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2022年07月11日

【同一視の心理】強い国家≠強い自分。

ー目次ー
  1. 戦争には行かないが”強い国=自分”と思いたい心理
  2. 国家が強い≠自分が強い
  3. ”偶然その国に生まれたこと”は自信につながるか
  4. 攻撃性は”自分が傷つけられた”という悲鳴
  5. ”人間は弱い生き物”と認める風潮が広まってほしい

1.戦争には行かないが”強い国=自分”と思いたい心理

政治の話題にふれたり、街頭演説を耳にしたりすると、
最近はこういう声が目立つように感じる。

「日本は国防軍を持つべき」
「反撃できる力を持つべき」

それも一意見だが、中には
「敵国をつぶせ」といわんばかりの過激な声もある。

そこまで喧嘩腰にならなくてもいいのでは、と
気圧されてしまう。



・他国に強硬的な姿勢を取る
・力や強さを誇示する


僕はそういうものを見るたび、疑問に思う。

「彼らは実際に戦争になったら戦地へ行くんだろうか?」

おそらく、自ら前線で銃を握る人は少ないと思う。
自分が参加した方が、勝利の当事者意識が強まるにもかかわらず。



では、なぜ自分が参加するわけでもないのに、
そこまで攻撃的になるのか。

その背景には
「自ら動いて強さを証明したい」
「勝利をつかみ取りたい」
という実利ではなく

「”何か強いもの=自分”と思いたい心理」が見える。

2.国家が強い≠自分が強い

人は弱い生き物だから、心の拠りどころが必要だ。

自分が自分である意味、存在する意味。
自信をなくしても、自分にはこれがあると思えるもの。

ここではそれを「アイデンティティ」と呼ぶことにする。



自分の心を守るには、
「自分次第で変えられるアイデンティティ」を
複数持っておくことが必要だと思う。


仕事でも趣味でも、何でもいい。

複数あれば、1つが揺らいでも、
残りのどれかを拠りどころにして踏ん張れる。

逆に、アイデンティティの大部分を
「自分1人では変えられないもの」が占めている状態は危険。


それが揺らいでも自力では回復できないし、
回復できないことによって無力感も大きくなるから。



 強い国家や軍隊を熱狂的に推す
 他国の脅威や外国人への配慮に怒る

という人は、

 自分のアイデンティティの大半が
 「国や軍隊の強さ=自分の強さ」で占められている


のではないかと思う。

日常生活でたとえるなら、

・推しのアイドルが人気
 =そのアイドルの良さを知っている自分はすごい

・好きなスポーツチームが活躍する
 =そのチームのファンである自分は強い

という心理状態ではないだろうか。

キラキラしたものと自分を同一視すれば、
「本当は強くもなく、すごくもない自分から目をそらしていられる」から。


3.”偶然その国に生まれたこと”は自信につながるか

国家やアイドルを
自分のアイデンティティにすること自体は問題ない。

が、それらがアイデンティティの
大半を占めている状態は危ない。

国力やアイドルの人気は、
自分だけではコントロールできないからだ。

自国が不景気になったり、好きなアイドルが叩かれたりすると、
それに合わせて自分のアイデンティティも乱高下する。


しかも自分では回復できないため、より大きな無力感に襲われる。



さらに、国籍取得や帰化をしていない限り、
「その国の民であること」は
自力でつかみ取ったものではない。


心からの自信につながるのは、
自分が苦しんで成し遂げたことと、
偶然その時代、その地域に生まれたことのどちらだろうか。

4.攻撃性は”自分が傷つけられた”という悲鳴

自国のネガティブなニュースが増えることも
推しのアイドルの人気が落ちることもある。

そんなとき、必要以上に攻撃的になる人は、
「自分が傷つけられた」と叫んでいるように思う。

あまりにも
「強い国=自分」「人気アイドル=自分」が強いため、
それが傷つくことは自分自身が傷つくことと同じになる。

そのときに、

「まぁいいや、ゲームに打ち込むか」
「スポーツして忘れよう」

という、”別のアイデンティティへの避難”ができなければ、
何とかして自分を守ろうと「戦うか逃げるか」モードになる。


だが他のアイデンティティがないので戦う一択になる。
彼らの攻撃性は、そんな「常に背水の陣」ゆえではないだろうか。

5.”人間は弱い生き物”と認める風潮が広まってほしい

「強くありたい」
「力を誇示したい」
「認めてもらいたい」

それは大切な欲だと思う。
欲があるから人間は成長できる。

ただ、僕はそれと同じくらい
「人間は弱い生き物だと認める風潮」も広まればいいのにと思う。

頼れる人、打ち込めるもの、逃げ込める場所がない。
たったそれだけで、人の心は簡単に壊れる。
アイデンティティの崩壊を防ごうとして攻撃性が高まる。



「強さこそ正義」
「お金こそ力」

世界が”強さ信奉”へ向かう限り、
最強国以外の”弱い国”は増えていく。

そのときに「弱い国=弱い自分」とならないよう、
自分次第で変えられるアイデンティティを
複数持っておくことが大切だと思う。


やりたかったことやってみよう
失敗も思い出

はじめよう やってみよう
誰でも最初は初心者なんだから

WANIMA『やってみよう』 歌詞より

打ち込めるものを増やしておこう。








オーディオブック配信サービス - audiobook.jp
posted by 理琉(ワタル) at 19:14 | TrackBack(0) | 生き方

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自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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