2014年01月25日
383. 陳建一 中華の鉄人・四川飯店・ディズニーランド 「サワコの朝」
1956年生まれ。58歳。東京都出身。東京・赤坂の「四川飯店」2代目オーナー。
父・陳建民さんは60年前、日本に初めて麻婆豆腐やエビチリを紹介しました。
そのお父さんに師事したのが21歳のとき。
テレビ番組「料理の鉄人」で「中華の鉄人」として、一躍名前を知られることとなりました。
「記憶の中で今もきらめく曲」は
「卒業写真」荒井由実
修業時代によく聴いた曲だそうです。
「調理場は営業時間は真剣…。アイドルタイム(仕込み?)は音楽聴いていいの。リラックスしないといけない…」
「鉄人」の父
お父さん、建民さんは「感性の人」だったそうです。「『見て覚えろ』って…。感覚で教えてくれて…」
県民さんは60年前に、「観光で」日本に来たそうです。ところがお金が無くなって、中華料理店でアルバイト。そこで運命の出会い…建一さんのお母さんです。
「父の料理を食べて、おいしかった…。『これを日本に広めよう!』」「それを実現していくわけ」「『四川飯店』作って、人を雇って、教えて…、(四川料理を)広めていった…」
ご両親の情熱と戦略で広まった四川料理…ですね。
四川料理というと「辛い」というイメージだとアガワさん。陳さんが説明します。
四川省はある時期、戦争で人が少なくなり、その後、各地から人が集まったそうです。そのとき「各地のシェフが集まった…。」と陳さん。「北京、上海、広東…、いろいろミックスさせてできたのが四川料理。辛い味だけではなく、いろいろある」
麻婆豆腐は「麻婆…マー婆さん」が作った豆腐料理、らしいのですが、「それを持ってきたのが父」だそうです。
お父さんの功績はそれだけでなく、エビチリにケチャップを入れる、担々麺にスープを加える、など、日本人の口に合うようアレンジしたこと。そのアレンジが中国にも受け入れられ、今や本場中国でもエビチリにケチャップを加えるようになりつつあるのだとか。
お父さんが亡くなったのが陳さん35歳のとき。お父さんと比べられていろいろ言われたそうですが…・
「自分が作ったのに、『父が作りました』って言って出したら、『やっぱり旨い』って」そんなイタズラをしながら乗り越えたようで…。
「料理の鉄人」に出演
かつての人気テレビ番組「料理の鉄人」に陳さんは「中華の鉄人」として出演。
一定の時間内に与えられた食材で料理を作り、他の料理人と味を競うという…。
初出演のときは「ものすごく緊張しちゃって…。なに作っていいか分からない…」
すごく勉強になったようです。「初めて見る食材…」「トリュフはポケット入れて持って帰った…」(笑)
「和の鉄人」道場六三郎さんや「フレンチの鉄人」坂井宏行さんと仲良くなったそうです。調理の仕方や食材のことなど、「いろんなことを教えてくれるんだから…」「人生が広がった…」
毎年、一緒に中国に旅行するそうです。「合宿…」「料理の?」「ゴルフ合宿…」。
料理が大好き
有名になった今でも、できるだけ「調理場に立つ」という陳さん。家でも腕を振るうそうです。「料理大好きだもん」
「中華以外では?」
「パスタが最高においしい」(笑)店で出してお客さんを驚かせることもあるそうです。裏メニュー?
「どんなお客さんに対しても全力で料理を…」と陳さん。「ただ人間だから、気持ちは出る」とも。「彼女が来ると張り切っちゃうじゃない?」これは問題発言?それとも一般論?
冷蔵庫に眠っているしなびた野菜の調理についてアガワさんが質問すると、「『塩もみ』してから炒めるといい」と即答。「塩もみすると生き返る」
「だれが食べてもおいしいという料理は無い」と陳さん。「あったらいいね…」「自分を信じて、おいしいと思った麻婆豆腐を出してるだけなの…」「それに対してファンが多ければお客さん、来るわけ…」「ファン作りしてる…今だにしてる…」
厨房をディズニーランドに
「調理場では笑顔で」と陳さん。
「調理場ではあまりお客さんと接する機会がないのでは?」とアガワさん。
「うちは接するの…。見学、全然OK。ウェルカム、どうぞ、そういう店にしたいわけ…」と陳さん。「『ディズニーランドにしたいな』って…」「楽しいじゃないですか、ディズニーランド…。ワクワクするし、思いません?」
「好きなんですか?」
「大好き!」(笑)「調理場がディズニーランドであってほしいな…」
調理場というと怒号が飛び交う、というイメージがありますが。
「厨房では怒っちゃいけないんです」と陳さん。「でも人間だから、『おい!』、そうすると息子が、『ビー!』」「そうすると、『(優しく)ダメだよう…』って感じで…」(笑)「疲れんだよ…」
その息子、建太郎さんがやがて「四川飯店」の3代目に…。
「『適当にやれ』って…。今苦悩してる…」と陳さん。祖父は日本に四川料理を広めた人。父は「中華の鉄人」。そりゃあ悩むでしょう。
「かわいい?」とアガワさん。
「かわいいに決まってるよ…。おれより美味いんだもん」と陳さん。「その噂を流してるのはおれなんだけど…」(笑)
「今、心に響く曲」は
「私がオバさんになっても」森高千里
「おもしろいじゃない?」「元気になる」と陳さん。
人前に出るのが大好き、という陳さん。陽性パワーを存分に振りまいた「サワコの朝」でした。
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