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2021年01月06日

「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,2

「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,2



そんな子供をもうその時は二十八にもなっていた私が何で眼をつけたかというと、それは自分でもハッキリと分かりませんが、多分最初は、その児の名前が気に入ったからなのでしょう。



彼女はみんなから「直ちゃん」と呼ばれていましたけれど、或る時私が聞いてみると、本名は奈緒美(なおみ)というのでした。

この「奈緒美」という名前が、大変私の好奇心に投じました。



「奈緒美」は素敵だ、NAOMIと書くとまるで西洋人のようだ、と、そう思ったのが始まりで、それから次第に彼女に注意し出したのです。不思議なもので、名前がハイカラだとなると、顔立ちなどもどこか西洋人臭く、そうして大そう悧巧そうに見え、

「こんなところの女給にしておくのは惜しいもんだ」

と考えるようになったのです。



実際ナオミの顔立ちは、(断って置きますが、私はこれから彼女の名前を片仮名で書くことにします。どうもそうしないと感じが出ないのです)活動女優のメリー・ピクフォードに似た所があって、確かに西洋人じみていました。



これは決して私のひいき眼ではありません。私の妻となっている現在でも、多くの人がそう言うのですから、事実に違いないのです。そして顔立ちばかりでなく、彼女を素っ裸にしてみると、その身体つきが一層西洋人臭いのですが、それは勿論後になって分かったことで、その時分には私もそこまでは知りませんでした。





ただおぼろげに、きっとああいうスタイルなら手足の格好も悪くは無かろうと、着物の着こなし具合から想像していただけでした。

一体十五六の少女の気持ちというものは、肉親の親か姉妹ででもなければ、なかなか分かりにくいものです。

だからカフェにいた頃のナオミの性質がどんなだったかと言われると、どうも私には明瞭な答えが出来ません。

次回に続く

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