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2021年01月07日

「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,4

(^_-)-☆アスカミチル
更新連絡でっせ〜〜〜

ラーメン食パンカップ日本茶寿司小顔マナーモードジュエリーダイヤ

★1/7(木)から

以下の更新スタイル。

●毎週日曜

【三国志演義】朗読  

1動画(約15分朗読)  

午後9時までにアプロード。

◆月火水木金土

【痴人の愛】本文掲載

1日1記事(約800字掲載)

午後9時までにアプロード。

以上の通りです。

ヨロシク光るハート



「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,4



それで私の娯楽といったら、夕方から活動写真を見に行くとか、銀座通りを散歩するとか、たまたま奮発して帝劇へ出かけるとか、せいぜいそんなものだったのです。

もっとも私も結婚前の青年でしたから、若い女性に接触することは無論嫌いではありませんでした。



元来が田舎育ちの武骨ものなので、人付き合いが拙(まず)く、したがって異性との交際などは一つもなく、まあそのために「君子」にさせられた形だったでもありましょうが、しかし表面が君子であるだけ、心の中はなかなか油断なく、往来を歩く時でも、女に対しては絶えず注意を配っていました。



あたかもそういう時期に於いて、たまたまナオミという者が私の目の前に現れて来たのです。

けれど私は、その当時、ナオミ以上の美人は無いと決めていたわけでは決してありません。



電車の中や、帝劇の廊下や、銀座通りや、そういう場所で擦れ違う令嬢のうちには、いうまでもなくナオミ以上に美しい人が沢山あった。ナオミの器量が良くなるかどうかは将来の問題で、十五やそこらの小娘ではこれから先が楽しみでもあり、心配でもあった。



ですから最初の私の計画は、とにかくこの児を引き取って世話をしてやろう。そして望みがありそうなら、大いに教育してやって、自分の妻に貰い受けても差し支えない。と、いうくらいの程度だったのです。





これは一面からいうと、彼女に同情した結果なのですが、他の一面には、私自身のあまりに平凡な、あまりに単調なその日暮らしに、多少の変化を与えて見たかったからでもあるのです。



正直のところ、私は長年の下宿住まいに飽きていたので、何とかして、この殺風景な生活に一点の色彩を沿え、温かみを加えて見たいと思っていました。



それにはたとい小さくとも一軒の家を構え、部屋を飾るとか、花を植えるとか、日当りのいいヴェランダに小鳥の籠を吊るすとかして、台所の用事や、拭き掃除をさせるために女中の一人も置いたらどうだろう。そしてナオミが来てくれたらば、彼女は女中の役もしてくれ、小鳥の代わりにもなってくれよう。

と、大体そんな考えでした。



                            次回に続く。

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