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2019年06月15日

「老後2000万円不足」問題に思うこと



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まずは一次ソースの確認から

 最近流行りの話題です。私の意見ですのであしからず。

 金融庁が6月に公表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書。
 これを巡って議論紛糾、SNS上でも炎上、国会大騒ぎの果てには、金融庁の長官が配慮を欠いたとして謝罪
 する始末になっています。

 ちなみにその報告書のソースはこちら。
 もしかすると無かったことになるかもしれないので、保存しておいてもいいかもしれません。

  ・金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書


 まず気を付けるべきは、一連の乱痴気騒ぎとこの報告書の内容は個別に考えるべきだということです。
 最初はともかく感情を排して、内容を素直に読み込みましょう。
 (どちら様だったかがこのレポートを5分とか10分とかで読めるとおっしゃっていたようですが、それは典
  型的な悪い読み方。自分の都合の良いものだけを拾ってくる、脊髄反射の斜め読みです)

 報告書の内容は世間で騒がれているような年金の破綻や、国民に対する配慮を欠いた内容ではありません。
 単なる事実として「高齢化・長寿社会に伴い、健康寿命だけではなく資産寿命(資産が尽きる年齢)も伸ば
 さなければいけない」
と書いてあるだけの、とても真っ当な内容です。


  s-hourglass-1703349_960_720.jpg

「安心」という言葉の意味

 ではなぜこれが、厚生労働省の言った「年金は100年安心」と違うじゃないか、と騒ぎになるのか。
 それは、国の言う「安心」の意味が違うからです。

 平たく言ってしまえば、厚生労働省の言う「100年安心」は、「人口動態に応じて給付水準や年齢を変動さ
 せるから、先細ったとしても制度は維持できる」
という意味に過ぎません。
 それを勘違いしていた人と勘違いさせたい人、火に油を注ぎたい人がチームを組んだ結果、このような騒ぎ
 になっているのだと思います。
 (政府首脳陣の火消しがヘタだったこともあるとは思いますが)


 一方で、騒いでいる人の考えは「年金があれば一生それだけで遊んで暮らせる」という意味の「安心」。
 しかしそもそも、現状の人口動態と今後の予想、及び年金体制が賦課方式なことを考えれば、年金がこれま
 での制度のまま維持できないというのはすぐに分かることだと思います。

 ごく簡単に計算しても、少子化と高齢化で労働人口と高齢者人口の割合が変化しているのに、賦課方式の
 年金の給付水準が同じまま継続するわけがないのは自明のこと。
 それが分からないのは、考えられないのか、考えたくないのかは知りませんが、要はそれだけのこと。
 「分からなかった、考えなかった」の責任は誰にも転嫁できるものではありません。

 それは不公平だ、だって知らなかったんだから、という意見もあるかもしれません。
 そういう方には申し訳ないですが、そもそも世の中はそんなもんでしょう? と返したいと思います。
 だからこそ人は向上する必要があるし、向上するモチベーションになるわけです。

そもそも、「誰もが2000万円不足」ではない

 それに、この報告書は誰もが老後資金として2000万円が不足する、とは書いていません。
 一部を引用します。

60 代以上の支出を詳しく見てみると、現役期と比べて、2〜3割程度減少しており、これは時系列で見ても同様である。
しかし、収入も年金給付に移行するなどで減少しているため、高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円となっている。
この毎月の赤字額は自身が保有する金融資産より補填することとなる。
 (報告書P.9〜P.10)

  20190614ETC1.jpg
  (同上の報告書P.10より引用)


 モデルパターンで言えば、高齢者の実支出と実収入の間には約5万円の開きがあり、この分が赤字になる。
 そして定年後の30年間この赤字額が継続すると、およそ2,000万円の金融資産が不足することになる。
 これが、話に羽どころか制御不能のロケットエンジンが付いて飛んでいってしまった「2,000万円不足」と
 いう数字の内容です。

 しかし、破綻するのが分かっていて同じように支出する人はいません。
 「身の丈にあった生活をする」というのは、万人にとって当然のことです。
 それができなければいずれ身を持ち崩すというのも、当人の責任以外何物でもないでしょう。

 年金が足りないのなら資産を構築する。構築できないなら年金の枠内で生活する。一生年金で遊んで暮らせ
 るなんてことはあり得ない。
 ただそれだけの、あまりにも当たり前の結論が書かれているに過ぎません。

仕方がないからがんばりましょう

 一方で、現在の年金制度には大きな問題があるのもまた事実です。
 最大の問題は賦課方式にあると私も思いますが、しかしこれは変わらないでしょう。

 高齢者層の支持が受けられない、というだけの話ではありません。
 セーフティネットを取り上げれば治安は悪化するからです。
 そして治安悪化は、真っ当に生きている全ての人にとって悪い影響しか与えません。

 だからこそ年金問題は長い時間をかけて、必要に応じて変更していかざるを得ません。
 そしてその変化はおそらく、私のような氷河期時代が老齢になる頃に大きな影響をもたらすと考えます。
 私が老人になるころには、年金や高齢者福祉(もしかすると生活保護も)はかなり削減されることになるの
 ではないでしょうか。
 いくらセーフティネットを保持したくとも、無い袖は振れないのが現実化すると思われます。


 人は生まれる時代を選べませんから、こういう時代に生まれたことは今さらしかたありません。国には栄枯
 盛衰が当然ありますので、たまたま運が良くなかっただけのこと。
 政治に言いたいことは色々ありますが、私に政治全体を変える力はありません。
 それなら、自分と自分の家庭を守り繁栄させることに全力を尽くすのが妥当というものです。

 個人が資産を合法的に構築する方法は、収入の増大、支出の抑制、資産の運用の3つのみ。
 必要に応じてそれらを組み合わせ、効果的な行動を行うことで資産を増大させるという、気が長くてある意
 味シンプルなゲームを、適当に適切にがんばっていきたいものです。

まとめと気を付けるべきこと

 今回の報告書について、私は全般として妥当な内容だと評価しています。
 本来の意味が曲解され、あまつさえ乱痴気騒ぎとなってしまったのは残念ですが、一部には冷静な論調や
 報告書の中身と不満とを分けているような論調もあり、希望は持てると思っています。

 この報告書が「国民をだました」とか「約束を破った」といったような低レベルのケンカの材料として使わ
 れるのではなく、本当の意味で年金制度の改革に向けた一石を投じられるのであれば、役目を十全に果たし
 たと言えるのではないでしょうか。

 またこういった際には、問題の本質から逸れた政府や社会の批判が出てくるもの(すでに出ていますが)。
 他人の不安につけ込んで別のことに不満を向けようとする人には、必ず意図があります。
 悲観は足が速いもの。妙な意図に踊らされないよう、気を付けたいものです。



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この記事へのコメント
matsu 様
まあ、それは仕方がないことかもしれません<多数が目標未達成ならしわ寄せが来る
それこそ社会の中の互助ということだと思いますし、共産主義国家ではないのでみんなが平等になるわけでもないと思います。人から迷惑をかけられることを認めなければ、自分がかける迷惑も否定されてしまいますから。
それと、財務省的な増税後押しの圧力という考えですが、私も同意見です。
年金を維持しようとすれば増税しかないわけです。政治家の給与を削っても知れていますし、老人医療を削ったら票が取れない。となれば増税は既定路線で、増税を前提に今後を考える必要がありますね。


1on1 様
お互い、根本的なところには触れたくないのでしょう。
本来なら野党が代替案を用意して与党を追い詰めればいいのですが、年金維持のために消費税増税をしないとなれば、方法は身を切るか高齢者を切るか。
いずれにせよやりたくない、だから財務大臣の発言だけに着目して糾弾しているにすぎません。
(そもそも野党側も基本的には増税賛成ですし)

iDeCoやつみたてNISAはいずれも肝いり政策ですから、そこに肩入れするのはある程度しかたないのかなと思いますが、おっしゃる通りフェアとはいいがたいですね。
「報告書は素直に読み込み、次に色眼鏡をかけて判断する」ということができない人も一定数いますので、その点はもう少し考慮すべきだったと私も思います(一義的には、読み手側の勉強不足ですが)。
Posted by SALLOW at 2019年06月17日 11:02
私もこの度の大騒ぎにはうんざりです。制度維持が100年安心(それ自体ウソですが)と100歳まで年金で生活できるという幻想との意図的な混同や、そもそも少なくとも20年以上前から年金だけでは老後の生活維持に不足があることは常識であったはずなのに今回初めて問題提起されたかのような野党議員の反応。呆れます。
麻生財務大臣の徹底的な無責任体質も改めて明らかになりましたね。

それはさておき、報告書の内容について述べますと、iDeCoやつみたてNISAへのあからさまな肩入れについては、金融商品の販促に絶好の材料になっているとの印象が否めません。そこに特定の意図は働いていないとしても、本報告書が呼ぶであろう反響について考慮が不足していた気がします。
Posted by 1on1 at 2019年06月16日 18:05
お疲れ様です!
やはり金融庁が示すように自助努力が必須ではあると思うのですが、この問題は個々に努力して達成したとしても多数が不燃焼なら日本に入り限り努力した人間にもしわ寄せが確実に来るのが辛いところだと思います。

しかし、、、一連のこの流れ、なにか財務省的な増税後押しの最後の圧力のようにも感じますね。
発表して引っ込めて謝罪するまでがセットで国民に不安を残すこと自体が目的だったような(;´∀`)
Posted by matsu at 2019年06月16日 10:46
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