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2018年07月27日

ガダルカナル撤退 もう一つの手記 その6


 その6

 16.全滅

 (一)
 
 1月13日の早朝から異常に烈しい砲声や銃声が戦野を轟かした。大隊長は各隊の命令受領者を集め、各隊の戦況を至急報告せよとの命令を下した。私は早速、一二中隊の三小隊が居る中拠点へ急いだ。途中大きな樹木が無残にも砲撃の為、アチラコチラに倒れ歩き難くして居た。倒木を潜ったり跨いだりして、漸やく草原地帯の台上に出た。中拠点はこの台の下だ。

 この道は殆んど毎日通って居る道であるが、樹木が無数に倒れて居て通行を困難にして居るので大変時間が掛かる。通常30分位のコースであるがこの日は1時間以上も掛かって中拠点に達した。
 この中拠点の指揮者はK曹長だ。公正な人で、尊敬出来る一人だ。既に2ケ月以上の壕の生活は彼を脚気にして居た。辛うじて歩行出来る状態であった。隊員は20名位生存して居た。A軍曹も居た。S一等兵も居た。同年兵のK伍長も居た。N兵長も居た。皆元気な様子であったがF伍長はやや頭が変であった。

 早速早朝からの様子を聞くと「烈しい銃声はしたが小隊には異常が無い。一中隊の方が危ない」との事であった。「中隊の拠点へ行けるか」と尋ねると「この状況では一中隊が危ない。その左翼の一二中隊へはとても昼間は行けまい」と。 
 同行して来た一中隊の命令受領者は拳銃を手に、鉄帽を確り被り直し「是非中隊の拠点へ行く」と云って出掛けて行ったが、間も無く真青の顔をして飛帰って来た。「とても中隊の位置まで行けぬ、敵が中隊拠点に雪崩れ込んで居る。一二中隊拠点迄はとても行けまい。俺は夜に為るのを待って様子を見に行く」と。

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 私は一二中隊の拠点に行く事を断念した。そして中拠点で暫し雑談して居ると、午前9時頃敵は又も烈しく射ち始めた。中拠点は大隊本部に最も近接して居るのでこの状況を報告すべく飛んで戻った。大隊長に本未明からの敵の攻撃は異常な位烈しい事。中拠点は異常無かったが、一中隊はかなり危険である事。一二中隊の状況は一中隊拠点が散中に為って居るので行け無い旨を報告した。  
 大隊本部は極度な緊張に包まれた。一線が突破される危険が迫って来たのだ。私が中拠点より戻った時が三小隊の最後であった。その夜小隊長以下全員敵に突入してその儘消息を絶ってしまった。K伍長も傷着き、草原まで辿り着いた時N兵長と共に敵弾を受け、折り重るように倒れ絶命した。
 
 確か2・3日経ってからUとIがフラフラと戻って来た。状況を尋ねても恐怖と戦慄に口も聞け無いのか、K伍長の戦死を伝えたのみで三小隊がどう為ったか語ら無かった。その内2人とも日為らずして死んでしまった。
 UとIが戻ってから2日位置いてA軍曹とS一等兵が帰って来た。彼等も多くを語ら無い。小隊長は敵陣へ突入して行ったので、これに従って行ったが途中夜間の事でもあり見失ってしまい、自分達は二師団の居た海岸道を迂回して戻ったと云う事である。

 しかし妙な話である。中拠点より左に一中隊・一二中隊・第二師団と為って居たのであり、一中隊が全滅して敵兵が侵入して居たので、この地点を経て海岸道へ出る事は不可能である。恐らくジャングルを迂回して海岸道へ出たものの如くであるが、その真相を語ら無いので中拠点全滅の模様は明確では無い。合計4名のみが生還した事だけは確かである。  
 一方、一中隊の命令受領者とは夜に為ってから中隊拠点に行くと言って中拠点で別れたのだが、その彼はどう為ったのか。その夜、中拠点は全滅してしまったがその隙に彼は一中隊拠点に行ったものらしい。2・3日経って戻った彼の伝える処によると、中隊長以下枕を並べて全員壮烈なる戦死をして居たとの事であった。これで一中隊が全滅した事が判明した。そこで左翼陣地で残るのは一二中隊拠点の状況である。

  

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   (二)  

 中隊拠点の正面も、1月13・14日の両日烈しく敵弾に見舞われ、この両日だけでも30名以上が戦死したのだ。敵はガス弾を射ち込み、防毒面を着けても吸収罐(缶)が砲撃の為に遣られて居るのでその効果無くそのままガスを吸って死んだ者もあり、或いは火炎放射器で焼かれ真黒焼けで死んだ者もあり、壕の上から手擲弾を投げられて死んだ者もあり、非力な日本軍を完膚無き迄に叩いたのだ。
 
 中隊拠点の指揮官はK中尉とK見習士官である。この時の中隊兵力は凡そ40名位であろう。この両日で殆んど全滅してしまったが、指揮官がもっと明確な指揮をして居れば戦死者の数をもっと少くして居たかも知れない。
 13日の烈しい攻撃に中隊は危殆に瀕した。両将校は退却すべきかどうかを議論した。「命令が無いのに退却は出来ぬ」「嫌戦況の判断は一線指揮官がすれば好い」と論争は平行線を辿り、その日はその儘死守する事に為った。

 

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 翌日又同じ論争を繰返す事に為った。前日と意見が入れ替っての論争である。こうして居る中にも戦死者の数は増えて行く。13日に退却を断行して居たら半数の戦死者で済んで居たかも知れぬ。結局15日の夜に入ってから、第二師団の方へ移動して逃げ帰ったのだ。既に遅い、その時は中隊兵力は7名に激減してしまって居たのだ。  
 躊躇(ちゅうちょ)逡巡(しゅんじゅん)は指揮官の最も戒むべき処である。これは作戦行動の鉄則である。ここに至っては一つの拠点の成否は問題では無い。既に第一線は敵の巨大な攻撃の前にズタズタに切り裂かれて居たのだ。

 戦況の判断と行動の果断は指揮官の最も必要とされる資質である。ここに指揮官の良否が問題とされる。どうにも為ら無かったと云う言葉は受取り難い。どうにも為ら無かったのでは無くどうもし無かったのだ。我々人間の行動には最善の道は在り得無い唯最善を尽くすだけだ。戦場の愚論が多数の戦死者を出した事だけは確かである。

 

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 第一線は敵の鉄蹄に蹂躙された。各部隊は潰滅的打撃を受けた。1月15日を境いにガ島戦は大きく模様を替えた。撤退の序曲がそこにあった。
 後で聞く処によると、大本営の撤退命令が現地の第一七軍司令部に届いたのが1月15日、翌16日第二八師団に伝達され、この命令が傘下の部隊へ伝えられたのはその翌17日頃である。我々の所へは18日の夕方撤退の命令が伝えられた。
 
 撤退の命令を受取って居ない部隊もある。右翼の第二大隊だ。アウステン山(高さ1500米)の中腹に居た部隊だ。既に連絡は不可能であったらしい。この部隊は全員帰還し無かった。この部隊の二機隊長は過って一二中隊長であったS大尉である。立派な武人であった。恐らく縦容として死に着いたものと思われる。

 

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 17.後衛尖兵

 (一)
 
 1月17日夕方、大隊本部に集結した中隊兵力は総数15名であった。この中には傷ついた者もおり、病に冒されている者もいる。114名上陸した中隊兵力は約1割に減って居た。どの部隊も同じだ。  
 大隊長は我が中隊に後衛尖兵を命じた。今迄最後の線を守って居た三機の中隊と交替させられたのだ。又1粁(キロメートル)敵方に前進した。草原のある所だ。3日頑張れと150瓦(グラム)(3日分として)の現品を配給された。
 冗談じゃ無い。通常の時の1食分にも当たら無い。3日も頑張れる訳が無い。配属中隊の情け無さで、この戦況で更に前線へ戻って頑張れと云うのだ。死ねと云うのと同じだ。我々が抵抗して居る間に退却の時が稼げると云う寸法だ。

 案の定、我々が前進するのと時を同じくして部隊は撤退して居たのだ。この時、大隊長は撤退の命令が届いて居たのであろうが我々には一口も云わず、翌18日夕に為って初めて撤退の命令を伝達して来たのだ。その時の大隊の位置は優に1日行程の後方に居たのだ。ともあれ17日の真夜中三機と交替して後衛尖兵の任務に就いたのである。
 翌朝、事も無く夜が明け、戦場は嫌に静かであった。友軍は辺りに居ないので却って気が楽に為り、日光浴と体操を楽しむ事にした。久振りに裸体と為り、身体一杯太陽を浴びた。ジャングルの谷間のジメジメした所とは違い気分爽快だ。これで弾が来なければ申し分無し。昼少し前、敵の4・5名の来襲があった。

 

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 只でさえ逃腰に為って居る兵隊は逸早く山から逃げ下りた。「馬鹿、早く上って来い、それで任務が勤まるか」と叱声されて、又トボトボと上って来る悄然たる姿は見る影も無く哀れである。この時唯一の火器である擲弾筒を敵に奪われてしまった。兵器は後小銃のみである。このショックで彼等は飯が喉を通らず結局150瓦の食糧を口にしなかった。  
 午後2時頃、敵はドンドン我が位置より後方に侵入し始め退路を完全に遮断されてしまった。昼間煙を出したのを敵に発見されたものか、1時間近くに亘って榴散弾のお見舞を受けた。もう5米(メートル)も近く弾道を画いて居たら我々は蜂の巣に為って居たであろう。赤、青、桃の奇麗な曳光弾が矢の如く流れて行く。生きた心地がしなかったが、死が迫って居ると云う緊迫感は感じられ無かった。

 もうどうでも為れと云う感じが強く、案外冷静に為って居たものだ。150瓦の米でも1食で喰べれば相当腹持ちが好い。もう食糧は無い。弾丸も残り少無い。鉄帽も重いので捨てる事にした。防毒面も役に立た無い。
飯盒と水筒を雑嚢(ざつのう)に入れ、何時でも移動し得る身軽さだ。夜に入るのを待って逃出すに限る。日のある中に脱出路を見つけ出して置こうとU上等兵に脱出路を捜させて置いた。
 
 夕方4時頃U上等兵が帰って来た。脱出路はあるが草原上を敵が動哨して居るので、夜コッソリ逃げ出すより仕方が無いと云うのだ。暗く為るまでジリジリと時の経つのを待って居た。余り好い気持では無い。
 夜も暗く為った頃撤退の伝令が到着した。早速撤退に移った。辺りは暗いが音は聞こえる。音を出す事は厳禁だ。草原上に達した。午後8時頃であろうか。折り柄月が上って来た。運の悪い時に月が上って来たものだ。草原は一面に月の光で明るく為る。そこを敵の動哨が行ったり来たりする。時々銃剣がキラリと夜空に光る。マイクが仕掛けてあるので音だけは出せ無い。草原には2尺(約60cm)以上の草が生えて居るので、匍匐(ほふく)前進すれば姿を見られ無いで済む。

  

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 月光は淡く霞んで居るので、鳥目の敵には見つから無いであろう。草の穂先が揺れても風位にしか感じ無いであろう。先づ私が匍匐をし始めた。第四匍匐と云う奴だ。尺取虫とも云う。台上を越して向い側のジャングル迄は最も狭い所で50米はある。これを横断するには15分は掛かる。
 結局この様に尺取虫をして全員が台上を通過したのは午後12時近くに為ったと思う。元の大隊本部の位置迄辿り着くと、本部附近には一兵も居ない。折り柄豪雨が沛然(はいぜん)と降り出し、全身ズブ濡れと為り、一時難を避けて洞窟に入った。今まで大隊長の居た所だ。安全な処だ。しかし段々と増水して来る為に川底の水嵩は増して行く。川底の歩行は不可能と為り雨の止むのを待った。
 
 雨が小降りと為り、川の水が引き始めたので行動を開始する事に為った。歩くのは川底で歩き難く、ジャングルの真夜中である為歩足は遅々として進まず、早く夜明け迄に敵の射程距離を脱け出さ無いと遣られる恐れがある。
 1日4粁の速度であるから、凡そその進み方が如何に遅いか判ると云うものだ。川中の岩に躊んで居る者がいる。ギョッとした。もう誰も居るまいと思って居たからだ。中隊主力は30分以上も前に通過した筈だし、私はその最後を歩いて居たからだ。

 「誰だ」と声を掛けると「十二中隊のKだ」と云う。好く見るとK一等兵だ。サテは全滅の中隊拠点より脱出に成功してここ迄来たのだと判った。しかしもう精根尽きたのか、ここで坐ったまま動け無く為ったらしい。
 青い胃液らしいものを吐いて居た。最後の前触れだ。「これを内地に帰ったら妹に渡して呉れ」とポケットからお守りみたいなものを取出した。「俺も生きて帰れるかどうか判らぬ。しかし若し運好く生還出来たら必らず届けて遣るから安心せよ」と言って遣ったら、安心したのか「水を呉れ」と云う。「水を遣っても好いが泥水だ」と云うと「それでも好い」と言って一口飲んだと思う。
 末期の泥水だ。それでは行くぞと別れたのが最後だ。もう気力だけで支えて居たのだから時を出でずして絶命した事であろう。彼から預ったものが何であったかは忘れたが、写真みたいのものであったと記憶して居る。しかしそれも撤退の時、海中に捨ててしまった。外の一切のものと共に。

 つづく

 

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