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2016年08月31日

個別指導は子どもに任せる

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アクティブ・ラーニングを始めると、子どもたちは主体的に動き始めるので、教師は比較的自由になります。
そのため、ついつい途中でつまずいている子を見かけると個別指導をしたくなりますが、それはよくありません。
なぜなら、個別指導を全員にすると、時間が全く足りないからです。

練習問題などを解いていると、「わからん!」と手が止まる子が何人も出てきますよね。
私たち教師は、使命感から、この言葉を耳にすると放っておけません。
ついつい、その子の近くに寄っていき、ヒントを出したり、解き方を教え直したりします。

すると、どうなるでしょう?
「次は僕も!」「私も!」と絶え間なく質問の声が聞こえてきませんか?
結局、その子たちのところに順番に回っていくと、途方もない時間が過ぎていったり、最悪の場合は時間切れで教えられなかった子が出てきたりします。

質問をしたい子どもは、先生が来てくれるまでの間は、何をしているでしょうか?
きっと何もしていませんね。
それがどれだけ時間の無駄遣いになるか、想像できますか?
この一斉授業における個別指導システムは、教師の自己満足なだけであって、非常に非効率的な指導法だということがわかります。

では、どうすればいいのでしょうか?
やはり、ここで何度もお伝えした、教え合い・学び合いができるのが一番です。
私たち教師は、教え合いができるためのきっかけ作りに徹します。

Aさんがある問題で困っていると、
「困ったね。○○の問題は、ここから先どう考えればいいんだろうね。」
と、みんなに聞こえるように言います。
すると、近くにいる子が、Aさんに解き方を教えに行きます。

逆に、難しい問題を解けたBさんには、
「○○は難しい問題なのに、よく解けたね!」
と言うと、周りの子が「教えて!」と、声をかけるようになります。

このように、子どもと子どもをつなぐ役割を、授業の中で教師は担うべきなのです。

教師との個別指導に慣れてしまった子は、分からない課題に直面すると、まず先生に助けを求めます。
そうすると、周りで友だちが教えようと声をかけてきても、なかなか応じなくなります。
先生に教えてもらうのが、一番わかりやすいと思ってしまっているからです。
これでは学び合いが成り立たなくなりますので、注意が必要ですね。
そうならないように、普段の授業から、子どもと子どもをつなぐという意識を強く持って声をかけていきましょう。



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2016年08月30日

授業展開ビフォーアフター (コナン型から古畑型へ)

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従来の授業とアクティブ・ラーニング、何が違うのでしょうか?
もちろん違いはいろいろとありますが、一番わかりやすい違いは、授業の進め方です。

従来の授業では、問題が出題されると、まずどう解いていくかをじっくり考え、時間をかけた結果、答えにたどり着くという進め方をしていました。
まるで、トリックをじっくり解き明かしていき、最後の最後に犯人を突き止めていく名探偵コナンの番組を見ているようです。

アクティブ・ラーニングでは、問題の答えは早い段階で分かっています。
展開に重きをおくのは、なぜそのような答えになったかという部分です。
これはまるで、犯人が始めからわかっているが、アリバイ崩しに時間をかけていく古畑任三郎のような進め方ですね。

私たち教師からすると、始めから問題の答えがわかっていたら、子どもたちのやる気が続かないのではないかと心配してしまいます。
だから、お楽しみは最後にとっておいて、少しずつ少しずつ、演出なども考えながら答えに迫っていく授業をしていました。

しかし、それが良い授業だと思っているのは教師の目線であって、子どもからすると本当に良い授業なのかは甚だ疑問です。
特に塾などに通っていて、予め予備知識を豊富に持っている子からすれば、このような授業はかったるい以外の何物でもありません。
何のワクワク感もなく、時間だけが無駄に過ぎていくという感覚になっているのではないでしょうか?
だから、授業中に勝手な行動をとったり、変に騒がしくして妨害したりするという態度をとったりするのではないでしょうか?
「あの子は賢いのに、どうして迷惑ばかりかけるのだろう?」という疑問を持っている方は、コナン型の授業をしているのではありませんか?

古畑型の授業では、答えかはわかっているから子どもたちは安心です。
そのプロセスをいかに友だちに伝えられるかを重視します。
案外、塾などに行っている子でも、答えは出せるけれど、なぜそうなるかは説明できない場合があります。
そういう子たちに、しっかりとした考え方(学力)を身につけさせるためにも、古畑型の授業展開はオススメします。
ポイントは、困っているのにもしっかりと理解させることができる説明方法です。
自分だけが分かる方法では通用しませんし、考えているうちに自分の曖昧な部分にも気がつきます。
そうやって試行錯誤しているうちに、みるみる力をつけていくのが古畑型の授業展開です。

コナン型から古畑型へ、考え方は180°変わります。
はじめは戸惑いもあるかもしれませんが、大切なことです。
本当の力を身につけさせるためにも、しっかり取り組んでいきましょう!



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2016年08月29日

失敗しない課題づくりのコツ

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「テストから課題を作る」
私の苦い経験として、こういうことがあります。

「ある単元の授業をかなりの手応えで終えた後、テストをすると結果がイマイチふるわない…。」

もう、理解不能の事態です。
自分としては、かなりの手応えがあったはずなのです。
計画的に授業を進めて、子どもたちの反応も上々だったのです。
なのに、テストの点数が伸びてこない。

もちろん、教育とはテストの点数が全てではありません。
また、伸ばした力が、すぐにテストに直結するわけではありません。
その点は十分差し引いたとしても、納得のいかない結果になることがあります。
これはもう、長年の疑問でした。

しかし、最近その理由がわかりました。
私は今まで、自分の好き勝手に授業をしていたのです。
大切だと思う部分を自分の判断で設定し、自分の裁量で授業を進めていく。
もちろん、学習指導要領には則って計画は立てていましたが、最終的な評価の部分まで考えて計画はしていませんでした。
なので、テストで出題される部分と、私が力を入れた部分にズレが生じ、結果的に成績がイマイチのまま終わるということだったのです。

子どもたちの習熟度を判断するものの筆頭に挙げられるのは、やはりテストです。
「テストでは判断できない力もある!」と反論をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、全体的な力を知るには、やはりテストが最適かと思っています。

ならば、到達目標をテストに設定するという考え方をすればよかったのです。
単元に入る前にテストに目を通し、どの部分を重点的に押さえるべきなのか。
どのような力を入れつけさせなければいけないのか。
テストを見ていると、自ずとその道筋が見えてきます。
そのゴールに向けて日々の授業を組み立てていけば、自然とテストの成績も上がってきますよね。
もちろん、テストの内容だけしかしなければ、何の深みもない授業になりますので、プラスαで自分の個性をミックスすればいいと思います。
授業の指針をテストに置くという考えで単元を考えれば、教材研究も捗るのではないでしょうか。

アクティブ・ラーニングの課題に関しても同じです。
話し合いや学び合いの結果がテストにつながるように、課題を考えてあげてください。
そう考えると、無限に選択肢がありすぎて迷っていた先生方も、少しは焦点が絞れるのではないでしょうか?
話し合った結果、ここにたどり着かせたい。
教えあった結果、これができるようにさせたい。
テストを熟読することで、見えてくる授業風景があると思います。

テストから課題を作る。
大切な言葉だと思います。



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