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2019年12月22日

歯医者とピンセット。

※生々しい描写注意


高校1年の初秋。

二学期の期末テスト前で部活はお休み。

家に帰りたくなかった僕は放課後、
教室に1人残ってテスト勉強をしていた。



窓の外はすっかり暗くなり、
陽が落ちるのが早くなったなと思いながら
誰もいない教室を見渡したその時。

左下の奥歯にすさまじい痛みが走った。

空気を入れ過ぎた風船が破裂するように、
抑えられていた痛みが一気に襲い掛かってきた。



小さい頃から虫歯は適度にあり、
歯医者通いに抵抗はなかったものの、
高校に入ってしばらく歯医者とはご無沙汰。

なんとなく、水がしみるかなと思っても、
まぁ、大丈夫だろうと完全に油断していた。



あまりの痛さに、
これはテスト勉強どころじゃないと悟り下校。

自転車を飛ばし、ご無沙汰だった歯科へ駆け込んだ。

自転車のタイヤが道路のくぼみで跳ね上がるたび、
その衝撃はすべて奥歯に響き、涙目で視界がぼやけた。



痛がり方と、全体的な様子のおかしさから、
まるで緊急手術のような重火器が並べられた。

それまで経験のなかった麻酔を始めて歯茎に打たれ、
その痛みでまた涙目が加速。必死に意識を保った。

歯科医が慎重に患部を削る。

そして、見てはいけないものを見た時に特有の、
不自然な「うわぁ…」という声が漏れる。



麻酔が効き始め、脳天を貫くような歯の痛みを
ようやく感じなくなっていた僕の口から
歯科医がピンセットで何かを取り出した。

例えるなら、雨の日のグラウンドの土、
そんな泥色の、でろっとした物体をつまみ上げていた。



「これ何だと思います?」

いえ…。

「腐った歯の神経です。
よくこんなになるまで我慢してましたね。」

そう。この日の突然の激痛は
奥歯の神経が腐ってしまったことによる炎症。

水がしみる期間が続いた後、テスト期間に入って数日は
痛みがぴたっと止んでいた。

それは嵐の前の静けさだった。



腐った神経を完全に除去し、
患部の洗浄と薬を埋め込む治療に数週間。

周りの歯への影響がなくなるまで落ち着いてから
詰め物の型取りなどで数週間。

全治2ヵ月。

幸いにも隣の歯や骨への
感染拡大はなかったが、

もう少し放置していたら
けっこう危なかったらしい。

歯の痛み自体はその日で終わり、
期末テストを無事に乗り切ることができた。



あまりにも当たり前過ぎる教訓。

「歯の痛み、気づかないフリは止めましょう」

人間は痛い目を見なければ
変わることは難しいという、まさに典型例。

この時から、現在に至るまで
虫歯には定期的に見舞われているものの、

腐った歯の神経をピンセットでつままれたのは
16歳の期末テスト前が最初で最後。



歯医者、早めに行きましょう。
タグ:生きる
posted by 理琉(ワタル) at 02:20 | TrackBack(0) | 生き方

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自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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