2019年10月07日
公平な人事は「ありえない」。でも同時に「ある」と思います。
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NIKKEI STYLEの記事です
日経電子版、「NIKKEI STYLE」で興味のある記事がありました。
自分自身が物書きの端くれということもあるのですが、他者の文章を読むのは勉強になります。
その人がどういう視座から文章を書いて主張しているのかと裏を読むのも楽しいですし、自分と異なる考え
に触れることは何にせよ自分の糧になります。
(それで自分の考えが変わるかどうかはさておいて)
今回の記事はどうやら前後編の前半部の様子。
記事の内容に賛成するとか反対するとかではなく、純粋に「ほほう」と思うことがありましたので紹介を
したいと思います。
公平な人事のケーススタディ
元記事はこちら。
・「なぜあいつが高評価」 実は公平な人事はありえない (NIKKEI STYLE)
まずはいつもの通り、著者から見ていきます。
同じ題材を取り上げても、著者の立場が変われば文章の内容は180度変わることさえあるからです。
著者は平康慶浩氏。人事コンサルタント会社の代表取締役ということで、つまりは企業目線に立った人事制
度を構築、提案する立場ということになります。
人事制度は企業で働く従業員のものでもありますが、それを決める権限は企業側にあります。
あくまでもこの記事は、企業の経営目線に立ったものだという前提で読んでいくべきでしょう。
さて、記事の中ではある人事を取り上げ、それが公平かどうかを問うています。
まず最初のケースはこれ。
まあ、この条件であれば「公平な人事だ」と思う人がほとんどでしょう。
【ケースA】
山田さん:年間売り上げ1億円達成 → 賞与150万円支給
田中さん:年間売り上げ1億円達成 → 賞与150万円支給
私は異端なのでしょうか
上記のような条件をツカミとして、話はここに条件を足していきます。
では、下記の条件を足した時、この人事は公平と言えるでしょうか。
【ケースB】
山田さん 24才 月給30万円:年間売り上げ1億円達成 → 賞与5カ月分(150万円)支給
田中さん 50才 月給50万円:年間売り上げ1億円達成 → 賞与3カ月分(150万円)支給
さらに、以下の情報が付け足されたらどうでしょう。公平な人事でしょうか、と続くわけです。
【ケースC】
山田さん 24才 月給30万円 昨年は売り上げ5000万円。MBA取得のために勉強しながら自己研鑽を進めている。その結果として年間売り上げ1億円達成 → 賞与150万円支給
田中さん 50才 月給50万円 過去には売り上げ3億円達成の経歴もあるが近年は気力の衰えかやる気を失っている。既存顧客のみで年間売り上げ1億円達成 → 賞与150万円支給
話の流れとしては、ケースAなら当然「公平」。
ケースBやケースCになると、だんだんと公平ではなくなるという意見にもって行きたいのでしょう。
ところで、ケースCであっても公平だと思う私は異端でしょうか。
給与と賞与、平等と公平
なぜケースCであっても公平だと思うのか。
一つは、公平の考え方です。
公平の類義語(あるいは対義語?)には「平等」があります。
平等は個人の能力や成果に関係なく、一定のルールで処遇されること。
公平は機会が均等化され、成果によって評価されること。
当然のことですが、会社組織において平等は実現できません(共産主義ならともかく)。
会社組織における処遇は、平等か不平等かではなく、公平か不公平かという軸で判断されるべきです。
そしてもう一つは、給与と賞与の考え方です。
異論はもちろんあるでしょうが、私は給与は「その人の能力、意欲、業務、責任、立場などにより定まり
支払われるもの」であり、賞与は「一定期間(半年など)の成果によって支払われるもの」と考えます。
ですから、その人が何歳だろうが意欲がどうであろうが、前年比の利益がどうであろうが、同じだけの利益
を会社にもたらしているのであれば同じだけの賞与を支払う。
それが公平でないのなら、何が公平だと言うのでしょうか。
答え合わせが楽しみです
ということで、私はケースCであっても公平だと思うわけですが、記事の最後には
「この基準にたいして「もっともだ」と思っている人は、残念ながら出世しづらい傾向があるようです」
という一文があります。さてこれがどういうことなのか。
著者がこの主張をする意味を推定すると、意欲のある人とない人を成果だけで同様に遇することを良しとする
人はどちらかと言えば「意欲のない人」側であり、出世しづらいということなのでしょうか。
近日中にこのあたりが語られるとのことですので、その答え合わせをしてみようと思います。
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posted by SALLOW at 18:00
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