2022年11月30日
ちょっとだけMリーグ#76
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は渋川 難波プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/53d24rzkd5k
2022年10月11日 第1試合
南1局2本場
東家 渋川 難波 32500
南家 魚谷 侑未 31800
西家 佐々木 寿人 26200
北家 仲林 圭 9500
(敬称略)
点棒上は渋川さんと魚谷さんがトップ争い、寿人さんが虎視眈々とトップを狙う位置に居て、仲林さんが三着目と16700点差開いたラス目です。
仲林さんは大差のラス目なのでできるだけ高い手を、寿人さんもトップ目に追いつける5200クラスのアガリが欲しい所です。
最初に親・渋川さんの手は
ドラ渋川手牌
これは字牌を全部払えばタンヤオ、ピンフのメンツ手、あと234三色の必要牌7枚が揃っているので234三色狙いも当然ありますし、役牌を重ねてポンもあります。
ツモ打
次に南家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
現在3トイツなので4トイツになればチートイツも少しあり、ピンフならドラもリャンメン受け入れで使えます。
この手にはがありタンヤオになりづらいので食いタンは難しそうです。
ツモ打
続いて西家・寿人さんの手は
ドラ寿人手牌
こちらはメンツ手でピンフを中心に狙う手になりそうです。
ここにドラがくっつけば678三色目も出てくるのでその時は押し寄りになりそうです。
ツモ打
最後に北家・仲林さんの手は
ドラ仲林手牌
ドラトイツあるものの、、、、の4ブロックしかなく、愚形が2つ残っているので、テンパイスピードも早いとは言えません。
現状は役なしリーチ・ドラ2になりそうなのでピンフやイーぺーコーも視野に入れて好形待ちリーチにしたい所です。
仲林さんはラス目なのでせめて満貫の見える手でリーチしたい。
ツモ打
2巡後、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
既に役なし2シャンテン。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
2シャンテンになりました。
雀頭としてできればタンヤオにしたい手です。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
役なし・ドラ1シャンテン。
同巡、仲林さんは
ドラ仲林手牌
カンチャン6つもある愚形まみれの4シャンテンでテンパイも厳しそうです。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
どちらかを引けばテンパイになる1シャンテンでドラ引きでも好形になるようにも残しています。
また、引きならの三面受け入れになるのでそれも見ているようです。
234三色・赤ならメンゼンで7700以上、リーチで12000点になります。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
テンパイですがリーチせずダマテンを選択。
ここに引きでピンフ、引きマンズ一気通貫、赤引きも考慮しての変化待ちです。
ドラ例1
例2
例3
例4
次巡、魚谷さんはツモでカン待ちにも受けられますがツモ切り。
また次巡、魚谷さんはツモ打のカン待ちリーチ。
は山に2枚。
ドラ魚谷手牌
魚谷さんは前巡、ツモ切りのスジ待ちになっています。
また、場に1枚切れで魚谷さんから3枚見えでは山にあると見たのかもしれません。
魚谷捨牌
このリーチに渋川さんは現物切り。
寿人さんも現物、仲林さんも現物切り。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
魚谷さんにとってのダブを押して1シャンテンを維持。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
ここから切りなら受け入れが残りますが、場に2枚切れ、2枚切れ(渋川さんから3枚見え)で三面受け入れのメリットはあまりありません。
234三色がありピンズには手をかけられないのでどれかが候補になりそうです。
安全性を求めるならが場に2枚切れ(渋川さんから3枚見え)につき、はどれもワンチャンスです。
ですが渋川さんは打。
この一打に解説の土田さんも「ろーくーまーん!!」と驚きを隠せない様子。
魚谷捨牌
魚谷さんの切りが少し早いので待ちは無さそうと見ることはできます。(ただ待ちはある)
あとはドラがなのでもしマンズ待ちなら待ちの方がありそうに見えます。
コバミサさんもカイジの1シーンのように「押せ!押せ!」が口をついて出ています。
切りの2巡後、渋川さんはツモ打テンパイ、カン待ち。
ドラ渋川手牌
待ちは山に2枚。
3巡後、渋川さんは
ドラ渋川手牌
ツモで満貫のまま変わらず、待ちがに変化。
2巡後、渋川さんツモアガリ。
ツモドラ渋川手牌
タンヤオ・ピンフ・ツモ・赤2の4000オールの2本場、4200オール。
このアガリで
渋川 46100
魚谷 26600
寿人 22000
仲林 5300
と二着目を約2万点離したトップ目になります。
そこから南3局1本場、渋川→魚谷 ホンイツ、3900の1本場をロン。(+1000)
ロンポンチードラ魚谷手牌
南4局1本場は仲林→寿人 リーチ・ピンフ・赤、3900の1本場をロン。(+1000)
リーチロンドラ裏ドラ寿人手牌
寿人 +61.1
渋川 +19.9
魚谷 −10.2
仲林 −70.8
これで寿人さんが今シーズン初トップを収めました。
今回のまとめ
魚谷さんリーチの3巡後、渋川さんが切りした場面、
ドラ渋川手牌
が渋川さんから3枚見えで安全度ならどれもワンチャンス。
切り三面受け入れは2枚、3枚が見えているのであまりメリットは無し。
魚谷捨牌
がより先に切られて待ちは考えにくい。(待ちはある)
渋川さんは切りした。
その場合ツモで12000の見えるテンパイに取れる。
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2022年11月28日
ちょっとだけMリーグ#75
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は伊達 朱里紗プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/uYmyf8VcmBw
2022年10月3日 第2試合
南1局
東家 瑞原 明奈 49900
南家 本田 朋広 14100
西家 近藤 誠一 13200
北家 伊達 朱里紗 22800
(敬称略)
点棒上は瑞原さんが全体の約半分(50000)を独占していてトップの可能性が高いのと二着目が伊達さん、そこから子の満貫分開いて本田さん、近藤さんが続いています。
三着目とラス目は満貫をアガれば二着目に接近できるので満貫目標、伊達さんはトップ目と27100点差開いているのでトップを目指すなら何回かに分けてアガってその差を縮める必要があります。
例えば満貫2回+跳満(28000点)や跳満2回+3200(27200点)、満貫ツモ3回(30000点差縮まる)のどれかのプランでざっくりと点差を意識しておきます。
ここから伊達さんはアガリ1回あたり満貫以上が必要だとわかります。
最初に親・瑞原さんの手は
ドラ瑞原手牌
トイツでこれをポンして・赤や・トイトイ、メンゼンならチートイツかトイトイ・三暗刻のどれかになりそうです。
瑞原さんは二着目と点差が大きいので無理にアガリは見ず、テンパイが早そうならアガリを見る程度でいいでしょう。
ツモツモ切り
次に南家・本田さんの手は
ドラ本田手牌
こちらもトイツがありポンして1000点、2000点や役なしリーチもあります。
ツモ打
続いて西家・近藤さんの手は
ドラ近藤手牌
これは字牌を全部処理すればタンヤオ、赤を引けばリーチ・タンヤオ・ツモ・赤の満貫が狙えます。
ブロックは、、、、の5ブロックあるのでできればリャンメン待ちにしてリーチ・ツモ狙いしたい所。
ツモツモ切り
最後に北家・伊達さんの手は
ドラ伊達手牌
配牌から赤2+ドラ2のリーチ・ツモで跳満あります。
役なしリーチでも十分ですがやのイーペーコーが付けば倍満の可能性も高まります。
ツモ打
次巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
リャンメン受け入れが1つ増えましたが3シャンテンのまま。
このままではメンツかトイツか方向性が中途半端で判断が難しい状態です。
同巡、本田さんは
ドラ本田手牌
一応456三色目も出てきて役なし2シャンテン。
更に同巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
ツモ打とメンツ手には不要なを残しています。
これはチートイツになった時にタンキ待ちも考慮した一打で、トイツ手も考えている証拠です。
ここからや引きならピンフ、引きならチートイツを見て進めます。
この手のカギはと部分です。
これがメンツ手ならここが横に伸びる必要があり、ピンズで1〜2メンツ、ソーズで1〜2メンツ作る必要があります。
次巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
アンコができ、役なし2シャンテン。
点数的に不満(・赤3900くらい)ですが、が出たらポンでいいでしょう。
同巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
タンヤオ1シャンテン。
変化によっては567三色もありますが、赤引きかタンピンになれば点数的に十分です。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
5トイツでチートイツ1シャンテンかメンツを見ると2シャンテン。
メンツを見るならを引くかどうかに注目です。
逆に言えばここを引かないならチートイツに決めていいでしょう。
その時は伊達さんの残しが生きてきます。
2巡後、伊達さんは
ドラ伊達手牌
念願のを重ねてチートイツ・赤2・ドラ2、タンキ待ち跳満テンパイ。
ここはリーチせずダマテンに取りました。
リーチ・ツモで倍満ですが瑞原さんからの直撃で24000点縮まるので一か八か出アガリ狙いのようです。(リーチ・ツモでも16000+8000=24000点縮まるのは同じ)
この時点で瑞原さんと近藤さんの必要牌が山に3枚しかありません。
ドラ瑞原手牌
ドラ近藤手牌
次巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
一歩間違えばで伊達さんに12000点放銃する展開もあったかもしれません。
先にドラが入れば切りになっていたでしょう。
次巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
役なし1シャンテン。
同巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
タンキ待ちにチェンジ。
これで近藤さんの放銃がなくなり、助かった形です。
次巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
リーチ・ピンフ待ち。
このリーチ一発目に伊達さんはツモ、ツモ切り。
ここで一発放銃するとラスの確率が高くなりますが、伊達さんはダマで押しています。
次巡、伊達さんツモアガリ。
ツモドラ伊達手牌
ツモ・チートイツ・赤2・ドラ2の3000-6000。(+1000)
このアガリで
瑞原 43900
本田 11100
近藤 9200
伊達 35800
伊達さんがトップ目に約満貫差(8100点差)まで近寄るアガリになりました。
ベルサール六本木も熱気に包まれた一局。
この次局、例のアガリが飛び出すわけですが、この局についても取り上げていますので、興味のある方は覗いてみてください。
https://fanblogs.jp/tccdesu/archive/299/0?1669551800
今局のアガリを生んだ要因は伊達さん2巡目の残しです。
ドラ伊達手牌
まだメンツ手ともトイツ手とも言えない段階からチートイツになった時の為にションパイ残し。
を残してなければチートイツテンパイもアガリも拾えていません。
伊達さんは個人的に女流プロの中で成長株として注目するうちの一人です。
最近はSNSでブロック騒動がありましたが、一個人としてブロックは正当な権利なので私からは「ご自由に」といった所ですが、目に見えるブロックは余計な敵を作らないか心配になりました。(見たくなければミュートも可能)
今回のまとめ
・メンツ手かトイツ手か決めきらない時、これを引けばトイツ手、これならメンツ手という目安を定めておく
ドラ伊達二巡目手牌
ここにツモならメンツ手、ツモならトイツ手といった具合に次のツモによって狙いを変える
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2022年11月26日
ちょっとだけMリーグ#74
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は白鳥 翔プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/XOkeJyb_-3U
2022年10月14日 第2試合
南1局
東家 白鳥 翔 62900
南家 伊達 朱里紗 14000
西家 園田 賢 11600
北家 茅森 早香 11500
(敬称略)
点棒上は白鳥さんのトップはかなり高確率で残り3人の二着争い。
ここから大きい放銃をした人がラスになりそうです。
※親・4巡目から見ていきます。
最初に親・白鳥さんの手は
ドラ白鳥手牌
字牌を切ればタンヤオでが3枚、が5枚とスジの偏りを感じます。
手形から1アンコ+3トイツでトイツ系手役、トイトイやチートイツが浮かびます。
ツモツモ切り
ドラ伊達手牌
こちらは赤もドラも無い手でピンフやタンヤオが見えます。
これ以上トップ目の白鳥さんに加点させないように子3人は動く必要があります。
場合によっては他家の安手にはアシスト、1000や2000点には差し込みを考えてもいいでしょう。
今局は高い手をアガるよりも白鳥さんの親を終わらせるのを優先します。
ツモ打
続いて西家・園田さんの手は
ドラ園田手牌
234三色や678三色が少しありそうなメンツ手です。
ツモの伸び方によってはタンヤオ、ピンフ含みで進めます。
ツモ打
最後に北家・茅森さんは
ドラ茅森手牌
赤2+ドラ1枚浮いている手です。
字牌を切ってタンヤオ・赤2や役牌を重ねてポンした役牌・赤2のどちらでも鳴けるのとトイツやアンコが増えればトイトイ・三暗刻やその先にはツモり四暗刻もあります。
ここも手の高さよりもアガリ優先です。
ツモ打
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
ピンフ3シャンテン。
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
ここから白鳥さんは打。
もうメンツ手は見ずにチートイツやトイトイを見ています。
これは良い一打です。
この時点で白鳥さんはと8枚のうち半分の4枚を独占しています。
これは伊達さんの必要牌でしかも園田さんと2ターツで必要牌です。
好調者ほど自然とこうして他家のテンパイを防ぐケースが増えます。
同巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
一応2シャンテン。
更に同巡、園田さんが切ったを白鳥さんがポンして打。
ポンドラ白鳥手牌
タンヤオ・トイトイ5800~7700の1シャンテン。
今回のケースでもトイトイのみのような手は考えにくいのはお分かりになるでしょう。
白鳥さんはドラ切りなのでタンヤオか赤、役牌のどれかが絡んでいると推察されます。
その後、茅森さんは
ドラ茅森手牌
この巡目で茅森さんのもは純カラ、は山に3枚の合わせて0+3=3枚。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
1シャンテンですががまだ入らない伊達さんはテンパイも遠そうです。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
メンツ手2シャンテン。
次巡、園田さんはツモで茅森さんのは2枚だけ。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
の2枚必要な形は嫌ってダブルメンツ落としの打。
打としないのは、危険度の高い内側から処理したいからです。
同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
園田さんはを切っていてフリテン、受け入れも枚数が少なく苦しくなっています。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
雀頭候補が2つになり、カンチーしてトイツ落としした食いタンも可能です。
チー例1
次巡、白鳥さんは
ポンドラ白鳥手牌
タンヤオ・トイトイシャンポン待ちテンパイ。
待ちは山に1枚、も山に1枚です。
同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
4トイツでチートイツ2シャンテン。
また同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
こちらもチートイツ1シャンテン。
次巡、園田さんは
ドラ園田手牌
チートイツ1シャンテン。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
こちらも1シャンテン。
次巡、園田さんは
ドラ園田手牌
場に2枚切れのかションパイのの選択ですがタンキ待ちダマテンを選択。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
テンパイ即リーチを選択。
シャンポン待ち。
は山に0枚、は山に2枚で合わせて0+2=2枚。
リーチの4巡後、園田さんはタンキに待ち替え。
ドラ園田手牌
同巡、茅森さんがハイテイでをツモ切り、白鳥さんロン。
ロンポンドラ白鳥手牌
タンヤオ・トイトイ・ハイテイの12000点です。(+1000)
この第2試合のオーラスは以前取り上げたこの回になります。
https://fanblogs.jp/tccdesu/archive/317/0?1669398125
第2試合はオーラスまでずっと大物手が飛び交う激しい乱打戦で終わりました。
トップ目・白鳥さんのテンパイ形を見ると
ポンドラ白鳥手牌
がスジで5枚、がスジで5枚固まっています。
が白鳥さんに固まって入ったことから、伊達さんの、園田さんのは埋まることなく2人のテンパイスピードを遅くする結果になりました。(伊達さんは1シャンテン止まり、園田さんはメンツ手からトイツ手への移行を迫られる)
アガリを考える時も、相手リーチの待ちを読む時も、スジを意識するのが基本になります。
攻める時はターツが完成するスジが山に残っていそうか、誰にどのスジを持たれていそうかなどを考え、待ち読みの際もどのスジ待ちかや現物がなくなると現物のスジを頼ることもあります。(オリる時は現物のスジ待ちに注意)
今回の白鳥さんのように他家の必要牌が8枚のうち5枚も偏っていたのは好調者によく現れる現象です。
今回のまとめ
・アガリを考える時、相手リーチの待ち読みにもスジを意識する所から
ターツが完成する牌が何枚切られているか、山に何枚残っていそうか(攻撃時)
相手リーチの待ちがどのスジか、どのスジが通りそうかなど考える(守備時)
現物のスジ待ちも時々出てくるので注意(三色同順、一気通貫、チャンタ、純チャン、イーぺーコーなど手役絡みが多い)
・好調者ほど相手ターツや待ちをスジで複数ブロックして相手のテンパイスピードを遅らせたりアガリを防ぐパターンが出てくる(スジで4枚以上ある時)
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2022年11月24日
ちょっとだけMリーグ#73
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は内川 幸太郎プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/zbHw2lbwUYY
2022年10月7日 第1試合
南4局
東家 内川 幸太郎 46600
南家 茅森 早香 4800
西家 仲林 圭 30000
北家 白鳥 翔 18600
(敬称略)
親の内川さんがトップ目、二着目は跳満ツモかリーチ棒が出て倍満ロン、リーチ棒が出て内川さんから満貫直撃でトップ。
三着目は二着目と11400点差で跳満ツモか跳満ロン、二着目から6400直撃で二着。
ラス目は三着目と13800点差で跳満ツモか倍満ロン、三着目から満貫直撃で三着。
まだ二着目にも逆転トップの可能性は少し残っています。
最初に親・内川さんの手は
ドラ内川手牌
手にドラトイツ+赤で役なしリーチでも12000、役牌を重ねてポンでも12000です。
ただ今局はオーラスにつきオリればトップの可能性はある程度高い状況です。
もし次局跳満ツモに耐えられる18500点差(次局二着目の跳満ツモは12300+6100=18400点差変わる)以上になる時はアガリを見るのもいいでしょう。
ここはピンフやタンヤオを見ながら、二着目のリーチにはオリでいいでしょう。(リーチ棒が出て満貫放銃で逆転)
ツモ打
次に南家・茅森さんの手は
ドラ茅森手牌
ピンフが狙えそうな赤1枚の手です。
着順アップには最低満貫ロンか跳満ツモが必要なのでリーチ・ピンフ・赤では1役足りません。
満貫にはドラをくっつけたピンフ、跳満には234三色、345三色狙いがいいでしょう。
ツモ打
続いて西家・仲林さんの手は
ドラ仲林手牌
トイツでこれをポンした2000点、あるいはトイツ落とししてピンフ狙いもあります。
仲林さんは跳満ツモが狙えそうになければ二着確定アガリでいいでしょう。
ツモ打
最後に北家・白鳥さんの手は
ドラ白鳥手牌
字牌を処理すればタンヤオで、234三色や345三色変化も残る手です。
白鳥さんは跳満ロンか跳満ツモが必要なのでドラや赤引きのタンヤオ・ピンフ狙いでいいでしょう。(メンタンピンツモ赤ドラ)
ツモ打
次巡、内川さんは
ドラ内川手牌
これでイーぺーコーもあります。
これでリーチかイーぺーコーかピンフかタンヤオ、役牌を重ねてポンの5通りのプランがあります。
3巡後、内川さんは
ドラ内川手牌
これでタンヤオとピンフは見切ってリーチ、イーぺーコー、役牌ポン、3つのどれかになりそうです。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
マンズのメンゼンホンイツなら満貫〜跳満にはなります。
ここにツモや重なりならなんとかなりそうです。
同巡、仲林さんは
ドラ仲林手牌
ピンズ一気通貫やピンズホンイツでこちらも伸びによっては満貫〜跳満もあります。
また同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
これなら234三色と345三色の両方が狙えます。
2回前のテーマ、「三色狙いは必要牌7枚以上なら狙う」がここで出てきます。
この手にある234三色の必要牌はの7枚、345三色の必要牌もの7枚あります。
ここからどう変化するかでどちらの三色狙いにするか決めるといいでしょう。
更にドラ・赤引きやイーペーコーもあり、跳満もまだありそうです。
次巡、内川さんは
ドラ内川手牌
マンズリャンメン受け入れができ、ターツを払います。
場を見ると、
内川捨牌
茅森捨牌
仲林捨牌
白鳥捨牌
※上から東家、南家、西家、北家の順
茅森さんと仲林さんは打、白鳥さんからが3枚見えています。
後は2枚切れでソーズの下は2人が持ってなさそうです。
ここからのプランとしてはを処理したタンピン、234三色などを見た三色狙いの2方向あります。
ドラ例1
例2
例3
例1はタンピン、例2、例3は234三色でドラも使えるのと例3は2人が使っていない可能性が高いをターゲットにした三色。
白鳥さんは打。
ドラ白鳥手牌
次巡、仲林さんが切ったを内川さんがポンして打。
ポンドラ内川手牌
12000の1シャンテン。
次にツモならテンパイです。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
ホンイツ2シャンテン。
更に同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
受け入れの1シャンテン。
白鳥さんは3900〜跳満の手になりそうです。
次巡、仲林さんは
ドラ仲林手牌
カンチー、ペンチー、ポンもできる一気通貫1シャンテン。
2巡後、内川さんは
ポンドラ内川手牌
・ドラ2・赤、12000テンパイ待ち。
待ちののうちは山に2枚、は山に1枚の合わせて2+1=3枚。
内川さんテンパイの2巡後、茅森さんの切ったを仲林さんがチーして打テンパイ。
チードラ仲林手牌
シャンポン待ち。
ともに場に1枚切れで山に
1+1=2枚。
同巡、白鳥さんがをツモりオリ。
次巡、茅森さんは
茅森手牌
次にツモでテンパイになるホンイツ1シャンテン。
2巡後、仲林さんはをツモり打と回ります。
チードラ仲林手牌
次巡、茅森さんはテンパイ即リーチ!
ドラ茅森手牌
待ちリーチ・ホンイツ・赤で満貫ですがツモや一発、裏1枚でも乗れば跳満。
は山に1枚、も山に1枚、も山に1枚で合わせて1+1+1=3枚。
誰もアガる事無く内川さんのハイテイツモを残すのみ。
最後のツモは・・・!!
ツモポンドラ内川手牌
・赤・ドラ2・ハイテイ、4000オール。(+1000)
このアガリで
内川 59600
茅森 -600
仲林 26000
白鳥 14600
点棒全体の約六割を独占した内川さんはほぼトップという状況です。
続く連荘1本場は
ロンドラ槓ドラ仲林手牌
ピンフ・赤・ドラ、3900の一本場、4200点を茅森さんから出アガリ。
二着確定のアガリで内川さんのトップが決定した瞬間でした。
オーラス開始時、点棒状況は
南4局
東家 内川 幸太郎 46600
南家 茅森 早香 4800
西家 仲林 圭 30000
北家 白鳥 翔 18600
この点棒状況なら、内川さんは跳満ツモられない限りオリていれば流局トップです。
そんな内川さんが鳴く=異常事態と言えるわけです。
鳴く以上1500、2900のような安手ではないのはわかります。
赤入りルールで46600点程度ではセーフティリードとは呼べません。
25000点持ちルールなら4人の合計100000点でその過半数50100点くらい〜少し余裕がある程度です。
親で4000オールを3回ツモられると48000点差が縮まり、+積み棒があれば50000点差でも逆転されます。
実際、内川さんはリーチ棒が出て仲林さんから満貫直撃で二着転落があります。
ツモポンドラ内川手牌
内川捨牌
変則手(トイツ系、チャンタ系手役)を除き、3〜7が2枚切られると1シャンテンかテンパイ、3〜7が3枚切られるとテンパイの可能性大、と以前言いました。
3〜7はと2枚切られて次にドラ切りテンパイ。
その次巡が切られて3〜7が3枚切られてここでもテンパイを示唆しています。
今回のまとめ
・トップ目のラス親が鳴く=異常事態
ラス親のトップ目・内川さんは46600点持ちから鳴いた
流局でトップ終了なのに鳴いた、安手ではない12000点の手
ポンドラ内川手牌
・持ち点が50000点を超えるくらいから余裕が出てくる
25000点持ちルールでは4人の合計100000点、その過半数50100点くらいから有利になる
親が4000オールツモ3回で48000点差縮まり、それ+積み棒で50000点差あっても赤入りルールではセーフティリードとは呼べない
子の役満直撃でも64000点差変わるのもある
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2022年11月22日
ちょっとだけMリーグ#72
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は堀 慎吾プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/PbAYPx3ZXVs
2021年2月12日 第2試合
南4局
東家 小林 剛 40000
南家 前原 雄大 16900 (元・KONAMI格闘倶楽部)
西家 堀 慎吾 33300
北家 勝又 健志 9800
(敬称略)
トップ目と二着目・堀さんの点差は6700点で1300-2600ツモかトップ目に3900直撃で逆転トップ。
二着目と三着目の差は16400点で倍満ツモか跳満直撃で二着。
つまり三着目の着順アップは厳しそうです。
ラス目は満貫ロンか1600-3200ツモ、三着目から3900直撃で三着。
最初に親・小林さんの手は
ドラ小林手牌
これはほぼタンヤオで、二着目と6700点差なのである程度の加点か、放銃回避のどちらかになりそうです。
アガリを見る時は親でオーラス、満貫ツモに耐えられる二着目と12100点差以上、跳満ツモに耐えられる18100点差以上を一つの目標に定めます。
この手のカギは、特にカン部分です。
ツモでもカンは残るのでこの部分の変化に注目します。
ピンズ部分はツモでになりこの変化も意識しておきます。
ツモ打
次に南家・前原さんの手は
ドラ前原手牌
前原さんはラス目に3900放銃で入れ替わってしまうので引き気味がいいかもしれません。
もし早いテンパイが入りそうなら役牌ポンなどでサッとアガってしまうのもいいでしょう。
ここは跳満ツモでも着順アップしないので高い手は必要ありません。
ツモ打
続いて西家・堀さんの手は
ドラ堀手牌
こちらは1アンコ+3トイツのほぼトイツ手です。
狙うのはトイトイ・三暗刻や役牌・トイトイのような役になりそうです。
ただトイトイだけでは点数的に足りないので(2600~3200では直撃でも足りない)、自風やを重ねてポン、赤やドラ引きでも条件を満たします。(1300−2600ツモ以上か3900以上直撃)
ツモ打
最後に北家・勝又さんの手は
ドラ勝又手牌
こちらはほぼメンツ手で赤もドラも無く、安手になりそうです。
勝又さんの着順アップには満貫ロンか1600−3200ツモが必要なので赤かドラを引いてのリーチ・ツモ狙いくらいしか高くならなさそうです。
ツモ打
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
打として2枚受け入れにはしたくない意思を感じます。
もしかするとにくっつけたピンフにしてリャンメン待ちでアガろうとしているのかもしれません。
3巡後、堀さんは
ドラ堀手牌
のどれも役牌で重なってポンかアンコになれば1翻アップになります。
同巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
これで345三色やを重ねたリーチ・ツモの裏1枚の満貫のプランもあります。
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
受け入れのピンフ・ドラ2シャンテン。
同巡、前原さんは
ドラ前原手牌
タンヤオ・ピンフの見える3シャンテンと他家より出遅れています。
2巡後、堀さんは
ドラ堀手牌
2アンコ+2トイツのトイトイ2シャンテン。
同巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
役なしテンパイでここから1枚を切る必要があります。
ここから勝又さんは打。
もしここにドラ引きなら
ドラ例1
例2
例3
3通りのテンパイに取れます。
次巡、前原さんが切ったを堀さんがポンして打。
ポンドラ堀手牌
は場に1枚切れ、はションパイで山にありそうです。
次巡、前原さんは
ドラ前原手牌
タンヤオ・ピンフ・ドラの2シャンテン。
親の小林さんはもうアガリを見ていないのか、現物を抜き打ってオリ。
流局ならトップ、堀さんにツモられなら仕方なしの構えでしょうか。
次巡、勝又さんは
ツモドラ勝又手牌
本来ならツモアガリの所ですが、満貫ロンか1600−3200ツモが欲しい状況です。
ここは切りフリテンリーチ!
ドラ勝又手牌
ドラツモか一発ツモ、ツモって裏1で三着。
は小林さんと前原さんに1枚ずつの山に2枚、は場に3枚切れで山に1枚の合わせて2+1=3枚。
リーチの次巡、小林さんがをツモ切り純カラ。
同巡、堀さんテンパイ。
ポンドラ堀手牌
が高目のトイトイ・5200テンパイ。
もしをツモると三暗刻が付き、トイトイ・三暗刻の満貫になります。
ロンなら5200、リーチ棒付きで6200なら堀さんは39500点になり、二着のままトップに500点足らず。
もしかすると堀さんはツモだけを見ているのかもしれません。
次巡、堀さんツモアガリ。
ツモポンドラ堀手牌
トイトイ・三暗刻の満貫、2000−4000。(+1000)
このアガリで
小林 36000
前原 14900
堀 42300
勝又 6800
堀さんの見事な逆転劇でした。
トイトイ(対々和)はそれだけでは2翻でトイトイのみでは子2600点程度にしかなりません。
そういう理由からトイトイ仕掛けには赤やドラ、役牌が含まれている可能性が高くなります。
これを利用してトイトイの待ちを絞りやすくなります。
例えば
東1局西家
ポンポンポンドラ西家手牌
こんな相手なら役牌かドラ、5がシャンポン待ちの片方に入っている可能性が高いです。
トイトイ狙いではトイツ系手役という特性から、これと相性の良い役も限られてきます。
例を挙げるとホンイツ、ホンロウ(混老頭)、役牌、三色同刻。
あと忘れてはいけないのが三暗刻の存在です。
堀さんのアガリは
ツモポンドラ堀手牌
鳴いているのに手に2アンコ+ツモってアンコ完成の三暗刻が付きます。
仮にこの手がメンゼンなら
例4
トイトイ・三暗刻、ツモり四暗刻になります。
このように、トイトイと三暗刻は切っても切れない関係にあります。
その関係を例えるなら兄弟といった所でしょうか。
今回のまとめ
・トイトイはトイツ系手役の為、相性の良い役が限られる
ホンイツ(混一色)、ホンロウ(混老頭)、役牌、三暗刻、三色同刻
・トイトイと三暗刻は兄弟のように切っても切れない関係
鳴いてもツモり三暗刻があり、メンゼンでもトイトイ・三暗刻がある
ツモポンドラ堀手牌
例4
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2022年11月20日
ちょっとだけMリーグ#71
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は東城 りおプロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/qbpRosy-4vM
2022年10月11日 第2試合
東4局 1本場 供託リーチ棒1
東家 滝沢 和典 29000
南家 東城 りお 24000
西家 堀 慎吾 14000
北家 鈴木 優 32000
(敬称略)
ラス目・堀さんが三着目と10000点差で満貫ツモ程度離れている以外はあまり差はありません。
三着目・東城さんも満貫ロンで追いつける点差なので1アガリでトップ目になれます。
最初に親・滝沢さんの手は
ドラ滝沢手牌
タンヤオやピンフを目指したい手ですが、ドラが1枚だけ浮いています。
ピンズ変化によっては456三色、ソーズ変化によっては234三色などもあります。
また、ドラを重ねてリーチ・ドラ2、リーチ・平和・ドラ2のプランもあるので手を狭めずにツモに合わせた手組にします。
ツモ打
次に南家・東城さんの手は
ドラ東城手牌
最初に見えるのは789三色同順、マンズを引けば、どちらかを引けば一気通貫の一歩手前です。
三色ならドラを使えて5200点以上、リーチで満貫あります。
ここはピンフや三色を見ながら進めてマンズが横に伸びた時は一気通貫を見るのでいいかもしれません。
ツモ打
続いて西家・堀さんの手は
ドラ堀手牌
こちらは赤もドラの無い手で安手になりそうです。
目標はタンヤオや456三色同順で、ピンフには変化が必要な形です。
堀さんは三着目と10000点差、二着目と15000点差あるので満貫以上を見て進めるので良さそうです。
つまり堀さんは赤引きか456三色になる時は押し寄りです。(リーチ・ツモ・タンヤオ・赤、リーチ・タンヤオ・三色同順など)
ツモ打
最後に北家・優さんの手は
ドラ優手牌
役なしリーチかを雀頭にしたピンフのどちらかといった所です。
ほんの少し456三色目があるのでピンフ・456三色・赤の満貫になりそうなら押し寄りです。
ツモ打
次巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
これで4ターツ+雀頭の5ブロックになりました。
ここにドラが重なれば雀頭を入れ替えてドラ雀頭にしてマンズリャンカンに受けると良いでしょう。
同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
純チャンやチャンタを見ないなら不要ななのでこの二牌から切るので良いでしょう。
同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
タンヤオ3シャンテン。
次巡、東城さんは
ドラ東城手牌
ピンフや789三色も残る2シャンテン。
同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
タンヤオ・ピンフもある2シャンテン。
次巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
こちらピンフとタンヤオもある2シャンテン。
3巡後、東城さんは
ドラ東城手牌
これで789三色完成の1シャンテン。
ただ捨牌にはが並んでいて、と場に1枚切れの方を残しています。
もし789三色にするならは残り1枚、になる可能性の方が高くなり、789三色は崩れます。
それならを手に残しても良かったと私は感じます。
その場合、もしリャンメンが先に埋まれば字牌や端に近いタンキ待ちにしてトップ目や二着目から5200~直撃狙いもできます。
同巡、優さんは
ドラ優手牌
役なし2シャンテン。
優さんが少しテンパイスピードで遅れています。
次巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
が場に3枚切れなのでかなりタンヤオです。
同純、堀さんは
ドラ堀手牌
ツモでテンパイになる1シャンテン。
ツモなら
例1
待ち五面張です。
次巡、優さんは
ドラ優手牌
引きでテンパイになる1シャンテン。
これで4人全員が1シャンテンで誰が先にリーチするか?に注目が集まります。
次巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
リーチ・タンヤオ3900点、カン待ちテンパイ即リーチ!
同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
が重なりテンパイ即リーチ!
待ちで滝沢さんはカンなら滝沢さんへの放銃はありません。
もし他家からが切られた時は滝沢さんが上家にいる為、滝沢さんの頭ハネです。
堀さんは二軒リーチにと完全にオリ。
優さんもと安全そうな牌で回り、
ドラ優手牌
カンとツモでテンパイになる1シャンテン。
リーチの4巡後、優さんテンパイ。
ドラ優手牌
現物のスジ切りでピンフ・赤2待ちテンパイ。
その次巡、東城さんツモ。
リーチツモドラ裏ドラ東城手牌
リーチ・ピンフ・ツモ・三色同順・ドラ、跳満の一本場、3100-6100です。(+2000)
アガった当人なのに今にも泣きそうな、放銃したかの様に唇を噛む東城さんの顔が印象的な一局でした。
点棒は
滝沢 21900
東城 38300
堀 10900
優 28900
二着目を10000点近く離すアガリです。
試合結果は
東城 +55.7
優 + 2.5
滝沢 −17.8
堀 −40.4
東城さんは前回のラスを帳消しにするトップに輝きました。
今回の東城さんの決め手になった789三色同順ですが、三色狙いのポイントは三色の必要牌が何枚あるか?です。
例えば789三色の必要牌はの9枚で、三色テンパイにはここから1枚引いた8枚があればいわけです。(9枚目がアガリ牌でいいから)
今局の東城さんの配牌から第1ツモした手が
ドラ東城手牌
この手です。
ここにある789三色の必要牌はと7枚もそろっています。
ということはここにのどちらかを引けば789三色の材料は足りるわけです。
これは他の三色が見える手でも判断材料として使えます。
つまり三色の必要牌が7枚以上なら三色狙い、6枚以下なら狙わないでOKです。
この判断方法なら手牌をちらっと見るだけで誰でも可能です。
今回のまとめ
・三色同順は三色の必要牌がその時何枚あるか?で決める
東城さんの配牌に第1ツモした手
ドラ東城手牌
これに789三色の必要牌はの7枚あり、三色には必要牌8枚あればアガれる。(9枚目はアガリ牌でいい、どちらかをツモりたい)
・三色の必要牌が7枚以上で三色狙い、6枚以下は狙わない
何巡目からでも手牌を見るだけで判別可能
ドラ東城手牌
789三色の必要牌のうち7枚あるから三色狙い
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2022年11月18日
ちょっとだけMリーグ#70
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は鈴木 たろうプロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/Nkql86rf_I8
2022年10月14日 第1試合
南1局 5本場
東家 高宮 まり 37800
南家 鈴木 たろう 9300
西家 近藤 誠一 -2700
北家 多井 隆晴 55600
(敬称略)
東ラスの親で多井さんが連荘、そこから本場を引き継いで高宮さんが4000オールの4本場をアガった次局。
たろうさんと近藤さんは点棒上はどちらがラスになるか?状態です。
高宮さんはトップを見据えてもう1アガリ決めたい場面。
ここで高宮さんが4000オールをアガればトップ逆転です。
最初に親・高宮さんの手は
ドラ高宮手牌
できればドラを使ったメンツ手、ピンフ・ドラ狙いでいいでしょう。
高宮さんの目標はリーチ・平和・ドラ5800以上。
リーチツモドラ例1
こんな例1のようなアガリを目指します。
ツモ打
次に南家・たろうさんの手は
ドラたろう手牌
役牌トイツがあるのでこれをポンした1000点もないとは言えないですが、たろうさんは二着目と28500点差で、できるだけ高い手をアガりたい場面です。
ここから手役を見るならチャンタ、789三色同順、4トイツになればチートイツ、トイツやアンコが増えればトイトイ、三暗刻もあります。
ツモ打
続いて西家・近藤さんの手は
ドラ近藤手牌
こちらもあまり高い手にならなさそうな手形です。
が重なれば全部ポンして小四喜、大四喜の可能性はわずかにありますし、ドラ色がピンズなので役牌・ホンイツ・ドラで満貫です。
4トイツ以上になればチートイツ・ドラ2でリーチは跳満ツモもあります。
近藤さんは三着目と12000点差、二着目と40500点差もあるので最低満貫を見て進めるのでいいでしょう。
まずは一着順アップが目標。
ツモ打
最後に北家・多井さんの手は
ドラ多井手牌
第一ツモでアンコになり、これでメンゼンでも鳴きもできる手になりました。
アガリを見ると・赤・ドラ、メンゼンダマでも5200~、鳴いても3900~と、トップ目を更に堅固なものにするにはもう少し加点が必要です。(多井さんはラス親につきオーラス跳満ツモで18000点差変わる為、二着目と18100点差以上にしたい、倍満ツモなら24100点差以上)
二着目・高宮さんのテンパイスピードなどに注目しつつ、いつでもアガリが拾えるようにはしておきたい場面です。
ツモ打
2巡後、たろうさんは
ドラたろう手牌
ターツを払い、裏目のツモですが、チャンタには不要なターツなので裏目と言っても気にする必要はありません。
同巡、多井さんは
ドラ多井手牌
雀頭が無いのでツモの雀頭作りを見ているようです。
5200以上の2シャンテン。
次巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
マンズとソーズでメンツを作ってリーチ・ツモ・ドラ程度の手になりそうです。
ここで近藤さんの切ったを多井さんがチーして打。
チードラ多井手牌
カンとチーでテンパイになる1シャンテン。
次巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
ここからチートイツを見るなら1枚見えのどちらか切りになりそうですが、ここからたろうさんは打。
あくまでもチャンタ狙いのようです。
ドラたろう手牌
3巡後、高宮さんは
ドラ高宮手牌
ドラを使いたいピンフ2シャンテン。
同巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
チャンタ1シャンテン。
次巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
シャンポン待ち、リーチ・チャンタ高目で出アガリ満貫リーチ!
場全体を見てみると
高宮捨牌
たろう捨牌
近藤捨牌
多井手牌
はそれぞれ1枚切れで高宮さんのは捨牌二段目なので微妙、近藤さんは切りでは持っていない可能性大、多井さんは早い切りでは持ってなさそうです。
が2枚ずつ見えているのでその外側は山にありそうです。
このリーチに対し、近藤さんは現物切り。
多井さんはワンチャンス、高宮さんは2枚切れ。
次巡、多井さんはリーチの当たり牌を引き、オリ。
チードラ多井手牌
当たり牌だけでなくもとってあるのは流石です。
次巡、高宮さんは
ドラ高宮手牌
ピンフ・ドラの1シャンテン。
ツモなら追いかけリーチをするようです。
同巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
1シャンテンで粘っていますがは純カラでテンパイの可能性ちょっと薄い状態。
それにションパイのが切れない状況です。
その4巡後、近藤さんは前巡多井さんが切りしたのもあり、切りリーチ!
ドラ近藤手牌
リーチ・ドラ2600、待ち。
待ちはが場に3枚切れで山に1枚、は近藤さんに1枚、多井さんに1枚で山に2枚の合わせて1+2=3枚。
この次巡、たろうさんがツモアガリ。
リーチツモドラ裏ドラたろう手牌
リーチ・ツモ・チャンタ・・裏の跳満の5本場、3500−6500です。(+1000)
このアガリで
高宮 31300
たろう 23800
近藤 -7200
多井 52100
二着目・高宮さんに7500点差と迫る大きなアガリです。
南場でアガリを重ねたたろうさんはオーラスでも2000-4000ツモで二着に着順アップして終了。
多井 +66.0
たろう +11.7
高宮 −13.8
近藤 −63.9
たろうさんが反撃の狼煙を上げた一局でした。
今回のリーチはシャンポン待ちでした。
ドラたろう手牌
高目がのこちらでアガるのが目的のようなリーチです。
シャンポン待ちはリャンメン待ちよりも枚数は少なく(リャンメン:最大8枚に対しシャンポン:最大2+2=4枚まで)なのと字牌とのシャンポン待ちは序盤から切られやすく、1枚切れ、あるいは2枚切れ(純カラ)になることも少なくありません。
後は字牌シャンポン待ちの相方(安目になる方)を何にするのか?が大きなテーマになります。
今回は他家が持っていなかったで、高宮さん以外の2人には使えない待ちで、多井さんはオリか放銃の二択を迫られます。
シャンポン待ちの相方には5<4と6<3と7<2と8<1と9<字牌の順で選ぶといいでしょう。
これは場によってドラだったり、場況(場に安い色:たくさん切られた、周囲の牌が複数切られて他家が使えない、ホンイツやチンイツ模様の人がいる等)によっても変わります。
そういう意味でも今回のたろうさんシャンポンリーチの相方の選択も好判断でした。
今回のまとめ
・シャンポン待ちの場合、リャンメン待ちに待ち枚数で劣る(リャンメン最大8枚に対しシャンポン最大4枚)
カンチャン待ちはリャンメンへの変化、ペンチャン待ちはカンチャンへの変化がある
・字牌とのシャンポン待ちの場合、安目になる相方の選択も重要
5<4と6<3と7<2と8<1と9<字牌 の順で選ぶ
この順番はドラや場況(場に安い色、周囲の牌が複数切られて他家が使えない、ホンイツやチンイツの人がいる等)で変わる
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2022年11月16日
ちょっとだけMリーグ#69
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は渋川 難波プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/IZom6Wo29Fo
2022年10月11日 第1試合
南1局 1本場
東家 渋川 難波 19200
南家 魚谷 侑未 31800
西家 佐々木 寿人 26200
北家 仲林 圭 22800
(敬称略)
ラス目・渋川さんとトップ目の点差は12600、4000オールツモや12000ロンでもほぼ並びなのであまり点差は意識しなくて良いでしょう。
三着目も満貫ツモでトップ目に追いつきます。
最初に親・渋川さんの手は
ドラ渋川手牌
これはほぼメンツ手、ピンフやタンヤオ狙いで良いでしょう。
赤+ドラがあり役なしリーチでも7700~、ツモって4000オールなら十分。
手の伸びによっては食いタンも視野に入れておきたい状況です。(タンヤオ・赤・ドラ5800~)
ツモ打
次に南家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
パッと見ではチャンタ、イーぺーコー辺りがありそうです。
にドラがくっついてもリャンメンで使えるのはこの手のメリット。
この時点でチャンタ2シャンテンですがペンチャン愚形残りなのでピンフ2シャンテンよりはテンパイスピードで劣ります。
ツモ打
続いて、西家・寿人さんの手は
ドラ寿人手牌
ここから見えるのはチャンタ、イーぺーコー、国士無双といったチャンタ寄りの役が多いです。
ツモ打
最後に北家・仲林さんの手は
ドラ仲林手牌
こちらはメンツ手で平和やタンヤオを見て進めます。
のどれかを引けば234三色もあるのでタンヤオ・三色狙いする手もあります。
次巡、寿人さんは
ドラ寿人手牌
789三色とチャンタ、国士もまだ可能性はあります。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
1メンツ完成の3シャンテン。
同巡、仲林さんは
ドラ仲林手牌
ドラ切りなら役なしカンテンパイ。
ここから1300点即リーチする派とテンパイ外しでドラを使い切りたい派に分かれそうな場面です。
仲林さんは切りテンパイ外し。
ドラ仲林手牌
これはツモの手替わりを見たのかもしれません。
ドラ例1
例2
例3
例4
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
123三色も見てはまだ切らないつもりのようです。
ここにがくっつけばターツの数は足ります。
同巡、寿人さんは
ドラ寿人手牌
が必要な国士無双2シャンテン。
同巡、仲林さんは今度もカンテンパイに取れましたがテンパイ取らず。
ここに引きイーぺーコー目もあります。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
ドラが重なり役なしリーチでも12000になります。
一応1シャンテン。
同巡、仲林さんは
ドラ仲林手牌
寿人さんからが切られ、仲林さんから3枚見えでカン即リーチ!
これをツモればリーチ・ツモ・ドラ40符1300-2600以上になります。
一発ツモや裏ドラが乗って満貫ツモならトップ目。
このリーチ宣言牌をチーして食いタンへ。
チードラ渋川手牌
仲林捨牌
仲林さんの捨牌にがありはチーできそうに見えます。
後はマンズかソーズにくっつけてタンヤオです。
このリーチに魚谷さんと寿人さんはオリ。
次巡、渋川さんは
チードラ渋川手牌
リーチ現物のスジ打でどのくっつきも無駄にしないよう構えています。
同巡、仲林さんはをツモ切り、これを渋川さんがチーして打テンパイ。
チーチードラ渋川手牌
渋川さんはを切っていてフリテン、ロンアガリができない状態。
待ちですが片アガリタンヤオでツモの場合だけアガれます。
ちなみにアガリ牌のうちは渋川さんに1枚と場に1枚切れで山に2枚、は寿人さんに1枚、仲林さんに1枚の山に2枚で合わせて2+2=4枚。
同巡、仲林さんが切りでこれを渋川さんがチーして打。
チーチーチードラ渋川手牌
同巡、魚谷さんがツモで渋川さんがチーしなければツモアガっています。
渋川さんチーの4巡後、渋川さんはツモ切りで4枚見え。
つまりこの4枚見えの外側は山にありそうで、ポンタンキ待ちの選択も悪くなさそうです。
2巡後、渋川さんは小考してを通し、マンズとソーズは半分以上通っています。
仲林さんに通っているのはです。
流局かと思われた17巡目、仲林さんがドラ切り、これを渋川さんがポンして打、タンキ待ち。
ポンチーチーチードラ渋川手牌
同巡、魚谷さんがツモで山にはあと1枚。
同巡、仲林さんがをツモ切り、これに渋川さんがロン。
ロンポンチーチーチードラ渋川手牌
タンヤオ・赤・ドラ3、親満の1本場、12300点のアガリです。(+1000)
このアガリで
渋川 32500
魚谷 31800
寿人 26200
仲林 9500
仲林さんをラス目に叩き落とす大きなアガリでした。
試合結果は
寿人 +61.1
渋川 +19.9
魚谷 −10.2
仲林 −70.8
今回も前回と同じ片アガリ食いタンですが、前回と違うのは待ちの種類です。
ポンチードラ園田手牌
チーチードラ渋川手牌
上の園田さんの手は、下の渋川さんの手は待ちでアガれる方は一種類、二種類と単純に二倍あります。
渋川さんはここからチーしたわけですが、フリテンになった以上はツモ専(ツモアガリのみ)でツモに賭けるので良かったと感じました。
もしドラポンかドラアンコになった時はか待ちにしてフリテン解消するイメージです。
チーチードラ例5
チーチー例6
それとツモでもフリテンは解消できます。
チーチードラ例7
これなら待ちでロンできます。
今回のまとめ
・鳴く時は上家の捨牌に自分の鳴きたい牌やアガリ牌があるかを確認して鳴く
仲林さんリーチが入り
仲林捨牌
渋川さんの手
ドラ渋川手牌
リーチ宣言牌をチーしてもが切られているからは後でチーできそう
・片アガリタンヤオと言っても、リャンメン待ちと三面張とでは大きな違いがある
ポンチードラ園田手牌
チーチードラ渋川手牌
前回の園田さんは、渋川さんはとアガれる方は二倍ある
・たとえフリテンができても、フリテン解消できる鳴きを考えてみる
チーチードラ渋川手牌
ここにドラツモかポンの、ノベタン待ち。
チーチードラ
チーチー
チーチードラ渋川手牌
また、ここにツモならフリテン解消できる
チーチードラ例7
これなら待ちでロンが可能
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2022年11月14日
ちょっとだけMリーグ#68
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は園田 賢プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/o9sBHwLAlEw
前局、伊達さんが1300−2600かと思われたツモアガリが、おっと裏裏の3000−6000。
リーチツモドラ裏ドラ伊達手牌
このアガリで割を食ったのが親カブリの園田さん。
これで箱下−700点まで沈んでしまいました。
2022年10月14日 第2試合
南4局
東家 茅森 早香 −7300
南家 白鳥 翔 77200
西家 伊達 朱里紗 30800
北家 園田 賢 −700
(敬称略)
白鳥さんがデカトップ目、伊達さんは浮き二着、親の茅森さんと園田さんのどちらが三着になるか争い中。
親以外の3人が1000点でもアガれば終了の場面です。
つまり茅森さんVS子の構図が出来上がっている状態です。
最初に親・茅森さんの手は
ドラ茅森手牌
現在3トイツで4トイツになればチートイツ意識、役牌があるので役牌ポンからのトイトイも少しあります。
もしトイトイを考える時はの切られた枚数に注目しながら進めて、が出た時にポンの準備をしておくか、二枚切れになればチートイツに固定するなどの工夫が必要です。
ツモ打
続いて南家・白鳥さんの手は
ドラ白鳥手牌
ペンチャン2つ+カンチャン1つと愚形受け入れの多いメンツ手4シャンテンです。
後はドラが1枚浮いていて役なしリーチ1300点になりそうです。
白鳥さんは点棒に余裕のあるトップ目なのでドラが重なった時だけアガリを見る程度で良いでしょう。
子のアガリが近そうな時はアシストしたり、安手には差し込みを考えても良いくらいです。
親に連荘されると厄介なので親への放銃だけは避けましょう。
ツモ打
続いて西家・伊達さんの手は
ドラ伊達手牌
この手は役なしリーチ・赤2600点になりそうです。
また、役牌を重ねてポンでも2600程度の安手です。
もしリャンメン+リャンメンに変化すればアガリ優先で進めて、567三色が狙える時も満貫になるのでこれも押し寄りです。
伊達さんは三着目と31500点差あるので跳満直撃、三倍満ツモでも逆転されないのは強みです。
ツモ打
最後に北家・園田さんの手は
ドラ園田手牌
このままだと役なしリーチ1300、ピンフやタンヤオ変化も残された手です。
ここにを引けばになるのでできればこれを待ちにした待ちリーチ・ツモが目標です。
ツモ打
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
ツモで19字牌は八種九牌、国士無双の4シャンテン。
余裕のあるトップ目で同チームの多井さんの配牌オリを連想させます。
同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
これで3トイツ、トイツ手かメンツ手かまだ決められない状態です。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
ドラを引きドラタンキ待ちチートイツなら6000オール以上も見えます。
同巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
3巡目で1シャンテン。
まだマンズとピンズのくっつきもあるので様子見でいいでしょう。
のイーぺーコー、かでも引けば一気通貫も見られます。
同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
これで4トイツ、チートイツの2シャンテン。
ここにツモならピンフ狙い、ツモならチートイツ、ツモならイーぺーコーを見て進めます。
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
3トイツでホンロウ・チートイツの3シャンテンで国士無双も狙えます。
同巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
役なし1シャンテンを維持しつつ、ソーズ一気通貫・赤の満貫まで見られる1シャンテン。
これは三着目にかなり逆転されにくい二着目だからできる芸当です。
ここで切られたを園田さんがチーして打。
チードラ園田手牌
園田さんは食いタンを考えてらっしゃるようですが、片アガリ。
この場面、1000点でもアガれば三着終了ですがは場に1枚も切られず、ションパイです。
もし片アガリタンヤオで鳴く時はアガれない方が何枚切られているかに注目しましょう。
例えばアガれない方が三枚以上切られているなら、山にあるアガれる方の数多くなり、片アガリタンヤオの仕掛けの成功率がある程度高くなるので鳴くなら理解ができます。
もしこんな手でタンヤオを見るならアガれない方をツモった時にどうするか?を考えておくといいでしょう。
もし私が園田さんの手でタンヤオを見ているなら3巡目は切らず、切りしてへのくっつきやソーズの伸びを見ます。
2巡後、茅森さんは
ドラ茅森手牌
これで4トイツでチートイツ2シャンテン。
ドラ重なりで6000オールツモ〜大物手になりそうです。
同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
残したが重なり4トイツ、こちらもチートイツ2シャンテン。
また同巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
役なしタンキ待ちテンパイ。
引き一気通貫や引きフリテン待ちリーチ、引き待ち、引き待ち、引き待ち多面張も考えているようです。
例1
例2
例3
例4
例5
次巡、伊達さんがツモ切ったを園田さんがポンして打テンパイ。
ポンチードラ園田手牌
待ち片アガリ(だけしかアガれない)タンヤオ1000点です。
待ちのうちは茅森さんに2枚、伊達さんに1枚の山に1枚、は場に1枚、伊達さんに3枚の純カラで合わせて1+0=1枚だけ。
3巡後、茅森さんは
ドラ茅森手牌
5トイツでチートイツ1シャンテン。
同巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
テンパイでここから打の一気通貫・赤、ペン待ち。
ここで打としないのは、引きも考慮したからだと思われます。
伊達さんの待ちは茅森さんに2枚、園田さんに1枚の山に1枚。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
リーチ・チートイツ・赤・ドラ2、タンキ待ちでテンパイ即リーチ!
待ちは伊達さんに1枚、園田さんに1枚の山に1枚。
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
ツモり四暗刻1シャンテンですがは純カラ、はあと1枚とテンパイすら厳しそうです。
同巡、伊達さんから切られたを白鳥さんがポンして打テンパイ。
ポンドラ白鳥手牌
テンパイはしたものの、待ちは純カラでアガリ目は0です。
この直後、伊達さんはツモ打現物切りで回ります。
同巡、園田さんはツモ打、これが茅森さんにロン!
リーチロンドラ裏ドラ茅森手牌
裏ドラが2枚乗り、リーチ・チートイツ・赤・ドラ2・裏2の倍満、24000点。
このアガリで茅森さんは四着→三着になり、実質44000点のアガリとなりました。(一着順アップ+20、親倍+24)
連荘一本場は白鳥さん一人テンパイで流局。
結果は
白鳥 +97.2
伊達 + 9.8
茅森 −24.3
園田 −82.7
トップラスの差が179.9ポイントもの大差が付いた一戦でした。
引きスライド打で放銃となった園田さんですが、この片アガリタンヤオ仕掛けそのものが私には失敗に見えました。
ポンチードラ園田手牌
もしこの手にツモでツモ切りなら他家からのロンができなくなります。
そんな不測の事態を防ぐ為にも、アガれない方の牌が何枚切られているかを確認する必要があります。
通常のメンツ手狙いであれば19字牌が先に切られる事が多い(くっつきの性能が低いから)ので、本来なら19牌は先に切られるはずです。
そのがションパイの時点で引きの可能性がいつもより何倍も上がっています。
結果的には伊達さんにがあったからを引かなかっただけの話です。
園田さんのチーで茅森さんにドラが重なり、待ちになるを引き、ポンでを引き、引きテンパイで茅森さんの手がどんどん育っていきました。
園田さんの「なんなん?」が聞こえてきそうな一局です。
今回のまとめ
・片アガリタンヤオで鳴く時はアガれない方が何枚切られているかに注目(アガれない方をツモりやすいのか確認して鳴く、フリテンを防ぐ意味も)
ポンチードラ園田手牌
待ち片アガリタンヤオだがアガれない方はションパイで引きツモ切りフリテンの可能性がそれなりに高い。
場に3枚以上切られるなど、アガれない方を引く可能性が低いのを確認してから鳴く。
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2022年11月12日
ちょっとだけMリーグ#67
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は松ヶP 隆弥プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/fS5LAKsqPAM
2022年10月6日 第1試合
東4局
東家 松ヶP 隆弥 26600
南家 滝沢 和典 38400
西家 丸山 奏子 1600
北家 瀬戸熊 直樹 33400
(敬称略)
現在のトップ目が滝沢さんで二着目と5000点差なら1000−2000ツモ以上の1アガリで追いつかれる程度の差です。
三着目が松ヶPさんでトップ目と11800点差なら12000ロンや4000オールツモ以上のアガリが欲しい場面でしょう。
ラス目の丸山さんは三着目と25000点差で倍満ツモでも届かない大差です。
最初に親・松ヶPさんの手は
ドラ松ヶP手牌
赤2+ドラで役なしリーチでも12000、平和かタンヤオくらいにはなりそうな手です。
どの色がどう伸びるのかツモを確認しながらその伸びを止めないように進めます。
ツモ打
次に南家・滝沢さんの手は
ドラ滝沢手牌
こちらは赤もドラも無く、リーのみ1300点や役牌を重ねてポン1000点になりそうな手です。
もし手役を見るなら234三色同順か平和かといった所。
滝沢さんはほぼ安手になりそうなトップ目なので放銃しないように進めるので良いかもしれません。
ツモ打
続いて西家・丸山さんの手は
ドラ丸山手牌
こちらも赤やドラも無く平和か役牌ポン程度の安手になりそうです。
丸山さんは点棒状況的に満貫以上をアガりたいですが、ちょっと厳しそう。
ツモ打
最後に北家・瀬戸熊さんの手は
ドラ瀬戸熊手牌
赤+ドラで役なしリーチでも5200~なら勝負手になりそうです。(5200でトップ目)
これはペンチャンが残る3シャンテンで、変化によってはタンヤオや平和も少しありそうです。
ツモ打
次巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
1メンツ完成の平和3シャンテン。
同巡、丸山さんは
ドラ丸山手牌
少し678三色の目が出てきました。
次巡、松ヶPさんは
ドラ松ヶP手牌
これでメンツ手2シャンテン。
ソーズ四連形ができたのでツモでリャンメン受け入れに変化します。
次巡、松ヶPさんは
ドラ松ヶP手牌
松ヶPさんは小考して打しますが、
ピンズツモとソーズカン、ツモで好形、ツモってアンコもあります。
もしかすると松ヶPさんは食いタンを考えたのかもしれませんが、ツモかカンツモの場合のチーを意識しておく程度で良いでしょう。
ドラ例1
例2
例3
ドラ例4
特に例4はリーチでリーチ・平和・赤・ドラ12000あるので現状は鳴く必要もありません。
例1〜3は1シャンテンなので他家仕掛けが入ると鳴きを入れる場合もあるでしょう。
同巡、丸山さんは
ドラ丸山手牌
メンツ手2シャンテンですがリーチ・平和2000かリーチ1300点になりそうです。
次巡、松ヶPさんは
ドラ松ヶP手牌
ツモならテンパイになる1シャンテン。
日吉さんは「パーフェクト1シャンテン」と呼んでいますが、こんな形なら「もらった!!」と感じても仕方ないですね。
同巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
ドラ受け入れの残る1シャンテン。
更に同巡、瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌
タンヤオ変化も見られる形になってきました。
次巡、瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌
これでカン、チーができます。
次巡、松ヶPさんは
ドラ松ヶP手牌
ここから1牌を切る必要がありますがはドラ表示牌と場に1枚切れで見た目上は残り2枚、は手に1枚と場に1枚切れで残り2枚、はションパイで残り4枚。
ここから松ヶPさんは打。
ドラツモのドラアンコ形も逃がせないのとが4枚見えているのでソーズは縦引きにも対応できるようにしておきたいです。
それならピンズ受け入れを決めてしまった方がいいでしょう。
次巡、松ヶPさんは
ドラ松ヶP手牌
待ち平和・赤2・ドラダマテンを選択。
待ちのうちは滝沢さんに2枚、丸山さんに1枚の山に1枚、は松ヶPさんに1枚、滝沢さんに1枚、丸山さんに1枚、瀬戸熊さんに1枚の純カラ、は場に2枚切れの山に2枚。
ここはダマテン12000でいいという判断は「繊細なる超巨砲」の通り名らしい松ヶPさんですが、ここはリーチでも良かったんじゃないでしょうか。
今局で12000アガったとしても松ヶPさん38600、滝沢さん38400と二着目と200点差しかありません。
連荘した次局でアガられて再逆転も十分あります。(次局400−700ツモられても二着落ち)
ダマテンで少しアガリ率が上がるのと連荘の確率が上がるのがダマテンのメリットです。
それならリーチして安目ツモでも6000オールをツモりにいった方が良いと私は感じます。
高目一発ツモかツモって裏1で倍満、8000オールもあります。
リーチツモドラアガリ例1
松ヶPさんテンパイの4巡後、丸山さんから切られたにロン!
ロンドラ松ヶP手牌
松ヶPさんの捨牌を見ると
松ヶP捨牌
テンパイ打牌がドラでそこからと3〜7牌を3枚もツモ切っています。
おおよそのテンパイスピードを計る時には3〜7牌の切られた枚数に注目しましょう、と以前私は言いました。
この捨牌で切られた3〜7牌はと5枚です。
メンツやターツを構成するのに欠かせないのは基本的に3〜7牌です。(チャンタや純チャンでもキー牌の3と7)
これが5枚も不要になるのはかなりテンパイの可能性が高いと見ることもできます。
例えば3〜7が2枚切られると1シャンテンかテンパイ。
3〜7が3枚以上切られるとテンパイの可能性大です。
ただしこれが変則手狙いの場合は除き、例外とします。
ここで言う変則手とはチートイツ、トイトイ、国士無双、チャンタ、純チャン、混老頭などの通常のメンツ手狙いではないものを指します。
松ヶPさんの12000で
滝沢 38400
丸山 −10400
瀬戸熊 33400
松ヶP 38600
松ヶPさんは二着目と200点差のトップ目に躍り出ました。
まだ東場ながら、戦意を喪失したような丸山さんの表情(7:19〜)が印象的な一局です。
今回のまとめ
・点棒状況から、何点のアガリが必要か考えてみる
ドラ松ヶP手牌
松ヶPさんはトップ目と11800点差の二着目でどれをダマテンでアガっても連荘だが12000で二着目と200点差のトップ目になるだけで次局逆転もある。(次局400−700ツモられても二着落ち)
ここはリーチ・ツモ・平和・赤2・ドラの6000オールや高目一発ツモ、ツモって裏1の8000オールまで見てリーチがおすすめ。
・捨牌で3〜7が2枚切られると1シャンテンかテンパイ。
3〜7が3枚以上切られるとテンパイの可能性大。
ただしこれは変則手狙いの場合を除く。(チートイツ、トイトイ、国士無双、チャンタ、純チャン、混老頭などトイツ系手役とチャンタ系手役は含まない)
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