2020年11月03日
【車の万能感】ハンドルを握ると、その人の本性が出る。車の力を借りて、不安と無力感を隠している。
ハンドルを握ると、性格が変わるわけじゃない。
ハンドルを握ると、その人の本性が出る。
ハンドルを握ると、
車という、巨大な力を思いのままに操れる。
鉄の装甲に、身の安全と匿名性を守られる。
だから、車の力を”自分の力”と錯覚できる。
だけど、そういう人は、
本当は不安と無力感でいっぱいなのかも知れない。
きっと、車という”鉄の棺桶”の力を借りて、
必死にこう叫んでいる。
「自分は強い、強いはずなんだ。」
ー目次ー
「スタンフォード監獄実験」
特定の閉鎖的な環境で、
人がどう振る舞うかを観察した実験がある。
一般公募で選ばれた人たちを看守役と囚人役に分け、
看守服、囚人服をそれぞれ着てもらう。
そして、外部からの検査や監視のない、
疑似的な監獄で過ごしてもらう。
すると数日後、
看守役は囚人役に対してみるみる傲慢になり、
暴言・暴力までエスカレートする。
逆に囚人役はどんどん弱気になり、
看守役への恐怖とストレスから、
鬱病になりかける者まで現れる。
この実験からわかることは、人間は
強いものを身にまとうと強気になる
閉鎖空間ではためらいなく本性を出す
ということだ。
自分がどうやっても出せない大きな力を、
車は簡単に出せる。
運転席に座ってアクセルを踏み込むだけで、
100キロのスピードが出せる。
自分の足で走って出した100キロではない。
にもかかわらず、車の中にいることで
「100キロも出せる自分の力はすごい」と錯覚する。
まるで、
本物の看守ではないのに、
看守服を着ているだけで傲慢になった彼らのように。
外から見ても、
車に誰が乗っているかはすぐにはわからない。
車という鉄の装甲と、閉鎖的な空間によって、
身の安全と匿名性が守られる。
「荒いことをしてもバレないだろう」
ネット上での誹謗中傷しかり、
自分を特定されない空間では攻撃性が剝き出しになる。
まるで、
本物の監獄ではないのに、
監視の目がないことで暴力的になった彼らのように。
車の力を借りて、強気にハンドルを回す人。
全員がそうとは思わないけど、
彼らはきっと自分の無力感を必死で隠している。
本当に自分に自信があり、心に余裕がある人は、
わざわざ車の力を借りる必要がない。
「こんな巨大な力を自在に操れる自分はすごいんだぞ」
そうやって、自分の強さをアピールする必要もない。
そのままでいる。
本当は自分に自信がない、
本当は弱さと無力感から不安でいっぱい。
だけど、それがバレたらバカにされる。
なめられたくない、負けを認めたくない。
だから、人間が出せる以上の力にすがりつく。
鉄の棺桶に、不安や無力感を閉じ込める。
そして、必死にこう叫ぶ。
「自分は強い。強いはずなんだ。
強いと思い込ませてくれ。
車の力にすがっていないと、
不安に押しつぶされてしまいそうなんだ!」
巨大な力は、人間から理性を奪う。
巨大な力に、自分の心を守ってもらう。
すっかり身近になった車は、
人の眠れる攻撃性を簡単に呼び覚ます。
しかし、車は皮肉にも、
本当は不安に怯える人の心を守りもする。
力を手に入れても、穏やかでいられるか。
力にすがりつこうとする自分は、何に怯えているのか。
簡単に力が手に入る時代だからこそ、
力に依存しないよう気をつけることが大切。
ハンドルを握ると、その人の本性が出る。
ハンドルを握ると、
車という、巨大な力を思いのままに操れる。
鉄の装甲に、身の安全と匿名性を守られる。
だから、車の力を”自分の力”と錯覚できる。
だけど、そういう人は、
本当は不安と無力感でいっぱいなのかも知れない。
きっと、車という”鉄の棺桶”の力を借りて、
必死にこう叫んでいる。
「自分は強い、強いはずなんだ。」
ー目次ー
- 人は、強いものを身にまとうと強気になる
- 自分の力と錯覚する、”車が出した時速100キロ”
- 鉄の装甲で守られた、”身の安全”と”匿名性”
- 鉄の棺桶に閉じ込められた、”不安と無力感”
- 力にすがりつく自分は、”何かに怯えている”
1.人は、強いものを身にまとうと強気になる
「スタンフォード監獄実験」
特定の閉鎖的な環境で、
人がどう振る舞うかを観察した実験がある。
一般公募で選ばれた人たちを看守役と囚人役に分け、
看守服、囚人服をそれぞれ着てもらう。
そして、外部からの検査や監視のない、
疑似的な監獄で過ごしてもらう。
すると数日後、
看守役は囚人役に対してみるみる傲慢になり、
暴言・暴力までエスカレートする。
逆に囚人役はどんどん弱気になり、
看守役への恐怖とストレスから、
鬱病になりかける者まで現れる。
この実験からわかることは、人間は
強いものを身にまとうと強気になる
閉鎖空間ではためらいなく本性を出す
ということだ。
2.自分の力と錯覚する、”車が出した時速100キロ”
自分がどうやっても出せない大きな力を、
車は簡単に出せる。
運転席に座ってアクセルを踏み込むだけで、
100キロのスピードが出せる。
自分の足で走って出した100キロではない。
にもかかわらず、車の中にいることで
「100キロも出せる自分の力はすごい」と錯覚する。
まるで、
本物の看守ではないのに、
看守服を着ているだけで傲慢になった彼らのように。
100キロ超のスピードが出せる鋼鉄製の大きな物体を、
自分のコントロール下に収めているという高揚感が、
あたかも自分が偉くなったかのように錯覚させる。
『いちばんやさしい他人の心理学の本』 より
3.鉄の装甲で守られた、”身の安全”と”匿名性”
外から見ても、
車に誰が乗っているかはすぐにはわからない。
車という鉄の装甲と、閉鎖的な空間によって、
身の安全と匿名性が守られる。
「荒いことをしてもバレないだろう」
ネット上での誹謗中傷しかり、
自分を特定されない空間では攻撃性が剝き出しになる。
まるで、
本物の監獄ではないのに、
監視の目がないことで暴力的になった彼らのように。
車は動く個室であり、緊張状態から解放された
無防備な状態でいることができる。
反撃されることがないからこそ、
言いたい放題ができる。
『いちばんやさしい他人の心理学の本』 より
4.鉄の棺桶に閉じ込められた、”不安と無力感”
車の力を借りて、強気にハンドルを回す人。
全員がそうとは思わないけど、
彼らはきっと自分の無力感を必死で隠している。
本当に自分に自信があり、心に余裕がある人は、
わざわざ車の力を借りる必要がない。
「こんな巨大な力を自在に操れる自分はすごいんだぞ」
そうやって、自分の強さをアピールする必要もない。
そのままでいる。
本当は自分に自信がない、
本当は弱さと無力感から不安でいっぱい。
だけど、それがバレたらバカにされる。
なめられたくない、負けを認めたくない。
だから、人間が出せる以上の力にすがりつく。
鉄の棺桶に、不安や無力感を閉じ込める。
そして、必死にこう叫ぶ。
「自分は強い。強いはずなんだ。
強いと思い込ませてくれ。
車の力にすがっていないと、
不安に押しつぶされてしまいそうなんだ!」
5.力にすがりつく自分は、”何かに怯えている”
巨大な力は、人間から理性を奪う。
巨大な力に、自分の心を守ってもらう。
すっかり身近になった車は、
人の眠れる攻撃性を簡単に呼び覚ます。
しかし、車は皮肉にも、
本当は不安に怯える人の心を守りもする。
力を手に入れても、穏やかでいられるか。
力にすがりつこうとする自分は、何に怯えているのか。
簡単に力が手に入る時代だからこそ、
力に依存しないよう気をつけることが大切。
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