2013年06月19日
193. 石倉三郎 浅草・大阪で開眼・俳優志望・高倉健・三木のり平 「にじいろジーン」
「ぐっさんを連れて行くならこんトコ!」で待ち合わせをしたのは浅草です。
「石倉さん、どこにいるのかな?とぐっさんが浅草の繁華な通りを歩いていると、明るい日差しの中、石倉さんはすでに一杯やっていました。
30年通う居酒屋
昭和44年創業の「居酒屋 大勝(だいかつ)」です。「ぼく、生まれた年です」とぐっさん。
この通りは、約20軒の大衆酒場が並ぶ、通称「煮込み通り」と呼ばれる通りで、日中から大勢の客で賑わう人気スポットです。
「おれ、喰うもんなくて、住むとこなくて、夜露で生きてきたね」と石倉さん。
人気メニューは
「牛もつ煮込み」 (550円) 国産牛のみを使用した、さっぱりした煮込みです。
「青空の下で飲む、何とも言えないわ」と嬉しそうな石倉さん。そのときハプニング。
「あ!京子ちゃん!」とぐっさんが声を掛けたのは、自転車に乗った浜口京子さん。
自転車から降りて挨拶する浜口さん。「美容院へ行こうと思って」地元なんですね。
「いつも浅草で会うんです」とぐっさん。ひとしきりあいさつした後、浜口さんは再び美容院へ。
「ああいう育てられ方をしたいね」と石倉さん。これにはいろんな含みがあるかと…。自らの貧しかった幼少時代が頭をよぎったのでしょうか?
ところでずらっと並ぶ居酒屋の中でどうして「大勝」を?
「ここを通りかかったのは30年前。名前が気に入ってね。先代が喰えない芸人のことをよくわかってくれてね…」
1967年、石倉さんは役者を志し、東映に入社。
1980年にレオナルド熊さんと「コント・レオナルド」を結成。大ブレイクします。
「もともとは東映でスタート?」「そう!」売れない時代が15年続きました。
売れてからも苦労はありました。関西の3花月(なんば花月、うめだ花月、京都花月)に出た時のことです。
「花月で、クスッともないよ」つらくて懐かしい思い出です。
「俳優として手応えを感じたのはいつごろですか?」
「まだないね」「え!かっこいい…」
「いや、ほんと。まだないね」「いつか手応えを感じるようになりたい…」
六区でプリン
その後、大衆演芸の中心地「六区通り」を散策する2人。
浅草にゆかりのある芸人さん、33名の写真が飾られています。
この通りを歩いていて、ある店の人から声を掛けられます。そのお店は
「浅草シルクプリン 2号店」
「入ろうか?」ということで店内へ。「いつから(の営業)ですか?」「2年前です」
2人が食べたのは
「浅草シルクプリン」(350円)
屋外のテーブルで食べる2人。口に入れて「ん!うまっ!」とぐっさん。「うまいよ、これ」と石倉さん。
「浅草でちょこんと座って甘いものをいただくのもいいですね」とぐっさんが言うと、「ぜいたくな日だね!」と応える石倉さん。「そういう場所なんでしょうね」
内気な少年を変えた言葉
続いて2人は浅草寺へ。
浅草寺の境内(?)のベンチに座り、石倉さんが幼少時代を語ります。
石倉さん、今でこそ強面で(失礼)、元気なイメージですが、幼いころは大変内気な性格だったそうです。引っ込み思案で暗かったとか。
「貧乏だったから明るくなりようがなかった…」
小6まで小豆島で暮らし、中学校から大阪に転居。
「学校に持っていくお金ってあるじゃない?義務教育と言えどもさあ、PTA会費とか…」
「あるガキが『お前、何カ月も持ってきてないやないか!』って」
ここで石倉さん、言い返したのです。
「しゃあないやないか、貧乏なんやから。義務教育で金取るんかい!おかしいと思てたんや!」
この一言が大受けしたのです。面白ければOKという土壌が大阪にはありますからね。
「貧乏がギャグになるのよ。大阪ってとこは素晴らしい国だと思ったよ。それで性格が180度変わったね」
スター誕生の瞬間です。今の石倉さんに通ずる明るさや押しの強さを育てたのは大阪?
石倉さんは、当時人気のあった三木のり平に憧れ、20歳で上京します。
「三木のり平・命だったわけ…そのためには東京に行くしかないだろうって」
バイト時代、高倉健さんが毎晩のように通っていた喫茶店に、たまたま石倉さんも入り、面識を得ます。
「うわあ!高倉健だ!」
役者志望のことを健さんに話すと「東映に来れば給料ももらえるし、最初は通行人とかだろうけど、頑張って…」
「天の声だよ、でも運が良すぎたんだね…ずーっと停滞しているのは」
地元にて
続いて江東区門前仲町にやってきました。
「来ましたね、地元」
2人が入ったのは
「花菱(はなびし)」
石倉さんの奥様(石原富久子さん)が女将を務める創業49年の割烹料理店です。
石倉さん、料理人の格好をして、カウンターの中に入り、包丁を握ります。
「ぐっさんは私を貧乏ったらしい男だと思っているでしょ?」「一言も言ってないですよ!」「おれの被害者意識?」確かにすごい被害妄想ですね。
石倉さんがササッと作ったのは
「揚げとキュウリの酢の物」キュウリと油揚げを三杯酢で和えた料理です。
「イワシのカレーピカタ」イワシをカレー粉と小麦粉を混ぜたものにつけて油で揚げました。
「うまい!石倉さんが考えてるんですか?」「あたり前田のクラッカー」「久しぶりに聞くわ」
いいなあ、石倉さん。石倉さんに強さ・侠気・切なさ・ユーモアが感じられる理由が分かった気がした、「ぐっさんを連れて行くなら…」でした。
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