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2023年05月26日

変化

もう一つ身体の動きで変わった箇所がある。
左人差し指。閉じて開くときに伸びるのが遅れる指。なんせ受傷後40日ピクリとも動かなかったのだ、左手自体があまり可動しなかった。
神経の仕組みとして、それぞれの箇所を動かす大元の神経があるのだ。左肩から先を動かす神経が壊れたのかどうなのか。詳しい仕組みは分からないながらも突然少し動くようになった。
余談だが動かない左手の指は爪も伸びないことを知った。

指の働きの重要性など健常なときに考えたこともなかった。
右指も動きはするものの力は弱かった。薬の錠剤を押し出せるようになったのは入院後期だった。退院する時点でも弱々しい左腕と指。覚えているのは“おはじき”のようにコインをはじくという動作。それができなかった。右指はどうにかできるようになった。
自分の中で退院できる状態という指標を持っていたが、その一つに親指から小指まで順番に折るという動作。左手はなかなかできなかった。これが出来るようになったら退院だと勝手に決めていた。
左手も順番に指は折れるようになったが力は弱い。特に人差し指はキーボードを押す力がないので退院してからも他の指を使っている。それは今でも。

話は戻り、伸ばすときに反応が遅い左人差し指。
少しづつ左腕や指に力が付くようになってもこれは変わらなかった。そしていつだったか、ブログにも書いたのだがいつもの鍼治療で左腕に打った1本が人差し指に反応した。ピクッという感覚で左人差し指が動いた。
センセイも狙って打ったわけでない偶然だろう。その箇所はいつも打つ箇所、初めての事だった。
もともと動かない箇所に刺激が入れば何か変化が起きると信じている。この日のこの刺激が入ってから毎日のグーパーは欠かさなくなった。風呂の中でやると水圧もあり効果的かと思い、風呂に浸かった時に50回グーパーをやっている。

グーパーが習慣になったのはもう1年以上だろう。
先週、ふと意識したら左人差し指が他の指に遅れることなく伸びている。当初の目的は左人差し指のためのグーパーだったのだが、途中から腕橈骨筋への刺激を感じるためのグーパーになっていたので気づきもしていなかった。
ただ早い動きだと遅れることもあるがずいぶん改善された。

かといってその指の働きが良くなったかというとそうでもない。良くなったのは単にグーパーという動作の中だけのこと。生活で役に立つようにするのは実際に使わないといけない。
今もキーボードで文字を打っているが左人差し指は使っていない。使わない習慣になってしまい、これまでどのように使っていたのかを忘れてしまった。無理に使おうとするがやはり押す力は弱いようだ。
動くのと役に立つのとではその間に距離がある。
posted by shigenon at 10:54| Comment(0) | TrackBack(0) | リハビリ
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2014年クリスマスイブのプレゼントは最悪でした。 「頸髄損傷」というケガなのか病気なのか・・その症状との戦いの記録と現在の日々をアップします。 (2018年4月追加) 不全の頸髄損傷は「健常な人」に見えます。“ふつうに見える”様に努力をしています。が、反面、「もう良くなったんだ」と思われがち。 骨折とは違い、中枢神経の損傷は完全回復はしないという現実。 「健常に見える」「もっと良くなるよう努力する」「もう治っているんでしょ」の狭間で何とか毎日を過ごしています。
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