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2021年01月09日

「痴人の愛」本文角川文庫刊 vol,6


(^_-)-☆アスカミチル

更新連絡でっせー。


★1/7(木)から

以下の更新スタイル。




●毎週日曜

【三国志演義】朗読  

1動画(約15分朗読)  

午後9時までにアプロード。



◆月火水木金土

【痴人の愛】本文掲載

1日1記事(約800字掲載)

午後9時までにアプロード。

以上の通りです。

ヨロシク
光るハート





「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,6



のみならず、一人の少女を友達にして、朝夕彼女の発育の様を眺めながら、明るく晴れやかに、いわば遊びのような気分で、一軒の家に住むということは、正式の家庭を作るのとは違った、また格別な興味があるように思えました。



つまり私とナオミでたわいもないままごとをする。「所帯を持つ」というようなシチ面倒くさい意味で無しに、呑気なシンプル・ライフを送る。これが私の望みでした。



実際今の日本の「家庭」は、やれ箪笥だとか、長火鉢だとか、座布団だとかいう物が、あるべき所に必ずなければいけなかったり、主人と細君と下女との仕事がいやにキチンと分かれていたり、近所隣りや親類同士の付き合いがうるさかったりするので、そのために余計に入費もかかるし、簡単に済ませることが煩雑になり、窮屈になるし、年の若いサラリー・マンには決して愉快なことでもなく、いい事でもありません。



その点に於いて私に計画は、たしかに一種の思い付きだと信じました。

私がナオミにこの話したのは、初めて彼女を知ってから二月ぐらい立った時分だったでしょう。



その間、私は始終、暇さえあればカフェエ・ダイヤモンドへ行って、出来るだけ彼女に親しむ機会を作ったものでした、ナオミは大変活動写真が好きでしたから、公休日には私と一緒に公園の館を覗きに行ったり、その帰りにはちょっとした洋食屋だの、蕎麦屋だのへ寄ったりしました。



無口な彼女はそんな場合にもいたって言葉数が少ない方で、嬉しいのだか詰まらないのだか、いつも大概はむっつりとしています。

そのくせ私が誘うときは、決して

「いや」

とは言いませんでした。

「えゝ、行ってもいゝわ。」

と、素直に答えて、どこへでも付いて行くのでした。



一体私をどういう人間と思っているのか、どういうつもりで付いて来るのか、それは分かりませんでしたが、まだほんとうの子供なので、彼女は「男」という者に疑いの目を向けようとしない。



                         次回に続く。


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