http://www.art-meter.com/works/?ID=AW120846
着色は対話の時間だ。
外からのノイズがない夜の深夜がいい。
紙面を色鉛筆が擦る音まで克明に聞こえる
深夜がよい。
深夜に描くメリットのもう一つは
塗っていても向こうの世界と
つながりやすいことかもしれない。
魚の、のところは何とか構想は立てたが
結局のところ何も浮上してこない。
この時期は同時期に複数の作品を手掛けていたので、
4〜5年描いたり描かなかったり
煮詰まっていた作品で相当距離をおいていた。
その間、日常生活では、
転職したりして生活習慣も仕事に対する意識も変わった。
当時の意識そのものが変わってしまったようだ。
もっと楽に生きたい。
そう思うようになった。
当時は仕事で精一杯で休みは体を休めるだけ。
何もやりたくなかった。
そんな状態で絵など描けなかった。
そうして、年月が空いた。
作品は結果だけ見ると、
ああ、そこに青色が塗ってあるな。
それでおしまい。
しかし、そこを青で塗るってことを決めるに
これだけ時間がかかったといえるものがない。
魚は決まった、しかし、どう描こうか。
向きカタチ、何も浮かび上がってこない。
そこから更に何もしない時間が一年。
そうして、もう一年。そうして、もう一年。
他の作品も並行して制作していくことで
作品制作の刺激に繋がる。
そこからかなり直観的に魚の形状が浮かび出し
面白い構図となった。
私の作品は余白が多いが
作品の中にどのように余白をちりばめるか、
これも意外と意識すると難儀だ。
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