2019年10月19日
ところで、これのどこが富裕層優遇なのでしょう?
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各社、異口同音に言いますが・・・
ちょっと気になるニュースです。
NISAの恒久化が見送りになった、というものです。
・NISAの恒久化を見送りへ (共同通信)
金融庁が2017年から継続して要望してきたNISAの恒久化が、政府により見送られることになりました。
もともとNISAは期限付きで導入されたもので、その期限は2023年まで。
(2023年中に購入した金融商品はそこから5年間、譲渡益と分配駅が非課税になります)
決定そのものはともかく、気になるのは下記にある赤字の部分です。
政府、与党は16日、期限付きで導入された少額投資非課税制度(NISA)について、恒久化を見送る方針を固めた。恒久化は金融庁や証券業界が求めていたが、現行制度は富裕層への優遇だとの指摘もあり、認めるのは難しいと判断した。
NISAが富裕層向けだなどと、いったいどこの誰が寝言を言ったのでしょうか。
個人的にはその発言者の名前が気になります。
論理が破綻しています
そもそもNISA枠というのは、富裕層のためのものではありません。
富裕層ではない人が利用できる、投資への入り口となる制度だと思っています。
年間120万円のNISA枠は、富裕層にとっては「あったらあったで嬉しいけど、なくても困らない」枠。
一方で投資資金の少ない層には、恩恵が多くなります。
NISAが無くなっても富裕層はそれほど困りませんし投資行動にも大きな変化はないでしょうが、投資資金が
少ない層は投資から離れてしまうでしょう。
それはつまり、政府方針である「貯蓄から投資へ」とは反する結果を導くことになります。
年間120万円程度の非課税枠を富裕層優遇というのなら、そもそも株式の分離課税はどうなるのか。
富裕層の優遇を止めたければ、全ての配当益や譲渡益を総合課税にして累進課税対象にしてしまえばいいと
思うのですがどうでしょうか。
給料だろうが株利益だろうが、同じルールで課税されてこそ公平な税負担だと思うのですが。
(そんな事をすれば株価急落を招く、という側面は別に議論されるべき問題として)
中国の有名な言葉「上有政策、下有対策」の通り、国が何らかの意図を持って行ったことなのでしょうから
下々としてはそれを受け止めて対策すればいいだけのことに過ぎません。
しかし、論理が破綻しているのを見せられるのはどうにもむず痒い違和感がつきまといます。
こういうことでしょうか
もっとも、もし論理が破綻していないとすれば、こういうことなのでしょうか。
一方、廃止すれば株価に悪影響を与える恐れもあるため、制度設計を見直した上で時限措置で存続させる方法を模索する。若年層など幅広い世代に資産形成を促すために創設された長期積立枠「つみたてNISA」は期限の延長を議論する。
NISAは売り買い可能な枠ですが、つみたてNISAは長期保有を前提としたインデックス型中心の投信。
つまり、つみたてNISAのためにNISAを犠牲にするという政策でしょうか。
それなら(政策の良い悪いはともかくとして)理解はできます。
NISAの原型、ISA発祥のイギリスでは、クラウドファンディングの一部もISA対象となっているとのこと。
日本ではまだまだ道は遠そうですが、種類豊富な投資商品から自分に合ったものを選び、誰もが投資により
資産構築を考えられる世の中が来ることを期待したいと思います。
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posted by SALLOW at 09:30
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その人のことは良く分からなかったので調べてみましたが、なるほどと思いました。
家計を守るという点においては真っ当な意見もあるようですが、資産構築における攻めの姿勢は残念な意見ですね。
なんというか、視野が狭いと言えばいいのか大衆向けの視野しか持っていないというのか。それがウリなのかもしれませんが。
委員に荻原博子でもいたんじゃないでしょうか。とんちんかんなくせに声はでかいですから。
株式、投信の比率の底上げは「貯蓄から投資へ」のスローガンにもありますように、おっしゃる通り国の施策として行われていると思います。
その根底にあるのは、例の2,000万円問題にあるように「自分の老後を国に頼りっきりにならないように」という考えでしょう。もっとも、年金額を考えれば老後を国に頼るという考えがそもそも間違っていたのは言うまでもないのですが。
ただ、それにするならNISAを止める必要はないわけで。
そういう意味でちぐはぐな政策だな、と感じました。
もっともこれでつみたてNISAが枠拡大+恒久化するということになるなら、それは分かります。投資へ資金を向かわせたいのなら、それ相応の政策を考えてもらいたいですね。
昨年末の記事ですが、日経新聞で報じられたところによると、日本国内の家計金融資産のうち現預金の比率は5割超となっています。それを経済成長著しい米国のように株式等のリスク資産への投資比率を高めたいという狙いでしょう。
また、政府日銀が目標と掲げている物価上昇率2%安定継続を達成した場合、相対的には現預金の価値が毎年2%づつ減価するわけですから、その影響を考えてというのもあるようです。(金融庁セミナーにて確認しました)
日本経済新聞 2018/12/23
家計金融資産とは 日本、現預金の比率が5割以上
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO39315330S8A221C1EA2000/