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2021年01月26日

「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,32


「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,32





「あーあ、お腹が減っちゃった」

と、ぐったり椅子に体を投げ出す。



どうかすると、晩飯を炊くのが面倒なので、帰り道に洋食屋へ寄って、まるで二人が競争の様にたらふく物をたべッくらする。

ビフテキの後に又ビフテキと、ビフテキの好きな彼女は訳なく三皿ぐらいお代わりをするのでした。



あの歳の夏の、楽しかった思い出を書き記したら際限がありませんからこのくらいにして置きますが、

最後に一つ書き洩らしてならないのは、その時分から私が彼女をお湯へ入れて、手だの足だの背中だのをゴムのスポンジで洗ってやる習慣がついたことです。



これはナオミが睡(ねむ)がったりして銭湯へ行くのを大義がったものですから、海の海水を洗い落とすのに台所で水を浴びたり、行水を使ったりしたのが始まりでした。



「さあナオミちゃん、そのまんま寝ちまったら体がべたべたして仕様がないよ。

洗ってやるからこの盥(たらい)の中へお入り」



と、そう言うと、彼女は、言われるままになっておとなしく私に洗わせていました。

それがだんだん癖になって、涼しい秋の季節が来ても行水は止まず、



もうしまいにはアトリエの隅に西洋風呂や、バスマットを据えて、その周りを衝立で囲って、ずっと冬中洗ってやるようになったのです。





引用書籍

谷崎潤一郎「痴人の愛」

角川文庫刊



次回に続く。



































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