http://www.art-meter.com/works/?ID=AW120846
さてさて、この作品は
線引きの後、着色するまでの期間が
非常に長かったものの一つだ。
ほぼ、一年強何も手を付けられなかった。
それより何も浮かび上がってこなかった。
それが非常に苦しかった。
線引きの段階で
「だめだ何も浮かんでこない。失敗だこれ。」
と感じていたものだった。
そのころ作品「魚の記憶」を手掛けていて
これは早い段階で着色がすすんでいた。
しかし、この着色のおかげで、
今回の作品にも大きな影響を与えた。
最初は目だ、これが影響した。
そして、対象が魚までみえてきたが、
そこで手が止まった。手が止まると、
襲い掛かる一言、
「何のために描いているの。」
描く意味が分からなくなってくる。
後頭部をいきなり殴られる恐怖。
何か社会に訴えるとか、
そんなんじゃないでしょ。
自己満足でしょ。
後ろからささやかれる。
「たいしたことしてないのに偉そうなこと言うな。」
何かパッと頭の中で開くんだ。
ポップコーンのようにポンと弾ける感じ。
ああ、これか。
なるほどな。
そう思うと試したくなる。
そして、ほお、と頷く。
物理の思考実験を
実際の実験へと移行するときの
ワクワク感に似ているのかもしれない。
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