こんにちは!
EVE2です。
今日は、2023年10月2日に書いた、オーバーツーリズムに関する追加レポートです。
前回は、死荷重が分からないとか、社会的総余剰が分からないとか言った内容で、オーバーツーリズムにおいて、中小企業診断士試験の解説や理解という面では問題がありました。政府の役割のリポートとしては役にたったかもしれませんが・・・?
それから、2ヶ月を経た現在、経済学・経済政策を再び勉強してみて、納得できたので、追加リポートしたいと思います。ただ、その理解が合っているかどうか微妙です。もし、違っている点等ございましたら、ご連絡ください。では、早速見ていきましょう!
[令和2年の経済学・経済政策の問題8]
今回は、問題から見て行きましょう!
オーバー・ツーリズムによる地域住民の生活への悪影響に対して、政府が税を使って対処することの効果を考える。下図において、Dはこの地域の観光資源に対する需要曲線、Sは観光業者の私的限界費用曲線、S’はオーバー・ツーリズムに伴う限界外部費用を含めた観光業者の社会的限界費用曲線である。
この図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a,課税によって、観光客の余剰は四角形BCJGだけ減少する。
b,課税によって、観光業者の余剰は四角形EFHGだけ減少する。
c,課税によって、この地域の総余剰は三角形GJIだけ増加する。
d,課税によって、政府は四角形EFJIの税収を得る。
〔解答群〕
ア,aとb
イ,aとc
ウ,bとc
エ,bとd
[問題の分析]
この問題の嫌らしい点は、「税金を使って対処」とありますが、この使っているというのが曲者・・・。ここは本来の日本語は、利用してだと思うのですが、多分、わざとこのように書いてあるのだと思います。
問題としては、税金を課すことにより、社会的に最適な状態を実現することを意図しています。ただ、文章を読むと誤解をしてしまいます。前回、その点について事細かに書きましたが、よく考えたら、出題者の言葉遊びに付き合っただけでした。
では、問題の考えるポイントについて時系列に並べて考えていきましょう!
@オーバーツーリズムが発生している。
Aオーバーツーリズムが発生している状態を解消するために税を課す。
[オーバーツーリズムが発生している]
前回間違えた大きなポイントは、まず最初にオーバーツーリズムが発生している図が理解できていませんでした。ようは、需要・供給曲線的には均衡状態になっているのだが、その状態がそもそもオーバーツーリズムの状態なのです。そのオーバーツーリズムの状態は、外部不経済、死荷重が発生している状態です。今から考えると、以上の理解はあたりまえのような気がするのですが、前回、ブログを書いたときはそこまで理解できていませんでした。
そのときの、消費者余剰と生産者余剰は、以下の通りとなります。
消費者余剰:AJC
生産者余剰:CFJ
外部不経済:EFJI
死 荷 重:GIJ
社会的総余剰:AEG-GJI
(消費者余剰と生産者余剰の合計から死荷重を減算したもの)
この段階において、政府は課税していないので、政府余剰はありません。
[オーバーツーリズムが発生している状態を解消するために税を課す]
以上のような状態を解消するために、政府が税を課すことにより、最適な余剰を実現します。そのときの、それぞれの余剰が以下の通りとなります。
消費者余剰:ABG
生産者余剰:BEG
外部不経済:EFHG
政府余剰 :EFHG
社会総的余剰:AEG
この時点で初めて気づいたのは、政府が税を課すことにより、市場が最適な状態になったと言うこと・・・。上記において、外部不経済と記述していますが、実際には、最適な状態となり、かつ、死荷重もなくなっています。その代わりに、政府が課税したことにより、税収が有り、政府余剰が発生しています。
余談ですが、政府余剰は、数量×価格(Q1×(E-F))となります。他の問題において、政府余剰について聞かれることがあるのですが、この点を気をつけていないと間違える場合があります。
この段階でまだ理解できていないのは、社会的総余剰・・・。政府が税を課した後の社会総余剰は、AFHGのような気がするのですが、違うようです。AEGとなります。なぜだろう???誰か教えて下さい。
[あとがき]
スッキリとはいきませんでしたが、喉のつかえは取れたような気がします。
まだ、分かっていない点がありますが、次回見たら、パッとひらめくかもしれません。徐々にですが、進歩はあるようです。
では、また!
追伸・・・。
ブログ更新後ChatGPTに政府余剰が社会的総余剰に含まれるかどうか聞いてみました。
生産者余剰と消費者余剰の合計は社会的総余剰を構成します。社会的総余剰は、市場における資源の効率的な割り当てを示す指標であり、生産者余剰と消費者余剰の合計として表されます。簡単に言えば、社会全体が取引によって得る余剰の総和を指します。
しかし、政府余剰は一般的に社会的総余剰に含まれません。政府余剰は税金や補助金など、政府が市場経済に介入することによって発生する余剰を指します。社会的総余剰は主に市場の参加者である生産者と消費者に関連する余剰を考慮していますが、政府余剰は政府の介入によって生じるものであり、その計算には含まれません。
社会的総余剰の計算式は以下のようになります:
社会的総余剰 = 生産者余剰 + 消費者余剰
この式では、政府余剰は含まれていません。政府余剰を考慮する場合は、それを別途計算し、必要に応じて総合してください。
ただ、Bingでは、社会的総余剰に政府余剰は含まれるとのこと・・・。どっちが本当???
■オーバーツーリズム 〜経済学・経済政策〜
https://fanblogs.jp/studyingmba/archive/41/0
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