新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2015年07月18日
『光媒の花』道尾秀介
もう、駄目だと思った。
それでも世界は、続いていた−少女は無限の想像力でこの世界を生き延び、少年はたった一つの思い出にしがみつく。
一匹の蝶が見た悲しみの先に広がる光景とは・・・懇親の連作群像劇。
[BOOKデータベースより]
隠れ鬼
虫送り
冬の蝶
春の蝶
風媒花
遠い光
この短編集は6作からなり、
それぞれの主人公がちょっとずつ繋がっています。
劇団ひとりの『陰日向に咲く』のような感じ。
ホームレスのダンボールハウスにコンクリートを落とした兄妹、
泥棒が入った家にいた耳の聞こえないはずの由希、
由希を轢きそうになったトラックの運転手などなど。。。
前半は暗い話が続きますが、
後半は少し前向きな話になります(・∀・)
闇と光ですね。
追い詰められたときに、光を導いてくれる人がいたらいいなと思いました。
やっぱ道尾さんうまいな。
価格:583円 |
古本で探す方は↓
Tポイント貯まります!使えます!
2015年07月17日
第28回すばる文学賞受賞作『漢方小説』中島たい子
川波みのり、31歳、脚本家、独身。
胃がひっくり返ったようになるのに、眠れないのに、病院に行って検査をすると『特に異常なし』。
あのつらさは何?
昔の男が結婚したショックのせい?
それとも仕事のストレス?
最終的にたどりついた東洋医学で、生薬の香りに包まれながら、みのりが得たものは。
心と体、そして人間関係のバランスを、軽妙なテンポで書き綴る、第28回すばる文学賞受賞作品。
[BOOKデータベースより]
病院で働いていたこともあり、少々薬には知識はありますが、
漢方はそれほど種類がなかったので、この本を読んでさらに知識を得ました。
とは言っても、私はどうも漢方が苦手で、
匂いと味で吐いてしまいます。
でも病院で働いていた頃には、
漢方でないといけない患者さんもいて、
漢方はなかなか効きそうにないという私のイメージは覆されました(・∀・)
『NBAで言うと、西洋医学の薬は、怪物みたいにデカいMVPプレーヤーがいる勝率の高いチーム。
漢方薬は、アシスト、リバウンド、スリーポイントなんかがうまい、そこそこの選手が5人そろってるけどファイナルまでいけないチーム。』なるほどです。
病名にとらわれず、「あなただけの病気」という捉え方をするところがいいなと思いました。
もっと東洋医学について知りたくなりました。
価格:432円 |
古本で探す方は↓
Tポイント貯まります!使えます!
2015年07月16日
警察物『毒猿 新宿鮫U』大沢在昌
歌舞伎町の女・奈美。
孤独な彼女が心惹かれる外国人・楊は、謎の影を持つ男だった。
一方、「新宿鮫」と恐れられる新宿署刑事・鮫島は、完璧な「職業兇手」(殺し屋)が台湾から潜入していることを知る。
「毒猿」と呼ばれる男が動きはじめた刹那、新宿を戦慄が襲う!
鮫島は、恐るべき人間凶器の暴走を止められるのか?
奈美の運命は・・・。
[BOOKデータベースより]
1作目もおもしろかったけど、2作目もよかったです。
今回は鮫島が中心に話が進むのではなく、
「毒猿」や台湾の警察官「郭」、「毒猿」に惹かれる奈美が中心でした。
晶にもうちょっと出番がほしかったな。
郭も鮫島に負けずかっこいい。
奈美がほんの少しの間だけしか一緒に働かなかった毒猿に
こんなにも惹かれる理由はきちんとありました。
アクションシーンが多くて、目が離せませんでした。
それにしても毒猿、強すぎです。
人間じゃない。
価格:928円 |
古本で探す方は↓
Tポイント貯まります!使えます!
2015年07月15日
日本推理作家協会賞受賞作『魍魎の匣』京極夏彦
匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。
箱を祀る奇妙な霊能者。
箱詰めにされた少女たちの四肢。
そして巨大な箱型の建物ー箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。
探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。
果たして憑物は落とせるのか!?
日本推理作家協会賞受賞作。
[BOOKデータベースより]
リンカーン・ライムは安楽椅子探偵、
京極堂は座敷探偵。
登場人物それぞれが個性的で、キャラがしっかりしててよかったです。
長かったけど、作品に引き込まれてどんどん読んでしまいました。
特に後半。
怖かったなぁ・・・
ぞくぞくしました(((゜д゜;)))
想像して、気持ち悪くなっちゃいました。
別々の事件なんだけど、1つのことでつながっていきます。
匣にぴったり収まっていくように。
しばらくは匣覗きたくないな。
本は凶器になりそうなくらい分厚い(1000ページ以上)ので、
持ち運びには不便ですね(*_*)
価格:1,209円 |
古本で探す方は↓
Tポイント貯まります!使えます!
2015年07月14日
海外ミステリー『ソウルコレクター』ジェフリー・ディーヴァー
科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人の罪で逮捕された。
自分はやってない、とアーサーは主張するも、証拠は十分、有罪は確定的に見えた。
しかしライムは不審に思う−証拠がそろいすぎている。
アーサーは罠にかかったのではないか?
そうにらんだライムは、刑事アメリア・サックスらとともに独自の操作を開始、同様の事件がいくつも発生していることを知る。
そう、姿の見えぬ何者かが、証拠を捏造し、己の罪を他人になすりつけ、殺人を繰り返しているのだ。
犠牲者を監視し、あやつり、その人生のすべてを奪い、収集する、史上もっとも卑劣な犯罪者。
神のごとき強大な力を持つ相手に、ライムと仲間たちはかつてない苦戦を強いられる・・・。
[BOOKデータベースより]
リンカーン・ライムシリーズ、第8作
見に覚えのない犯罪を起こしていたことになっていたり、
知らないうちに買い物をしていたことになっていたり・・・。
情報化社会の現在では身近で起こりうる可能性は十分にあります。
今や情報はお金になります。
カードで買い物したり、
こうやってブログを書いたりしてる間に
私のデータはどんどん増えていく・・・
自分の個人的な情報を流すのに、ちょっと怖くなりました。
仲間たちがどんどん狙われていき、やりきれない気持ちになりました(T_T)
ウォッチメイカー、出てきましたねぇ。
対決はいつ!?
価格:2,571円 |
古本で探す方は↓
Tポイント貯まります!使えます!
2015年07月13日
『家族狩り』天童荒太
脂肪にぎらつくナイフが、肉を骨を家族を生きながら裂いてゆく・・・美しき地獄絵サスペンス。
「崩壊した家族に再生はあるのか」血の海に沈んだ家族がひとつ、またひとつ。
一家心中か、連続大量殺人事件か。
きっかけは、心理相談のラインに掛かってきた、一本の電話だった。
一方的に暴言を並べた学生らしきその声の主は、一家皆殺しを宣言して電話を切った・・・。
「愛の病理」がその巨体を街角に現して、物語は二転三転、急展開。
[BOOKデータベースより]
描写がリアルですごく怖かったです。
けど、先を読まずにはいられませんでした。
実際に殺された一家だけでなく、
事件に関わる刑事や美術教師なども家族に関して大きな問題を抱えています。
家族内における様々な問題が取り上げられていますが、
家族、学校、社会、本人、、、一体誰が悪いのか?
家族のあり方について考えさせられました(-"-;A
ちょっとしたずれた愛情で、こんなことになってしまうとは・・・
絶対に自分の家庭ではこのような崩壊が起こらないとはいえないかもしれません(+_+)
ラストでは、また新たな闇の訪れの予感が。
いや、ホントに重く、深い作品でした。
価格:421円 |
2015年07月12日
警察物『北帰行』佐々木讓
ロシア圏専門の旅行代理店を営む関口卓也は、美貌の女性タチアナ・クリヤカワ(ターニャ)をアテンドすることになる。
だがターニャが日本に来た目的は、自分の妹を殺したヤクザへの報復だった。
事件に巻き込まれた卓也はターニャと逃亡をはかるが、組長を殺された舎弟・藤倉奈津夫の執拗な追い込みをかけられるはめに。
一方、事件の捜査を担当することになった警視庁組織犯罪対策部の寒河江は、やがて、全く見えない事件の本質と日本で暗躍するロシアン・マフィアの動向に注目していくのだが・・・。
東京、新潟、そして稚内。
1000km以上に及ぶ極限の逃亡劇の結末は−?
警察小説の名手の新境地!
会心の長編クライム・サスペンス。
[BOOKデータベースより]
ラストは私は「え?」って思っちゃいました
。
どんどん読み進めては行きましたが、私はこのラストはあんまりです。、
ターニャが体に触れられるのを嫌う理由はすぐにわかりました。
卓也の妹がすごくかわいそうだったです。
もし卓也の母が今後真相を知ったとすると、やりきれない気持ちになりました・・・。
他人に自分の情報を握られるって、
本当に怖いことですね。
価格:843円 |
古本で探す方は↓
Tポイント貯まります!使えます!
2015年07月11日
警察物『新宿鮫』大沢在昌
あらゆる欲望を凝縮した街・新宿。
この街の悪にひとり立ち向かう刑事・鮫島。
犯罪者たちは、恐れをこめ「新宿鮫」と呼ぶ。
彼には苦い過去があった。
彼の孤独な戦いの傷を癒してくれるのは、恋人のロックシンガー・晶だけだ。
新宿で、警官射殺事件が発生。
そのとき、鮫島は銃密造の天才・木津を追っていた。
連続する警官殺しに沸騰する署内で、木津にこだわり孤立する鮫島。
しかし彼は、ある理由で執拗に木津を追う。
一転、二転、鮫島に仕掛けられた罠が・・・。
男の誇りと涙、男の愛と友情。
非常な世界と、現代の男を感動的に描破した、著者入魂の傑作長編、七年ぶりの書き下ろしで登場。
[BOOKデータベースより]
ずっと読もう読もうと思ってて、ようやく手に取りました。
おもしろくて、一気読み。
1章1章が短く、視点が変わり、スピード感あふれる作品でした。
ショルダータイプの携帯とは・・・想像付きません。
古い。
一匹狼の刑事、なんかかっこいいなぁ。
次は『毒猿』ですね。
価格:777円 |
古本で探す方は↓
Tポイント貯まります!使えます!
2015年07月10日
『さよなら妖精』米澤穂信
一九九一年四月。
雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。
遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。
彼女と過ごす、謎に満ちた日常。
そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。
覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。
謎を解く鍵は記憶のなかにー。
忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。
気鋭の新人が贈る清新な力作。
[BOOKデータベースより]
ユーゴスラヴィアで実際に起こっていたことを取り上げていましたが、
私はほとんどこの地域のことについて知らなかったことにショックを受けました。
守屋がマーヤの言葉から、マーヤの戻って行った地域を割り出すところでは、
ドキドキしながらページをめくりました。
守屋よりも先に真相を知っていたセンドーは苦しかっただろうなと思います(T_T)
ミステリ・フロンティアから出ていますが、ミステリーとしては物足りないです。
切なく、悲しい作品でした・・・。
もっと世界に目を向けないとな。
価格:802円 |
古本で探す方は↓
Tポイント貯まります!使えます!
2015年07月09日
直木賞&ファルコン賞受賞作『私が殺した少女』原ォ
まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。
私立探偵沢崎の事務所に電話をしてきた依頼人は、面会場所に目白の自宅を指定していた。
沢崎はブルーバードを走らせ、依頼人の邸宅へ向かう。
だが、そこで彼は、自分が思いもかけぬ誘拐事件に巻き込まれていることを知る・・・
緻密なストーリー展開と強烈なサスペンスで独自のハードボイルド世界を確立し、日本の読書会を瞠目させた直木賞・ファルコン賞受賞作。
[BOOKデータベースより]
楽しく読ませていただきました。
タイトルには、なるほど〜です。
ハードボイルドかと思いきや、最後はミステリーに落ち着きました。
ラストにはびっくりですΣ(・ω・;|||
次々と起こる新たな展開に、
ページをめくる手が止まりませんでした。
公衆電話とか、テレホンカードとか、、、そんな時代もあったな〜と思いました。
今では考えられませんね(+_+)
渡辺が気になりました。
価格:799円 |
古本で探す方は↓
Tポイント貯まります!使えます!