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2019年12月16日

「不寛容社会」と「寅さん」再びの「男はつらいよ」に寄せて




  「不寛容社会」と「寅さん」再びの「男はつらいよ」に寄せて

          〜AERA dot.〈週刊朝日〉12/15(日) 11:30配信〜



           12-16-10.jpg    

 〜12月27日「男はつらいよ お帰り 寅さん」が公開される。1969(昭和44)年のシリーズ誕生から50年、50作目の新作だ。週刊朝日ムック「わたしの寅さん 男はつらいよ50周年」(朝日新聞出版)を監修した新聞記者・小泉信一氏が、山田洋次監督らとの対話を振り返りながらこの大作を語る〜 

 記者は運命論者では無いが、この映画が誕生したのは何処か必然の様なものを感じる。主人公の車寅次郎を演じた故・渥美清さんも「本当に寅さんって居たんですよ」とファンに教えられたと云う。
 実際、柴又には戦時中、酒好きで「兵隊トラさん」と呼ばれた男が居た。乱暴者とか脱走兵とか噂されたが、帝釈天の門前で悪さをする事は無く、冠婚葬祭の世話役を何時も買って出たと云う。兵隊が出征する時は参道でこんな演説をしたそうだ。
 「世の中、窮屈に為って、大きく為るのは竹輪の穴だけヨ」確かにそんな人物が居ても可笑しく無い。時に喧嘩をしながらも、楽しく過ごせる家族や仲間。そんなリアリティーがあるからコソ、寅さんが今も多くの人に受け入れられるのではないか。








 「スカブラ」と云う言葉がある。「仕事が好かんでブラブラして居る」「スカッとして居てブラブラして居る」が語源。九州の炭鉱労働者の間で使われて居た符牒である。
 仕事をサボりながらも面白い冗談を言っては周囲を笑わせたと云う。だが一度事故が起きると、先頭に立って大声で指揮を執り大活躍した。寅さんはマサに「スカブラ」なのである。スカブラの様な存在が居無く為ると、世の中益々窮屈に為るのではないか。

 以前、分子生物学者の福岡伸一さんと対談した事があるが、魚は波の揺れに身を任せ、出来るだけ泳が無い様にして居るのだと云う。「アリも2割位は働いて居るフリをして居る。その2割を排除しても残りの2割は働か無く為ります。『自由でアレ』と遺伝子が命じて居るのです」
 福岡さんはそう言って居た。渥美さんも「ゆっくりゴロ寝が最高」と或対談で話し、旅行先では昼過ぎまで寝るのを理想として居た。

 それにしても、アノ映画には「人間って素晴らしい」と実感させる言葉が数々出て来る。寅さんのテキヤ仲間の遺児が登場する「寅次郎物語」(第39作87年)にはこんなセリフが在った。
 <アー、生まれて来て好かったな、って思う事が何遍か有るじゃナイ。その為に人間生きてるんじゃネエのか>
 初期の頃の寅さんは怖い一面もあった。理屈を振り翳す相手に対しては、舌鋒鋭かった。
  <ザマ見ロィ、人間はね、理屈ナンかじゃ動かネエンだよ><オウ? 手前、差し詰めインテリだな>
 
 第1作が公開された1969年は東大安田講堂攻防戦があった学生運動の年。山田監督も新宿駅で学生の演説を聞いたと云う。「でも体から出て来た言葉じゃ無いのね。頭の中だけで構築された理論で世の中が変わるだろうか、人間を変えて行けるんだろうか?」 そんな思いを寅さんのセリフに込めたそうである。

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 名優・志村喬さんがさくらの夫・博の父親を演じ、シミジミと呟いた言葉も忘れられ無い。1971年の第8作「寅次郎恋歌」だ。

 <庭一面に咲いたリンドウの花、アカアカと灯りの点いた茶の間、賑やかに食事をする家族達、それが本当の人間の生活ってもんじゃないか>

 この年、マクドナルド1号店が銀座に登場し、カップヌードルも発売された。食卓の風景が変わり始める。このママ走り続けて行って好いのかと云う不安が日本人の胸の中に頭を擡(もた)げつつあった時代である。そう云う心の隙間に、寅さんは座を占めて行ったのではないか。

 今回「男はつらいよ」が50周年を迎えるに辺り、記者は全国のロケ地を訪ね、朝日新聞で連載記事を書いて居る。北海道が舞台と為った第38作「知床慕情」1987年三船敏郎さんが演じる獣医師は、牛や馬を人間の仲間として扱って来た「農民の心」に付いて語って居た。それが「経済動物」に為って仕舞、乳量が落ちたら直ぐ処分されてしまう現状に怒りをブツケて居た。
 「役に立たん人間は切って捨てろと云う事だぞ」と獣医。寅さんも「生産性が無いから」と見捨てられるのだろうか。

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 松坂慶子さんがマドンナと為った第27作「浪花の恋の寅次郎」1981年の舞台、大阪の下町も寅さんが「元気かい?」と言ってヒョッコリ顔を出しそうな街である。
 今も大衆演劇専門の劇場や成人映画専門の映画館「生ビール又はチューハイ、ゆで卵と塩昆布付きで350円」と看板を掲げた立ち飲み屋がある。朝6時から営業して居る銭湯、1杯170円の立ち食いウドン屋もある。

 前段で挙げた「スカブラ」で思い出したのだが、何かあれば苦情が寄せられ、ネット上でバッシングされる世の中。異質な存在や寅さんの様な或種の「はみ出し者」を排除する「不寛容社会」の空気は、露天商の世界にも広がって居る。
 蛇女やタコ娘等オドロオドロシイ絵看板を掲げた見世物(みせもの)小屋も姿を消した。 「怪しさや怖さが少なく為り、見世物の魅力が薄れた」と興行関係者は不満をブツケル。

 お好み焼き、クレープ、フランクフルト・・・露店も飲食物を扱う店が大半。昔はお祭りに行くと一寸怖いお兄さんが居た。口八丁手八丁でインチキ臭そうな品物を売り捌く人も居て楽しかった。そんな時代が懐かしい。
 それにしても1996年8月4日、渥美さんが転移性肺がんの為68歳でこの世を去った時、映画「男はつらいよ」シリーズは幕を閉じた、とファンの多くは思って居た。御前様を演じた笠智衆さん、印刷工場のタコ社長役の太宰久雄さん、おいちゃん役の森川信さん、松村達雄さん、下條正巳さん、おばちゃん役の三崎千恵子さんも鬼籍に入った。








 御前様の娘役で初代マドンナを務めた光本幸子さん、寅さんのテキヤ仲間・ポンシュウ役で、渥美さんの無二の親友だった関敬六さんも他界して居る。関係者によると「『男はつらいよ』を蘇らせる事は出来ないか」と山田監督がポツリと呟いたのは、映画「母と暮せば」公開直後の2015年暮れである。
 だが、その後の経緯に付いてこの場で詳しく書く事は止そう。何より紙幅が足り無い。只、四半世紀以上に渉って築き上げて来た監督とスタッフ、キャストとの厚い信頼関係が無ければ実現し無い企画だった事は申し上げて置きたい。

 山田洋次監督「寅さんの死に方は見事だった」と語る

 山田洋次(やまだ・ようじ)1931年生まれ 映画監督・脚本家 渥美清さん主演の「男はつらいよ」シリーズは全48作の大ヒットとなった 他の代表作として「家族」「故郷」「幸福の黄色いハンカチ」など 今年監督53年目を迎える (2013.3.24現在 )
 帯津良一(おびつ・りょういち)1936年生まれ 帯津三敬病院名誉院長 西洋医学だけで無く様々な療法でがんに立ち向かい 人間を丸毎捉えるホリスティック医学を提唱 『達者でポックリ。』等多数の著書がある


 山田監督の監督生活50周年を記念した作品「東京家族」はロングラン上映中。直木賞を受賞した中島京子さんのベストセラー小説を映画化する最新作「小さなおうち」は2014年1月に全国の劇場で公開される予定です。渥美清さん主演の「寅さんシリーズ」で監督を務めた山田洋次さん(81)は、渥美さんの死に方に感動を覚えたと云う。がん診療と共に、養生にも造詣が深い帯津良一医師(77)との対談で次の様に話した。

 帯津医師(以下帯)渥美さんご自身はC型肝炎があって、最後は肝臓がんが肺に転移して亡く為ったんですよね。
 山田さん(以下山)エエ。アノ人は腹が据わって居ましたね。亡く為った後で聞いたんですが、奥さんと子供さん2人に夜「お父さんの人生は寅さんの仕事を後2、3回遣ってお仕舞だよ」と、チャンと話して居たそうです。
 「でもこれは誰にも言っちゃいけ無い。親戚にも。俺が息を引き取る迄一切言うな」と。実際にご家族もそれを守られた。
  覚悟が出来て居たんですね。「死ぬ時は野垂れ死にが好い」とも言って居られましたね。役者として人知れず死ぬんだと。で、倒れて居る処を見付けた人が「アレ、この人役者じゃないか」

  ソウソウ「近頃、渥美はどうしたんだい、顔見ないね」「アレは死んだよ」って云うのが理想だった。死んだ後に人に負担を掛けたり、大騒ぎされたりするのはイヤ。現役で仕事をして居るんだからマスコミが騒ぎ立てるだろうけど「兎も角、骨に為って家に帰って来る迄一切、誰にも言うな。後は山田監督に連絡して任せ為さい」そう家族3人に言ったそうです。
  奥さん、その通りに為すったんですね。
  そうです。奥さんから電話が掛かって来て「昨日、主人が亡く為りました」ビックリして腰が抜けそうでした。病気のことは知っては居ましたけど・・・見事な死に方ですね。



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 完成した山田洋次監督の胸像の前でツーショットに納まる小泉信一記者 東京・柴又 2014年11月撮

           ※週刊朝日 2013年3月29日号      以上






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