2017年01月29日
ベートーべン:交響曲第7番
「副題」がない交響曲第7番は地味?!
ベートーベンの交響曲第7番といえば、あののだめカンタービレで一躍ポピュラーになりましたよね?
それで、当時はあちこちのクラシックコンサートで演奏されていたような記憶があります。
今あらためて聞いてみると、素直に「あ〜いい曲だなぁ〜。」と思うんですが・・・。
でも実は私、学生時代に初めてこの曲を聞いたときは(正確には「初めて演奏したとき」なんですが。)
正直、こんなふうに感じたものでした。
「な〜〜んて地味な曲なんでしょっ! 運命(交響曲第5番)とか田園(第6番)みたいに副題もついていないし。」
もっともクラシック曲について、当時の自分自身が「浅学菲才」だったということもありますが、有名な運命などと比べると、何かこう、7番はインパクトが弱かったというか、とらえどころが無かったというか・・・。
(〃ノωノ)
それが云十年後、これほどまでにポピュラーになるだなんて、当時誰が想像し得たでありましょうかっ?
(ベートーベン氏に失礼。)
さて。昔、学生オケ(オーケストラ)でこの曲を演奏したとき、私はオーボエのセカンド担当(要はハモリです)でした。
半分、伴奏(下支え)のようなポジションだったので、私の楽譜にはやたらと「ターッタタ、ターッタタ・・・」という付点音符がありました。
ターッタタと吹くたびに、お尻が椅子から浮き上がりそうになって往生したものです。この付点音符のリズムこそが7番を明るく弾ませるキモだったことすら分からずに・・・。(笑)
ベートーべン:交響曲第7番 イ短調 作品92 第一楽章
この曲は、1812年、ベートーベンが42歳の時に作られました。難聴の症状が出始めたのが30歳前頃からということなので、この交響曲を作ったときは彼の耳はもうほとんど聞こえなかったのでした。
ベートーベンは、感受性が強く傷つきやすい人だったということです。
そんな時、彼はよく一人で森を散歩していたといいます。
今で言うところの「森林浴」の効果もあったのではないでしょうか?
彼の熱烈なファンだったフランス文学者、ロマン・ロランは、この交響曲第7番を初めて聞いたとき、「まるで自分自身が森の中にいるような」錯覚に陥った、というようなことを後に記しています。
初演は1813年。出来は上々で、大成功だったということですよ。
ベートーベン自らが指揮を振ったのです。耳が聞こえないのに、どうやって??なんて不思議に感じますが・・・。
でも、きっとベートーベンと団員たちは物理的な次元を超えて通じ合っていたのではないかと思います。
彼のまさに「魂のタクト」で!!
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学生時代、この「7番」を演奏会で披露することになりました。客演指揮者にはプロの指揮者に来て頂いて指導を仰ぎました。世界的にも著名なI氏は、いかにも「アーティスト」といったオーラに包まれたステキな、しかし近寄りがたい方でした。
練習の休憩時間には、マエストロへの「お茶出し係」の学生が、恐る恐るコーヒーとお菓子を持って行きました。
とはいえ、学生の懐事情ですから、そんなに高価なお菓子なんて出せません。それでも「せめてケーキっぽいものを・・・。」というので、某メーカーのミニミニサイズのチョコレートケーキを二つ三つお皿にのっけて献上。(奉納?)
休憩が終わり、お皿を下げた友人が笑いをかみ殺しながら皆に言いました。
「ねえねえ。これ見て! I先生ったらケーキのトッピングにあったコーヒービーンズチョコだけキレイに食べちゃってるよ。」
ほんとーだわ。ビーンズだけが無くなってる。
甘ったるいチョコレートケーキは苦手でいらしたのか、それともヘルシー志向でいらしたのかは知る由もありません。でも、あの世界的なマエストロがケーキのトッピングだけをつまんで召し上がった!ということだけは、今でも鮮烈に記憶に残っています。たとえ、練習中に頂いた指示を今は何一つ覚えていないにしても、です。
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タグ:ベートーベン
この記事へのコメント
7番けっこうすきです。ベートベンと聞くとオットークレンペラーが印象的でした。だってテンポがすごくおそーいから。最初はなんじゃこりゃぁあ と感じたものです。
Posted by たわん at 2017年06月21日 06:50
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