2022年07月11日
【同一視の心理】強い国家≠強い自分。
ー目次ー
政治の話題にふれたり、街頭演説を耳にしたりすると、
最近はこういう声が目立つように感じる。
「日本は国防軍を持つべき」
「反撃できる力を持つべき」
それも一意見だが、中には
「敵国をつぶせ」といわんばかりの過激な声もある。
そこまで喧嘩腰にならなくてもいいのでは、と
気圧されてしまう。
・他国に強硬的な姿勢を取る
・力や強さを誇示する
僕はそういうものを見るたび、疑問に思う。
「彼らは実際に戦争になったら戦地へ行くんだろうか?」
おそらく、自ら前線で銃を握る人は少ないと思う。
自分が参加した方が、勝利の当事者意識が強まるにもかかわらず。
では、なぜ自分が参加するわけでもないのに、
そこまで攻撃的になるのか。
その背景には
「自ら動いて強さを証明したい」
「勝利をつかみ取りたい」
という実利ではなく
「”何か強いもの=自分”と思いたい心理」が見える。
人は弱い生き物だから、心の拠りどころが必要だ。
自分が自分である意味、存在する意味。
自信をなくしても、自分にはこれがあると思えるもの。
ここではそれを「アイデンティティ」と呼ぶことにする。
自分の心を守るには、
「自分次第で変えられるアイデンティティ」を
複数持っておくことが必要だと思う。
仕事でも趣味でも、何でもいい。
複数あれば、1つが揺らいでも、
残りのどれかを拠りどころにして踏ん張れる。
逆に、アイデンティティの大部分を
「自分1人では変えられないもの」が占めている状態は危険。
それが揺らいでも自力では回復できないし、
回復できないことによって無力感も大きくなるから。
強い国家や軍隊を熱狂的に推す
他国の脅威や外国人への配慮に怒る
という人は、
自分のアイデンティティの大半が
「国や軍隊の強さ=自分の強さ」で占められている
のではないかと思う。
日常生活でたとえるなら、
・推しのアイドルが人気
=そのアイドルの良さを知っている自分はすごい
・好きなスポーツチームが活躍する
=そのチームのファンである自分は強い
という心理状態ではないだろうか。
キラキラしたものと自分を同一視すれば、
「本当は強くもなく、すごくもない自分から目をそらしていられる」から。
国家やアイドルを
自分のアイデンティティにすること自体は問題ない。
が、それらがアイデンティティの
大半を占めている状態は危ない。
国力やアイドルの人気は、
自分だけではコントロールできないからだ。
自国が不景気になったり、好きなアイドルが叩かれたりすると、
それに合わせて自分のアイデンティティも乱高下する。
しかも自分では回復できないため、より大きな無力感に襲われる。
さらに、国籍取得や帰化をしていない限り、
「その国の民であること」は
自力でつかみ取ったものではない。
心からの自信につながるのは、
自分が苦しんで成し遂げたことと、
偶然その時代、その地域に生まれたことのどちらだろうか。
自国のネガティブなニュースが増えることも
推しのアイドルの人気が落ちることもある。
そんなとき、必要以上に攻撃的になる人は、
「自分が傷つけられた」と叫んでいるように思う。
あまりにも
「強い国=自分」「人気アイドル=自分」が強いため、
それが傷つくことは自分自身が傷つくことと同じになる。
そのときに、
「まぁいいや、ゲームに打ち込むか」
「スポーツして忘れよう」
という、”別のアイデンティティへの避難”ができなければ、
何とかして自分を守ろうと「戦うか逃げるか」モードになる。
だが他のアイデンティティがないので戦う一択になる。
彼らの攻撃性は、そんな「常に背水の陣」ゆえではないだろうか。
「強くありたい」
「力を誇示したい」
「認めてもらいたい」
それは大切な欲だと思う。
欲があるから人間は成長できる。
ただ、僕はそれと同じくらい
「人間は弱い生き物だと認める風潮」も広まればいいのにと思う。
頼れる人、打ち込めるもの、逃げ込める場所がない。
たったそれだけで、人の心は簡単に壊れる。
アイデンティティの崩壊を防ごうとして攻撃性が高まる。
「強さこそ正義」
「お金こそ力」
世界が”強さ信奉”へ向かう限り、
最強国以外の”弱い国”は増えていく。
そのときに「弱い国=弱い自分」とならないよう、
自分次第で変えられるアイデンティティを
複数持っておくことが大切だと思う。
打ち込めるものを増やしておこう。
オーディオブック配信サービス - audiobook.jp
- 戦争には行かないが”強い国=自分”と思いたい心理
- 国家が強い≠自分が強い
- ”偶然その国に生まれたこと”は自信につながるか
- 攻撃性は”自分が傷つけられた”という悲鳴
- ”人間は弱い生き物”と認める風潮が広まってほしい
1.戦争には行かないが”強い国=自分”と思いたい心理
政治の話題にふれたり、街頭演説を耳にしたりすると、
最近はこういう声が目立つように感じる。
「日本は国防軍を持つべき」
「反撃できる力を持つべき」
それも一意見だが、中には
「敵国をつぶせ」といわんばかりの過激な声もある。
そこまで喧嘩腰にならなくてもいいのでは、と
気圧されてしまう。
・他国に強硬的な姿勢を取る
・力や強さを誇示する
僕はそういうものを見るたび、疑問に思う。
「彼らは実際に戦争になったら戦地へ行くんだろうか?」
おそらく、自ら前線で銃を握る人は少ないと思う。
自分が参加した方が、勝利の当事者意識が強まるにもかかわらず。
では、なぜ自分が参加するわけでもないのに、
そこまで攻撃的になるのか。
その背景には
「自ら動いて強さを証明したい」
「勝利をつかみ取りたい」
という実利ではなく
「”何か強いもの=自分”と思いたい心理」が見える。
2.国家が強い≠自分が強い
人は弱い生き物だから、心の拠りどころが必要だ。
自分が自分である意味、存在する意味。
自信をなくしても、自分にはこれがあると思えるもの。
ここではそれを「アイデンティティ」と呼ぶことにする。
自分の心を守るには、
「自分次第で変えられるアイデンティティ」を
複数持っておくことが必要だと思う。
仕事でも趣味でも、何でもいい。
複数あれば、1つが揺らいでも、
残りのどれかを拠りどころにして踏ん張れる。
逆に、アイデンティティの大部分を
「自分1人では変えられないもの」が占めている状態は危険。
それが揺らいでも自力では回復できないし、
回復できないことによって無力感も大きくなるから。
強い国家や軍隊を熱狂的に推す
他国の脅威や外国人への配慮に怒る
という人は、
自分のアイデンティティの大半が
「国や軍隊の強さ=自分の強さ」で占められている
のではないかと思う。
日常生活でたとえるなら、
・推しのアイドルが人気
=そのアイドルの良さを知っている自分はすごい
・好きなスポーツチームが活躍する
=そのチームのファンである自分は強い
という心理状態ではないだろうか。
キラキラしたものと自分を同一視すれば、
「本当は強くもなく、すごくもない自分から目をそらしていられる」から。
3.”偶然その国に生まれたこと”は自信につながるか
国家やアイドルを
自分のアイデンティティにすること自体は問題ない。
が、それらがアイデンティティの
大半を占めている状態は危ない。
国力やアイドルの人気は、
自分だけではコントロールできないからだ。
自国が不景気になったり、好きなアイドルが叩かれたりすると、
それに合わせて自分のアイデンティティも乱高下する。
しかも自分では回復できないため、より大きな無力感に襲われる。
さらに、国籍取得や帰化をしていない限り、
「その国の民であること」は
自力でつかみ取ったものではない。
心からの自信につながるのは、
自分が苦しんで成し遂げたことと、
偶然その時代、その地域に生まれたことのどちらだろうか。
4.攻撃性は”自分が傷つけられた”という悲鳴
自国のネガティブなニュースが増えることも
推しのアイドルの人気が落ちることもある。
そんなとき、必要以上に攻撃的になる人は、
「自分が傷つけられた」と叫んでいるように思う。
あまりにも
「強い国=自分」「人気アイドル=自分」が強いため、
それが傷つくことは自分自身が傷つくことと同じになる。
そのときに、
「まぁいいや、ゲームに打ち込むか」
「スポーツして忘れよう」
という、”別のアイデンティティへの避難”ができなければ、
何とかして自分を守ろうと「戦うか逃げるか」モードになる。
だが他のアイデンティティがないので戦う一択になる。
彼らの攻撃性は、そんな「常に背水の陣」ゆえではないだろうか。
5.”人間は弱い生き物”と認める風潮が広まってほしい
「強くありたい」
「力を誇示したい」
「認めてもらいたい」
それは大切な欲だと思う。
欲があるから人間は成長できる。
ただ、僕はそれと同じくらい
「人間は弱い生き物だと認める風潮」も広まればいいのにと思う。
頼れる人、打ち込めるもの、逃げ込める場所がない。
たったそれだけで、人の心は簡単に壊れる。
アイデンティティの崩壊を防ごうとして攻撃性が高まる。
「強さこそ正義」
「お金こそ力」
世界が”強さ信奉”へ向かう限り、
最強国以外の”弱い国”は増えていく。
そのときに「弱い国=弱い自分」とならないよう、
自分次第で変えられるアイデンティティを
複数持っておくことが大切だと思う。
やりたかったことやってみよう
失敗も思い出
はじめよう やってみよう
誰でも最初は初心者なんだから
WANIMA『やってみよう』 歌詞より
打ち込めるものを増やしておこう。
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