小豆洗いの小手先大工猫日記

禊
朝の禊
毎朝起きてゆっくり茶の間の定位置に座る。
白湯が無ければ水をほんの二口分カップに。
先ずほんの一口分口に含み、ゆっくりと嚙めない水を嚙み始める。
幾度か嚙み締めた後にそれこそゆっくりと飲み込む。

これが若い頃近所に住むお年寄りに教えていただいた、命の水を飲む習慣の始まりであった。
それ以来絶やす事のない何十年ンも続いている私の毎朝恒例の行事である。
これなくして私の一日は始まらない。



そして数十年後老い始めた頃から始めたもう一つの行為の始まり。
残りの一口分を再びゆっくり含む。
取り出してあったビタミンEと亜鉛の錠剤を各一錠を口中に。
ここ迄はスローモーションのようにゆっくりしていたのだが、錠剤は比較的素早く飲み込むのであった。
この一連の流れが毎朝の日課。

旅先であろうと何処に身を置いていても、変わる事のない一日の始まり。
現在73歳、この先何年続くのか判らないが命絶えるその日までこの朝の禊は続く事であろう。