今回は前回に引き続き、プレゼン中の視線についてのお話です。


プレゼンにおける視線って非常に重要なことなんですよ！でも、

かんたんな視線の動かし方、あります。

かんたん視線の動かし方

視線の動かし方で良く言われているのが、聴衆に向けている視線をZ字にそって動かすというのがあります。聴衆の左後ろから視線を右に動かし、右端まで行ったら今度は視線を左斜めしたに動かします。左端まで行ったら、最後に視線を右に動かして・・・。というのがこのZ字動かすということです。

いやー、しかし、これ難しいんですよ！今、パソコンやスマホの前で視線をZ字に動かすのは簡単です。でも、多くの人を目の前にして、しかもプレゼンをしながらこの視線の動かし方を意識して行う！これはなかなか出来ません。
確かに、よく言われているだけあって有効な視線の動かし方なんでしょう。これが出来るようになったら試してみてください。

では、もう少しかんたんな視線の動かし方を紹介します。まず、視線を適当に聴衆に向けます。次に、適当な人の目を見ながら喋ります。数秒見たら次の人へ・・・。こんな感じです。意識するのは、目を見るってことです。視線をどの方向に動かすとか、どこで折り返すとかそういうことは考えなくていいです。
この動かし方、イイ点が３つあります。
１．かんたん
これがなんといっても一番イイ点だと思います。適当な人を決めて数秒目を見ながら話せばいいのです。飽きたら次の人へ。これだけです。別に一人に◯秒を割り振って、順番に・・・、なんてことは考えなくていいですよ。

２．聴衆が少ない場合も有効
Z字に聴衆への視線を動かす方法は、聴衆が少ない場合には使えません。聴衆が3人だったら、視線をZ字に動かすだけで挙動不審になります（笑）
この方法では、それぞれ一人ひとりの目を見るだけですから、聴衆が何人だろうと行うことが出来ます。

３．聴いてほしい人、聴かせたい人を狙い撃ち
人は他人の視線を敏感に感じ取ります。プレゼンを聴いてくれている人は、プレゼンターがこっちを見ているということにすぐ気づきます。これは、自分に対してプレゼンをしてくれているという感覚を覚えさせてくれます。Z字に視線を動かす方法では、このような感覚にはなりにくいです。
また、プレゼンを聴いていない・・・？みたいな人にも視線を向けることで、プレゼンを聴いてくれるようになります！これは、実践して感じてみてください。

視線で視線を集める ~ミスディレクションの応用~

皆さんはこの言葉、御存知ですか？
Misdirection
読みは「ミスディレクション」。某バスケ漫画の技名(?)ではありません。この用語、主にマジックの世界で使われます。

ミスディレクションとは

手品や推理小説などで、観客や読者の注意を、手品の種や本筋からそらすこと。また、そのために用いるもの。

マジックをするとき、仕掛けや怪しい動きに観客の視線を向けさせないように観客の視線を別のものに向けさせる技術です。この「人の視線を誘導する技術」には時に自分の視線を用いることがあります。基本的にはこうです。

　・視線を自分に向けさせたいときは、自分の視線を相手に向ける
　・視線をあるものに向けさせたいときは、自分の視線をあるものに向ける

簡単に言えば、自分が見てほしいものに自分の視線を移すということになります。この２つを使うと次のようなことが出来るようになります。

　・自分が喋っているときは、自分の視線を相手に向ける
　・パワポを見て欲しいとき（アニメーション等）は、自分の視線をスクリーンに向ける

この自分が喋っているときとスクリーンを見て欲しいときに、それぞれ聴衆の視線を見てほしいものに誘導することが出来るわけですね。
前述したかんたんな視線の動かし方と違い、すこし意識が必要になりますが、効果的だと考えています。プレゼンターによっては「スクリーンは見ないほうがいい」としている人もいます。この視線の動かし方は「ミスディレクション」というマジックの考え方を応用した少し高度なテクニックなので、よく考えて使ってみてください！

まとめ

・視線は聴衆に向けよう！
聴いている人にとっては、自分に向かって話しているという感覚が大切になります。
・一人ひとりの目を見る
プレゼン中の視線は一人ひとりの目を見ていくことにより安定します。しかもかんたん！
・聴衆の視線を誘導して、見て欲しいものを見てもらう
今自分の話を聴いて欲しいのか。スライドのアニメーションを見て欲しいのか。自分の視線を使って、相手の視線を誘導しよう。

「マジックの技術を応用する」に関する書籍