こんにちは!
EVE2です。
昨日、2023年7月30日にBS NHKで放送された、「欲望の資本主義」という番組を見ました。その番組の中で、経済学の重鎮ジョセフ・ステグリッツ氏が非常に興味をそそる話をしていましたので御紹介したいと思います。
[欲望の資本主義]
この番組、NHKが製作しており、シリーズ化されています。インターネットで検索すると、2017年ぐらいから放送されているらしいのです。ただ、私自身は、2019年ぐらいからこのシリーズを面白く見させていただいています。
内容としては、資本主義の現状と今後、そして日本経済の課題などを紹介し、世界経済の現状を分析するといった番組です。
今回は、経済学の重鎮ジョセフ・ステグリッツ氏が出演し、現状の経済政策について言及しています。
[各国は誤った処方箋を飲み続けている]
2022年、コロナが収束し、経済が回るのと同時に、ロシア・ウクライナ戦争が始まりました。その影響によりモノが不足し過度なインフレが発生しています。
その時の各国の対応は、拡張的経済政策を終了し、急速なスピードで利上げを実行しています。それに対して、経済学の重鎮ジョセフ・ステグリッツ氏は、本来服用しなければいけない処方箋とは違う、従来の処方箋を服用している。その服用は、症状を悪化させているというのです。
[何が違う]
何が違っているのかというと、今回のインフレの原因は、供給不足によるインフレであり、本来ならその不足している供給を増やすために、利下げをし、生産を増やすべきなのに、逆に金利を上げ、供給を妨げているというのです。
その政府の政策により、各企業は製品の価格を上げ、インフレを冗長させているというのです。
右のグラフは、需要・供給曲線で、@のグラフは、各国の政策から類推する、各国政府の現状把握の状況で、Aのグラフがジョセフ・ステグリッツ氏の現状把握です。
なお、日本は、現在デフレという状態にあり、どちらにも当てはまらないと言うことになります。
[インフレ]
中小企業診断士を勉強されている方なら、知っているとは思うのですが、インフレには、ディマンドプルインフレとコストプッシュインフレという2種類のインフレがあります。「ゼロからはじめるシステム開発」つながりでこのブログを見てくれている人もいると思われるので、2種類のインフレについて説明しましょう。
[デマンドプルインフレ]
このインフレは、景気の過熱を起因として、需要が供給を上回ることによって生じるインフレのことを言います。そのため、需要インフレーションと表現されることもあります。
このインフレ時には、
・政府支出 上昇
・消費 上昇
・原材料 上昇
・物価 上昇
・投資 上昇
・労働供給 上昇
・所得 上昇
という状況になり、前日銀総裁黒田氏が望んだインフレを指します。
[コストプッシュインフレ]
このインフレは、金や原材料などの高騰が原因となり、生産費用(賃金、原材料、燃料費など)が上昇することにより生じるインフレを言います。
このとき市場では、
・政府支出 −
・消費 低下
・原材料 上昇
・物価 上昇
・投資 低下
・労働供給 低下
・所得 低下
以上の状況が考えられます。
[デマンドプルインフレとコストプッシュインフレにおける対策]
ディマンドプルインフレにおける対策は、本来望む形なので、放置で良いのだと思いますが、それが過度に行われた場合、需要曲線が右にシフトしているので、利上げをしなければいけません。
コストプッシュインフレは、コストが上昇することにより、供給を減らし、供給曲線を左にシフトさせているため、供給を増やすために利下げする、または政府支出を増やすことにより、投資を促し、需要を喚起するといった政策が必要になります。
[理論と現状の考察]
以上の調査から、現状、コストプッシュインフレなのに、ディマンドプルインフレの対策をしているのでは?っといった疑念がでてきました。
ただ、本当にそうなのでしょうか?各国は、集団浅慮といった状態に陥り、このような政策をとったのでしょうか?
もうちょっと、別の側面から明日も引き続きこの件を考察していきたいと思います。
では、また!
■欲望の資本主義 2023夏 特別編 スティグリッツからの挑戦状
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2023129519SA000/?np_banID=top_sp0012_129519
【このカテゴリーの最新記事】