に記録された事実の一端をご紹介したい。

 〜籠池家の長男・佳茂氏と一緒に籠池邸に遣って来た菅野氏は、先ず「自分が此処に来た事はメディアが皆知って居る」の述べた。もう後戻りは出来無い事を強調したのか、菅野氏と籠池氏が会った事をメディアに報じられる前にコチラから打って出無いといけ無いと云うニュアンスか。
 そして「娘達2人の生活を救い、森友学園の創設者で籠池夫人・諄子氏の父である森友寛の遺志を継が無ければ為ら無い。その為墓参りして来た」「安倍夫妻は無関係。忖度した役人が余りにも酷い」「籠池夫妻を主語とした記事を為るべく減らしたい」等と籠池氏のウィークポイントを突いて行く〜


 動画を見るに、当時の籠池氏の心境は以下の様に推測出来る・・・理事長を降り、学園を娘に託したものの先行きは不安。自宅前にはメディアが四六時中張り込んで居る。心酔する安倍総理を守りたいと思う一方、昔から知り合いで、過つて森友学園の顧問弁護士迄務めたにも関わらず、国会で冷淡な態度を取った稲田議員は許せ無い・・・そうした思いを抱える籠池氏に、菅野氏は時間を掛けてコウ迫った。

 稲田や麻生を刺せば・・・安倍は守れ 官邸は喜ぶ

 ・・・稲田の首を捕りましょう。自宅前のメディアは居なく為る。稲田や麻生を刺せば安倍晋三を守れるのだから官邸は寧ろ喜ぶ・家業も守れる。コチラから撃って出無いと『籠池砲』は意味を為さ無い。今遣るしか無い・・・

 安倍総理子飼いの稲田氏を刺せば、当然、安倍総理の責任問題にも発展する筈だが、籠池氏はコレを了承〔稲田は森友の顧問弁護士だった〕と明かす動画の撮影に応じたのである。公開後、家の前のメディアは減る処か〔森友劇場・第二幕〕の幕開けの様相を呈したのは先にも指摘した通り。更に籠池氏は国会証人喚問へと至り、森友学園は民事再生法の適用を受ける事に為った。籠池氏の当初の思いとは全く逆の事態を招いた格好だ。

 ちなみにこの時、籠池夫人の諄子氏は昭恵夫人との〔カネのやり取り〕に付いて気に為る事を述べて居る。

 「昭恵さんに渡そうとしたけど、講演料は受け取ってませんからって。交通費として10万円用意して居たんですが『コレは瑞穂の国記念小学院に使って下さい』って返された。ホンマに渡して無い。絶対誓う。昭恵さんにも怒られたよ、何が何だか判ら無いって」

 籠池氏が「昭恵氏から100万円を貰った」と取材陣に暴露するのは4日後の事である。勿論、昭恵夫人が10万円の受け取りを拒否した後、100万円を渡して来たと見る事も出来るが真偽は謎のママだ。森友事件は未だ終わって居ない。


          ジャーナリスト 豊中 あきら   以上



 



 



 










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