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2020年01月29日

何故、北欧の人々は、短時間労働でも裕福な暮らしが出来るのか?




 何故、北欧の人々は短時間労働でも裕福な暮らしが出来るのか?

           〜ニューズウィーク日本版 1/29(水) 12:14配信〜

  
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  時間とお金にユトリのある生活を送る為には何が必要か vorDa ISTOCKPHOTO

 〜北欧諸国やドイツ等では、週休3日制を導入する事迄もが現実的な議論のテーマ。日本の労働環境とこれ程大きな違いがある理由とは〜

 34歳の若さでフィンランド首相に就任したサンナ・マリン氏が、働き方改革の一環として週休3日制の導入を検討すると云うニュースが世の中を駆け巡ったが、残念ながらこれは誤報だった。
 記事の元に為った発言は首相就任前のもので、フィンランド政府は現時点で週休3日制を正式に検討して居る訳では無い。

          1-29-28.jpg

 だが北欧諸国では、スウェーデンが1日6時間労働の実証試験を行う等、現状から更に労働時間を削減しようと云う動きが見られる。何故、北欧諸国は大胆な労働時間の削減を現実的なレベルで議論出来るのだろうか。
 結論から言うと、企業の生産性が高く、経済的な余力が大きい事に尽きる。2018年のフィンランドの労働生産性(時間当たり)は65.3ドル、日本は46.8ドルなので日本の1.4倍の生産性がある。スウェーデンは更に高く72ドル、ノルウェーは86 .7ドルもある。

 日本企業は1万ドルを稼ぐ為に、30人の社員を投入して約7時間の労働を行って居るが、フィンランドでは24人の社員が約6.5時間働くだけで好い。詰まりフィンランドでは日本の約75%の労働力で同じ金額を稼げるので、日本と同水準の豊かさで好ければ、更に労働力を削減出来る。現状は週休2日なので、1日当たりの労働時間にもよるが週休3日も不可能では無い。

 最も、生産性を上げずに労働時間だけを削減すると、生活水準は日本並みに下がってしまうので、豊かな生活を謳歌して居る北欧人に取っては受け入れ難いだろう。現実的な難易度は可成り高く、それ故に政府も正式な検討までは至って居ないものと思われる。だが理論上とは云え、週休3日も不可能では無いと云うのは、日本人から見ると何とも羨ましい限りである。

 生産性を高める方法は

 この手の議論をすると、北欧は小国だから実現出来るのであって、日本とは条件が違うと云う批判が必ずと云って好い程出て来るのだが、これは一種の思考停止だろう。
 日本企業が生産性を高めるには?日本と並ぶ大国であるドイツの生産性はフィンランドよりも高く、フィンランドが検討出来るならドイツも十分に可能である。ドイツの平均的な1日当たりの労働時間は5.6時間しか無く、現時点においても日本より圧倒的に短い。逆に言えば、1日当たりの労働時間をもう少し長くすれば、ドイツでも週休3日は不可能では無いだろう。

 国内でも日本マイクロソフトが昨年8月に週休3日制のトライアルを実施する等、収益力の高い企業では机上の空論で無く為って居る。最もバブル時代、週休3日制を掲げたスーパー大手のヤオハンは、無理な経営が原因で倒産して居り(その後イオンに吸収)週休3日制に悪いイメージを持つ人も多い。
 生産性が低い現状の日本では週休3日は望むべくも無いが、ドイツ並みの生産性を実現出来れば、現実的なテーマとして議論する事は可能だ。

 生産性は企業が生み出した付加価値を労働時間と労働者数で割って求められる。労働者数と労働時間の削減には限度があるので、高い生産性を実現するには分子である付加価値を増やさ無ければ為ら無い。詰まり、儲かる事業に専念する必要がある訳だが、その責務を負って居るのは経営者であって従業員では無い。日本経済に求められて居るのは、量的緩和策でも公共事業でも無く、優秀な人材をトップに据える事である。


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             加谷珪一 経済評論家    以上










 加谷珪一 経済ニュース超解説

 日本経済が低迷する本当の理由は 「中間搾取」と「下請け構造」 

           〜加谷珪一 2019年04月16日(火)14時55分〜

 〜日本の貧困率の高さは、直ぐにでも改革が必要なレベルなのに手付かずなのは「一部の人」の猛反発の所為。安倍首相が構造改革に付いて言及し無く為ったのは何故?〜


 日本はバブル崩壊以降、多くの経済政策を実施して来たが、殆ど成果を上げて居ない。アベノミクスに付いても、当初は高い期待が寄せられたが、余り上手く行って居るとは言え無いだろう。アラユル政策を総動員しても効果を発揮しない最大の理由は、日本経済の仕組みそのものが制度疲労を起こして居るからである。重層的な下請け構造や中間搾取をビジネスとする企業の存在等はその典型と云って好い。

 非正規労働者を増やす事が構造改革では無い

 アベノミクスがスタートした当初「3本の矢」と云うキーワードが在った事からも分かる様に、政策は3つの柱で構成されて居た。1本目は量的緩和策、2本目は財政政策、3本目は成長戦略である。金融政策でデフレからの脱却を試み、財政出動で当面の景気を維持し、その間に構造改革を実施すると云う流れだ。
 此処で重要なのは、量的緩和策や財政政策は飽く迄一時的な対応策として位置付けられて居たと云う点である。少なくともアベノミクスのスタート時点においては、構造改革コソが経済成長を実現する本丸と云う認識だった。

 構造改革と云うのは本来、冒頭に述べた様な、無意味な補助金や下請け構造、中間搾取と云った、ムダの温床と為って居る諸制度を改革する事を意味して居る。だが日本において構造改革と云うのは、単に非正規社員を増やしたり、コスト・カットすると云う意味に為って居り、政治家に取っては使いたく無いキーワードに為って居る。
 安倍首相は元々、政策で動くタイプの政治家では無く、ホンネでは経済政策には余り興味を持って居ないだろう。安倍氏が何時しか構造改革に付いて言及する事が無く為り、特定の層からの支持率が上がる情緒的な政策に舵を切ったのは必然と云って好い。

 日本では、キーワードが持つ意味をスリ替え、スリ替えられたキーワードを感情的に批判すると云う流れは何時もの事であり、構造改革に付いても同じ事が言える。だが、経済の仕組みが硬直化した状態では、幾ら財政出動や金融政策を実施しても効果を発揮しないのは当然である。

 下請け構造や中間搾取が経済を低迷させる元凶

 本来、実施すべき構造改革には数多くのテーマがあるが、特に優先順位が高いと考えられるのが下請け構造と中間搾取の問題である。

 企業は得意な分野に特化した方が好いので、機能毎に階層分離する事自体は悪いことでは無い。或る完成品メーカーが単純な部品の製造を別の企業に依頼すると云うのは諸外国でも好く見られる光景である。だが、市場メカニズムが確りして居る経済の場合、付加価値の低い製品の製造を請け負った企業は、合併等によって市場シェアを高め、元請け企業との交渉力を高め様とする。
 或は一定価格以下の仕事は利益が出無いので断ってしまい、製品を供給する企業数が最適化される事で価格は一定以下には落ち無い。

 処が日本の場合、こうしたメカニズムは働かず、下請け企業が何時までも価格交渉力を持て無いママ、元請け企業は際限の無い値引き要求を続けると云う悪循環に陥ってしまう。下請け企業は更に孫請けの企業に仕事を投げ、コストカットを試みるので、経済全体では壮大なムダが発生してしまうのだ。

 流通も同じである。商品を隅々まで流通させる為には、1次卸、2次卸と云った具体に或る程度の階層構造に為るのは止むを得ない。だが日本の場合には、流通も合理化されて居らず、複雑な商流を維持して居る業界は多い。海外の場合、メーカーに直接掛け合えば製品を売って呉れるケースは珍しく無いが、日本の場合には、業界の和を乱すと云った理由でメーカーは絶対に最終顧客に直接製品を販売し無い事も多い。
 こうした状況が行き過ぎると、中間搾取だけを目的とした企業が多数、温存される事に為る。実際、IT業界等では、元請けが受けた仕事を下請けとして請け負い、その仕事を孫請けに丸投げするだけの企業も多い。

 運送業界でも同じ様なケースがある。再配達問題等で運送会社の社員の過重労働が問題と為って居るが、一部の運送会社は拠点間輸送を信じられ無い水準の料金で下請けに丸投げして居る。顧客から受け取った配送料の多くは、運送会社が受け取ってしまい、下請けの運送会社には適正な代金が支払われて居ない。これでは業界全体が疲弊するのも当然である。

 日本の貧困率の高さは異常であり、直ぐにでも改革が必要

 同一の統計では無いので厳密な比較は出来ないが、日本では人口1000万人当たり約28万の事業所が存在して居るのに対して、米国では24万しか無い(中小企業庁および米国勢調査局)日本は人口に比してムダに会社数が多いと云う事だが、その理由のひ戸津と為って居るのが中間マージンを取るこトだけを目的にする事業者の存在である。
 これに加えて日本の場合、社員14人以下の企業に勤務する人の割合は22%だが、米国では推定15%以下と為って居る。日本では小規模な事業所が多く、経済全体で合理化が進んで居ないと云う状況が推察される。

 最もドイツの様に世界トップクラスの生産性を実現しながら、日本と同じ様に多数の中小企業が存在する国もある。だがドイツの中小企業の競争力は極めて高く、直接、製品を海外に販売する中小メーカーも多い。ニッチな分野で高い競争力を発揮する企業が敢えて規模を抑制して居ると云う状況であり、日本の下請け企業とは可成り様子が異なって居る。

 中間マージンを取るだけの企業が生み出す付加価値は低く、薄利多売に為らざるを得ない。当然の事ながらその企業で働く従業員の賃金は安い。しかもこうした企業は中間生産物しか生産しないので、GDP(国内総生産)には直接的に寄与しない。
 こうした企業が別の製品やサービスの提供にシフトすれば、アッと言う間に日本のGDPは増え、付加価値が上昇する分、賃金も上がるだろう。だが市場の合理化を実現する為には、企業の統廃合や労働者の転職が促進される様、市場の流動性を高める政策が必要と為る。

 一部の人は、こうした環境に置かれる正社員が出て来ることに付いて猛反発して居り、これが諸改革を遅らせて居る。だが、今の日本では非正規労働者を中心に、多数の国民が貧困に追い込まれて居り、先進国としては既に異常事態である。一部の恵まれた正社員の絶対的な安定を最優先すると云う合理的な理由は無い。


                    以上









 2030年の冬季五輪 札幌市が国内候補に

              〜日テレNEWS24 1/29(水) 17:34配信〜

 2030年の冬のオリンピックに向けた日本国内の候補都市が札幌市に正式に決まった。これは29日のJOC=日本オリンピック委員会の理事会で決まったもの。JOCはこれ迄、2030年の冬季オリンピックに向けた国内の立候補都市を募集して居たが、手を挙げて居たのは札幌市だけだった。
 オリンピックの開催都市は、これ迄はIOC=国際オリンピック委員会が大会の7年前に決めて居たが、立候補都市が相次いで撤退する等したことから、IOCはこのルールを削除して居て、早ければ来年にも、2030年の開催都市が決まる可能性がある。
 札幌市の秋元市長は今月、JOCの山下会長や橋本オリンピック・パラリンピック担当相と共にIOCのバッハ会長とスイスで会談して居て、バッハ会長から高い評価を得て居たと云う。


                    以上








 【管理人のひとこと】

 何と嘆かわしいニュースだろうか。東京オリンピックが開催される前、次の冬季オリンピックに立候補する・・・世界から嫌われ逃げられ疎まれるオリンピック招致・・・増して規模の小さい冬季の事業に性懲りも無く手を挙げる様だ。
 何かを期待してこの様なものにだけ目を向けるのだろうが、大阪の万博や国内のIR等・・・アメリカを初め東南アジアの韓国・マカオ等でも散々遣って来た一周遅れのもの。どうしてこの様な「何かの催し」のみを招聘し無ければ経済の起爆剤として考えられ無いのだろう。韓国もオリンピックやアジア大会等国際的なものを散々招聘し連続的に行って来たが、果たして韓国の経済状況はその後好転しただろうか。

 海外からの観光客や博徒好きな大金持ちの客を呼び、何とか金を落として貰いたい・・・その切なる願いは判らぬでも無いが、この様なものだけが果たして経済伸長の活性剤に為るとしか考えられ無い・・・余りにも短絡的・単細胞的思考回路だ・・・正に安倍的単細胞で短絡思考の極致。
 確かに、道産子である管理人に取って札幌オリンピックはとても魅力的でワクワクする期待感もある。しかし、その様な短期間・短時間の経済浮揚策を取って、どれだけ北海度経済の足しに為るのだろう。札幌市内が短期的に重点的に経済投資され新たなものが建設させれても、その後の維持費や活用の道を考えると、邪魔に為りコソすれ、何等のレガシーにも為らぬものに終わってしまいそうだ。
 そんなものに予算を着けるより、モッともっと他に投資すべきものが山積して居る。若い道知事も、IRやオリンピックに精力を傾ける事無く、確り大地に足を踏んだ、地道な北海道発展の道を探すべきだろう。







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