【ボランティア精神】
ボランティアとは何でしょう?
倫理用語集にこう書いてあります。
「個人が自由意志に基づき、
自分の時間や労力を提供して社会に貢献すること。
ラテン語で『意志する』を意味する【volo】に由来する。
形態は多様だが、
ふつう、
自主性を前提に、
非営利目的で、
政府や企業とは無関係に公共の利益のために行われる民間活動をさす。
また、
これらの点から、
公平性を重視する政府や私的な利益追求を最優先する企業には生み出せないサービスを提供できるという独自の強みがあり、
保健・医療・福祉を筆頭に、
街づくり、教育、
文化・芸術・スポーツ、
環境、国際協力、災害救援など、
社会の様々な分野で独自の大きな役割を果たすとされる。
歴史的には、
キリスト教の隣人愛や市民社会の精神を基盤として、
イギリスやアメリカなど欧米諸国で発展してきた。
欧米諸国と比べ日本ではまだ定着していないものの、
1995年の阪神大震災を機に普及しつつある。」
では、
ボランティアにとって大切なことは、
何だと思いますか?
これについて、
NPO法人アジアチャイルドサポート代表理事の池間哲郎さんは、著書
『最も大切なボランティアは、自分自身が一生懸命に生きること』
(著者 池間哲郎 現代書林)
の中で、
ボランティア活動に必要な戒めとして、
次の4点を挙げています。
(203頁〜206頁)
「@ 心から尊敬すること
まず1つ目に大事なことは
『現地の人々を心から尊敬すること』
です。
現場での上から目線は、
絶対にダメです。
現地の人々を変えてみせる、
助けてあげる、
教えてあげる、
つくってあげる、
お金をあげる、
物をあげる。
こうした
『あげる、あげる』
という姿勢は、
非常に失礼なことだと私は思っています。
まず、
そういう上から目線を取り除くことです。
懸命に生き抜く人々の精神的なものは、
豊かさの中で暮らしている日本人よりも、
はるかに高いものがあると私は感じています。
親のために懸命に働く子どもたちには、
いつも頭が下がります。
『なぜ、これほどまでに苦しい中で笑顔が出てくるのか』
と感動します。
国際協力の基本は、
その土地の人々を心から尊敬することです。
A 知ることも大切なボランティア
同じアジアに暮らす人々でさえも、
毎日、貧しさのために多くの命が奪われています。
失われる命のほとんどは子どもです。
アジアだけではありません。
日本人のように豊かな国で暮らしている人々は、ごくわずかです。
途上国の現実を、
懸命に生き抜いている人々のことを知ってください。
知ることも大切なボランティアです。
B 少しだけ分けること
3番目は
『少しだけ分ける』
ことです。
知って理解すれば、
それに対して、
どうすればボランティアになるのでしょうか。
自分のやさしい心を少しだけ分けることです。
100%の愛はいりません。
ほんのちょっと1%だけでいいのです。
私は100円のお金がないために失われる命を見てきました。
日本人の私たちにとってはわずかなお金ですが、
それが確実に大きな命に変わっていくのです。
やさしい心を、
ほんの少しだけ、
一生懸命に生きている人々、
子どもたちに分けてください。
余裕があるから、
いらないからあげるのではありません。
少しだけ何かを我慢し、
分ける心が大切なのです。
C 自分自身が一生懸命に生きること
最後は
『最も大切なボランティアは、自分自身が一生懸命生きる』
ということです。
これが一番お伝えしたいことであり、
私が自らにも毎日言い聞かせている言葉です。
一番大切なボランティアは何かということです。
『誰かのため、人のため、貧しい国の恵まれない子どもたちを助ける』。
それも大事です。
しかし、
もっと大切なことがあります。
それは自分自身が一生懸命生きることです。
最初のほうでお話したように、
私が国際協力ボランティアに本気で取り組むようになったのは、
ゴミ捨て場で生きる子どもたちとの出会いでした。
深刻な貧しさの中でも、
決して笑顔を失うことなく必死になって生き抜いている彼らの姿に衝撃を受け、
大きな感動を得たからこそ、
この活動を本気で生涯続けていこうと決断したのです。
『最も大切なボランティアは、自分自身が一生懸命に生きること』。
これは自己体験から自然に出てきた言葉です。
(中略)
フィリピン・スモーキーマウンテンのゴミ捨て場で、
素っ裸の5歳くらいの男の子が懸命に働く姿に出会ったときのことです。
足の先から頭のてっぺんまで真っ黒。
足は傷つき血が流れている。
ゴミを拾う手を見ると爪がめくれている。
そんな少年を見ていて最初は
『可哀想だなあ』
と思いました。
しかし、
しばらく見ていたら自分の中で信じられないことが起きたのです。
突然、私の目から涙がボロボロ流れてきました。
そして、こう思ったのです。
『こんな小さな子どもでさえも必死に生きている。
それなのにオレは一体、今まで何をしていたのだ。
恥ずかしい』
『真剣に生きていかないと、この子たちに失礼だ』
と心の底から思いました。
これまでの自分の無様な人生、生き方に深い反省が生まれたのです。
そして、一生懸命に生きることを誓いました。
すると、
子どもたちを心から尊敬し、
大切だと思うようになったのです。
一生懸命に生きるからこそ自分の命も他人の命も尊いと思えるのです。
真剣に生きてこそ、
人の痛みや悲しみは胸に伝わってくると思います。
最も大切なボランティアは、自分自身が一生懸命に生きることです。
断言します。」
煎じ詰めれば、
仕事もボランティアも生き方そのものも、
『自分自身の最善を尽くすこと』
のようです。
天性を活かし、
天職に就き、
天命を全うしましょう
天命とは、
『世の為、人の為、天の為に最善を尽くすこと』
です。
『我が為になすは我が身の為ならず 人の為こそ我が為と知れ』
“Do good; thou doest it for thyself.”
(慈悲を施せ、それは汝自身のためにすることになる)
『最も大切なボランティアは、自分自身が一生懸命に生きること』
(著者 池間哲郎 現代書林)
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