【感情の黄金比とは?】
感情の黄金比とは何でしょうか?
これについて、
天才心理学者であるバーバラ・フレドリクソン博士は、著書
『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』(監修者 植木理恵 訳者 高橋由紀子 日本実業出版社)の中で、こう述べています。
「ロサダは数学を使って、
『ポジティビティはネガティビティの3倍を超えたとき初めて、
人が繁栄するのに十分な量となる』
という大胆な予想を立てました。
私の役目は、
バトンタッチされたこの数字を持って走ること、
すなわち心理学の手法でこの結果をテストすることでした。
(中略)
ポジティビティとネガティビティは対称的ではありません。
まず、
ネガティブ感情はポジティブ感情よりも強く感じます。
心理学ではこの傾向を
『ネガティビティ・バイアス』
と呼びます。
また、
もうひとつの違いは頻度です。
精神の病気でない限り、
ふつうの人は1日のほとんどの時間を、少なくとも
『ほどほどにいい状態』
と感じています。
心理学ではこの傾向を
『ポジティビティ・オフセット』
と呼びます。
意外かもしれませんが、
悪い感情というのは比較的まれなのです。
集計はこの非対称性が考慮されています。
各自の日々のポジティビティ比を計算してから、
1ヵ月の平均にならすことはむろん可能です。
しかしダイエットと同じで、
大事なのは1日をよりよく過ごすことよりも、
むしろ長期にわたる効果です。
それを考えて、
私は1ヵ月分のポジティビティの数を1ヵ月分のネガティビティの数で割りました。
これによって、
ネガティビティがゼロという日があったときに、
何かをゼロで割ることはできない、
という問題も解消できました。
2セットのデータを調べて驚いたのは、
『繁栄』に区分された人々の比率の平均が、
『3.2:1』と『3.4:1』で、
両方とも『3:1以上』だったのに対し、
『繁栄』以外の人々の比率の平均が『2.3:1』と『2.1:1』と、
両方とも『3:1以下』だったことです。
ロサダが予測した通り、
まさしく『3:1』がディッピングポイントだったわけです。
大多数の人の場合、
ポジティビティ比は、
『ポジティビティ・オフセット』を反映して、
2:1のあたりにあります。
多くの時間は確かにポジティブなのです。
しかしそれではまだ、
『繁栄』の種をまくまでに至らないようです。
『繁栄』側にいる人はみな、
ポジティビティ比が『3:1』を超えているのです。」(186頁〜188頁)
人生を繁栄に導くためには、
ポジティビティ比を高めることが肝要です。
これについて、
フレドリクソン博士は、
同書の中で、こう述べています。
「まずはよい知らせです。
現在どのような状況にあろうと、
みなさんには自分の人生と自分のまわりの世界をよい方向に変化させる能力があります。
発展や創造に満ちた幸福な人生を築くための、
また逆境から見事に立ち直るための有効成分を自らの手の中に持っています。
さらなるよい知らせは、
この有効成分が再生可能だということです。
汲めども尽きぬ泉を自分の中に持っているようなものです。
では次に悪い知らせです。
たいていの人は、
この有効成分がかなり不足している状態です。
供給を増やさないと、
最良の人生を作るためのレシピが成立しません。
さらに悲しい知らせは、
多くの人が、
その泉の存在を知らないことです。
有効成分は汲み上げられず、
放置されています。
そして当人は、
外の世界をやたらに探し回ります。
お金で買えるものが、
人生をよくしてくれると勘違いしているのです。
この有効成分とはいったい何でしょう。
それはポジティビティです。
それも心から感じるポジティビティ。」(38頁)
表面的なポジティビティではなくて、
心からのポジティビティが重要です。
無理やりポジティブ感情にしようとするのではなくて、
自然にポジティブ感情が芽生えるようにすることが肝心です。
これに関して、
同書の監修者である植木理恵さん(心理学者・臨床心理士)は、
『監修によせて』
の中で、こう述べています。
「これは幾多の臨床経験からも断言できることであるが、
人間の脳に不意に浮かび上がる気分(フィーリング)に、
無価値なものはひとつもない。
すべてが重要な役割を持っている。
暗さ、寂しさ、怒り、
このようなネガティブな気分は、
そのときのその人にとって、
とても必要だからわいてくるのである。
『暗さ』は自己洞察をあえて狭めることで考えを深めてくれる。
『寂しさ』は脳の活動を停止させ、
心を休めてくれる。
『怒り』は心の中の深い感情を、
自分に知らせてくれる。
そんな脳のシグナルを無視して、
やたらに
『ポジティブが一番!』
と大声で笑い合い、
心の奥と対峙せずに自己をもみ消す毎日。
フレドリクソン氏も強調しているが、
それはジワジワと心身を蝕み、
病理へとつながっていく危険な生き方である。
本書が主眼としていることは、
『人間は、決して快楽原理のみを希求して生きている存在ではない』
ということだ。
人は誰しも
『現状の自己』
を超えて、
大きく自己を
『繁栄』
させたい、
という意欲にあふれている。
(中略)
『ポジティブ:ネガティブ』の黄金比率(3:1)を発見し、
その絶妙なバランスのうえでこそ、
メンタルヘルスが正常に機能することを証明している。
『3:0』ではないのが斬新だ。
ネガティブも『1』あることが必要なのだ、と。
ここが興味深い。
(中略)
本書はエビデンス(学術的根拠)にどこまでもこだわった
『科学的ポジティブ追究本』
であり、
学問として信用に足りる。
すぐに実践できるアドバイスも多い。
ポジティブの奥に潜む強大なパワーを、
『これでもか!』
とばかりに、
粘着質に真摯に研究を積み重ね、
躍起になって証明しているフレドリクソン氏に、
私は計り知れない敬意とともに愛を感じる。」(2頁〜4頁)
この本『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』(日本実業出版社)は、愛に満ちた良書です。
御一読をおすすめします。
ネガティブ感情を頭ごなしに否定しないことが肝要です。
何事もバランスと調和が大切です。
無理やりポジティブ感情にしようとするのはNGです。
自然にポジティブ感情になるようにしましょう。
7つの習慣をおすすめします。
@ 早寝早起きを励行する
A 早朝の瞑想を日課とする
B 有酸素運動を習慣にする
C ネガティブ情報を制限する
D 自然と頻繁に親しむ
E 良書を読むことを日課にする
F 常に笑顔を心掛ける
心の対話術をマスターして、
ポジティビティ比3:1を目指しましょう。
繁栄の人生を共に歩みましょう
️
(推薦図書)
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(著者 バーバラ・フレドリクソン 監修者 植木理恵 訳者 高橋由紀子 日本実業出版社)
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