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2020年02月19日

霞が関崩壊の危機は止められるのか?









 霞が関崩壊の危機は止められるのか?

               〜Wedge 2/19(水) 12:33配信〜



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              kanzilyou gettyimages

 国の政策を決める中央省庁が集まる「霞が関」が今「ブラック」職場と化し、エリート職場と見られて居た国家公務員キャリア職の離職が相次いで居る。「霞が関」の職場環境の実態に付いて、昨年の9月末に厚生労働省を退職した前医療政策企画官の千正康裕氏(44歳)にインタビューし、外から職場を変え様とする本音を聞いた。

 業務プロセスの見直し

 千正氏は2月4日、AbemaTVにも生出演し、霞が関の職場環境を変える必要性を強く訴える等東奔西走の毎日だ。「コレは単に官僚の労働問題では無く『霞が関』が疲弊すれば、国の政策の立案・執行の機能が壊れて、国民に迷惑が掛かると云う深刻な問題だ。官僚の仕事は一般の人には内容が見え難いが、例えば厚労省の場合でも、年金、介護、医療、保育、働き方等国民の生活に密着した大事な事を遣って居る」との思いから、改革を叫んで居ると云う。

 職員が健康や家庭を壊したり、若手の離職が増えて居る状況を変える為には働き方を変える必要があるが、「業務プロセスを見直し、国民生活と直接関係の無い作業を徹底的に減らし、必要な作業であっても、役人で無くても出来るものは外注化を進める必要がある」と云う。
 こうした観点から、実際に厚労大臣への説明や国会答弁作成等の内部手続きのペーパーレス化等の取り組みを進めて居る。しかし「役所だけで根本的に解決出来ない国会との関係で減らせ無い業務の負担が極めて大きい。『永田町』(政治)と『霞が関』(行政)との関係は、重要な取引先と下請けとの関係に通じるものがあり『永田町』の理解を得ながら仕事の遣り方を変え無ければ為ら無い」と主張する。

 重荷に為る国会業務

 中でも「深夜に緊急的な仕事の入る国会関連業務を減らす事が最重要だ」と云う。

 「国会の質問通告の日時を公表す事により、各議員の通告は与野党の申し合わせでは委員会の2日前の正午迄に行う事が原則とされて居るが、実際には全く守られて居ない。
 前日の夕方から夜に掛けて行われるのが通常であり、内閣人事局の調査では、或る委員会において全ての議員の質問に通告が完了する時刻は平均21時頃である。その時間から翌日朝の委員会に向けて答弁を準備して居たら深夜残業は避けられ無いので、委員会の質問通告の早期化が不可欠である。
 只、それを実現する為には、ソモソモ委員会日程を計画的に決め無ければ為ら無い。現状では、委員会日程そのものが政治的な取引の対象に為って居るので、与野党間でギリギリ迄調整した結果、前日に為って翌日の委員会日程が決まる事もある。コレでは、質問者の議員が頑張っても早く通告する事は難しい」
と話す。

 「例えば、通常国会は1月に召集され、6月迄150日間の会期があるが、冒頭から会期中にドノ法案が提出予定なのかは見えて居る。この法案に付いては何時どの位の時間審議をして、何時採決する、と云った具合に、本来予め日程を決めて置く事が出来る筈だ。
 そうすれば、国会議員も役所も計画的かつ効率的に準備が出来る。質問する議員の側も急に日程が決まるので、質問案を徹夜して作る事もある。この様な議員の働き方は、子育て中等の女性議員が増え無い問題にも繋がって来る。
 しかし、これを実現するには政治的なハードルがある。予め採決等の日程が決まってしまうと、法案を通したく無い野党としては攻め手が無く為ってしまうので、ナカナカ応じられ無い。野党に応じて貰う為には、与党側も日程を最初に決めてしまう代わりに、内容面で野党の少数意見を必要に応じて取り入れる様な工夫が必要に為るかも知れない。
 今の遣り方は、長年の国会運営の中での与野党の均衡点であり、変える事は与野党双方に取って難しい面があり、話し合いには時間が掛かるだろう」
と云う。

 先ずはルール作りから

 「だから先ずは委員会開催が決まった日時と、個々の議員の質問通告日時公表だけでも先に遣って頂いて、実態を把握すると共に課題を洗い出して頂けたらと思う。こうした国会のルールは議員の先生にしか変えられ無い。ドンなに好い議論をして政策を決めても、実際に手を動かす『霞が関』が機能不全に陥っては、結局国民に迷惑が掛かるのだから、危機感を共有して頂いて、各党の先生方にルール作りを議論するテーブルに着いて頂く事が重要だ」

 と訴える。国会ではタブレットやスマートフォンの持ち込みは禁止されて居る。だがデジタルの時代の今、タブレットの持ち込みが認められれば、現在、大臣等が答弁に対応する為に準備して居るメモや資料の前日深夜の大量コピーと云う無駄な仕事が無く為る。紙資源の節約やコピー経費の無駄も省ける。
 委員会前の早朝に行われる大臣との答弁に向けた勉強会で修正指示が出ても、修正したメモを慌ててコピーする必要も無く為る。

 民間企業では当たり前に為って居る事が『永田町』では「資料は紙で持参するか、FAXで送信して呉れないと困る」等と云った時代錯誤的な反発があるのが不思議である。
 「FAXで送られると、誰かがそのデータを入力する手間が掛かる。データ化して置けば最新情報を瞬時に送信する事も出来る。国会議員の多くは、有権者への情報提供に選挙期間中はSNS等を利用して居るにも関わらず、日常の業務では、依然として紙に頼る等遅れて居る」と話す。

 この問題は10年以上前から度々話題に上るが、こうした課題は数年前から与野党に要望して来て居るにも関わらず、ナカナカ前に進んで居ないのが現状だ。与野党は政治的な駆け引きは抜きにして無駄な事務作業を無くす様真摯に話し合うべきではないか。

 多忙な上司
 
 「10数年前は、職場で雑談する位の余裕は在ったし、課長や課長補佐クラスの上司が食事に誘って呉れたりして、仕事の意味を教えて呉れたり悩み事を聞いて呉れるだけの時間が在った。上司や先輩が話を聞いて呉れれば、自分を見て呉れて居る人が居ると思い、辛い仕事も或る程度我慢して出来たが、今は上司も国会議員や関係者への説明や打ち合わせで席に居ない時間が多く、部下とコミュニケーションする時間的余裕が無く為った」と打ち明ける。

 「今の霞ヶ関は若い人がドンドン辞めて行くので、人手が足りず自転車操業だ。私が居た部署でも、50代の局長が自宅での作業を含めて1日20時間位働いて居る事もザラだった。このママでは最低限遣ら無ければ為ら無い仕事すら回ら無く為る」

 と話す。上司が仕事に追われて居ると、部下もそれ以上に忙しく働かざるを得無く為る。コレに災害等に緊急対応や不祥事が重為ったりすると、只でさえ組織に余裕が無い中で、一気に業務量が跳ね上がり体を壊す職員が後を絶た無いと云う。
 厚労省の場合、この数年振り返って見ると、年金不正問題、障害者雇用人数水増し放置、毎月勤労統計の数字ミス、今回の新型肺炎ナドナド不祥事や緊急対応が頻発して居る。しかも国民生活に直接関係する分野が多く、一つ間違えるとマスコミに叩かれる等して、精神的にもタフで無いと厳しい状態に為り勝ちだ。









 ノンキャリの重要性

 これ迄はキャリア職の仕事振りが厳しい事を指摘したが、千正氏は「キャリア(総合職)が仕事を回して行く為に欠かせ無いのが、ノンキャリ(一般職)と呼ばれる事務職員の力だ。キャリアの役割は政策を変える事がメインだが、霞が関には一般職の優秀な職員が沢山居て、彼等が言われ無くても着実に業務を遂行する事から行政が回って居る。
 過酷な労働環境を背景に、総合職以上に一般職は公務員志望の学生から敬遠されて居る。採用予定人数を採用出来ないケースも在る。余り知られて居ないが、自前の職員だけでは業務が回ら無いので、民間企業や地方自治体から霞が関に出向して居る多くの職員が業務を支えて居る状況が在る。外部からは見え難いが、一般職の人材確保の観点からも、霞が関の働き方改革は待った無しだ」
と訴える。

 講演会の執筆代行
 
 更に官僚の仕事を多忙にさせて居るのが、議員が行う講演会や地元のイベントでのスピーチ原稿等を役所に依頼して来るケースだ。外務省の20歳代女性キャリアは「こうしたスピーチ原稿は議員自身で書かれる事を原則とさせて欲しい」と主張、個人的な事迄押し付けられて居る実態がある。
 詰まる処「政治家は役人よりも偉いのだ。政治家は役人をどの様に使っても構わ無い」とでも思って居るのかも知れない。であれば、考え方を改めて貰わ無ければ為ら無い。役人は国民が少しでも幸せに為る為に働いて居るのであって、政治家の為に働いて居る訳では無い事を。

 「『霞が関』の負のスパイラル」

 千正氏が「霞が関」の職場環境の悪化が常態化する事で最も恐れているのが「負のスパイラル」による悪循環だ。詰まり、長時間労働でキャリア・ノンキャリを問わず職員の休職や辞職が増えると、役所全体が疲弊し人材が不足して、ミスや不祥事が起き勝ちに為る。
 ミスや不祥事が起きると炎上した部署に他の部署から職員が応援に入るので、応援を出した部署が手薄に為るので職員の疲弊を招く。その結果「霞が関」全体の政策能力が低下し業務が円滑に進ま無く為ると云う「負のスパイラル」が起こり始めて居る。

 「官僚の仕事と云うのは、世の中から見え難いかも知れないが、生活に密着した大切な制度を作る等、今でも非常に遣り甲斐のあるものだし、成長の機会も沢山ある。離職した何人もの若い後輩達から『役所の仕事は今でも大好きだし、職場の人も好きだった。働き方の問題で辞めざるを得無かったけど、残って居る人にはそう云う思いをして欲しくない』と云う声を聞く。官僚だけが大事な面白い仕事と云う訳では無いし、他に遣りたい事が見付かって前向きに転職するなら好いと思うが、矢張り働き方を変え無いといけ無い」
 
 と云う。日本と云う国の政策の中枢を担う「霞が関」が「負のスパイラル」で質が下がれば、少子高齢化で国力低下が心配される日本の国力を更に下げる事に為り兼ね無い。


【プロフィール】千正康裕(せんしょう・やすひろ) 慶應義塾大学卒業。2001年に厚生労働省にキャリア職として入省、08年雇用均等・児童家庭局総務課虐待防止対策室室長補佐、11年厚生労働大臣政務官秘書官、13年在インド大使館一等書記官、16年雇用均等・児童家庭局総務課課長補佐、17年社会保障担当参事官室室長補佐、18年医政局総務課医療政策企画官、19年に退職、20年株式会社千正組設立、「霞が関」の外から中央官庁の働き方改革に取り組んでいる。44歳。千葉県出身。

         中西 享 経済ジャーナリスト    以上

















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